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鳩山首相、辞任の賛否

 鳩山由紀夫首相が総理大臣を辞任する意向を明らかにした。またしても総理大臣の辞任。平成に入ってからの総理大臣としては14人目であった。
 
 国民の声も賛否が分かれた。「やめるのは当然」、「やめるのは無責任」、「もう少しやって欲しかった」、「早急に答えを出させる国民も厳しすぎる」といった具合だ。
 
 中でも普天間問題で揺れた沖縄県民の声は「辞めて当然」の声が多い。また、子供を持つ家庭からは「子ども手当や高校無償化が来年も続くのか不安」といった声も聞かれた。
 
 鳩山首相もそうであるが、政治家の中に「やがて今やっていることが正しいことだったと歴史が証明してくれる」などというかたがいる。しかし、それは未来にいる者が解釈することである。次々と過ぎ去っていく今という瞬間を生きている国民に、その犠牲を共有させることは間違いである。
 
 鳩山政権発足直後に出てきた「金の問題」は結局国民が納得できない状態のままになった。そのままここまできたことに国民がいらだっていたのは支持率が示している。沖縄県民に期待を抱かせながら普天間問題を解決できなかったことも、大事な一票を欺いたと言われても仕方のないことである。
 
 政治家にお願いしたいことは、「後に歴史が証明するから今は我慢して」ではなく、今すぐに結果が出なくても国民が納得するような未来を想像できるような政治である。そのリーダーシップの欠如が自らの辞任という決断に至ったことを反省しなくてはならない。
 
 
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★ 8:11「総理より大事なお話」 ドキュメント6月2日(朝日新聞・10/6/2)
★ 名護市長「辞任したからいい、とはならない」(読売新聞・10/6/2)
★ 鳩山首相退陣:「辞めて当然」「やっぱり」 街の声/静岡(毎日新聞・10/6/3)★ 鳩山内閣:トピックス(産経新聞)
 
 

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口蹄疫問題、政府の危機管理機能の欠如を露呈

 東国原英夫・宮崎県知事は記者会見で声を荒げていた。「我々は全力でやっています。寝ずに!」「ケンカ売っているのはそっちでしょう」。時折涙を浮かべながらの知事の姿は、宮崎の畜産が壊滅状態になることを憂いてのことか、疲労困憊気味のように見えた。
 
 口蹄疫の問題は政府の危機管理のなさを露呈することになった。政府は半径10キロ圏内の豚、牛について、ワクチン接種後に殺処分することを決めた。九州南部出身の自民党議員は、ゴールデンウイーク前に対策を採っていれば被害拡大を抑え込めたとする。自民党の浜田靖一国対委員長は、「4月30日に対応策を練るために海外出張を取りやめたらどうか、と赤松農水省に申し入れたが、振り切って海外に行った」と語る。
 
 産経新聞では「問題の本質を見誤った鳩山政権」という記事を書いている。補償の問題ばかりで、防疫対策を軽視している」と斬る。さらには殺処分対象の牛や豚を埋める土地について、政府が「充分足りる」としているが、宮崎県知事は「絶対的に足りない」としており、政府と県の意思疎通が欠如している、とも指摘している。
 
 「たらればの話はしない」と、麻生前首相がよく会見で語っていたが、あのときにやっていれば・・という政府の失態は多すぎる。薬害問題にせよ、石綿アスベスト問題にせよ、そして今回の口蹄疫の問題。補償ありきで解決するのではなく、先を見通した対策を採るのが政治のプロではないだろうか。これではまるで、保険に加入しているから自動車事故を起こしても大丈夫、と言っているようなものである。そもそも軽々しく「補償」というが、これは税金でまかなわれていることを忘れてもらってはならない。先手を打っていれば、人や時間という貴重なコストも省けた。
 
 壊滅的な被害が宮崎県にのしかかっている。補償は当然だが、県との連携を密にして、この不気味なウイルスに対処しなくてはならない。指揮権発動できる強い権力というものは、こういうときに使うのである。鳩山政権がぶれているのは、この指揮権発動するタイミングを知らないことにある。
 
 
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★ 【口蹄疫】問題の本質を見誤った鳩山政権(産経新聞・10/5/20)
★ 「やむを得ない決定だ」宮崎県知事(時事通信・10/5/19)
★ 和子牛競り、搬入車に消毒剤 但馬牛産地でも(読売新聞・10/5/19)
★ 殺処分作業、農家雇用の方針 農水省、豚優先で処理急ぐ(朝日新聞・10/5/19)
★ 石綿被害:国に責任 26人への賠償命令 大阪地裁(毎日新聞・10/5/19)
 
 

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5月4日の首相訪沖に米懸念 「守れない」何のための米軍、何のための首相

 鳩山由紀夫首相が、米軍普天間飛行場移設問題で5月4日に沖縄入りすることを決めた。これについて、現地が混乱することが予想されるため、政府内外から懸念の声が上がっている。
 
 地元では移設反対の横断幕が掲げられるなどして反発が高まっており、米軍側も首相の安全確保への不安などから視察に懸念を示している。首相は仲井真・沖縄県知事と会談するほか、普天間飛行場や名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワフを視察する予定。しかし米軍側は「ゲートは1カ所しかなく、激しい反対運動にさらされてイメージがよくないのではないか」、「首相の安全を保証するのは難しい」とも伝えた。
 
 名護市内には「ヘリポート移設許すな」と大きく書かれた横断幕があり、「首相がシュワブに入ろうとしても、数百人規模の住民が集まってゲートを封鎖する。周辺住民の1人は「9万人が県内移設に反対したばかりなのに、その直後に来て修正案を押しつけるなんて、何を考えているのか」と話した。
 
 米軍の「首相を守れない」というのは、反発する市民を前に力を誇示してまで日本の首相を守ることは難しい、そういう観点では理解できる。まさか市民を押しのけてまで鳩山首相をガードするわけにはいかない。しかしその一方で、首相ひとりすら守れないのも情けない気がする。何のための安全保障か。
 
 そもそも米軍は強く反省しなくてはならない。沖縄はその歴史から、特に反米感情が強いと考えられるが、いまだに毎年200〜300件、米国軍人及び関係者による犯罪が起きている。規範意識が余りにもなさ過ぎるが「綱紀粛正を図る」とアナウンスがあっても改善されているようには思えない。
 
 基地内は米国領かもしれない。しかし、フェンスの外は日本の領土であり、沖縄の土地である。その国の法令を厳守することができない軍人に、日本の安全保障などを任せられない。そもそも、尖閣諸島に中国や香港、台湾の活動家が上陸しようとしたとき、米軍は何をしていたのか。領土という日本の主権が侵されようとしたときに動いたのは、海上保安庁ではなかったか。
 
 鳩山首相も強く反省しなくてはならない。昨年の選挙公約では米軍基地について大きく触れていなかった。案の定、この数ヶ月はつぎはぎだらけの場当たり的な行動しか見ることができず、一国の首相としての牽引力が全く見られない。
 
 できないのならば、最初からそんな約束はしなければよく、その代わりに沖縄県民の生命財産を守る政策でも打ち出した方がよかったのだ。警察官や警備員の増強、経済支援などできることはあるはずだ。事業仕分けで浮いたお金は、こういうところに積極的に使わなければ、政権運営自体が実態のないパフォーマンスに終始することを知っておかなくてはならない。
 
 
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★ 昔話を知っている子供たち(本ブログ・10/4/25)
★ 首相訪沖の混乱予想、米はシュワブ視察に懸念(読売新聞・10/4/29)
★ 辺野古修正案、社民の福島党首「明確に反対だ」(朝日新聞・10/4/29)
★ 「面会した上でことわりたい」普天間移設問題で徳之島町長(産経新聞・10/4/29)
★ 迷走 普天間問題(時事通信)
 
 

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昔話を知っている子どもたち

 小学生の時に昔話についてクラスで研究していたことがある。その中で興味を持ったのは、話の最後に付く言葉だった。「しゃんしゃん」、「とっぴんばらりのぶう」、「えつこまんま」など、それ自体は意味のない言葉のようで、「おしまい」に代わる言葉だった。当時はその言葉を探すにしても、昔話を片っ端からあさるほか手段はなかった。今ならネットで簡単に検索できることだろう。
 驚いた。桃太郎の鬼退治にお供するのはイヌ、サル、おばあさん —————— 筑波大学大学院の徳田克己教授(子供支援学)らのグループが行った調査で、有名な童話や昔話を子供たちが正確に理解していないことが分かった。桃太郎が腰につけたものについては、平成2年の調査では3歳児の76%、5〜6歳児の91%が「きびだんご」と答えたが、今回の調査ではそれぞれ22%、51%と低下。中にはパン、ケーキ、シチューという誤答もあったという。
 徳田教授は「親も物語をよく知らなくなってきている。日本の昔話には年よりをいたわる、うそをつかないなどの道徳が自然に身につくものが多く、大切にして欲しい」と話す。
 
 かつて小学校には道徳の時間があり、テレビで物語を見せられた。よい役と悪い役が出てきて繰り広げられるお話。「大きくなる子」のような人形劇もあれば、人が出てくる教室が舞台のドラマもあった。何がよくて、何が悪いか分からないから、こうしたお話を見たり聞いたりする価値がある。
 
 

 「沖縄戦」の戦没者名が刻まれた沖縄県糸満市の「平和の礎(いしじ)」ができて10年。今年ようやく兄と妹の名前を刻んだ真栄城ヒデ子さん(67)の取材で、小学校の同級生、玉城トミ子さん(67)に会った。
 
 玉城さんは真栄城さんにきょうだいがいたとは知らなかった。戦後、戦災で校舎がなくなった小学校の「青空学校」で、人懐こい笑顔が魅力的だった。「当時、私は亡くなった姉の話を彼女にしたが、彼女は胸の内にしまっていたのね。つらかったでしょう」
 
 玉城さんもつらい日々を過ごした。米兵に撃たれ、左手首を吹き飛ばされた。病院で看護師が「必ず生えてくる」と慰めた言葉を信じたが、ウソだとわかり、絶望した。義手をつけ、妻を亡くした兄の子4人の母代わりとして生きた。そんな話を真栄城さんにしたことはない。
 
 最近、封じてきた過去を聞いてほしい気がして、真栄城さんに「今度の同窓会で昔話しようね」と電話した。戦後60年の沖縄、広島、長崎、そして終戦と巡り来るその日に、ようやく過去を振り返る人たちがいる。(容)
(2005年7月2日 読売新聞・大阪夕刊より)

 
 
 子供に対してする昔話は、良いことか悪いことかを考えさせるためであり、大人にとっての昔話は良いことだったか悪いことだったかを検証するためである。話し手がいるのは当然ながら聞き手がいるからである。「いる」という言葉を単に「居る」とするか、「要る」とするか。それが分かるのは、語り部が真剣に話していることを聞き手も真摯に受け取ったときである。
 
 「けりをつける」という言い方は、和歌などに出てくるの助動詞「けり」を最後につけることから、「終わらせる」「済ませる」という意味がある。沖縄・普天間基地移設問題では政府の迷走が続いており、けりをつけられそうもない。このままだと、政権与党の汚点ばかりが後世に伝えられて、”しゃんしゃん”という事態になりかねない。政党の汚点ならよいが、政治というのは、国民ひとりひとりの歴史を悲しいものにしてはならない。これだけは、けりをつけなくてはいけない問題である。
 
 
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★ 普天間の県外・国外移設求め9万人大会 知事「公約通りの解決を」(産経新聞・10/4/25)
★ 「もう限界」政府に怒りの声 沖縄県民大会(読売新聞・10/4/26)
★ 普天間問題:「なぜ基地押しつける」 会場に怒りの声次々(毎日新聞・10/4/25)
★ 「危険性除去と負担軽減を」仲井真・沖縄県知事あいさつ(朝日新聞・10/4/25)
★ 「桃太郎のお供は?」「アンパンマン!」昔話知らない子供たち(産経新聞・10/4/24)
★ まんが日本昔ばなしの人気(本ブログ・08/1/12)
 
 

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舛添要一氏「週内に離党、桝添新党になる」宣言 頼れない政治

 舛添要一・前厚生労働大臣は、週内に自民党を離党、新党結成の宣言を発表した。「新党を作るにはタイムリミットがある。いろいろな政治家といろいろな話をしている」とし、「あらゆる可能性を模索してきました。桝添新党になる」と発表した。
 
 5人の議員をすでに確保、新党は10人前後になるという。
 
 21日の党首討論で鳩山総理は「確かに私は愚かな総理かもしれない」と発言、自民党の谷垣党首は「日本の総理がそんなことではこまる」などと非難した。与党民主党は目下の最大の懸案事項である普天間基地移設問題で迷走を続けている。出てくる閣僚の発言には一貫性が無く、党のまとまりのなさが伝わってくる。
 
 例えば官房副長官が鹿児島県・徳之島の3町長に「平野官房長官にあって欲しい」と打診したことについては「どういう気持ちで官房副長官がそういう電話をしたのか分からない」などと他人事のような発言でいる。本当に分からないのであれば、まさに党の議論が熟しておらず、バラバラの状態になっていることを露呈しているようなものである。
 
 リーダーシップの欠如が指摘されている。一国の総理なのであるから、鶴の一声で政権運営をして欲しいところだが、鳩には荷の重い仕事なのかもしれない。鳩は定時に記者会見でポツポツと語るのみである。そして野党自民党もいなくなってしまったのではないかというほどに存在感が無くなった。新党結成は必然であるようだ。政治は国民のためであって欲しい。今の政治を見ていると、政治家のための政治にしか見えて聞こえてならない。
 
 
★ 鳩山新政権の即効力に期待(本ブログ・09/8/31)
 
★ 舛添氏離党へ 週内の新党発足目指す(産経新聞・10/4/21)
★ 舛添前厚労相23日にも新党結成 近く自民離党、改革ク代表ら同調(共同通信・10/4/21)
 
 

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杉並区長、前横浜市長ら「日本創新党」を結成 参院選では「5議席以上」目標

 山田弘・東京都杉並区長、中田宏・前横浜市長、斉藤弘・前山形県知事ら、現役主張、首長経験者が新党を結成した。「日本創新党」を旗揚げした。
 
 党首の山田氏は「日本を根こそぎ改革したい。自由で力強い日本を目指し、国家、地方、国民の自立を基本目標としたい」と述べた。夏の参院選については目標獲得議席を「できれば5議席から10議席」とした。
 
 かつて杉並区民だったので、山田区長の手腕には注目している。「プライバシーの侵害」と、住民基本台帳ネットワークシステム(住基ネット)への不参加を表明(当時)したり、レジ袋有料化を促進するなど独自の政策を打ち出した。
 
 大阪では19日、橋下徹・大阪府知事が「大阪維新の会」という地域政党を発足させ、行政サービスの向上を図ることがうたわれている。東京都と23特別区をモデルにしたインフラ整備を進めるという。大阪市、堺市を中心に周辺の市と統合し「大阪都」の実現を目指す。
 
 民主党政権の政策が今ひとつふるわず、大きな支持があったのは「事業仕分け」や「子ども手当」のくらいである。マニフェストを修正しなくてはならないという声もある。野党に転じた自民党も強い追求をすることがなく、これだけ存在感の無かった政党だったかと辟易する。
 
 こうした状況に危機感を感じ、新党「立ち上がれ日本」や、「日本創新党」などが次々立ち上がること自体は良いと思う。しかし忘れてはならないのは、喫緊の課題をおざなりにすることなく新たな船出をしていただきたいということだ。児童虐待事案はなくならず、児童相談所を始めとする行政の対応は急務だ。介護の問題、そして独居老人の問題は80年代からあることであるが、解決していることはなく、長寿のお年寄りに対して「後期高齢者」という名の保険サービスができただけだ。
 
 新党の旗揚げは、その船出をする目的が、新しい島を探すだけではいけない。出港する港のことも真摯に考えなければ、その船を迎え入れる住民は誰もいなくなることを肝に銘じていただきたい。
 
 
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★ 現役首長らが新党「日本創新党」を結成(読売新聞・10/4/18)
 
 

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節目の年に伝えなくてはならない15年前【沖縄少女暴行事件】

 95年9月4日、沖縄県北部で駐留海兵隊員3人よる、女子児童(12)に対する暴行する事件が起きた。この事件で沖縄県警察本部は3人の身柄引き渡しを米軍に要求したが、起訴に至るまでは逮捕ができないという日米地位協定によって取り調べができない状態でいた。
 
 この事件をきっかけに県民の怒りは爆発。県議会、沖縄市議会などで抗議決議が採られた。しかし、その後も繰り返し米兵による事件・事故は起きており、沖縄県民の怒りは頂点に達している。
 
 昨年の政権交代後、沖縄の基地問題では、それまで日米で締結していた名護市辺野古地区への基地移設問題は白紙撤回となった。これにアメリカ側は怒っているが、上記事件などの再発防止策が事実上採られていないことが大きな問題である。日本の有事の際に守るべき米兵が日本国民を愚弄していることをアメリカ側ももっと真剣に考えるべきである。
 
 民主党が政権を握ってから基地問題は大きくぶれている。明確なビジョンがなかったゆえでのことであるが、痛ましい事件が起こることのないよう日米の最善策を期待する。
 
 
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日本航空破綻 負債額2兆3千億 空に広がるいばら道(2010.1.20)

 かつて日本航空の旅客機には赤くて丸い鶴のマークが付いていた。鶴はタンチョウヅルをモチーフにしたものだろうか。”丹頂鶴”は「丹=赤い」「頂の」「鶴」という意味である。08年に鶴のマークは消えて現在のデザインに変わった。
 
 高度成長期に数多く大空を舞った、そんな日本の空の長い歴史を担ってきた日本航空が2兆3千億円もの負債を抱えて経営破綻し、会社再生法の適用を受けることとなった。今後は企業再生支援機構の手を借りて経営再建を目指すことになる。金融機関の債権放棄、そして公的資金は1兆円ほどが投入されるとも言われている。つまり税金だ。
 
 「税金を投入する以上、失敗は許されない」と前原国土交通大臣は会見で述べた。さらに大臣は「2社体制の維持ではなく1社体制もあり得る」と述べたが、現実的には独占禁止法に抵触する可能性もあり、1社が空を独占することはなさそうだ。そもそも日航も親方日の丸体質が経営破綻を招いたと言われる。かつて半官半民であった公営企業が左うちわで経営をしていたから戦後最大規模と言われる”倒産”を招いたのかもしれない。
 
 運輸業界は客そのものが売り上げの対象となる。従って、世界情勢に不安材料があればたちまち経営が危機に陥る。一昨年の燃料高騰や新型インフルエンザなどで渡航客の減少を招いた。機内にある機関誌や食器の重さをグラム単位で減らしたりするなどの涙ぐましい努力もした。それも日航社員がJALブランドを誇りにして働いてきたことゆえの努力である。
 
 今後は少子高齢化で人そのものの数が減っていき、日航のみならず運輸業界は苦戦を強いられることになるだろう。今後は空路のみならず、空港まで誘導する陸路のサービスをも模索すべきである。各種電鉄会社との業務提携や、飲食などのサービス事業者との連携で、空の旅が楽しくなるようなイメージ戦略が不可欠となる。
 
 今年は85年8月に起きた史上最悪の航空機事故である「日航123便墜落事故」から25年という節目の年になる。この時も親方日の丸体質が事故を招いたと言われた。四半世紀に渡り、これまで国内では大きな事故は起きていないが、安全運行が何よりも客にとって大切なサービスであることを忘れてはならない。今後必要となるのは、客がJALブランドを認識するように誘導する経営の管制塔が必要となる。つまり、あぐらをかいた企業ではなく、”親方鶴丸=空なら日本航空”と客に認識させることが大事なのである。
 
 
☆ 好機は、逆境や一時的な失敗の中によく隠れている。 (ナポレオン・ヒル )
 
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★ 日本航空:整備は、サービスは 利用者は不安と激励(毎日新聞・10/1/19)
 
 

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