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日本航空破綻 負債額2兆3千億 空に広がるいばら道(2010.1.20)

 かつて日本航空の旅客機には赤くて丸い鶴のマークが付いていた。鶴はタンチョウヅルをモチーフにしたものだろうか。”丹頂鶴”は「丹=赤い」「頂の」「鶴」という意味である。08年に鶴のマークは消えて現在のデザインに変わった。
 
 高度成長期に数多く大空を舞った、そんな日本の空の長い歴史を担ってきた日本航空が2兆3千億円もの負債を抱えて経営破綻し、会社再生法の適用を受けることとなった。今後は企業再生支援機構の手を借りて経営再建を目指すことになる。金融機関の債権放棄、そして公的資金は1兆円ほどが投入されるとも言われている。つまり税金だ。
 
 「税金を投入する以上、失敗は許されない」と前原国土交通大臣は会見で述べた。さらに大臣は「2社体制の維持ではなく1社体制もあり得る」と述べたが、現実的には独占禁止法に抵触する可能性もあり、1社が空を独占することはなさそうだ。そもそも日航も親方日の丸体質が経営破綻を招いたと言われる。かつて半官半民であった公営企業が左うちわで経営をしていたから戦後最大規模と言われる”倒産”を招いたのかもしれない。
 
 運輸業界は客そのものが売り上げの対象となる。従って、世界情勢に不安材料があればたちまち経営が危機に陥る。一昨年の燃料高騰や新型インフルエンザなどで渡航客の減少を招いた。機内にある機関誌や食器の重さをグラム単位で減らしたりするなどの涙ぐましい努力もした。それも日航社員がJALブランドを誇りにして働いてきたことゆえの努力である。
 
 今後は少子高齢化で人そのものの数が減っていき、日航のみならず運輸業界は苦戦を強いられることになるだろう。今後は空路のみならず、空港まで誘導する陸路のサービスをも模索すべきである。各種電鉄会社との業務提携や、飲食などのサービス事業者との連携で、空の旅が楽しくなるようなイメージ戦略が不可欠となる。
 
 今年は85年8月に起きた史上最悪の航空機事故である「日航123便墜落事故」から25年という節目の年になる。この時も親方日の丸体質が事故を招いたと言われた。四半世紀に渡り、これまで国内では大きな事故は起きていないが、安全運行が何よりも客にとって大切なサービスであることを忘れてはならない。今後必要となるのは、客がJALブランドを認識するように誘導する経営の管制塔が必要となる。つまり、あぐらをかいた企業ではなく、”親方鶴丸=空なら日本航空”と客に認識させることが大事なのである。
 
 
☆ 好機は、逆境や一時的な失敗の中によく隠れている。 (ナポレオン・ヒル )
 
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★ 日本航空:整備は、サービスは 利用者は不安と激励(毎日新聞・10/1/19)
 
 

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