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日本人、4人に1人は65歳以上 積極的長寿の促進を

 総務省の人口推計の発表で、65歳以上の人口は2898万人、総人口に占める割合は22.7%と過去最高となった。このうち女性は人口の25.4%(1659万人)、男性は19.9%(1239万人)となり、女性の4人に1人、男性の5人に1人が該当する数字となった。
 
 世帯主が65歳以上で無職の世帯の1ヶ月平均消費支出が約20万6千円。これに対して可処分所得は16万4千円となり、4万2千円足りない。不足分は00年の2万円と比べて倍増している。要因は税金と社会保険料の増加だといい、同省によると「不足分は預貯金などの金融資産の取り崩しなどで賄われている」という。
 
 少子高齢化が本格的に始まった、そんな報道を見聞きするたびに思う。少子化は未来が先細りする問題ではあるが、高齢化そのものは悪いことではない。日本人の長寿化は世界に誇ることのできる話である。問題なのは、社会から疎遠となっていくリタイア世代に対する社会保障の不備にある。
 
 医療崩壊も叫ばれるなか、自治体によってはプールや体操などのリハビリ施設に定期的に参加してもらうことで、多くのリタイヤ世代が元気な町もある。病気や病院ありきの議論ではなく、子供や働き盛りの世代にも通用するような、健康促進プログラムを考える必要がある。
 

 加齢による関節や腰の痛みなどを改善すべく、プール内での運動を行っている施設が愛媛県宇和島市にある「アクアクリニック別当」である。通院患者の8割がひざや腰の痛みと生活習慣病を抱える高齢者で、プールを目的に通っている。筋力や脚力を鍛えることで「寝たきりにならない、介護を必要としない晩年」が目標だ。
 
 院長の釜池豊秋院長は「体操の個々の動きには医学的な裏付けがある。水の負荷で運動する人の力に合わせ、無理なく筋肉を鍛えることができる。ほとんどの腰痛やひざの痛みは筋肉を鍛えれば治る」と強調する。 
 
 同市内の70代の女性は変形性関節症。毎日通院して水中体操をしてきた。「今はほぼ痛みが消え、最高血圧は160から130に下がり、体重も3キロ減った」と喜ぶ。プールから出てきた80代の女性も、神経痛のために杖が必要だが、「運動した後は心地よくて生きる元気がわいてきます」と語る。(99.8.21・読売新聞東京朝刊)

 
 こうした水中療法や温泉療法が効果的であることは医学者の間では知られているが、実際に病院がプールまで用意するとなると経営的に難しい。ゆえに、自治体が持っているプール・温泉施設を積極活用することで、医療費の削減、医療機関の負担軽減、ひいてはリタイヤ世代の長寿につながる。病気になる前の予防を施すことが先決なのである。
 
 つなげて話をするのはおかしいかも知れないが、テニスのクルム伊達公子選手が韓国オープンを制した。スタンドの韓国人観客からは大きな拍手と歓声が送られたとのことである。ソウルに住む韓国人主婦(32)は「40歳近くというのに本当に凄い闘志。あんな力がどこからわいてくるのだろう。ファンになった」と嬉しそうに話した。
 
 復活してからあれよあれよという間に登りつめていくクルム伊達公子だが、どうしても年齢のことに絡めて報じられてしまうのは失礼だと思いつつも、やっぱり凄いことである。一度引退したのにもかかわらず、自分より年下の選手を次々に倒していった。クルム伊達は昨年、「負けず嫌いにブランクはなかった」と述べている。13年前に引退したクルム伊達の活躍は、何か勇気づけてくれるものを感じる。それは”アラフォー”だから凄いのではなくて、リタイアしてから堂々と復活し続けていく姿勢に目を見張るのである。
 
 若いときに華のある時期を送ることができるのは当たり前。そのあと社会が手を差し伸べれば、リタイアした方たちがまだまだ復活し続けるのは決して夢物語ではない。せっかく政権が交代したのだから政府には思い切った改革を望む。手を差しのばせる余裕のある国であるべきだ。
 
  
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★ 女性高齢者の割合、始めて25%超す 男性は5人に1人(朝日新聞・09/9/21)
★ 【テニス】年齢に負けない伊達 韓国人観客から拍手と歓声(産経新聞・09/9/27)
 
 
 

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店に「なぜ捕まえた」 万引き少年を擁護する親たち

 万引きで捕まえられた少年を見たことがある。都内の繁華街にあるCDショップ。私服の警備員に引きずられるように出てきたのは、一見すると普通の子供であった。むしろ私服の警備員があまりにカジュアルな格好をしていて、そちらのほうに驚いた。万引きというのは窃盗罪という立派な犯罪であるが、罪の意識の希薄さが実行した少年のみならず、その保護者にも及んでいる。
 
 「通報されて子供がショックを受けている」、「商品を子供が取れるような場所に置いている店のほうが悪い」、「いくらですか?代金を払えばいいんでしょう?」。万引きした子供の親が、こうした理不尽な苦情を言ってくるケースが増えている。
  
 書店などで作る業界団体「日本出版インフラセンター」の試算では、大手書店14社の万引き被害は年間約40億円。総売上の1.4%に相当する。店側も私服の警備員や万引き防止システムなどを導入するが、大きな書店でなければそこまでコストをかけることも出来ない。本の売り上げは定価の2割程度であることが多く、薄利多売であるのが実情だ。ゆえに万引き被害は書店にとって死活問題となっている。
 
 警察庁によると、今年上半期に万引き(窃盗容疑)で摘発された少年は前年同期比8.2%増の13,726人。うち警視庁が1月から7月に都内で検挙した少年は46.4%増の2,565人で、全国でも群を抜くという。同庁が428人の万引き少年に行った意識調査で、「ゲーム感覚」「(捕まったのは)運が悪かった」との回答が4分の1にのぼった。同庁では「少年だけでなく、保護者を含めた全ての世代に『万引きは犯罪』という認識を持ってもらうことで、他の犯罪抑止につなげたい」としている。
 
 万引きのニュースを聞くと必ず思い出す事件がある。03年1月、神奈川県内の書店で起きた悲劇がそれである。店主は万引きをした中学生の少年を発見。反省の態度を示さなかったことから警察を呼んだ。警官が任意同行を求めたところ少年は逃走。近くの遮断機をくぐったところで電車にはねられて死亡した。
 
 そのあと書店には「人殺し」、「なぜ警察を呼んだ」などの非難が殺到し、店主は一時休店を決定した。その後、書店や新聞社などには非情な非難に対する抗議、店主への激励が寄せられた。
 

「正義という仮面を付けた暴力。自分の姿を見せずに正義のふりをして人を傷つける、そんなやり方が通ってはならない」
 
「記事を見て大変ショックを受けた。非難に負けては万引を助長しかねない。辛いとは思うけれど、営業をずっと続けて欲しい」
 
「自分の息子も万引きを働いた。書店からの連絡で身柄を引き取りに行ったときは情けなくて頬をひっぱたいたが、もっと悪いことを犯す前に早く捕まって良かったと思った」
 
「少年の父親が謝罪したことを知って、立派な父親だと思った」
(以上、読売新聞朝刊・03/2/3)

 
 こうした声に支えられ営業を再開した店主だったが、その5ヶ月後、結局閉店することとなった。店主は再び万引きを目撃、注意することが出来ず「もうどうしてよいか分からなくなった」との理由だった。
 
 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
 
 最近コンビニで買い物をした。家に帰ってレシートを眺めてみると、購入したキュウリ1点がそこには印字されていなかった。正直に言えば、申告すべきかちょっと悩んだが結局後日、コンビニにレシートを持参した上で、事情を説明して店長さんにキュウリの代金を支払った。その額、105円。「なんか万引きしたみたいでいやだったので」というと、店長さんは「いえいえとんでもない、こちらのミスですから」と恐縮されていた。
 
 当たり前のことをしたに過ぎないが、少なくとも、105円くらいいいじゃないかと思って放置していたらきっと後味が悪い。たかだか105円だが、農家のかたに生産されて、運搬されて、町のコンビニに並び、従業員の収入になるもの。そんなふうに考えるとなおざりには出来なかった。
 
 万引き少年を擁護する保護者の中にはこういう者もいるそうだ。「なんで捕まえたんですか。万引きに気付いたなら、通報する前に諭すべきでしょう」。本来、その諭す役目をするのが親である。往生際の悪い人間というのはいつの時代もみっともない。保護者というのは、何でもかんでも保護することではない。降りかかった不運から守ってやることのみならず、脇道にそれてしまったらそれを軌道修正するのも保護することである。
 
 「たかが万引きくらいで」— そのセリフ、寝食を惜しんでペンを走らせている作家の方々の前で言えますか。
 
 
☆ 人生は一冊の書物に似ている。馬鹿者たちはそれはパラパラとめくっているが、賢い人間はそれを念入りに読む。なぜなら、彼はただ一度しかそれを読むことが出来ないのを知っているから。(ジョン・パウル)
 
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★ エコバッグ使った万引が増加 対応に苦慮(本ブログ・09/8/8)
★ 万引き親子に裁判官が苦言(本ブログ・06/6/30)
★ 万引につぶされてしまった本屋(本ブログ・05/6/16)
★ 「店が悪い!」万引現場に”モンスターペアレント”(イザ!・09/9/26)
★ チョコ1個万引で実刑 罰金刑から一転、仙台高裁(イザ!・09/9/8)
 
 

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八ツ場ダム中止で失うもの、お金ともう1つ

 藤井裕久財務相は大臣就任会見時に「マニフェスト(政権公約)を守ることが一番大切」と述べていた。単純に納得したが、その単純な公約がこれまで守られず、国民が裏切られたとの思いがあるから政権は交代したのだろう。聞こえのよい公約が並ぶが、その一つが八ッ場(やんば)ダム建設中止問題である。
 
 前原国土交通相は23日、八ッ場ダム建設中止を表明してから初めて群馬県長野原町のダム建設予定地を視察した。現地には大沢正明・群馬県知事、高山欣也・長野原町長らが出向いた。前原国交相は、首長らを前に「政策の変更で、皆さんにご迷惑をかけ、素直にお詫び申し上げます」と謝罪した。住民への補償や生活再建などを実施する新法制定の考えを示したが、「中止を白紙にするつもりはない」とし、就任以来の「ダム建設中止」の姿勢を変えることはなかった。
 
 地元住民との意見交換会も予定されていたが、「建設中止ありきの話し合いには応じない」。旅館経営者などは「連休の書き入れ時に手が離せない」として誰も参加しなかった。
 
 もともと、長野原町の人たちはダム建設反対派が多数を占めていた。建設予定地では昭和27年にダム計画が持ち上がり、名勝地である吾妻渓谷の一部や、川原湯温泉が水没することから反対運動が始まったのだ。賛成派と反対派は小さな町を二分した。親戚同士がいがみ合い、隣近所同士が敵対し、町を出て行く人もいたのである。その後の昭和62年、ダム建設反対運動に疲れた住民は、国の現地調査を受け入れることにした。
 
 ダムの総事業費は4600億円。うち3210億円がすでに使われた。建設を中止すれば、残されたダム本体工事関連費620億円については削減できる。当然ダム維持費用も不要になる。
 
 しかし建設を中止した場合、水の供給を目的に事業費を拠出した下流の1都5県に対して費用を返還しなければならなくなる。石原都知事も「当然、返還請求しますよ」と公言している。その総額は1460億円。加えて地元住民に対する今年度以降の生活再建関連費770億円も必要となる。合計2230億円。
 
 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
 
 国連での演説で鳩山首相は「90年比で25%のCO2を削減する」と演説すると、会場からは拍手が起こった。サルコジ仏大統領、タンザニア環境相、パン・ギムン国連事務総長が鳩山首相の演説を賞賛した。
 
 ダムにしろ、環境問題にしろ、高速道路無料化にしろ、あまりに聞こえの良い文言が並ぶ上でどうも納得のいかないことがある。具体的な代替原資はどこから捻出するかということだ。無駄を減らせば浮くお金があるとのことだが、どうも安易に納得が出来ない。
 
 例えるならば、平置きされている「民主党マニフェスト」という名の本の帯に景気のいい文言があったがうえに、「話題の新刊」だったからつい手にしてしまった、そういうことにはならないだろうか。
 
 八ッ場ダム中止と建設のどちらが無駄になるのか。いずれにせよ、お金以外でもう1つ、すでに無駄になっているのが「時間」である。長野原町民は57年間もこの問題と対峙してきた。旅館を経営する人は古くなった建物を改築したいが、ダムの有無により移転するのかしないのかを決めなくてはならない。それが未だに決められないでいる。「何でいまさら」「国の都合で」という声が聞こえてくる。造る、造らないで翻弄されてきた町民のかたがたの時間は1秒1秒、今も時を刻んでいる。建設予定地には無駄になっている時間が蓄積されている気がする。
 
 政府が大切にすべきは国民であり、国を動かすのに必要な税金をいかに効率よく使うかにかかっている。そして、時間や空間・環境といった無形の財産にも目を向けるのが政治がすべき”イニシアチブ”である。民主党の皆さん、自己満足のためのマニフェストなら今すぐやめてください。
 
 
☆ この世の大きな脅威は、何でも変えたがる人々…あるいは何も変えようとしない人々である。(Nancy Astor)
 
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★ 【八ッ場ダム】前原国交相が視察 地元の中止白紙撤回に「戻すつもりはない」(産経新聞・09/9/23)★ 鳩山首相が国連で「温室効果ガス25%削減」を表明(産経新聞・09/9/22)
 
 

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昨今の事故にみる「山岳救助警備隊」の存在

 今年は山の事故のニュースを多く見聞きしている感じがある。北海道では登山ガイドの適切な判断が行われなかったために死者を出した。岐阜県高山市の奥穂高岳では、救出に向かった県防災ヘリが墜落する事故があり、群馬県内では「クレヨンしんちゃん」の作者である臼井儀人さんが滑落死した。あまり報道されていないものも含めれば、毎年多くの人が遭難、行方不明になっているのだろう。
 
 山で遭難すると、一般にはその山を管轄する都道府県警の山岳警備(救助)隊などが出動、自前のヘリで救出に向かうことになるが、警察人員だけでは足りない場合、特に徒歩での捜索となると民間の救助隊員や民間ヘリなども使うことがある。警察や消防ではないので、こうした捜索には費用がかかる。
 
 日本は国土のほとんどを山岳地帯が占める。それだけにこうした救助活動に従事する人たちの存在は心強い。日本は魅力的な山が多いことに加え、近年の登山ブームで気軽に山の頂を目指す人が増えた。しかし、一見すると穏やかな山も時に自然の力を人間に見せつけることがある。朝まで穏やかだった山が突然牙をむくことで、滑落や遭難などの危険に巻き込まれる。
 
 こうした状況に対応できるように、各都道府県警には山岳救助専門部隊が存在する。例えば東京の場合、西多摩郡奥多摩町を管轄する青梅署には山岳救助隊があり、檜原村などを管轄する五日市署にも存在する。通常はそれぞれ配属署での勤務をしているが、ひとたび山岳事故が起きれば山岳救助隊員となって現場に向かう。同様のことが他道府県警の所轄署にも言える。
 
 さらに機動的に組織されているのが、長野県警山岳遭難救助隊、富山県警、岐阜県警の山岳警備隊だ。こちらは山荘などにある派出所に隊員が常駐しており、事件事故に対応する体制を整えている。隊員と言っても無作為に選抜されたわけではなく、山岳経験があり、山岳警備を希望する警察官がその任務を担う。当然のことながら、日々厳しいトレーニングを積んでおり、一般登山者の登山技術よりも高くなければいけない。救護者を背負ったフリークライミングや、絶壁での救助活動などは訓練なしにはできないことである。
 
 富山県警によると、08年の遭難件数は133件、遭難者数は159人で過去最悪だった。こうした状況に対応すべく、今年の4月、山岳警備隊指導官として西本隆夫警部(60)を再任用した。天候不良でヘリが出動できない場合の救助活動について、若い隊員に指導するという。
 
 富山県警山岳警備隊は国内でも随一の救助力があるとされる。登山者の間では山の県境で落ちそうになったら「富山県側に遭難しろ」との合い言葉があるほどだとか。(参考・ウィキペディア)
 
 警察にしろ消防にしろ地元の山岳会員にしろ、こうした活動をしてくれるというのは本当に心強いことである。
 
 しかし同時に考えなくてはならないことがある。
 
 前のエントリにも書いたが、入念な登山計画もなく、登山に必要な装備も持たずにハイキング気分で登山に臨むことは大変危険なことである。そして遭難者を救助するにはどれだけのコストがかかるか考えた方がよい。
 
 ヘリを1回飛ばすのでも燃料費はただじゃない。警察や消防などの救助で全て終われば税金で賄われるために費用はかからないが、民間の山岳捜索団体やヘリに依頼することになると、捜索隊員1人あたりの日当が夏山で1〜2万、冬山で3万円、それに加え、岩山などの危険手当が1.5万円、日没夜間手当が1万円、捜索に伴う宿泊や交通費は実費が請求される。ヘリが1分1万円が目安で1往復で100万円以上かかることになる。金額はあくまで目安である。
 
 警察の救助がままならないときに、家族に承諾を得て民間の力を借りることになるが、山岳保険、登山保険などの商品があるようなので、登山が趣味の場合は加入をおすすめしたい。
 
 お金の話になってしまったが、救助する人たちは当然危険な場所にわざわざ出向くわけであり、相当のリスクを覚悟して任務に就く。厳しい訓練をしているとはいえ、富山県警では2人の殉職者を出している。楽しい登山も1つ間違えれば大事故に繋がり、多大な迷惑を他人にかけることになる。
 
 あのエベレストも登山者の1割は下山しないままになっているという。エベレストから遺体を搬送することが出来ないので、多くは凍結したままになっている。
 
 今は自然が優しく迎えてくれるシーズンかも知れないが、遠くから見る山と直接足を踏み入れる山では景色が違う。その頂きに登りつめたときの達成感を味わうためにも、ぜひ登山情報には気をつけて欲しいところだ。そうすれば自然の恵みが大きく登山者を包み込んでくれることだろう。
 
 
☆ 「僕はずっと山に登りたいと思っている。……でも明日にしよう」おそらくあなたは永遠に登らないでしょう(レオ・ブスカリア)
 
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★ ヘリ墜落現場付近で男性重体 岐阜・高山 奥穂高岳 高所での救助経験はあった?(本ブログ・09/9/13)
★ 登山中のもしものために、山岳保険(All About・05/4/7)
★ 富山県警察山岳情報
★ 長野県警察山岳 山岳情報
★ 北アルプス秋山情報(岐阜県警察本部)
 
 

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30年前の女児殺害、異例のDNA再鑑定へ 栃木県警(2009.9.22)

 1990年5月12日、栃木県足利市のパチンコ店の駐車場から女児が行方不明になり、後に犯人として菅谷利和さん(62)逮捕されて服役し、今年冤罪であることが分かった「足利事件」。この事件の11年前の1979年8月に、足利市内で福島万弥ちゃん(当時5)が絞殺体で見つかった事件について、栃木県警は遺留品の付着物についてDNA鑑定を実施することが分かった。時効となった事件について同鑑定などの再捜査をするのは異例。
 
 栃木県警によると、万弥ちゃんの父親の譲さん(55)が7月、万弥ちゃん事件の遺留品のDNA再鑑定実施を求める嘆願書を県警本部長に提出していた。足利事件の鑑定で判明した真犯人とみられるDNAとの照合も求めている。県警では「遺族の心情などを含め総合的に判断した」とコメントしている。
 
 万弥ちゃんは79年8月3日、神社に遊びに行っていた後に行方不明になり、6日後に渡良瀬川河川敷でリュックサックに詰め込まれた絞殺体で見つかった。栃木県警は足利事件で逮捕した菅谷さんを万弥ちゃん事件などでも再逮捕したが、宇都宮地検が「犯行を立証する決め手がない」として不起訴処分とした。
 
 当時足利市周辺では、女児が相次いで殺害される事件が相次いだが、いずれも未解決のまま公訴時効を迎えている。
・ 1984年11月17日、足利市内で長谷部有美ちゃん(5)がパチンコ店にて行方不明。1年4ヶ月後に自宅から1.7キロ離れた畑で白骨体で見つかる。死因は窒息死。
 
・ 1987年9月15日、足利市中心から約15キロの群馬県尾島町の大沢朋子ちゃん(8)が自宅を出たまま行方不明。翌年11月27日、自宅から約2キロ離れた町内の利根川河川敷で白骨体で見つかる。
 
・ 1990年5月13日、足利市内で松田真実ちゃん(4)が父親に連れられてパチンコ店で遊んでいるうちに行方不明。翌日、渡良瀬川河川敷で絞殺体で見つかる。
 
 真犯人は今どこで何をしているのか。幼い命の無念さが聞こえてくるようである。当時は変質者の犯行とみられていたが、有力な手がかりは得られなかった。時効を迎えた事件については捜査の進展は望めない。それでも何らかの真実に近づけたら、そんな思いが遺族にはあったのであろう。改めて、被害者である幼い命の冥福を祈るばかりである。
 
 
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★ 【足利事件】30年前の女児殺害事件、異例のDNA鑑定へ 栃木県警(産経新聞・09/9/22)
★ 時効の足利5歳児殺害、遺留品DNA鑑定へ(読売新聞・09/9/22)
★ 30年前の女児殺害、DNA鑑定へ=遺族の求めに応じる 足利事件・栃木県警(時事通信・09/9/22)
 
 

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ヘリ墜落現場付近で男性重体 岐阜・高山 奥穂高岳 高所での救助経験はあった?

 13日午前6時5分ごろ、岐阜県高山市奥飛騨温泉郷神坂の北アルプス奥穂高岳の穂高岳山荘(2983メートル)から「登山者が登山道から転落している」と岐阜県警高山署に連絡があった。
 
 山荘の従業員が滑落現場に向かうと、登山道から約10メートル下の岩場に40歳くらいの男性が倒れており、山荘に収容したが心肺停止状態だという。付近はガスがかかっており、県警は天候が回復次第、県警ヘリで収容する予定。
 
 男性が倒れていたのは、11日に県防災ヘリ「若鮎2」が墜落した現場から北に400メートルほどの地点だった。
  
 11日の事故では、3190メートルある北アルプス奥穂高岳に向かった「若鮎2」が3000メートルを超える山岳地帯での救助経験がなかったことが明らかになっている。通常、山岳救助の通報時には県防災航空センターが岐阜県警察航空隊と調整、どちらが出動するかを決めることになっている。現場が11日の事故時のような険しい場所の場合、これまで県の防災ヘリが現場に向かったことはなかった。
 
 若鮎2号も導入以来、山のふもとに救助に向かったことはあるが、3000メートル以上でホバリングして救助した経験はなかったという。しかし、この「若鮎2号」は01年1月6日に岐阜県警のヘリとして出動、今回の現場である奥穂高岳や西穂高岳(2908メートル)で計6人を救助している。そのときの話が当時の読売新聞に記者と県警航空隊員との会話形式で記されている。隊員は「こんな怖い思いをしたのは初めて」と語り、山にへばりついている登山者を見て「一刻の猶予もないと思った」と語っている。(※1)
 
 県の鈴木・防災対策監は「警察航空隊から『警察に直接通報がなければ出動できない』と説明があった」としており、「一刻を争う事態だったので出動した」と述べた。県警は「事実関係を確認する」としている。11日の事故について国交省の航空事故調査委員会の調査官は「回転翼が山のどこかに当たった可能性がある」と指摘した。
 
 一般に3000メートルの高さでのホバリングは難しいとされる。通常は80%のエンジン出力で停止を保てるが、強風などの場合はほとんどエンジンを動かさないこともある。それでも1トン近い機体が風の力でコントロールが難しくなる。強風ゆえに後部ローターなどが山肌に接触する危険もあれば、風にきりもみされたために後部が折れてしまうこともある。そのため、悪天候の場合はやむなく救助活動をしないという。
 
 岐阜県によると、若鮎1号と2号の昨年度の緊急運航実績は、前年度比で7件増えて215件と過去最多となった。救急搬送活動が142件で最も多く、次いで山岳遭難などの救助活動が52件、林野火災など火災防御活動16件などとなっている。救急搬送では、飛騨地域76件、中濃地域37件と山間部の多い地域が8割を占め、捜索救助活動では河川での水難事故と山岳遭難・事故がいずれも24件で最多となった。(※2)
  
 
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★ 救助ヘリが山中に墜落、3人死亡 2人は間一髪 岐阜・高山(本ブログ・09/9/11)
★ へり墜落現場から400m、男性滑落し心肺停止(読売新聞・09/9/13)
★ ヘリ墜落;遭難救助、3000M超経験なし 若鮎2号(毎日新聞・09/9/13)
★ 回転翼が山に接触か 岐阜ヘリ事故で調査官見解(イザ!・09/9/12)
★ 55歳で警備会社から警察官へ ヘリ操縦士・西窪茂男さん(イザ!・09/9/3)
(※1)参考=読売新聞中部朝刊・01/1/7、23 (※2)参考=読売新聞中部朝刊・09/6/5)
 
 

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吉祥寺のエリアはどこからどこまで? 都市伝説にみる”吉祥寺”

 かつて東京都練馬・杉並区民で、現在は武蔵野市民であるので気になる。毎年「東京で住みたいまち第1位」になっている吉祥寺。都市伝説に「吉祥寺は日本一美容院が多い」というのがある。美容院の情報を紹介するサイト「ホットペッパー ビューティー」(リクルート)によると、8月末現在で、原宿54軒、銀座61軒、そして69軒が吉祥寺であるという。原宿は多いとは思っていたが、それを上回るとは知らなかった。しかし、吉祥寺のエリアがどこからどこまでなのかという線引きが難しい。
 
 「吉祥寺」という地名の付く町名は「吉祥寺本町」「吉祥寺東町」「吉祥寺南町」「吉祥寺北町」だ。しかしそれら町名と隣接している武蔵野市御殿山、練馬区立野町、杉並区善福寺2丁目、同西荻北4丁目、同松庵、三鷹市井の頭3、4、5丁目、同下連雀1丁目あたりも「吉祥寺エリア」として店舗などが紹介されることがある。都立井の頭公園はそのほとんどが三鷹市井の頭だが「吉祥寺エリア」と認識されているといって間違いない。
 
◆「吉祥寺北町5丁目」の住民
 
 該当する住民のかたには悪いが、吉祥寺北町5丁目ともなると最北部でJR吉祥寺駅と西隣の三鷹駅から地図上を物さしで測って約30センチである。ITの時代に紙の地図を物さしで測る私もどうかしているが、時代にふさわしくグーグルマップでルート検索すると吉祥寺駅まで道のり3.3キロ、三鷹駅で同2.6キロだ。はっきり言って北町5丁目のかたは北部にある練馬区内・西武新宿線武蔵関・東伏見の両駅のほうが近い。何故かまたまた物さしで測るとどっちも約7センチだ。道のりにするとどちらの駅までも約1.6キロ。意味はないがマイル換算すると1マイルだ。
●目視で分かる、吉祥寺北町5丁目最北部(中央部B地点)からJR線、西武線への位置関係(Googleマップより)● 
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◆「練馬区立野町」の立場
 

 
 悩ましいのが練馬区立野町の立場だ。上記地図を見ていただくと分かるが、地図としては夏休みの宿題的に最悪の出来だ。いや、そうじゃなくて、南西部が武蔵野市(む)、東部が杉並区(す)に接しており、逆二等辺三角形の立野町が両市区に食い込む形で存在する。練馬区は東京23区内でも広い方だが、立野町と大泉学園町、光が丘、東武練馬駅周辺、中村などでは町の雰囲気がまるで違う。イタリアとノルウェーほど違う。行ったことないけど。
 
 立野町の中心部には吉祥寺通りが縦貫しており、吉祥寺駅に行くのは極めて容易である。不動産屋チックに「吉祥寺」と名の付く建物を探してみるとあった。それだけみても、立野町は武蔵野市に編入してもいいんじゃないかと思うほど吉祥寺エリアと言っていいかもしれない。吉祥寺北町5丁目のかたよりも吉祥寺駅には近いのは目視で分かる。北町5丁目のかたに恨みはありません。
 
 ところで大きなお世話だが、立野町の住民のかたは「練馬区民」という認識があるのかどうか聞いてみたい。ちなみに下の地図は練馬区全域。雑だけど許して。途中でマウスを持つ手がけいれんして、右側に変な線が出来た。突っ込んでしまった中野区に申し訳ない。左下、つまり南西部に赤く記してあるのが立野町。
 

 
◆ 吉祥寺とは関係ないが「練馬区西大泉町」の貴重な存在
 
 ダイナミックに余談だが、練馬区には面白い地区がある。西大泉町がそれだ。何が面白いかというと、東京23区では珍しく「飛び地」になっている。西大泉町の周りは埼玉県新座市片山3丁目である。7世帯人口18人。74年まで新座市も練馬区も飛び地である同地区の存在を知らなかった。飛び地になった理由は不明で練馬区も新座市も知らない。
 
 新座市片山の町内会が不便だから新座市に編入して欲しいと要望。練馬区と新座市は同地区を新座市に編入することで合意したが、西大泉町の住民が反対。「我々は都民であり区民である」と主張しているかどうかは不明。全員の承諾がないと編入できないので、練馬区西大泉町1179番地という住所表記はまだこれからも続くようだ。番地表記で終わるのも23区内では恐らく唯一のこと。
 
 西大泉町の市外局番は東京23区なのに「048」、すなわち新座市の市外局番である。もしここの地区で事件・事故が起きたら出動するのは警視庁なのか埼玉県警なのかも悩ましい。全国、全世界にはこうした飛び地が多数存在するので、興味のあるかたは調べてみてください。
◆ 「武蔵野市御殿山」
 
 御殿山1丁目だと吉祥寺エリアと呼べるかも知れないが、その西にある2丁目となると難しい。特に御殿山2丁目20、21番地となると、目の鼻の先にJR三鷹駅がある。吉祥寺を名乗るなら御殿山1丁目限定か。御殿山地区は緑も多く静かであり、吉祥寺・三鷹に左右されずに住んでみたいと思うエリアだ。建物名に「吉祥寺」を施したものは見つけられなかった。それどころか「御殿山」のついた建物が多い。響きがいいですね、御殿山。
◆ 「杉並区善福寺、西荻北、松庵、久我山」
 
 上記町名の一部は武蔵野市と接しているが、このエリアに住んでいる人は吉祥寺というよりも、杉並区民という認識が高いと思われる。ただ、吉祥寺に行くことは容易で善福寺2丁目にある東京女子大学の学生さんはバスで西荻窪駅か吉祥寺駅を利用している。松庵に住んでいるかたは、五日市街道や井の頭通りを使って吉祥寺にアクセスするのは簡単だ。 
●武蔵野市に隣接する杉並区の町名(グーグルマップより)

 
◆ 「三鷹市井の頭」
 
 友人が井の頭3丁目に住んでおり、最寄り駅は京王井の頭線「井の頭公園駅」なのだが、吉祥寺に行くときは歩くという。確かに歩ける距離だし、何といっても井の頭公園があるので歩きたくなる。静かなエリアであるが、道幅が狭くて車での通行が困難なところが多い。こちらの建物は「吉祥寺」ではなく、「井の頭」を建物名に使っているところが多いようだ。
 
●三鷹市井の頭5、4,3丁目付近(グーグルマップより)

 ということで、吉祥寺に住んでいると、「吉祥寺に住みたいけど、家賃っていくらくらい?」と聞かれて困るのだ。予算を気にしなければいくらでもあるが、基本的に高めに設定してある。自転車やバスを使うことで吉祥寺を最寄り駅にするのであれば、物件探しに困ることはないだろう。その場合は前述の杉並区内、三鷹市内の町名を覚えておいてください。他にも三鷹市牟礼、武蔵野市中町2、3丁目も吉祥寺エリアになるだろう。
 
 ところで「吉祥寺に美容院が多い」かどうかという点だが、確かに多い。見上げれば美容院、振り向けば美容院、間違えて美容院っていうくらいに沢山ある。美容師さんに聞いたが、「確かに多いが出入りも激しい」とのことで、特にこの時期はどこの美容院も苦戦を強いられているのではないでしょうか。
 
 今日は近所で「ソイヤーソイヤー」の威勢のよい声が聞こえてきます。お祭りですね。暑い夏も一段落して、秋の風物詩が町を活気づけます。吉祥寺の魅力は「町」と「街」が混在しているところにあるのです。
 
 
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★ 首都圏で住んでみたい街は吉祥寺、子育ては新浦安(産経新聞・09/9/18)
★ 【都市伝説を追う】 吉祥寺は”日本一美容院が多い街”なのか?(イザ!・09/9/13)
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裾野市役所地下に大空洞 穴埋め工事へ 他にもある空洞問題

 静岡県裾野市役所の地下に巨大な空洞があり、役所の通常業務をしながら耐震補強する工事を施すことになった。空洞の存在は75年のボーリング調査で分かっていたが、庁舎建設の代替地がなかったことに加えて、安全性には問題がないと専門家からのお墨付きも出たことから計画通りに着工した。
 
 しかし、05年の耐震診断では、老朽化のために大地震発生時に相当な損傷を受ける可能性のあることが判明。空洞をモルタルで埋めて耐震補強する工事が決定した。鈴木副市長は「前例のない工事で全国から注目されている。速やかに工事を行い、市民を守る拠点にしたい」と話す。
 
 この空洞は、富士山の溶岩流が冷えて固まる過程で生じた。庁舎の地下5〜10メートル付近に1つ、さらに深い10〜15メートル付近に1つの空洞が層状に重なっている。大きさは東西70メートル、南北が10〜15メートル、高さは0.5〜2.5メートルで、同市から三島市周辺の地下一帯は同様の空洞が散在するという。
 
 しかし、空洞問題で深刻な場所が岐阜県にある。
 
 岐阜県御嵩町はかつて亜炭採掘の場所として栄えていた。亜炭は石油が主燃料とされる前に燃料として使われていた。1957年には炭鉱数124、年間43万トンを生産し、国内有数の産地だった。しかし違法な採掘も多くあったとされ、現在散在する空洞は深いところで100メートル、広さは6平方キロメートルに及び、面積は町の1割に相当、しかも中心部に集中している。
 
 そのために町の至る所で陥没が発生。一気に陥没するわけではないが、小さい陥没が起きてから徐々に大きく落ちていく「ツボ抜け」と呼ばれる状態だ。かつては石炭や亜炭の採掘が起因する陥没に対して国から補償があり、御嵩町では農地や家屋など182件、約25億円が支出された。
 
 しかしこの補償政策である「臨時石炭鉱害復旧法」は02年3月で期限が切れた。現在も町の至る所で空洞は存在し陥没の危険がある。地元不動産業者も「土地が売れない」と嘆いているが、町が憂慮しているのは「東海地震」だ。岐阜県御嵩町は県南部に位置し、愛知県や静岡県に近い。震度5強の地震でも空洞の大半が陥没するといわれており、町は土などを流し込む計画を立てているが、町の予算では限界があり、国に救済を求めている。
 
 
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★ 市庁舎の地下に大空洞!業務しつつ穴埋めへ(読売新聞・09/9/12)
★ 東京都内の国道地下に空洞 道路保全技術センターがずさん調査(産経新聞・09/8/5) 
※「御嵩町問題」参考=読売新聞中部朝刊・05/4/23
 
 

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