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ヘリ墜落現場付近で男性重体 岐阜・高山 奥穂高岳 高所での救助経験はあった?

 13日午前6時5分ごろ、岐阜県高山市奥飛騨温泉郷神坂の北アルプス奥穂高岳の穂高岳山荘(2983メートル)から「登山者が登山道から転落している」と岐阜県警高山署に連絡があった。
 
 山荘の従業員が滑落現場に向かうと、登山道から約10メートル下の岩場に40歳くらいの男性が倒れており、山荘に収容したが心肺停止状態だという。付近はガスがかかっており、県警は天候が回復次第、県警ヘリで収容する予定。
 
 男性が倒れていたのは、11日に県防災ヘリ「若鮎2」が墜落した現場から北に400メートルほどの地点だった。
  
 11日の事故では、3190メートルある北アルプス奥穂高岳に向かった「若鮎2」が3000メートルを超える山岳地帯での救助経験がなかったことが明らかになっている。通常、山岳救助の通報時には県防災航空センターが岐阜県警察航空隊と調整、どちらが出動するかを決めることになっている。現場が11日の事故時のような険しい場所の場合、これまで県の防災ヘリが現場に向かったことはなかった。
 
 若鮎2号も導入以来、山のふもとに救助に向かったことはあるが、3000メートル以上でホバリングして救助した経験はなかったという。しかし、この「若鮎2号」は01年1月6日に岐阜県警のヘリとして出動、今回の現場である奥穂高岳や西穂高岳(2908メートル)で計6人を救助している。そのときの話が当時の読売新聞に記者と県警航空隊員との会話形式で記されている。隊員は「こんな怖い思いをしたのは初めて」と語り、山にへばりついている登山者を見て「一刻の猶予もないと思った」と語っている。(※1)
 
 県の鈴木・防災対策監は「警察航空隊から『警察に直接通報がなければ出動できない』と説明があった」としており、「一刻を争う事態だったので出動した」と述べた。県警は「事実関係を確認する」としている。11日の事故について国交省の航空事故調査委員会の調査官は「回転翼が山のどこかに当たった可能性がある」と指摘した。
 
 一般に3000メートルの高さでのホバリングは難しいとされる。通常は80%のエンジン出力で停止を保てるが、強風などの場合はほとんどエンジンを動かさないこともある。それでも1トン近い機体が風の力でコントロールが難しくなる。強風ゆえに後部ローターなどが山肌に接触する危険もあれば、風にきりもみされたために後部が折れてしまうこともある。そのため、悪天候の場合はやむなく救助活動をしないという。
 
 岐阜県によると、若鮎1号と2号の昨年度の緊急運航実績は、前年度比で7件増えて215件と過去最多となった。救急搬送活動が142件で最も多く、次いで山岳遭難などの救助活動が52件、林野火災など火災防御活動16件などとなっている。救急搬送では、飛騨地域76件、中濃地域37件と山間部の多い地域が8割を占め、捜索救助活動では河川での水難事故と山岳遭難・事故がいずれも24件で最多となった。(※2)
  
 
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(※1)参考=読売新聞中部朝刊・01/1/7、23 (※2)参考=読売新聞中部朝刊・09/6/5)
 
 

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