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「羽田も成田も有効に併用」羽田ハブ発言で前原国交相

 前原国交相は千葉県の森田健作知事と20分間会談した。その中で「成田の機能を全て羽田に移すということではなく、成田は国際線、羽田は国内線という原則は変わらない」とした。森田県知事は「地方をあんまりいじめないでよ」と笑った上で、「真意を聞いてほっとした」としている。
 
 前原国交相は「両空港を一体にとらえ、合理的なすみ分けをする。成田が国際線専用であることは変わらない。ただ、羽田が新しい滑走路が出来ることもあり、成田で夜間の離着陸が出来ない分を羽田に回すことになる。現在830万人の外国からの観光客を2020年に2000万人に増やすために、羽田の受け入れ体制を強化する。関空や中部国際空港を衰退させることは全く考えていない。これまで日本にはハブ空港がなかった。その役割を羽田に託し、日本の航空産業の活性化につなげたい」とした。
 
 具体的な役割分担は今後詰めて協議する。
 
 ハブ空港とは、国内線や国際線の乗り入れが中心的になるもので、自動車の軸の部品であるハブからその名前が来ている。羽田が国際化することで、成田、中部、関西の各国際空港がなおざりになるのではないかという懸念から、空港関係者や自治体からは反発の声が上がっていた。その一方で、東京都の石原知事や神奈川県の松沢知事は賛成の意を表明していた。
 
 石原都知事は「羽田に国際競争力を付けることが、東京のみならず日本の国際力の強化につながる」と述べた。
 
 
☆ 宇宙時代には、人間は二時間で世界一周できるようになるだろう。飛行に費やす時間が一時間、空港に到着するまでに一時間(ネイル・H・マクエルロイ)
 
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★ 中部空港抱え戸惑う愛知 前原国交相の羽田国際ハブ空港発言に(産経新聞・09/10/13)
 
 

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相模原市、来年4月1日から政令指定都市に 全国19番目

 神奈川県相模原市が来年の4月から政令指定都市に移行することが決まった。相模原市や周辺4町は政令指定都市を目指して協議を続けていた。今年4月の岡山市に続いて全国で19番目の政令指定都市の誕生となる。神奈川県内では横浜、川崎に続く3番目の政令指定都市となる。3市を政令市にもつ都道府県は全国初となる。
 
 相模原市は地理的に東京との交通アクセスが充実しており、東京のベッドタウンとして栄えていったが、大学や研究施設が増えたことにより人口も増加。のちに周辺4町(津久井郡津久井町、相模湖町、藤野町、城山町)と合併したことにより、政令指定都市移行要件の人口70万人を超えた。
 
 旧津久井郡の相模湖町や藤野町といった自然の多い地区から、東京都町田市に近い相模原中心地区など多彩な顔を持つ政令市となる。今後は行政区の設置について協議することとなる。
 
 
【全国の政令市及び行政区】
・北海道札幌市 中央区・北区・東区・白石区・豊平区・南区・西区・厚別区・手稲区・清田区
 
・宮城県仙台市 青葉区・宮城野区・若林区・太白区・泉区
・埼玉県さいたま市 西区・北区・大宮区・見沼区・中央区・桜区・浦和区・南区・緑区・岩槻区
・千葉県千葉市 中央区・花見川区・稲毛区・若葉区・緑区・美浜区
 
・神奈川県横浜市 鶴見区・神奈川区・西区・中区・南区・保土ヶ谷区・磯子区・金沢区・港北区・港南区・戸塚区・旭区・瀬谷区・緑区・泉区・青葉区・都筑区
 
・神奈川県川崎市 川崎区・幸区・中原区・多摩区・高津区・宮前区・麻生区
 
・新潟県新潟市 北区・東区・中央区・江南区・秋葉区・南区・西区・西蒲区
・静岡県静岡市 葵区・駿河区・清水区
・静岡県浜松市 中区・東区・西区・南区・北区・浜北区・天竜区
・愛知県名古屋市 千種区・東区・北区・西区・中村区・中区・昭和区・瑞穂区・熱田区・中川区・港区・南区・守山区・天白区・名東区・緑区
・京都府京都市 北区・西京区・山科区・伏見区・右京区・南区・下京区・東山区・中京区・左京区・上京区
・大阪府大阪市 都島区・福島区・此花区・西区・港区・大正区・天王寺区・浪速区・東淀川区・西淀川区・東成区・西成区・生野区・旭区・城東区・阿倍野区・住吉区・東住吉区・淀川区・鶴見区・住之江区・平野区・北区・中央区
・大阪府堺市 堺区・中区・東区・西区・南区・北区・美原区
・兵庫県神戸市 中央区・西区・北区・垂水区・須磨区・長田区・兵庫区・灘区・東灘区
・岡山県岡山市 北区・中区・東区・南区
・広島県広島市 中区・佐伯区・安芸区・安佐北区・安佐南区・西区・南区・東区
・福岡県北九州市 八幡西区・八幡東区・小倉南区・小倉北区・戸畑区・若松区・門司区
・福岡県福岡市 中央区・博多区・東区・南区・西区・城南区・早良区
 
 
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★ 相模原市、全国19番目の政令市に(読売新聞・09/10/2)
★ 相模原市が政令指定都市に 22年4月、全国19番目(産経新聞・09/10/2)
★ 相模原市 トップページ
 
 

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JR西と事故調の”脱線” 福知山線脱線事故報告書漏えい問題

 2005年4月25日に発生したJR福知山線脱線事故で、国交省航空・鉄道事故調査委員会の委員とJR西日本の役員が事故報告書の完成前に会い、内容を把握していた問題は、JR西日本と国交省事故調の委員との馴れ合い体質を露呈することとなった。
  
 漏えいが発覚した報告書には、自動列車停止装置の整備の遅れ、過酷な運転ダイヤ、日勤教育などが記載されており、JR西の体質に始めて言及する内容だった。
 
 事故当時、亡くなった運転手は運転実績も浅く、脱線事故直前にも数回にわたる運転ミスがあったことが分かっている。事故現場へ制限速度を超えるスピードで進入したのも、運転ミスによる遅延を回避するためであった。事故車両の一部であった2両目が、マンション外壁にへばりつく形であったことが衝撃的で今でもその映像が頭から離れない。
 
 事故調との癒着というのであれば、何のための事故調だかその存在意義が怪しくなる。JR西は、あれだけの惨事を引き起こしておきながら、保身のための積極的な連絡であることは明白だ。旅客業務というのは言うまでもなく安全第一である。世界に誇る鉄道を開発したとしても守らなくてはならないことは言うに及ばない。「生産第三」を「安全第一」よりも優先させた結果である。
 
 関係したJR西と事故調の元委員らは、国鉄時代の先輩後輩・上司部下の関係だったという。国鉄時代の負の遺産がこんな形で現れるとは考えなかった。何よりも、本当に犠牲者や遺族に対して真摯な態度であるのかどうかが疑問である。文言を変えた方が良さそうだ。「顧客第一」「体質第二」「利益第三」なら分かりやすいだろう。
 
※国交省航空・鉄道事故調査委員会は現在「運輸安全委員会」と改称しています。
 
☆ 崇高な精神の持ち主は目的を持ち、そうでないものは願望を持つ(Washington Irving)
 
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★ 事故調への接触、JR西の現副社長が指示(読売新聞・09/9/28)
★ 事故調漏えい:JR西前社長、中間報告書素案も入手(毎日新聞・09/9/29)
 
 

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日本人、4人に1人は65歳以上 積極的長寿の促進を

 総務省の人口推計の発表で、65歳以上の人口は2898万人、総人口に占める割合は22.7%と過去最高となった。このうち女性は人口の25.4%(1659万人)、男性は19.9%(1239万人)となり、女性の4人に1人、男性の5人に1人が該当する数字となった。
 
 世帯主が65歳以上で無職の世帯の1ヶ月平均消費支出が約20万6千円。これに対して可処分所得は16万4千円となり、4万2千円足りない。不足分は00年の2万円と比べて倍増している。要因は税金と社会保険料の増加だといい、同省によると「不足分は預貯金などの金融資産の取り崩しなどで賄われている」という。
 
 少子高齢化が本格的に始まった、そんな報道を見聞きするたびに思う。少子化は未来が先細りする問題ではあるが、高齢化そのものは悪いことではない。日本人の長寿化は世界に誇ることのできる話である。問題なのは、社会から疎遠となっていくリタイア世代に対する社会保障の不備にある。
 
 医療崩壊も叫ばれるなか、自治体によってはプールや体操などのリハビリ施設に定期的に参加してもらうことで、多くのリタイヤ世代が元気な町もある。病気や病院ありきの議論ではなく、子供や働き盛りの世代にも通用するような、健康促進プログラムを考える必要がある。
 

 加齢による関節や腰の痛みなどを改善すべく、プール内での運動を行っている施設が愛媛県宇和島市にある「アクアクリニック別当」である。通院患者の8割がひざや腰の痛みと生活習慣病を抱える高齢者で、プールを目的に通っている。筋力や脚力を鍛えることで「寝たきりにならない、介護を必要としない晩年」が目標だ。
 
 院長の釜池豊秋院長は「体操の個々の動きには医学的な裏付けがある。水の負荷で運動する人の力に合わせ、無理なく筋肉を鍛えることができる。ほとんどの腰痛やひざの痛みは筋肉を鍛えれば治る」と強調する。 
 
 同市内の70代の女性は変形性関節症。毎日通院して水中体操をしてきた。「今はほぼ痛みが消え、最高血圧は160から130に下がり、体重も3キロ減った」と喜ぶ。プールから出てきた80代の女性も、神経痛のために杖が必要だが、「運動した後は心地よくて生きる元気がわいてきます」と語る。(99.8.21・読売新聞東京朝刊)

 
 こうした水中療法や温泉療法が効果的であることは医学者の間では知られているが、実際に病院がプールまで用意するとなると経営的に難しい。ゆえに、自治体が持っているプール・温泉施設を積極活用することで、医療費の削減、医療機関の負担軽減、ひいてはリタイヤ世代の長寿につながる。病気になる前の予防を施すことが先決なのである。
 
 つなげて話をするのはおかしいかも知れないが、テニスのクルム伊達公子選手が韓国オープンを制した。スタンドの韓国人観客からは大きな拍手と歓声が送られたとのことである。ソウルに住む韓国人主婦(32)は「40歳近くというのに本当に凄い闘志。あんな力がどこからわいてくるのだろう。ファンになった」と嬉しそうに話した。
 
 復活してからあれよあれよという間に登りつめていくクルム伊達公子だが、どうしても年齢のことに絡めて報じられてしまうのは失礼だと思いつつも、やっぱり凄いことである。一度引退したのにもかかわらず、自分より年下の選手を次々に倒していった。クルム伊達は昨年、「負けず嫌いにブランクはなかった」と述べている。13年前に引退したクルム伊達の活躍は、何か勇気づけてくれるものを感じる。それは”アラフォー”だから凄いのではなくて、リタイアしてから堂々と復活し続けていく姿勢に目を見張るのである。
 
 若いときに華のある時期を送ることができるのは当たり前。そのあと社会が手を差し伸べれば、リタイアした方たちがまだまだ復活し続けるのは決して夢物語ではない。せっかく政権が交代したのだから政府には思い切った改革を望む。手を差しのばせる余裕のある国であるべきだ。
 
  
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★ 女性高齢者の割合、始めて25%超す 男性は5人に1人(朝日新聞・09/9/21)
★ 【テニス】年齢に負けない伊達 韓国人観客から拍手と歓声(産経新聞・09/9/27)
 
 
 

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八ツ場ダム中止で失うもの、お金ともう1つ

 藤井裕久財務相は大臣就任会見時に「マニフェスト(政権公約)を守ることが一番大切」と述べていた。単純に納得したが、その単純な公約がこれまで守られず、国民が裏切られたとの思いがあるから政権は交代したのだろう。聞こえのよい公約が並ぶが、その一つが八ッ場(やんば)ダム建設中止問題である。
 
 前原国土交通相は23日、八ッ場ダム建設中止を表明してから初めて群馬県長野原町のダム建設予定地を視察した。現地には大沢正明・群馬県知事、高山欣也・長野原町長らが出向いた。前原国交相は、首長らを前に「政策の変更で、皆さんにご迷惑をかけ、素直にお詫び申し上げます」と謝罪した。住民への補償や生活再建などを実施する新法制定の考えを示したが、「中止を白紙にするつもりはない」とし、就任以来の「ダム建設中止」の姿勢を変えることはなかった。
 
 地元住民との意見交換会も予定されていたが、「建設中止ありきの話し合いには応じない」。旅館経営者などは「連休の書き入れ時に手が離せない」として誰も参加しなかった。
 
 もともと、長野原町の人たちはダム建設反対派が多数を占めていた。建設予定地では昭和27年にダム計画が持ち上がり、名勝地である吾妻渓谷の一部や、川原湯温泉が水没することから反対運動が始まったのだ。賛成派と反対派は小さな町を二分した。親戚同士がいがみ合い、隣近所同士が敵対し、町を出て行く人もいたのである。その後の昭和62年、ダム建設反対運動に疲れた住民は、国の現地調査を受け入れることにした。
 
 ダムの総事業費は4600億円。うち3210億円がすでに使われた。建設を中止すれば、残されたダム本体工事関連費620億円については削減できる。当然ダム維持費用も不要になる。
 
 しかし建設を中止した場合、水の供給を目的に事業費を拠出した下流の1都5県に対して費用を返還しなければならなくなる。石原都知事も「当然、返還請求しますよ」と公言している。その総額は1460億円。加えて地元住民に対する今年度以降の生活再建関連費770億円も必要となる。合計2230億円。
 
 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
 
 国連での演説で鳩山首相は「90年比で25%のCO2を削減する」と演説すると、会場からは拍手が起こった。サルコジ仏大統領、タンザニア環境相、パン・ギムン国連事務総長が鳩山首相の演説を賞賛した。
 
 ダムにしろ、環境問題にしろ、高速道路無料化にしろ、あまりに聞こえの良い文言が並ぶ上でどうも納得のいかないことがある。具体的な代替原資はどこから捻出するかということだ。無駄を減らせば浮くお金があるとのことだが、どうも安易に納得が出来ない。
 
 例えるならば、平置きされている「民主党マニフェスト」という名の本の帯に景気のいい文言があったがうえに、「話題の新刊」だったからつい手にしてしまった、そういうことにはならないだろうか。
 
 八ッ場ダム中止と建設のどちらが無駄になるのか。いずれにせよ、お金以外でもう1つ、すでに無駄になっているのが「時間」である。長野原町民は57年間もこの問題と対峙してきた。旅館を経営する人は古くなった建物を改築したいが、ダムの有無により移転するのかしないのかを決めなくてはならない。それが未だに決められないでいる。「何でいまさら」「国の都合で」という声が聞こえてくる。造る、造らないで翻弄されてきた町民のかたがたの時間は1秒1秒、今も時を刻んでいる。建設予定地には無駄になっている時間が蓄積されている気がする。
 
 政府が大切にすべきは国民であり、国を動かすのに必要な税金をいかに効率よく使うかにかかっている。そして、時間や空間・環境といった無形の財産にも目を向けるのが政治がすべき”イニシアチブ”である。民主党の皆さん、自己満足のためのマニフェストなら今すぐやめてください。
 
 
☆ この世の大きな脅威は、何でも変えたがる人々…あるいは何も変えようとしない人々である。(Nancy Astor)
 
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★ 【八ッ場ダム】前原国交相が視察 地元の中止白紙撤回に「戻すつもりはない」(産経新聞・09/9/23)★ 鳩山首相が国連で「温室効果ガス25%削減」を表明(産経新聞・09/9/22)
 
 

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裾野市役所地下に大空洞 穴埋め工事へ 他にもある空洞問題

 静岡県裾野市役所の地下に巨大な空洞があり、役所の通常業務をしながら耐震補強する工事を施すことになった。空洞の存在は75年のボーリング調査で分かっていたが、庁舎建設の代替地がなかったことに加えて、安全性には問題がないと専門家からのお墨付きも出たことから計画通りに着工した。
 
 しかし、05年の耐震診断では、老朽化のために大地震発生時に相当な損傷を受ける可能性のあることが判明。空洞をモルタルで埋めて耐震補強する工事が決定した。鈴木副市長は「前例のない工事で全国から注目されている。速やかに工事を行い、市民を守る拠点にしたい」と話す。
 
 この空洞は、富士山の溶岩流が冷えて固まる過程で生じた。庁舎の地下5〜10メートル付近に1つ、さらに深い10〜15メートル付近に1つの空洞が層状に重なっている。大きさは東西70メートル、南北が10〜15メートル、高さは0.5〜2.5メートルで、同市から三島市周辺の地下一帯は同様の空洞が散在するという。
 
 しかし、空洞問題で深刻な場所が岐阜県にある。
 
 岐阜県御嵩町はかつて亜炭採掘の場所として栄えていた。亜炭は石油が主燃料とされる前に燃料として使われていた。1957年には炭鉱数124、年間43万トンを生産し、国内有数の産地だった。しかし違法な採掘も多くあったとされ、現在散在する空洞は深いところで100メートル、広さは6平方キロメートルに及び、面積は町の1割に相当、しかも中心部に集中している。
 
 そのために町の至る所で陥没が発生。一気に陥没するわけではないが、小さい陥没が起きてから徐々に大きく落ちていく「ツボ抜け」と呼ばれる状態だ。かつては石炭や亜炭の採掘が起因する陥没に対して国から補償があり、御嵩町では農地や家屋など182件、約25億円が支出された。
 
 しかしこの補償政策である「臨時石炭鉱害復旧法」は02年3月で期限が切れた。現在も町の至る所で空洞は存在し陥没の危険がある。地元不動産業者も「土地が売れない」と嘆いているが、町が憂慮しているのは「東海地震」だ。岐阜県御嵩町は県南部に位置し、愛知県や静岡県に近い。震度5強の地震でも空洞の大半が陥没するといわれており、町は土などを流し込む計画を立てているが、町の予算では限界があり、国に救済を求めている。
 
 
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★ 市庁舎の地下に大空洞!業務しつつ穴埋めへ(読売新聞・09/9/12)
★ 東京都内の国道地下に空洞 道路保全技術センターがずさん調査(産経新聞・09/8/5) 
※「御嵩町問題」参考=読売新聞中部朝刊・05/4/23
 
 

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老老介護の現実  進行する高齢化の問題

 このブログの中に「本日人気のあるエントリ」というのがあり、アクセスの多いものが並んでいる。最近は見なくなったが、かつては「南田洋子の認知症『介護は恩返し』長門裕之」がトップに上がっていた。テレビで見かけなくなった南田洋子さんが認知症を患っていたことに多くの人が衝撃を受けたことであろう。この様子はテレビで放映された。
 
 このテレビ放映に対して嫌悪感を覚えた方も多くいる。つまり、「認知症の妻をテレビで見せ物にするとは」というものである。本人の意思が確認できないのに、そのプライバシーを勝手に放映するとはよろしくない、ということである。長門さんに対する反発もあるであろうし、テレビ局に対してもそうであろう。その考えはよく理解できる。
 
 参考までにこのブログで「南田洋子さんのテレビ公開」についてアンケートを募ったところ、反対が7,賛成が16、どちらとも言えないが6であった。私は賛成である。南田さんの意思が不在であるのは認知症が進行している状態ではどうしようもない。そうであれば南田さんの代理人、すなわち成年後見人である長門さんの意思決定が重要になる。
 
 長門さん自身も高齢でありお金の問題もある。公開することで経済的負担をなくせる部分があることも本音だと推測する。とりわけ子供のいない長門夫妻が頼れる介護者はデイケアのヘルパーさんであり、長門さん自身である。
 
 家庭によっては施設に入院させることもできるであろう。しかし誰もがそれをできるわけではない。老老介護の現実を知る機会は少ない。6年後には日本の人口の4人に1人が65歳以上になる。これはもう一部の人の問題ではない。
 
 介護の経験をまとめた本なども多数あるが、映像のほうが分かりやすいことが多い。そういう意味で老老介護の現実を知る上で必要な情報の提供方法だと思う。そして夫婦で過ごせるという意味で南田さんは幸せだとすら思う。
 
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ 
 
 介護が起因する悲劇は後を絶たない。その中で印象に残っているのが、2006年に京都で起きた承諾殺人である。
 
 京都市伏見区の河川敷で母親(当時86歳)を絞殺した50代の男性被告は、被告人質問で事件の経緯について語った。男性は介護のために仕事を辞めた。生活保護費の受給申請に福祉事務所を3回訪れたが申請は拒否された。生活費を削るもアパート代金すら払えなくなった。男性は母親に対して献身的な介護を続けていたが、経済的に困窮してしまい絶望した。母親を殺して自分も死のうと決意した。
 
 「母親に『僕と一緒にどこにでも行こうか』と聞くと、にっこり笑ってくれた。最後まで2人で行こうと思いました」、「この手は母親をあやめるための手か。心の負の遺産を作ってしまった」と涙ながらに述べると法廷は静まりかえり、傍聴席からすすり泣きが漏れた。
 
 検察側は「被告は母親をこよなく愛し、一緒に行きたいと思い、最後の瞬間まで介護を続け、被害者と心中に至った。しかし親族に援助を求めることなどもできたのに『人に迷惑をかけてはいけない』という自分の生き方を優先させており、命の尊さに対する理解が欠けている」とした。これに対して弁護側は「法的に非難することはできても、道義的に非難することはできない」と反論した。
 
 検察は被告を非難したと同時に「被告は母親を長年にわたって献身的に介護しており、2人で生活できる方法を模索したが、見つけることができなかった」と被告に有利な情状も述べている。
 
 06年7月21日に京都地裁で男性に対する判決が出た。承諾殺人と銃刀法違反の罪に問われた男性に対して、東尾龍一裁判官は懲役2年6ヶ月(求刑3年)、執行猶予3年の判決を出した。
 
 「被告は行政からの援助を受けられず、経済状態が急迫し、心身ともに疲労困憊となり、愛する母親をあやめた。その苦しみや絶望感は言葉では言い尽くせない」。「母親は献身的な介護を受け、犯行前日には、思い出のある京都市内の繁華街を案内してもらっている。恨みなどを抱かず、厳罰も望んでいないと推察される。自力で更生し、母親の冥福を祈らせることが相当」と述べた。 
 
 判決の後に同裁判官は「生活保護行政も問われている。事件に発展した以上は、対応すべきだったかを(関係者が)考える余地がある」と福祉行政について踏み込んだ発言をしている。
 
 東尾裁判官は最後に被告に対して「絶対に自分をあやめることはしないようにして、お母さんのためにも幸せに生きてください」と諭した。
  
 公判を傍聴していた男性(60)は「母親は4月に亡くなったが、自分も『母親と一緒に死にたい』と思ったことがある。こういう悲劇が起きなければ、介護で辛い思いをしている人の声が世間に届かないことが悲しい」と述べている。
 懸命に介護をしていても、それが犯罪になってしまう悲劇。手を下した男性は悪い。しかしそのきっかけを作った所に責任はおよばない。これは3年前の事件であるが、その後も同様の事件は続いている。
 
 
※ 「承諾殺人」の男性はその後に亡くなっていることが分かりました↓
 
★ 介護殺人その後 加害者も心に大ダメージ 社会復帰に壁(毎日新聞・2016/1/5)
 
 
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★ 南田洋子の認知症「介護は恩返し」長門裕之(本ブログ・08/10/4)
★ 消えていく記憶 認知症の南田洋子(本ブログ・08/11/3)
★ お年寄りと接する”常識”の変化(本ブログ・09/2/19)
★ 認知症妻介護役を好演 長門裕之 「ショカツの女・3」
※「京都の承諾殺人」参考=読売新聞06.6.22、06.7.6、06.7.21、06.7.22。
 
 

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全焼のトトロの家、宮崎監督協力で再現へ 東京・阿佐ヶ谷

 今年の2月に不審火によって全焼した東京・杉並区阿佐谷北にある”トトロの家”が宮崎駿監督のデザインによってよみがえることとなった。杉並区ではスケッチを同監督から受け取っており、公園として整備する。
 
 昭和初期に建てられた洋風の木造住宅を、かつて宮崎監督は「トトロが住みそうな家」と紹介した。赤い屋根が特徴の家の周りには草木が生い茂り、周辺には一般的な住宅が密集している中で異彩を放っていた。
 
 焼けてしまった木々は伐採せずに焼け残った赤瓦や家の土台も残して”リサイクル”する方針。宮崎監督は「あの家の記憶をとどめるような公園になり、町に彩りが添えられれば」と話している。
 家主である元デザイン学校教員の近藤英(えい)さん(85)が住み、家屋や草木の世話を続けてきたが、2年前に高齢などを理由に隣にある両親の実家に転居すると、保存を求める地域住民やファンら6千人を超える署名が集まった。杉並区は昨年、土地と隣接する駐車場を地主から買い取り、計830平方メートルの公園にする計画を決めた。
 
 しかし今年の2月14日に不審火により全焼、草木も3分の1が消失した。白紙の状態から作り直すことも検討されたが「偽物を作っても仕方ない」と、既存のものを利用して公園に整備する。
 
 現場周辺は住宅密集地であるが静かな住宅街。今年の1月に阿佐ヶ谷に行ったが、商店なども減っており、新しいマンションやアパートが建ち並ぶようになった。その一方でJR阿佐ヶ谷駅を南北に縦貫する中杉通りはけやき並木が美しい。
 
 そんな道の少しはずれにトトロがいるかもしれない想いを馳せるのも楽しい。きっとトトロはいるのであろう。それを信じて足を運べば。トトロは緑あるところを飛び回っていることに違いない。そして阿佐ヶ谷にひょっこり顔を出すこともあるにちがいない。
 
 
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★ トトロの公園、再び 宮崎駿監督デザイン、東京・杉並に(朝日新聞・09/9/6)
★ 「トトロの家」全焼 東京・杉並(本ブログ・09/2/14)
 
 

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