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悪に便宜図る公務員たち

 堺市にある大阪刑務所の複数の刑務官が、服役中の暴力団関係者に便宜を図った見返りに金品を授受していた疑いが浮上した。大阪矯正管区などが調査しており、事実が判明次第処分する。
 
 受刑者が外部の人間と連絡を取れるようにする「ハト行為」をした見返りに、受刑者から金品を受け取ったという内部告発があった。さらに、受刑者が「要求を聞かなければ金品の授受を外部にばらす」と刑務官を脅していたという疑いもあるという。
 この刑務所では昨年6月に刑務官が受刑者に処遇で便宜を図り、見返りに現金30万円を受け取った収賄容疑で大阪地検に逮捕されている。
 
 また今月には、警視庁玉川署留置係の男性巡査長(27)が強盗傷害罪などで拘置中の男(21)から500万円を脅し取られる事件も起きた。巡査長が勤務中に携帯電話を使っていた事を”ネタ”にタバコを吸わせるなど便宜を図り、「これまでの事をバラされたくなければ金を払え」と脅したというものである。男は福岡県大牟田市の被告で、警視庁に恐喝容疑で逮捕された。容疑を否認している。
 以前には徳島刑務所で、刑務官が複数の受刑者に暴行される事件も起きた。福岡では男性巡査長(45)が出会い系サイトで知り会った女性に絡み、暴力団員から暴行された後に現金を脅し取られた事件も起きている。
 
 本来、威厳や強い権力があるはずの公務員が悪党からいいように利用され、恐喝までされている。玉川署の事件では、制服警官が署内で恐喝されているという異常な事態だ。こうした法の執行官が弱体化していないだろうか。
 
 2007年に団塊の世代が大量退職した。経験豊富な警官や刑務官は、どんな事態に遭遇してもうまく収拾を図った。徳島刑務所の事件でも、かつては受刑者を威圧し、うまくトラブルを乗り切るベテランがいた。しかしそんな大先輩たちが退職し、まとめ役が少なくなり、現場は不穏な空気を読めなくなってきているのであろうか。
 
 法の執行官の年齢が問題ではない。毅然とした姿勢が一般人より特に求められる仕事だ。それに携わる者はそのプライドさえ忘れなければいい。警棒や拳銃が人を威嚇するするのではない。制服を着た法の番人はそれだけで威圧効果がある。その効果を維持するためには強い危機意識と規範意識が求められる。
 
  
☆ 真の勇気は、第三者の目撃者のいない場合に示される。(ラ=ロシュフーコー)
 
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★ 刑務官が受刑者に便宜か 大阪刑務所(産経新聞・08/12/12)
★ 拘置中に警官から500万、恐喝容疑で21歳無職を逮捕(読売新聞・08/12/3)
★ 暴力団やりたい放題!警官を暴行&恐喝(スポニチ・08/10/21)
★ 受刑者が刑務官に暴行 徳島刑務所(本ブログ・07/11/28)
 
 

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外国人客の傾向と対策

 
 外国人観光客が増えることについて、5割以上の人が治安面で不安を感じている。そんな調査が明らかになったのは、政府の「観光立国と観光庁に関する世論調査」である。外国人観光客は07年には825万人を記録、政府は10年までに1000万人を目標に誘致活動を進めている。
 
 「治安面からくる不安で、何らかの対策が必要」・・53%
 「地域社会でトラブルが多くなる」・・27%
 「国際交流が進む」・・51%
 「地域経済の活性化につながる」・・40%
 近年では、大阪市西成区の「あいりん地区」や東京・山谷のドヤ街などに外国人観光客が宿泊する事が多くなっているという。理由は何といっても宿泊代の安さ。それに加えて、交通の便がよい事が挙げられる。山谷は外国人に人気の秋葉原に近いという理由がある。
 
 もともと労働者の街であったこうした”ドヤ街”は、労働者の高齢化に伴い利用者が減ってきている。その代わりに外国人観光客が利用する事も多くなった事から、宿のオーナーは英語表記の看板を掲げたり、建物を改築しモダンなものにするところも出てきている。先を見据えた新しいまち作りのようである。
 
 こうした街もある一方で、日本全体的にはどれほど外国人観光客にとって利便性が高いだろうか。以前に比べて町名表示にローマ字が表記されるようになった。地下鉄の路線図も同じである。しかし、言葉の壁がある。日本語を学びに来ている外国人と違い、観光客となると事前に日本の情報について調べてきている者が多いとは言えない。
 
 政府は「ビジット・ジャパン・キャンペーン」を実施、外国人観光客に対しての誘致を図っている。しかしただ呼べばいいというものではない。日本はこういう国でありますよ、ということを積極的にアピールするのみならず、受け皿をしっかり確保しないと意味がない。
 
 「ビジット・ジャパン・キャンペーン」には「日本へようこそ」というフレーズが使われている。これがどうもぎこちない。「ようこそ」という言葉を使っているのはファミレスの「デニーズ」くらいで、日常的にあまり聞かない。日本人なら「いらっしゃいませ」のほうが合っているような気がする。 
  
 
☆ 敵か、それとも味方か。私が攻撃すれば、敵になる。私がなんの恐れもいだかず、微笑してみせれば味方になる(アラン「人間論」)
 
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★ 外国人客増、5割強が「不安」=「観光庁知らない」6割 政府世論調査(時事新聞・08/11/23)
★ ビジット・ジャパン・キャンペーン
★ 秋葉原:外国人観光客が殺到「オタク文化」人気で 5年で300万人増(毎日新聞・08/9/2)
 
 

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公立図書館で窃盗が横行

 
 近所の図書館に借りていた本を返しに行った。カウンターで係員が渡した本をぱらぱらとめくる。何故こんな事をしているかといえば、本に下線を引いたり、写真など一部のページを破ってしまう者がいるからだ。目の前でそんなチェックをされるのはいい気分ではないが、そういった事情なので仕方がない。
 
 読売新聞は全国の道府県庁所在地、政令市、東京都および23区にある、約570の公立図書館で行方不明になっている本の冊数および、被害金額を調べた。それによると、2007年に行方不明になっている本などはおよそ28万冊におよび、金額にすると約4億1千万円にものぼることが分かった。防犯カメラや防犯ゲートを設置しているところもあるが、各自治体の財政事情もあり、根本的な有効策は見いだせていないのが実情だ。
 
 行方不明になっている本の多くは無断で持ち出されていることが多いと見られている。また、本の表紙だけを残して中味を全て抜き取ってしまうという手口も横行している。レシピ本や芸能人の写真などが多く掲載されている本が狙われやすいという。さらには、持ち出された本が捨てられているという事例もあり、近くの商店前の路上に段ボールに入った本80冊が見つかったり、駅のゴミ箱に捨てられているのが清掃員に発見されたりしている。
 
 昨年ある図書館で、中年女性がバッグに雑誌を入れたまま館外へ出ようとしていたため職員が呼び止めた。女性は「本が知らないうちにバッグに落ちた」といい、「盗んだ証拠でもあるのか」と激高し、職員が謝罪した。
 
 返却された本が水に濡れて使い物にならない状態になっていたため、返却に来た中年男性に弁償を求めると、「まだ読めるだろう。税金を払っているのに何故弁償しなくてはいけないんだ」と「逆ギレ」され、職員が謝罪した。
 
 全国の図書館ではこうした事例が頻発し、定期的に廃棄する本の中には、およそ半分が意図的に汚損された本である図書館も多い。言うまでもなく、公立の図書館というのは公の場所であり、その利用は利用者の性善説によって成り立っている。「公の施設は利用が安いかタダ」という意識が違う方向に暴走していると言わざるを得ない。図書館の職員は「最終的には市民のマナーに頼るしかない」と嘆く。しかしここまでくると、マナー云々というよりもむしろ犯罪である。
 
 たいした病態でもないのに救急車をタクシー代わりにする、ウソの通報でパトカーを呼び出す、公共の施設に落書きをする。公共サービスというのは本当に心強い存在であり、それを享受できるのはとても贅沢なことである。我々は、役人の無駄遣いを指摘することは多い。しかし、一般市民の中に紛れ込んで、公共物を汚損、または盗んでいる”税金ドロボウ”がいることも知るべきである。
 
 
☆ 本は何度も何度も開ける事のできる贈り物だ(ギャリソン・キーラ)
 
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★ 28万冊いずこに…全国公立図書館で不明、被害4億円超す(読売新聞・08/11/9)
★ 図書館で「切り抜き」「線引き」横行(本ブログ・06/12/12)
  

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尊厳踏みにじる辛口コラム

  
 死刑執行には複数の刑務官が立ち会う。死刑囚が顔にマスクをかけられ、上からつるされた縄が首に添えられる。刑務官は複数で同時にボタンを押すことにより死刑囚が床に落ちる、という仕組みになっている。この”仕事”には手当が出るそうだが、多くの刑務官がその日のうちに飲みに行って使ってしまうそうである。他にはありえないこの仕事、仕事とはいえいい気持ちがしないのは当然である。
 
 先日の3人の死刑執行に対して、18日付朝日新聞の夕刊辛口コラム「素粒子」は法相のことを「2ヶ月間隔でゴーサインを出して新記録達成。またの名、死に神」とした。これに対し鳩山法相は「死に神と言うとは、執行した人を侮辱する発言」と非難した。死刑存廃論はあっていいのは当然だが、死刑制度のある日本において死刑の執行に携わる人たちをそう呼ぶのは全国紙が発信する言葉であろうか。同コラムでは「侮辱の意図はなかった」「風刺の表現技法を磨きたい」と釈明した。
 
 「素粒子」は2006年1月に「浦安の新成人。遊園地のネズミ踊りに甘ったれた顔して喜んでいるようじゃ、この先思いやられる」と、成人式を東京ディズニーランド(千葉県浦安市)で行った新成人を”風刺”した。これに怒った浦安市は抗議文を送付する騒ぎになった。
 
 言論・表現の自由があるのは当然だが、この自由は個人法人の権利を尊重するという前提に成り立っている。法相を死に神呼ばわりすることは、死刑執行官と同僚・その家族、法務省職員などを侮辱していることに等しい。人が処刑されたことをも軽く考えているようであると考えれば、死刑囚の最期をも侮辱することになる。
 
 表現のモラルが低下しているとしたら、そちらのほうが”死に神”にとりつかれているのではないだろうか。
 
 
☆ もしA=成功だとすると、A = X + Y + Zという公式が成り立つ。Xは仕事、Yは遊び、そしてZは余計なことは言わない、ということだ。(アインシュタイン)
 
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★ 朝日「死に神」報道に法相激怒 「死刑執行された方に対する侮辱」(産経新聞・08/6/20)
★ TDLに行ったことのない「辛口」コラム(本ブログ・06/1/14)
 
 

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ドンキ放火事件 119番対応が法廷へ さいたま市提訴される

 
 さいたま市の「ドン・キホーテ浦和花月店」で起きた放火事件で、その時になくなったアルバイト従業員女性の遺族が、消防の対応に問題があったとして、さいたま市消防局を管轄するさいたま市を訴えた。
 
 テレビでやりとりを聞いた。女性は冷静な口調で応じているが、背後では火災報知器が鳴り響いており切迫した状況が分かる。消防局の司令課の男性は「どの辺から煙がでてんの?」といった具合に危機感が感じられない。女性を安全に誘導すべきでなかったかというのが遺族側の言い分である。
 
 「救急ですか?火事ですか?」。以前、東京消防庁に119番したときに最初に聞かれたことである。こうしたところに通報するにはちょっとした勇気が要るものだ。だから受ける側は親身になって欲しいと考える。助けて欲しいのであるわけだから。
 
さいたま市消防局と女性とのやりとりは以下の通り。(朝日新聞より引用)
小石さん(以下、小):もしもし。もしもし。
指令課(以下、指):火事ですか。救急ですか。
小:えーと。火事なんですけど。
指:ドン・キホーテで火事?
小:はい。そうです。
指:火事なのね。何が燃えてるの?
小:えー、何が燃えてるんだろう。何が燃えてるのか、ちょっと分かんないんですけど。
指:建物なの?
小:はい。
指:火が出てんの?
小:火が出てる。ここからはちょっと見えないですけど、煙がすごいです。
指:どこで? ドン・キホーテの中?
小:ドン・キホーテの中で。
指:はい。何階建て?
小:はい。
指:何階建て?
小:私の?
指:何階建て? ドン・キホーテは?
小:えっ。ごめんなさい。聞こえないんですけど。
指:ドン・キホーテは何階建てなの?
小:あっ。えーと2階建てで上が駐車場です。
指:上、駐車場?
小:はい。
指:はい。で、1階2階建てなのね?
小:そうです。で、1階から火が出てます。
指:1階から火が出てんの。
小:はい。
指:今出しますからね。お宅さんの名前は?
小:はい。
指:お宅さんのお名前は?
小:あっ。私、小石って言います。
指:小石さんね。
小:はい。
指:電話番号は○○○○○○○(店の番号)でいいの?
小:はい。
指:はい。今行きますからね。
小:はい。お願いします。
指:1階のどの辺から煙が出てんの?
小:はい?
指:1階のどの辺から煙が出てんの?
小:ちょっと分かんないです。すいません。私出ます。
指:もしもし。もしもし。
(通話時間1分49秒)
 
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★ ドンキ放火の119番対応、法廷へ 遺族が提訴(朝日新聞・07/12/17)
 
 

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薬害肝炎 厚労省に不快感

 厚生労働省内の倉庫から、血液製剤「フィブリノゲン」によるC型肝炎に感染した疑いの強い患者のリストが放置されていた問題。厚労省は行政指導にも限界があるなどとし、当時の厚労省の対応には問題がないとしている。そして国の責任ではなくあくまで製薬会社のみの責任であるかのような対応となっている。
 
 厚生労働省というのは国民の身体に安全でないものがあれば、またはその可能性がゼロでなければ、薬の承認などしないし取り消すこともできるはずである。リストを倉庫にしまった職員は危険がゼロではないと確認をしたのだろうか。
 
 一部では給与返納などという”パフォーマンス”も見られるが、患者側にとっては何の救済策にもなっていない。これが一国の大きな役所と思うと何とも陳腐な組織である。
 
 ところで厚生労働省とは誰が為の組織なのか、それを知るべくホームページに行ってみた。そこには子供向けの「厚生労働省ってどんな仕事をしているのですか?」というページがある。
 
 「厚生労働省では(中略)病気を予防したり、食品の安全を確かめたり(中略)働く人が安全で快適に働ける環境をつくる仕事をしています。」
 
 子供にウソをついてはいけません。
 
 
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★ 厚生労働省ってどんな仕事をしているのですか?(厚生労働省ホームページ)
★ 薬害肝炎 患者「責任転嫁の印象」(読売新聞・07/11/27)
 
 

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石原都知事 東京の景観嘆く

 テレビのインタビューに出演していた石原都知事は、超高層ビルから街を見下ろし、「東京はゲロだね」と言った。乱立する建物に呆れてしまった様子だった。
 
 街というのは都市計画によっていずれは道幅の広い住みやすい街になる。しかしそれは何年、何十年後のことである。例えば道幅は最低でも4メートルないといけないが、それに満たない道も多い。細い道路に隣接する家が新築・改築されない限り道が広くなることはない。
 
 都知事が嘆いているもののもう一つの問題は建物のデザインである。分譲住宅は造られるが、見たところ個性的な物件というのは多くない。それでも最近はデザイナー物件も増えてきており、人生最大の買い物に個性を見いだす人も増えてきた。
 
 街に調和する建物作りを考える必要があるだろう。それならば、それも規制してみるのも一つの手段かもしれない。京都や飛騨高山、鎌倉の町並みのように情緒のあるもの。景観を損ねないように配慮されたポストや自動販売機だって街をデザインする材料になり得るのだ。
 
 
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参考=「江戸と比べりゃ、今はゲロ」石原都知事、東京の景観嘆く(産経新聞・07/11/20)
 
 

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受刑者が刑務官に暴行 徳島刑務所 (2007.11.18)

 昨年、通っていた大学で、大学側が構内に不当に立ち入った団体を警察に引き渡したことから、その団体が正門前で抗議行動を起こしていた。正門前には警備員数人と警察官数人がいた。夜間であったが、後ろからその姿が誰が警備員で警察官か分かるものだ。
 
 まず、警備員は威圧するために後ろで腕を組み全く動かない。警察官は寒いこともあって足をジタバタ動かしていた。警備に慣れている警察官のほうに余裕があるのだ。
 
 いずれも制服であるから分かりやすいところだが、私服のガードとなると困難も多いだろう。何といっても私服では威圧感が出ない。制服があるから警備側であることを示すことができる。
 
 ところが最近は制服を着た警察官に反撃に出る公務執行妨害事件が増えている。警察官は武道の心得もあり銃や警棒も持っているのに、襲撃するとは一般の感覚では分かりにくい。徳島刑務所では刑務官が受刑者数人に暴行される事件も起きた。刑務所内という特殊な環境で刑務官に襲いかかるとはこれも理解を超えるが、制服の”魔法”が消えかかっている昨今である。
 
 これには、仕事着に対する感覚が薄れてきたものと思われる。警備員も増えてきたことにより、警察官や刑務官の制服に制圧する魔力のようなものが弱まってきているのではないだろうか。
 
 制服を着た者の犯罪も増えている。それが”制服の魔力”を著しく低下させている一因ともなっている。
 
 
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★ 徳島刑務所で受刑者が刑務官に暴行 所内は一時騒然(産経新聞・07/11/18)
 
 

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