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日本人、4人に1人は65歳以上 積極的長寿の促進を

 総務省の人口推計の発表で、65歳以上の人口は2898万人、総人口に占める割合は22.7%と過去最高となった。このうち女性は人口の25.4%(1659万人)、男性は19.9%(1239万人)となり、女性の4人に1人、男性の5人に1人が該当する数字となった。
 
 世帯主が65歳以上で無職の世帯の1ヶ月平均消費支出が約20万6千円。これに対して可処分所得は16万4千円となり、4万2千円足りない。不足分は00年の2万円と比べて倍増している。要因は税金と社会保険料の増加だといい、同省によると「不足分は預貯金などの金融資産の取り崩しなどで賄われている」という。
 
 少子高齢化が本格的に始まった、そんな報道を見聞きするたびに思う。少子化は未来が先細りする問題ではあるが、高齢化そのものは悪いことではない。日本人の長寿化は世界に誇ることのできる話である。問題なのは、社会から疎遠となっていくリタイア世代に対する社会保障の不備にある。
 
 医療崩壊も叫ばれるなか、自治体によってはプールや体操などのリハビリ施設に定期的に参加してもらうことで、多くのリタイヤ世代が元気な町もある。病気や病院ありきの議論ではなく、子供や働き盛りの世代にも通用するような、健康促進プログラムを考える必要がある。
 

 加齢による関節や腰の痛みなどを改善すべく、プール内での運動を行っている施設が愛媛県宇和島市にある「アクアクリニック別当」である。通院患者の8割がひざや腰の痛みと生活習慣病を抱える高齢者で、プールを目的に通っている。筋力や脚力を鍛えることで「寝たきりにならない、介護を必要としない晩年」が目標だ。
 
 院長の釜池豊秋院長は「体操の個々の動きには医学的な裏付けがある。水の負荷で運動する人の力に合わせ、無理なく筋肉を鍛えることができる。ほとんどの腰痛やひざの痛みは筋肉を鍛えれば治る」と強調する。 
 
 同市内の70代の女性は変形性関節症。毎日通院して水中体操をしてきた。「今はほぼ痛みが消え、最高血圧は160から130に下がり、体重も3キロ減った」と喜ぶ。プールから出てきた80代の女性も、神経痛のために杖が必要だが、「運動した後は心地よくて生きる元気がわいてきます」と語る。(99.8.21・読売新聞東京朝刊)

 
 こうした水中療法や温泉療法が効果的であることは医学者の間では知られているが、実際に病院がプールまで用意するとなると経営的に難しい。ゆえに、自治体が持っているプール・温泉施設を積極活用することで、医療費の削減、医療機関の負担軽減、ひいてはリタイヤ世代の長寿につながる。病気になる前の予防を施すことが先決なのである。
 
 つなげて話をするのはおかしいかも知れないが、テニスのクルム伊達公子選手が韓国オープンを制した。スタンドの韓国人観客からは大きな拍手と歓声が送られたとのことである。ソウルに住む韓国人主婦(32)は「40歳近くというのに本当に凄い闘志。あんな力がどこからわいてくるのだろう。ファンになった」と嬉しそうに話した。
 
 復活してからあれよあれよという間に登りつめていくクルム伊達公子だが、どうしても年齢のことに絡めて報じられてしまうのは失礼だと思いつつも、やっぱり凄いことである。一度引退したのにもかかわらず、自分より年下の選手を次々に倒していった。クルム伊達は昨年、「負けず嫌いにブランクはなかった」と述べている。13年前に引退したクルム伊達の活躍は、何か勇気づけてくれるものを感じる。それは”アラフォー”だから凄いのではなくて、リタイアしてから堂々と復活し続けていく姿勢に目を見張るのである。
 
 若いときに華のある時期を送ることができるのは当たり前。そのあと社会が手を差し伸べれば、リタイアした方たちがまだまだ復活し続けるのは決して夢物語ではない。せっかく政権が交代したのだから政府には思い切った改革を望む。手を差しのばせる余裕のある国であるべきだ。
 
  
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★ 女性高齢者の割合、始めて25%超す 男性は5人に1人(朝日新聞・09/9/21)
★ 【テニス】年齢に負けない伊達 韓国人観客から拍手と歓声(産経新聞・09/9/27)
 
 
 

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主婦が強盗をともえ投げで逮捕 大阪・福島区

 
 15日午前6時半ごろ、大阪市福島区福島1の路上で、停車中の軽自動車に乗り込んで走り去ろうとした男を、自動車の所有者の主婦(45)が発見。運転席から引きずり出して格闘、顔面を殴られながらも、ともえ投げで投げ飛ばして取り押さえた。大阪府警福島署は強盗致傷の現行犯で住所不定、職業不詳の男(24)を逮捕した。容疑を否認している。
 
 お手柄の主婦は大阪府大東市の山内麻理子さんで、空手3段の腕前で20年前から始めたという。顔や腹部を数回殴られて軽傷を負ったが、1〜2分間の格闘の末に取り押さえた。福島署員が駆けつけると、容疑者を羽交い締めにしていたという。
 
 山内さんはスポーツジムに行く途中で、ジムが開店するまで友人とストレッチをしていた。男は身長173センチ、山内さんは175センチ。山内さんは、「負ける気がしなかった。相手にけがをさせるので手加減した」と話している。
 
 大阪での武勇伝は5日にもあった。大阪市北区太融寺町の路上でマッサージ師の女性(24)が自転車の男に財布をひったくられた。女性は10センチのヒールの靴で走って追跡。自転車の荷台に追いつき3メートルほど引きずられたところで自転車が倒れた。一緒にいた友人の女性(26)が「捕まえて、ひったくり!」と叫ぶと、通行人の男性3、4人が追いかけて男を逮捕した。
 
 窃盗の現行犯で府警曽根崎署に逮捕されたのは、住所不定の無職の男(34)。女性は「無心で追っかけた。梅田の街も捨てたもんじゃない。きちんとお礼を言えなかった人もいたので、改めてお礼を言いたい」と話した。
 
 ひったくりが多いという汚名を着せられている大阪ですが、こういう人たちが目を光らせている限り、梅田も大阪も捨てたものじゃないと思います。汚名返上の日が来るかも知れませんね。でもあまり無理はしないようにお気を付けて。
  
 
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★ 警備という仕事(本ブログ・05/11/16)
★ 強盗傷害:主婦がともえ投げで男を取り押さえる 大阪(毎日新聞・09/9/15)
★ ひったくり、10センチのヒールで追っかけ 24歳女性(朝日新聞・09/9/5)
 
 

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南アフリカのキャスター・セメンヤ選手、両性具有と判明→女性として陸上界へ復帰

 
 8月にベルリンで行われた陸上の世界選手権女子800メートルで優勝した、南アフリカのキャスター・セメンヤ選手(18)が男女両方の生殖器を持つ両性具有だと分かった。国際陸上連盟が性別疑惑に対して調査しており、血液や染色体、婦人科の検査を行った結果判明した。オーストラリア紙が11日に一斉に伝えた。
 
 同選手は外見や声が低いなど、男性的な部分を指摘されていたが、優勝後もインタビューに答えることなくコースを後にしたことから「性別疑惑」が浮上していた。
 
 セメンヤ選手には卵巣が無く、男性ホルモンのテストステロンを大量に分泌する精巣が体内にあるという。セメンヤ選手は出生証明書では女性でありながら、幼少期から男性的な身体能力があると指摘された。
 
 国際陸連は最終的な結果を基に対応を検討するが、セメンヤ選手の金メダル剥奪はせずに、2位だったケニアのジェネス・ジェプコスゲイ選手にも金メダルを与える可能性があるという。
 
 何かの映画を思い出させるが、これは半陰陽(はんいんよう=インターセックス)といわれ、外性器が未成熟な状態で男性か女性かはっきりしない場合をいう。男性器のほうが目立っている場合もあれば、女性器がはっきりしている場合もある。どちらか曖昧な場合もある。母体内での成長過程で、染色体構成のXXが女性、XYが男性となる時と異なる場合や、ホルモンの作用が通常と違う場合にみられる。
 
 ある程度身体が発達してから本人の「性自認」を尊重し、カウンセリングや手術を行うなどの方法が採られる。性別不明でも出生届が受理されることから、男女2つの性だけではなく「性教育に多様性を持たせるべき」と作家の蔦森樹(つたもりたつる)さんは語る。蔦森さんは男性から女性に転換した経験を持つ。
 
 幼少時に一方的に性を決めて手術をし、その後に本人の性自認が一致しない場合「性同一性障害」と診断されることもある。日本半陰陽協会は相談を受け付けている。
 
以上のことから、セメンヤさん本人が女性であると主張していることもあり、大きな問題にする必要はないであろう。本人の性自認が女性であるならば、それを否定する行為は人種や性の差別よりも、人格や存在を否定する行為になりかねない。
 
 

※キャスター・セメンヤ選手、女性として陸上界へ復帰決定(10/7/7)

 
   性別疑惑が出ていた、陸上南アフリカのキャスター・セメンヤ選手(19)について、国際陸上競技連盟(IAAF)は、に女性として競技に復帰することを認める発表をした。セメンヤ選手側の弁護士は、連盟との「画期的な和解」があったことを述べたが、詳細についてはコメントを控えている。
 
(「陸上性別疑惑のセメンヤ、女性として競技復帰へ」ロイター・10/7/7)
 
 
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★ 陸上=南アのスポーツ担当相、「セメンヤ報道」に激怒(ロイター・09/9/12)
★ 女子800優勝の南ア選手は両性具有 豪紙(読売新聞・09/9/11)
 

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美的感覚を磨くとはどういうことだろう

 習っているジャズダンスの先生の先生という人に質問をしたことがある。「ダンスをきれいに見せるためにはどんな努力をすればいいですか」という問いに対し、「きれいなものを見ること」だと教えてくれた。そこから先は自身のイメージトレーニングも必要になるだろう。
 
 プロのメイクさんにも同じ質問をしたことがある。すると同じ答えが返ってきて「美術館へ行ったり」という部分は前述の先生と同じキーワードがヒットした。さらにはファッション雑誌に写るモデルさんを見ることもあるが「同業者の仕事はあまり参考にならない」とのことだった。ちなみにスチル撮影の場合は化粧を濃くする傾向があり、ムービーの場合はナチュラルメイクにする傾向があるという。もちろん雑誌や番組のコンセプトによって色々あるだろう。
 
 さらにはプロのカメラマンにも話を聞いた。「デジカメ全盛の今ですが、何を撮ればいいか分からなくて」というと、そのかたは「きれいな写真をたくさん見ることです」という。理由は「音楽聴いたことのない人に楽器を渡しても作曲はできないのと同じで、写真を多く見ない人にいい写真は撮れません」とのことだった。大いに納得した。
 
 ド素人なので、綺麗な花のようにいい被写体があればいい写真になると思っていた。しかしそれはいい写真かどうかとは別問題で、きれいなものが写っている写真というだけだ。カメラマンさんの言うことに納得したのは音楽云々だけが理由ではない。
 
 昔から映像が好きで、みんながスチルカメラを持っているときにでもビデオカメラを回した。その時にいつも気にしていたのは、アングル(角度)だとか被写体に対する距離感でありタイミングだった。電動ズームは近づきかたが不自然なので可能な限り使わない。なぜスチルカメラやデジカメではなく、ムービーに興味を持ちだしたのか考えてみると、それは中学1年生の時に遡る。
 
 父親を説得して我が家にビデオデッキがやってきたのがその時だった。それからは片っ端からタイマー録画。好きなドラマは文字通りテープがすり切れるまで何度も見た。何度も同じ映像を見ているうちに、ドラマであれば俳優の表情、セリフの言い方、歌手であればのど仏が動くところや視線が向いているところ、衣装、そして光の当たりかた等々に目が行くようになった。
 
 何がいい映像でいい写真か、正確に言えば、何が自分の好きな被写体かが分かるようになってきた。つまり美的感覚を磨くということは、自分が好きな美しさを知ることであろう。先に述べたように、レンズの向こうに立っているきれいな人を撮ることがいい作品ではないのだ。そして何に美しさを感じるかは人によって違う。その感じ方が確立されればそれが個性となり、他の人には真似のできない美しさを表現できることだろう。
 
 こうしたような文を毎日ここで書いているが、ではよい文章とは、美しい文章とはどうしたら書けるのでしょう。
 
 
☆ 画家のパレットなど何の意味もない。すべては眼で決まる。(ルノワール)
 
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老老介護の現実  進行する高齢化の問題

 このブログの中に「本日人気のあるエントリ」というのがあり、アクセスの多いものが並んでいる。最近は見なくなったが、かつては「南田洋子の認知症『介護は恩返し』長門裕之」がトップに上がっていた。テレビで見かけなくなった南田洋子さんが認知症を患っていたことに多くの人が衝撃を受けたことであろう。この様子はテレビで放映された。
 
 このテレビ放映に対して嫌悪感を覚えた方も多くいる。つまり、「認知症の妻をテレビで見せ物にするとは」というものである。本人の意思が確認できないのに、そのプライバシーを勝手に放映するとはよろしくない、ということである。長門さんに対する反発もあるであろうし、テレビ局に対してもそうであろう。その考えはよく理解できる。
 
 参考までにこのブログで「南田洋子さんのテレビ公開」についてアンケートを募ったところ、反対が7,賛成が16、どちらとも言えないが6であった。私は賛成である。南田さんの意思が不在であるのは認知症が進行している状態ではどうしようもない。そうであれば南田さんの代理人、すなわち成年後見人である長門さんの意思決定が重要になる。
 
 長門さん自身も高齢でありお金の問題もある。公開することで経済的負担をなくせる部分があることも本音だと推測する。とりわけ子供のいない長門夫妻が頼れる介護者はデイケアのヘルパーさんであり、長門さん自身である。
 
 家庭によっては施設に入院させることもできるであろう。しかし誰もがそれをできるわけではない。老老介護の現実を知る機会は少ない。6年後には日本の人口の4人に1人が65歳以上になる。これはもう一部の人の問題ではない。
 
 介護の経験をまとめた本なども多数あるが、映像のほうが分かりやすいことが多い。そういう意味で老老介護の現実を知る上で必要な情報の提供方法だと思う。そして夫婦で過ごせるという意味で南田さんは幸せだとすら思う。
 
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ 
 
 介護が起因する悲劇は後を絶たない。その中で印象に残っているのが、2006年に京都で起きた承諾殺人である。
 
 京都市伏見区の河川敷で母親(当時86歳)を絞殺した50代の男性被告は、被告人質問で事件の経緯について語った。男性は介護のために仕事を辞めた。生活保護費の受給申請に福祉事務所を3回訪れたが申請は拒否された。生活費を削るもアパート代金すら払えなくなった。男性は母親に対して献身的な介護を続けていたが、経済的に困窮してしまい絶望した。母親を殺して自分も死のうと決意した。
 
 「母親に『僕と一緒にどこにでも行こうか』と聞くと、にっこり笑ってくれた。最後まで2人で行こうと思いました」、「この手は母親をあやめるための手か。心の負の遺産を作ってしまった」と涙ながらに述べると法廷は静まりかえり、傍聴席からすすり泣きが漏れた。
 
 検察側は「被告は母親をこよなく愛し、一緒に行きたいと思い、最後の瞬間まで介護を続け、被害者と心中に至った。しかし親族に援助を求めることなどもできたのに『人に迷惑をかけてはいけない』という自分の生き方を優先させており、命の尊さに対する理解が欠けている」とした。これに対して弁護側は「法的に非難することはできても、道義的に非難することはできない」と反論した。
 
 検察は被告を非難したと同時に「被告は母親を長年にわたって献身的に介護しており、2人で生活できる方法を模索したが、見つけることができなかった」と被告に有利な情状も述べている。
 
 06年7月21日に京都地裁で男性に対する判決が出た。承諾殺人と銃刀法違反の罪に問われた男性に対して、東尾龍一裁判官は懲役2年6ヶ月(求刑3年)、執行猶予3年の判決を出した。
 
 「被告は行政からの援助を受けられず、経済状態が急迫し、心身ともに疲労困憊となり、愛する母親をあやめた。その苦しみや絶望感は言葉では言い尽くせない」。「母親は献身的な介護を受け、犯行前日には、思い出のある京都市内の繁華街を案内してもらっている。恨みなどを抱かず、厳罰も望んでいないと推察される。自力で更生し、母親の冥福を祈らせることが相当」と述べた。 
 
 判決の後に同裁判官は「生活保護行政も問われている。事件に発展した以上は、対応すべきだったかを(関係者が)考える余地がある」と福祉行政について踏み込んだ発言をしている。
 
 東尾裁判官は最後に被告に対して「絶対に自分をあやめることはしないようにして、お母さんのためにも幸せに生きてください」と諭した。
  
 公判を傍聴していた男性(60)は「母親は4月に亡くなったが、自分も『母親と一緒に死にたい』と思ったことがある。こういう悲劇が起きなければ、介護で辛い思いをしている人の声が世間に届かないことが悲しい」と述べている。
 懸命に介護をしていても、それが犯罪になってしまう悲劇。手を下した男性は悪い。しかしそのきっかけを作った所に責任はおよばない。これは3年前の事件であるが、その後も同様の事件は続いている。
 
 
※ 「承諾殺人」の男性はその後に亡くなっていることが分かりました↓
 
★ 介護殺人その後 加害者も心に大ダメージ 社会復帰に壁(毎日新聞・2016/1/5)
 
 
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★ 南田洋子の認知症「介護は恩返し」長門裕之(本ブログ・08/10/4)
★ 消えていく記憶 認知症の南田洋子(本ブログ・08/11/3)
★ お年寄りと接する”常識”の変化(本ブログ・09/2/19)
★ 認知症妻介護役を好演 長門裕之 「ショカツの女・3」
※「京都の承諾殺人」参考=読売新聞06.6.22、06.7.6、06.7.21、06.7.22。
 
 

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笑える? モデルさんのように笑顔を作るのは難しい

 先日、街角でスチル撮影をしているモデルさんを見た。服装から推測するに、これからの季節にふさわしいファッションモデルだ。年は20代前半くらいで細身の美人。見ていてモデルさんが凄いなと思ったのは「はい、お願いします」というスタッフの合図でニコニコっと笑えるところだ。前にも書いたが、ファッションショーの裏側にうっかり潜り込んでしまったときも、舞台裏のモデルさんに驚いた。神妙な面持ちをしているが、出番となると急に表情が変わる。プロというのは凄い。
 
 そういえば自分は最近、写真に写ってもあまりいい笑顔が出せなくなったような気がする。幼かったころのアルバムを見たときに母親に言われた。「おまえは小さいころ自然の笑顔が出ていた」と。確かにその通りで、思い出の地の写真に写る自分は本当に楽しそうでかわいかった。
 
 人の喜怒哀楽の中で最初に表現するのは泣くこと。赤ちゃんは全身を真っ赤にして凄い声で泣くが、そのうちに怒ったり笑ったりすることを覚えて大きく成長していく。何の迷いもなく無邪気だった若いころは馬鹿が付くくらいに大笑いできた。しかし最近は年のせいか、笑うことよりも泣くことの方が得意になってきてしまった。
 
 日本人は自分のことを「涙もろい」と思っている人が多いようであるが、涙にはいくつか種類がある。嬉しいときのなみだ、悲しいときのなみだ。それに加えて相手を想像したときに出るなみだ、経験から来るなみだ。
 
 大人になるとあまり人前では泣かなくなった。それが蓄積されているせいか、独りで泣くときとなると大量の涙が出るようになった。それもグシャグシャになるくらいに、はっきり言うときれいなものではない。「粒」のようなきれいな涙ではなく、本流からあふれ出た支流の川のようだ。
 
 笑顔も涙も共通点がある。それを人に見せれば感情を共有できるということだ。こちらが微笑めばあちらも微笑む。時に社会が堅苦しく感じるのは、自分の感情を見せる相手が少なくなってきたからかも知れない。
 
 一緒に泣けるような人間関係があるならば、それは一生大切にしたい友人である。一緒に笑うだけなら他人でもしてくれる。しかし一緒に泣くことを他人はしてくれないからである。
 
 
☆ 怒ってる人がごまかされて、笑っちゃえば、世の中、平和だよ 。(さくらももこ・『ちびまる子ちゃん』)
 
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松田聖子の商業的成功 聖子がウインク

 80年代のトップアイドルとして君臨したのは松田聖子であることに異論はないであろう。それまではピンクレディが一世風靡していたが、解散したタイミングで現れたのが松田聖子だった。独特の髪型は同年代アイドルも模倣し、一般の女の子も真似するところとなった。
 
 メディアが分散している今と違い、「明星」「平凡」というアイドル月刊誌の発売日が待ち遠しかった。テレビは生放送の歌番組も多かった時代であり、同じテレビ番組を誰もが観て、同じ情報を共有した。聖子の人気を否定する風潮は全くなかったと言っていい。
 
 歌番組のみならず、バラエティやドラマ、映画に出演すればそれはすぐに巷の話題として国内を駆け抜けた。そうしたメディアへの積極的露出だけが聖子の商業的成功を裏付けたわけではない。本業である歌もファンを離すことはなかった。聖子の甘い歌声に惹かれ、彼女が出ているだけで足りており、振り付けなどをしなくてもよかったのだ。
 
 楽曲提供陣も豪華であった。作詞は三浦徳子、松本隆、尾崎亜美らが担当であったが、その歌詞の内容はあたかも聖子自身にマッチングしているかのような言葉が連なり、聖子のキャラクターの確立を手助けした。可愛いけど少しやんちゃな女の子。でも一途な恋を歌い上げるのだ。
 
 作曲陣も歌詞に花を添えた。財津和夫、大瀧詠一、呉田軽穂(松任谷由実)、細野晴臣、大村雅朗、Holland Rose(佐野元春)、尾崎亜美、土橋安騎夫、大江千里、タケカワユキヒデ、奥居香などなどビッグネームが並んだ。聖子が年輪を重ねるに従って、その曲調は動的な音符の並びから、静的な音符の躍動へと変わった。
 
 85年には全編英詩アルバム「Sound Of My Heart」をリリース、新境地を開くことになる。同アルバム内の「Touch Me」はフジテレビの日本女子バレーイメージソングとして採用されたほか、シングルカットされた「Dancing Shoes」は聖子初となるPVが公開され、その中でダンスを披露している。このアルバムは外国人によるプロデュースであるが、日本人好みの曲が揃っていて、別の聖子の魅力が垣間見える。
 
 ビートルズが成功したのは、彼らの実力もさることながら、プロモーションの力が指摘されているが、聖子もまた同じであった。完全に同期アイドルとは別の格を成していた。今では最盛期を過ぎた聖子ではあるが、ディナーショーやライブなどのチケットは即完売の実力を維持している。
 
 最近になって、過去に発表されたアルバムが音質を改良して一斉に再発売となっている。聖子の曲はB面の曲も魅力的な曲が揃っており評価が高く、ファンにとっては嬉しいリリースだ。
 
 どの時代にも”マイアイドル”がいると思う。アイドルも年を取るが、同じ時期を一緒に年をとれるというのはファンにとって永遠に続く喜びである。
 
☆ 昔は歌うことが食事や呼吸をするように当たり前のことでしたが、それが年を重ねてくると緊張するようになりました。(松田聖子)
 
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★ Seiko Matsuda オフィシャルウエブサイト

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広がる薬物汚染 廃人への一歩

 大阪市交通局が、地下鉄・バスの運行業務に関わる全職員3830人を対象に、薬物使用状況を調べる尿検査を抜き打ちで実施したところ、9人が検査を拒否した。拒否の理由は「人権上の問題がある」「潔白なので受ける必要はない」などというものであった。国の「労働者の個人情報保護に関する行動指針」では、本人の明確な同意がなければ同検査を行うことができず、強制できなかったという。
 
 検査を受けた他の乗務員から陽性反応はなかったが、約4400万円の公費で検査をしたが不完全な結果になった。担当者は「輸送の安全性を証明するためにも検査を徹底したかった」と述べた。
 
 薬物乱用に歯止めがかからないが、特に公共交通機関に勤務する運転手の薬物使用は厳禁だ。同交通局の検査も元地下鉄運転士(懲戒免職)による覚醒剤使用が元になって行われた。
 
 ストレス解消だとか、痩せられるだとか、あらゆる理由を付けて接する機会に巡り逢う覚醒剤。一度、薬物依存に陥ると、それを治すクスリはない。薬物に依存しない生活をひたすら送ることで「クスリ」が抜けきるのを待つしかないのだ。
 
 薬物に依存しない生活を送る努力をすることのできる人はまだいい。しかし、薬物というのは、食欲・性欲・睡眠欲と同じ脳の部分に作用する。食欲がなければ体調が悪くなるのと同様、クスリが切れれば脳がパニックを起こす。「欲」の1つであるから、なかなかやめることができなくなってしまうのだ。廃人になったら、もう二度と人間としての生活を送ることはできない。
 
 それはこれまでに歴史が物語っているが、薬物を摂取する者は何故か「自分は大丈夫」「少しくらいなら大丈夫」と言う。「大丈夫」というのは警察に捕まらないという意味になっている。
 
 クスリが体から抜けるのが先か、自分の魂が抜けるのが先か。それをコントロールできるのは自分しかいないことを肝に銘じた方がよいだろう。
 
 
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