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熱中症対策として屋外にシェルター設置 環境省指針案

 今年7月19日、上海万博の日本館を訪れていた卓球の福原愛ちゃん(21)が突然倒れた映像は衝撃的であった。倒れる前から口を押さえたり汗をぬぐったりと、様子のおかしいことが見てとれた。そして後ろ姿から映された映像は、崩れるように倒れた愛ちゃんを捉えていた。その後、愛ちゃんは「軽い貧血でした」と元気な笑顔を見せたが、あれは熱中症ではなかったか。
 
 愛ちゃん卒倒の真偽は定かではないが、私も熱中症にかかったときに貧血の症状が起きた。そしてフラフラの状態で熱中症と思うことなく、2、3歩歩いたところで意識を失った。約1分間意識はなく、その間は顔面蒼白で手足がけいれんしていびきもかいていたという。そして同僚の呼びかけに意識が戻った。暑さで体調が弱っていたときのことで、倒れたところが当時のバイト先であったことが幸運であり、救急搬送されたが事なきを得た。
 
 なお、熱中症は自然治癒力に依存することになり、どんなに立派な病院に搬送されても意味がない。意識を失って倒れ、そのまま意識が回復しなければ死亡に至るという大変怖い病気なのだ。突然意識を失ったらあとは「運任せ」ということになるので、体調管理や水分補給などは絶対に怠ってはいけない。
 
 今夏は東京に限っていうと降雨がほとんど無い。加えて連日の猛暑で9月に入っても気温が下がる気配がない。夏はカーッと晴れた方が良いと思っているので、その点だけみれば理想的な夏であったが、さすがにこの暑さは堪える。
 
 環境省は、温暖化に対して自治体が取るべき対策を示した指針案をまとめた。それによると、熱中症対策としては、屋外で体調不良になった人が避難できる「熱中症防止シェルター」のようなものを作ることが盛り込まれた。
 
 これを全国に先駆けて実行したのが大阪府吹田市消防本部である。市内4署に熱中症シェルターを開設し、消防署の一室を24時間開放した。水や枕、毛布などを完備し、各署で数人が休憩できる態勢を取っている。クーラーのない部屋に住む高齢者などが利用することが考えられ、具合の悪い人はすぐに救急隊員の処置を受けられる。
 
 抜本的な地球温暖化対策が遅々として進まない中、日本の気候は熱帯化が進んでいる。今後も今年のような猛暑が続けば熱中症で救急搬送される人は増えることは容易に想像できるため、こうした熱中症対策は急務である。今やらなくては来夏に間に合わないであろう。
 
 子供のころの夏休み、「涼しい午前中に宿題をしなさい」とよく言われたが、それも昔の話になってしまった。今は未明から30度を超え、夜中にはセミが鳴くことも珍しくない日本の夏である。
 
 
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★ 【主張】熱中症シェルター 猛暑に災害対策の視点を(産経新聞・10/8/29)
★ 屋外に熱中症防止シェルター設置 温暖化指針案(読売新聞・10/9/5)
★ 【上海万博】愛ちゃん、万博見学中に倒れる「軽い貧血」(産経新聞・10/7/20)
 
 

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失踪宣告なければ永遠に年金支給?所在不明者と生存者(2010.8.5)

↓ お急ぎの方は日本年金機構にアクセスしてください ↓
★ 日本年金機構 よくある質問
 
 100歳以上の高齢者の所在が確認されない事案が発覚している問題で、死亡届や失踪宣告で本人の”死亡”が確認されなければ、年金などは永遠に支給される。東京・足立区の事件では、遺族年金などを死亡した男性(戸籍上111歳)の家族が受け取っていたことが判明している。
 
 08年10月、行方不明の父親に支給された年金を引き出した長男(当時61)とその妻(同67)が詐欺容疑で埼玉県警に逮捕された。調べによると、父親は75年ごろに家を出たまま行方不明となった。父親の失踪後も当時受給していた老齢年金を長男夫婦が銀行から引き出していた。
 
 県警は当時の社会保険庁(現:日本年金機構)をだまして年金を振り込ませた詐欺容疑での立件を検討していた。しかし年金支給制度に問題はなかったため、銀行員をだまして金をおろした詐欺容疑とした。
 
 受給者が行方不明者だった場合、家族などが家庭裁判所に失踪宣告を請求することで、行方不明から7年の原則で法的に死亡したと見なされる。これにより年金支給が停止する。
 
 足立区のケースなどのように、家族が行方不明であることを隠したりすれば、年金はいつまでも支給されることとなる。埼玉のケースでは「警察からの連絡で、不正に引き出された事件の疑いが強い」として、社保庁は支給を一時差し止めとした。しかしこれは例外的な扱いであるという。(*)
 
 死亡届などが出されていない以上、日本年金機構が人海戦術で確認をするというのは物理的に不可能であり、行方不明者に対する年金や住民登録などに関する行政の考え方を変える時が来ている。
 
★ 日本年金機構 よくある質問
 

失踪宣告をされていたが”生きていた”男

 
 一方、失踪宣告を受けて、法律上”死亡”していた男(63)が窃盗容疑で警視庁立川署に逮捕された。男の家族が鹿児島家裁に失踪宣告を請求しており、95年10月17日に死亡したとされていた。男は「家族には迷惑をかけた」と話している。
 
 同様の事件が昨年も都内で起きている。60代の男が警視庁板橋署に窃盗容疑で逮捕された。逮捕容疑は自転車を盗んだ窃盗の疑い。男は取り調べた警部補に「おまえさん、死んだことになってるぞ」と言われて驚いた。その後、自身のことを語り始めた。
 
 山口県出身の男は、自分より弟が先に結婚したことから「甲斐性なし」と親戚から言われていると思い込んで家を出た。その後は身の上が分からないように、履歴書の要らない仕事で生活をつないだ。
 
 警部補は「きっと心配しているはず。家族に連絡させてもらうぞ」というと、男は静かにうなずいた。弟が大阪に住んでいるとわかり、再会の場所を区内の交番をセッティング。そわそわしていた男も弟が現れた時には泣いて喜んだという。口べたな男は家族に会わせてくれた警部補にお礼を言うことができず、交番の別の署員にお礼を伝えたという。
 
 人の生死が書類という紙だけで決まってしまうのは、ある意味において仕方のないことである。たとえばそれが身寄りのない”無縁仏”となる場合もある。自分の家族の安否を気にせずに生活していたらさみしい。家族の心配を知らずに自分の生き方を優先させるのもさみしい。
 
 人のつながりというものが紙一枚の薄さになっているのが寂しい。生死という最大のプライバシーがおざなりになっている現実である。警察庁によると、毎年「家出人捜索願」が出ているのはおよそ10万人にのぼるという。

 厚労省は12日、各市区町村に対し、所在が確認できない高齢者の情報を各地の年金事務所に提供するよう通達した。年金の不正受給を防ぐための措置で、情報を基に日本年金機構の職員が本人の生存を直接確認できなければ、年金の支給を停止するとしている。(追記=日テレNEWS24・10/8/12)

 
  
★ 逮捕の男「15年前死亡」? 失踪宣告で、事務所荒らし容疑 警視庁(時事通信・10/8/5) 
(*)=参考・2008/10/18・読売新聞東京朝刊)
 
 

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高齢者の所在不明次々、杉並、八王子、熱海、名古屋・・プライバシーに阻まれる自治体

 日本でこんなことが起きるのかと呆然とする。東京・足立区内で約30年前に死亡したとみられる男性(戸籍上111歳)の問題で警視庁千住署は、家族が男性と妻の遺族年金などを不正受給していた可能性があるとみて詐欺容疑で調べている。男性は昭和53年ごろ自室に入ったとされ、その10日後に部屋から異臭がしたという。同署では保護責任者遺棄容疑も視野に入れている。
 
 東京・杉並区では都内最高齢とされている女性(113)が所在不明になっていることが判明。住民票上で同居している長女(79)は「弟と住んでいる。母の所在は分からない」と話している。警視庁杉並署では都内で次男(71)の所在を確認し、女性の所在について事情を聞いたが「30年くらい前に母親は出て行った。その後は連絡を取っていない」などと話している。
 
 全国の自治体では足立区の事案を受けて緊急に調査を始めたところ、都内では八王子市、静岡では熱海市、そして名古屋市内でも所在不明のお年寄りの存在が判明した。
 
 安否の確認というのも失礼な話であるが、自治体の対応ばかりを批判していられない。そもそも自分の親の所在が分からない、30年以上に亡くなった遺体を放置するなどという状態そのものが自治体の予想を超えたものである。「住民票が出されていれば存命であり、きちんと生活しているはずである」という性善説に基づいている。
 
 この問題で行政が強制力を持って調査可能な法令ができるならばそれは悪法である。我々の自浄能力がなくなればそれだけ法令が作られ、余計に暮らしを悪くする。法令が多いのはその国が複雑であるがゆえである。
 
 大阪では幼い2児が育児放棄の末に亡くなったが、この件で大阪市子ども相談センターには「なぜ救わなかった」という抗議が殺到した。周辺住民から通報があったにもかかわらず、対応は必ずしも十分ではなかった。
 
 アメリカでは風邪をひいた子どもを家に残すだけで「虐待」と見なされて逮捕されることもある。それは極端かもしれないが、対応の遅い行政にはフットワークの軽さを期待したい。「プライバシーだ」と言われたら、その言葉の根拠を尋ねるべきである。
 
 厚生労働省は7月26日、09年の日本の平均寿命が女性が86.44歳で世界一、男性は79.59歳で世界5位であることを発表した。しかしこの数字も怪しくなってくる。書類上は長寿でも、実際のお年寄りはどうなのだろう。
 
 お年寄りの所在が分からないというのも一種の虐待である。長寿大国日本は、本当に幸せなのだろうか。
 
 
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★ 【111歳ミイラ男性】「閉じこもった10日後に異臭」娘婿が警視庁に説明(産経新聞・10/8/2)
★ 113歳女性の次男見つかる「母親出て行った」(読売新聞・10/8/3)
★ 「お年寄りの所在、確認せよ」東京各区、四苦八苦(朝日新聞・10/8/3)
★ 100歳確認苦慮、家族拒否・住民票移さず施設・・(読売新聞・10/8/3)
★ 最高齢「直接面会」は22道府県 自治体による確認(共同通信・10/8/3)
★ 大阪・西区の2幼児遺体遺棄:「30分鳴き声続く」と住民通報、児相訪問は10時間後(毎日新聞・10/8/3)
 
 

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郵便局で職場内いじめ 腹蹴られ、退職強要される 公務災害認定で解雇取消し 静岡・伊東(2010.7.4)

 
 伊東市内の郵便局で、男性職員(34)が職場ぐるみのいじめに遭い不安障害を発症したとして公務災害認定を求めていたが、06年に当時の日本郵政公社と人事院が「公務外の災害」と判断した。しかしその判断を日本郵政が覆し、公務上の災害と認定した。人事院によると、認定が覆るケースは珍しいという。
 
 男性は01年から同局に勤務していたが、複数の局員から「人間としての価値はない」などと退職を強要され、06年には職場のバイク置き場で同僚に腹部を蹴られて全治3カ月のけがを負った。その後にPTSD(心的外傷後ストレス障害)と診断されて休職、公務災害認定を求める行政訴訟を静岡地裁に起こし、今年2月に休職期間満了で解雇された。
 
 うつ病やパニック障害、不安障害などの病気が珍しくなくなった。その類の病気が多くなった理由にはそうした疾患を診療する心療内科や精神科の充実が挙げられる。加えて、そうした病気に対する理解が社会に浸透してきた部分がある。
 
 しかしなぜそうした病気が増えてしまったのか。考えられるのは”避難場所”が無くなってしまったことが考えられる。忙しい現代は、自分の時間を持つことが少なくなっている。自分の時間と思って予定を立てても結局時間に支配されることになり、気の向くままという本当の自分時間を見失ってしまった。自分の処理能力を超えた所にこうした病気が入り込んでくる。
 
 今回の郵便局のような職場のいじめは、誰か一人、たった一人が男性の味方になっていれば、男性は病気を発症しなくて済んだ。局員の中にはそのたった一人がいなかったのだ。つまり男性は避難する場所が無く、自分で抱え込んでしまうことしかできなかったのかもしれない。
 
 認定が覆ったことで男性は公務災害認定されるほか、06年の判断も解雇も取り消されることになった。男性の弁護側は行政訴訟を取り下げる方針であるという。日本郵政は「検討した結果、認定すべきとの結論に達した」とし、人事院職員福祉局は「日本郵政から申し出があり、妥当と判断した」としている。
 
 病気になった側はこれだけの苦労をして職務復帰するわけだが、こうさせた側に対するおとがめが一切無いのが不思議である。
  
 誰にでもプライドがある。男性は、こんなことで負けてはいけない、と頑張ってしまったために起こった出来事である。いじめた側はどうであったろう。「人間としての価値はない」と言った者は神にでもなった気分であったのだろうか。だとしても、郵便局という小さな組織の中の、小さなプライドである。
 
 
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★ 職場のいじめで不安障害、抑うつ状態を発症 富士通の元女性社員に労災認定 大阪地裁(本ブログ・10/6/23)
★ 退職強要、腹けられ 郵便局いじめ公務災害認定(読売新聞・10/7/4)
★ 教諭の脅迫的聴取で障害 元中学生、唐津市を提訴(産経新聞・10/7/4)
 

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ネグレクト:相次ぐ虐待、両親を逮捕 奈良(2010.3.4)

 奈良県警捜査一課と桜井署は保護責任者遺棄致死の疑いで桜井市内の夫婦を逮捕した。保護する責任がありながら、長男(5)に充分な食事を与えずに餓死させた疑い。逮捕された母親(26)は調べに対して「夫婦仲が悪く、(長男が)夫に似ているのが憎らしくて虐待してしまった」と供述。父親(35)は「食事を与えていないことは知っていたが、見て見ぬふりをしていた」と供述している。三歳の長女は健康上の問題はないという。長男は警察官に発見されたときには、骨と皮の状態で紙おむつをされていたという。
 
 2005年以降、夫婦は長男の乳幼児検診を受けさせていない。国や県の指導では、未受診が続いた場合は家庭訪問などで虐待の有無を確認する事が自治体に求められている。桜井市は電話と封書で計5回、受診を促したが虐待の兆候に気付かなかった。母親は「妊娠しており安静にしなければならないので受診できない」「介護など家庭の事情で受診できない」などと断り、市は疑問に思わずに家庭訪問等をしなかった。虐待を担当する児童福祉課は連絡を受けておらず、同課では「未受診を知っていれば、何らかの対策がとれたかもしれない。幼い命が奪われ、非常に残念でならない」とコメントしている。
 
 絶えることのない虐待事案だが、関係職員が定期的に家庭訪問するといった対応は不可能であろうか。私の妹夫婦の住む自治体では職員が”家庭訪問”に訪れたという。いろいろ質問され、「子育ての悩みはないですか」、そして「死にたいと思ったことはないですか」とも聞かれたという。子育てに疲れて子供をあやめる母親もいる。こうした単刀直入な質問で顔色の変わる母親もいるはずである。
 
 親子三世代で住んでいたのは昔の話し。相談できる人が身近にいなくなり、世帯が社会から孤立しがちである。個人主義、そして便利だが速すぎる世の中についていけない人たちも出てきている。夫婦仲が悪いこともありえることだ。しかし、周囲に子供を育て上げる環境が整っていれば助かった命である。
 
 二人は法律によって裁かれるが、それに依ることなく、一生十字架を背負って生きていくことになる。亡くなった長男は薄れてゆく意識の中でも、両親が助けてくれると思っていたはずだ。この夫婦は長男が「ママ、パパ」と最初に口にしたことを忘れてしまったのであろうか。長男が最後に残した言葉は何だったのだろうか。この子に絶望という体験をさせた罪はあまりに大きい。
 
 
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★ 5歳児餓死:「夫婦不仲、子に矛先」逮捕の母供述(毎日新聞・10/3/4)★ 奈良5歳児餓死、母「夫に似ているのが憎らしかった」(読売新聞・10/3/4)
★ 食事与えず4歳男児死亡 虐待容疑で両親逮捕 埼玉(朝日新聞・10/3/4)
 
 

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動物を殺す動物

 ゴリラの一部に子殺しをする習性のある種がいる。メスから雄の赤ちゃんゴリラを奪っていく。母ゴリラは抵抗するが、雄ゴリラが乱暴して赤ちゃんゴリラを奪ってしまう。奪うとどうするかといえば、これを殺してしまうのだ。頭からかぶりつき、手足全てを食い尽くし、骨までしゃぶってしまう。
 
 なぜこんな事をするのかと言えば、「交尾」のためであるという。赤ちゃんゴリラを奪われたメスゴリラは発情し、雄ゴリラの思惑通りに交尾ができる。そして自分の子供を作るためであるといわれる。この映像を見たときはショックを受けたが、人間には理解のできないことを動物はすることがあるものだ。
 
 そして温暖化の影響といわれているが、ホッキョクグマが共食いを始めた。ロイターによると、雄のホッキョクグマが共食いをし、子グマの頭部を運ぶ写真が撮影された。こんな話は聞いたことがないが、温暖化の影響で氷原が減少し、生きにくくなっている証拠である。
 
 今年の10月に、兵庫県尼崎市内の警察署の職員が、拾得物として届けられたネコを故意に逃がしたとして処分された。理由は「飼い主が現れなかったら殺処分されてかわいそう」というものだったが、その後にネコが発見されたという報告はない。
 
 その尼崎市内の犬のブリーダー(繁殖業者)がビルの屋上で200匹の犬を違法に飼育していたことが明らかになった。狂犬病予防法に基づく犬の登録などをしていなかった。驚いたことに、そのうちの50匹を10年近くにわたり、尼崎市が引き取って処分していたことが明らかになった。近所住民から犬の鳴き声の騒音被害を訴えられていたが、行政の行為は業者を正すことではなく、黙認した上で”老犬”を処分することだった。
 
 尼崎市が年間で殺処分する犬のおよそ9割がこの業者からの引き取りだという。市では今後この業者からの引き取りを中止するとしている。
 
 動物には理解できないことを人間はすることがある。あどけない犬たちの行く末、つまりしっかりと飼われていくのか、それとも飼われない犬たちはどうなるのか。日本も欧米などのように「受注生産」したほうがよい。これでは殺すために繁殖させているのと同じである。言葉がどんなに発達しても、人間のやることは時に野蛮な動物と大差がないことに愕然とするのである。
 
 
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★ 違法に犬200匹飼育、老犬は尼崎市が処分(読売新聞・09/12/10) 
★ ホッキョクグマが共食い始める 気候変動の影響で(産経新聞・09/12/10)
★ 犬が教えてくれたこと ペットブームの残酷(毎日新聞・08/4/17)
 

 
★ 警官が土佐犬に発砲、射殺 愛知・稲沢(本ブログ・09/1/11)
★ 米兵 子犬を崖から投げる(本ブログ・08/3/7)
 

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「事業仕分け人」対 官僚の攻防戦

 
 簿記について明るくはないが、仕訳作業の中に売掛金という勘定科目がある。いわゆる「ツケ払い」のことだ。目に見える収入ではないが、将来に入ってくるかもしれない収入として売り上げ計上される。
 
 事業仕分け人と官僚の攻防が終わった。侃侃諤諤の議論には賛否がある。スーパーコンピュータの予算削減には科学者たちが異議を唱えた。仕分け人の「1位じゃなくて2位じゃダメなんですか?」には閉口した。競争社会、とりわけ、技術立国の日本がわざわざ2位に甘んじることのほうが難しい。科学分野はすぐに答えの出るものばかりではない。研究成果が出るのは先のことだ。英語ノートの廃止についても文科省の担当者は「深い議論の末に決まったことを、たったの60分でカットしてしまうとは」と憤った。
 
 しかし「予算は必要」と言うべき側の「プレゼンテーション能力の欠如」が指摘されている。矢継ぎ早に質問する仕分け人相手に即答できないのはプレゼン能力だけの問題ではなく、コスト意識が低いからだ。職員にコストに関する危機意識がないから質問に対して即答できない。
 
 例えば民間であれば、売り上げが前月比で1割落ちれば経営者は策を練る。商店主であれば、店先で声を張り上げるであろう。公務に携わる人は不況であろうと何であろうと、とりあえず倒産の心配はない。納税が国民の義務とはいえ、「ぜひ、納税を」と街で声をからす人はいない。退職金を自主的に辞退する自治体の長は少数だ。毎年、会計検査院から省庁に対して無駄遣いに対して是正勧告がなされても、国民には一言、「税金を上げます」の施策ばかりに思えてならない。
 
 今回の事業仕分けでは、予算削減された側の怒りも当然だが、無駄の削減をガラス張りにしたことには一定の評価がある。しかし、教育やスポーツ、科学などの分野はすぐに答えの出せるものばかりではないのである。そうしたものに対しては売掛金、すなわちツケ払いとして予算計上してほしかった。
 
 そのプレゼン能力の無かった側の敗北だが、無駄だからカットするだけではなく、もったいないからとっておく、という予算編成もお願いしたい。売掛金が回収できないときは、帳簿にマイナス収支となるが、教育や科学の分野ではそれをマイナスとは言わない。未来への投資は、売掛金以上のプラスの要素を回収できることもあるからである。 
 
 
☆ 日本の損失、そして我が社の損失、非常に残念です。(出典不明・仕事を辞める時、職場の上司からのこのひとこと)
 
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道路の不正使用 見えない障害物

 
 東京大学と株式会社アイプラスプラス(東京・新宿区)は共同で「オーデコ(Aux Deco)」を開発した。これは視覚障害者の第二の目となり得る機器であり、白杖(はくじょう)との併用で、街を便利に歩くことができる世界初の製品だ。
 
 額につけたカメラは周囲の障害物を映像として捉え、その輪郭データを低周波マッサージ器のような微弱な電流で装着者に伝えることができる。これにより、放置自転車や看板に電柱などを感知するだけでなく、点字ブロックがなくても、路肩や横断歩道の白線でさえ感知することができる。その形状がイメージとして装着者に伝わる仕組みとなっているのだ。
 
 実際に使用した視覚障害者の女性は「これなら歩けますね」と笑顔で話すが、ネックとなっているのがその値段で約120万円。こうした中で一部の自動販売機では、飲料水を1つ購入すると3円が視覚障害者のために寄付され、支援する仕組みを作っている。
 
 オーデコを使ってみた女性は装着実験に先立ち、「町は歩きづらいですよ。電柱、看板、自転車・・怖がっていても歩けませんから」と言っていた。道路には放置自転車や看板が置いてあるが、放置自転車は自治体によって駐車禁止区域が定められている。看板に関しては道路の不正使用として道路交通法の適用対象となる。看板が連なっていると、そこに私有地であるかのような錯覚が生まれ、放置自転車を増やすことになる。
 
 エコ・健康ブームで自転車利用者が増えている。それ自体は大変意義のあることであるが、狭い日本はなかなか自転車をとめる場所がない。これから新たに店舗を作る場合には自転車利用者数も想定した場所の確保も必要であろう。しかし民間だけでは限界がある。
 
 自治体の自転車置き場整備も積極的に進める必要がある。「とめてはダメ」というだけでは、街の経済が停滞する。杉並区立高井戸小学校(高井戸西2)の横の道路は小学校のグランドに面しているが、ここを自転車置き場として利用するために改良された。壁だけであった部分に自転車置き場を作ったのだ。
 
 
 地下を有効利用したのが東京・八王子市だ。JR八王子駅周辺には10カ所以上の駐輪場があるが、感動的なのが南口ロータリーにある「地下タワー式自転車駐車場」だ。
 
 自転車をベルトコンベアのようなところに置き、予め取得しておいたIDカードをかざすことで、あとは自動的に地下に収納される。地下はちょっとした要塞のようになっており、流行りの「工場萌え」的な感動すら覚える。何といっても、出入り口がわずかなスペースで済み、出庫もIDカードをかざしてから出てくるまで40秒程度となっている。
 
 前に書いたことがあるが、やはり大学と企業が開発した空間に文字や画を描ける装置というのがある。これを利用すれば、街から道路不正使用をしている看板に取って代わる存在になり得る。
 
 こうしたハードウエアも大切なのだが、結局は利用する側である人間のソフトウエアに依存する部分が大きい。「みんながやっているから」という考え方は、ソフトウエアとしては大きな欠陥にすぎない。
 
 
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★ 株式会社アイプラスプラス
★ 八王子駅南口地下タワー式自転車駐車場(財団法人八王子市住宅・都市整備公社)
 
★ 空間に絵が描ける(本ブログ・05/4/1)
★ バリアフリー化は不可能か 公共の施設(本ブログ・09/4/9)
★ 崩れる「公」意識(本ブログ・06/10/31)
 
 

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