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【梅雨明け】関東甲信地方で 本州で一番(2009.7.14)

 幼いころ、木造平屋建ての家に住んでいた。自然豊かな庭だったので、あらゆる昆虫が現れた。夏になるとセミやヒグラシが鳴いていた。
 
 縁側もあり、風鈴の音が暑い夏を涼しくしてくれた。欧米などではセミの声や鈴虫の鳴き声を騒音にしか捉えないようで、何とももの悲しくなる。
 
 ししおどしや、風鈴の音なども日本特有の暑さを乗り切るエコな発想である。音を聞いて涼むという風情が何とも言えない。
 
 しかし近年では、風鈴の力だけでは暑さをしのげないような猛暑が続く。15日、関東甲信地方は本州で一番最初の梅雨明けとなった。平年より6日早く、昨年より5日早いという。アブラゼミの初鳴きも確認されたということで、いよいよ暑い夏が本番だ。
 
 
☆ 水着の素敵なところって、日焼けの形に残ること(エスター・ウィリアムズ)
 
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視覚障碍者と晴眼者 全盲受験者と受験受付拒否の大阪市(2009.7.8)

 視覚障碍者が点字で受験できる試験を簡単に検索してみた。仙台市のウエブサイトに「視覚障碍のある方は点字受験も可能です」と書いてあったが、一般事務職のみの採用枠であった。他には東京、名古屋、京都、神戸、北九州、福岡の各市のサイトを見てみたが、市職員採用試験で視覚障碍者について記されていたところはなかった。
 
 民間の試験はどうだろう。英検のサイトに行くと、あった。「目や耳・肢体などが不自由な方には、特別措置を講じます」とある。視覚障碍者に限っていうと、「点字による教育を受けている者」は「点字による解答」であり、試験時間は通常の1.5倍、試験会場とは別室で行われる。弱視のかたも拡大文字などの問題用紙が用意されている。それぞれ点字機器、拡大機器などの持ち込み使用が認められている。
 
 他にそのような配慮のある試験はないものかと探していたら、「MIDI検定試験点字受験体験記」というサイトを見つけた。「MIDI?あのMIDIなの???」。「MIDI(ミディ)」とは “Musical Instrument Digital Interface”の略語で、電子音楽機器同士や、電子楽器とPCをつなぐための規格のことだ。昔からシンセやPCを使ってちょこちょこ作曲するので、MIDI機器にはお世話になった。しかしそんな検定試験があるとは知らなかった。しかも「点字受験体験記」とは。
 
 この受験者である”Kuyo”さんが、MIDI検定事務局に「点字受験を認めて欲しい」と話したところ、「問題の点訳や、解答の墨訳などをしてもらえるところを紹介してくれれば、点字による試験を実施してもよい」と言われたと記されている。英検などとは違って、MIDI検定はどちらかというとかなりマイナーな検定だ。条件付きとはいえ、OKが出たのがすごい。しかしその後が大変で、Kuyoさんは点訳作業を引き受けてくれる所を探したとのこと。詳細はKuyoさんのウエブサイトを見てください。
 
 Kuyoさんは作った作品をサイトにアップしている。「星に願いを」はリアルタイム録音(生演奏録音)であり、オリジナルの「夏の終わりに」は、まだ梅雨が明けてもいないのに、切ない気持ちになりそうな曲だった。
 
 ところで、大阪市が保育士採用試験を昨年に実施する際、受験資格を満たしている全盲の女性の受験を認めなかったことが分かった。同市では「特別の配慮はできない」「視覚障碍者が働く職場は確保されていない」「試験は競争なので、働く条件が同じなのが前提。一部の人を特別扱いできず、点字受験の導入は考えていない」という。
 
 女性は大阪市在住のKさん(31)。短大を卒業後、01年に保育士資格を取得、私立幼稚園で8年間の勤務実績がある。同市天王寺区内の幼稚園では、点字の透明シールを張った絵本を指でなぞりながら朗読をする。Kさんは子供の声や手、髪型はもちろん、しがみついてくる仕草や服についているにおいなどで子供を判別している。保護者からの不安の声も特にない。
 
 同僚の保育士、Mさん(41)は「園児の着替えでも服の着心地が悪くないかなど、一つ一つの動作が丁寧です」と話す。Kさんは「私の実際の仕事ぶりを見ることもなく、全盲者は何もできないという机上の空論で判断されているように感じる」と話している。
 
 「晴眼者」という言葉があるのを知らなかった。「視覚障碍者」の反対の意味だが、晴眼者であるはずの市側がKさんの働く姿に目を閉じてしまっている。これで分かった。障碍のある人にとって不自由なのは身体ではなく、むしろそれを取り巻く社会環境のようだ。「バリアフリー」という言葉はいったい誰が先陣を切って使っている言葉なのだろう。
 
 
 
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★ 保育士採用試験:全盲女性を門前払い 大阪市(毎日新聞・09/7/7)
★ シンクロ:視覚障碍者12人が体験 45秒の動きをマスター(毎日新聞・09/7/7)
 
★ Welcome to Kuyo’s Homepage(Kuyoさんのウエブサイトです)そして、MIDI検定試験点字受験体験記
 
★ 生きる上での道しるべ(本ブログ・09/6/8)
★ 刑務所で育てられる盲導犬(本ブログ・09/5/2)
★ 拡大教科書が不足(本ブログ・09/4/8)
★ 採用試験:介助犬同伴拒否した兵庫県、女性に謝罪(本ブログ・09/1/7)
★ 全盲の先生(本ブログ・08/8/15)
 
★ 英検申し込み(左下に「障がい者特別措置について」があります)=日本英語検定協会
★ MIDI検定 オフィシャルサイト(社団法人 音楽電子事業協会)
 
 

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私の温暖化阻止対策

 今年もきっと激しい猛暑がやってくる。毎年クーラーにお世話になっているが、今年は志向を変えてみる。狭い部屋でテレビやパソコンを起動させていると、熱がこもって暑くなる。ベランダの窓を全開にしても解決にはならない。部屋の一方だけ開けても空気が流れないので、その反対にある窓なども開けないといけない。
 
 夜間に部屋の窓を全開にすると外から丸見えになる。この対策として「ミラーカーテン」を購入した。ネットで探すと実勢価格4,000〜5,000円ほどだ。このカーテンは昼はもちろん、夜でも外から部屋の中が見えづらくなる。人影は分かっても、何をしているのかは分からない。ついでに風情を出すためにすだれも買った。ベランダ対策はこれで大丈夫。
 
 空気の流れを作るためにベランダの反対にある玄関のドアを開けなくてはならない。しかし全開にする勇気はないので、チェーンロックをかけた状態で開くところまで開けて、鍵をかける。出っ張った鍵がストッパーになり、ドアが少し開いてすきま風が入るようになる。これだけで夜はだいぶ快適だ。
 
 しかし玄関を開けるということは虫が入ってくるということになる。対策として、玄関ドア用の網戸を購入した。空気の流れができたお陰で、夜に限っては快適だ。
 
 電気代節約のためにしていることは、使っていない洗濯機のコンセントを抜き、まだ使っていないエアコンと電子レンジには配電盤に専用のスイッチがある。これをオフにすることで待機電流を元から遮断できる。あとはパソコンなりテレビなりの電源を電源タップに差し込み、使っていないときはすぐ消す。
 
 今年の2月は生まれて初めて暖房器具を一切使わない生活をした。その結果、例年なら6,000円前後になる電気代が3,000円ほどで収まっており、現在までもその金額で推移している。これに味をしめたので、今年の夏はどこまでエアコンを我慢できるか挑戦だ。といっても、熱中症などには用心しなくてはならない。前にも書いたが、節水も温暖化阻止に役立つ。これで電気代節約と温暖化対策の一石二鳥を狙う。
 
  
☆ 燃える真夏の暑さによって 戦闘と苦痛によって 限りなく伸びゆく幹に 花よ咲け(ヘルダーリン)
 
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★ 照明消して温暖化考えよう 夏至の夜、全国7万4千ヶ所で(読売新聞・09/6/21)
★ 省エネ 緑のカーテン(本ブログ・09/5/5)
★ 深夜だけでなく、包括的な電気使用対策を(本ブログ・08/6/21)
★ コンビニ・量販店にもCO2排出権取引制度を 環境省(本ブログ・07/10/7)
★ 海に死する国 キリバス(本ブログ・07/9/2)
★ 反温暖化、エッフェル塔などを消灯(本ブログ・07/2/5)
★ 道路のクールビズ(本ブログ・06/6/1)
 
 

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海外に流れる日本の廃家電

 中国広東省で、日本製の中古家電製品がゴミと化している。家電製品の中には有害物質が多く含まれるために、環境汚染・健康被害の問題が起きている。壊れた中古品は修理すれば使えるものもあるだろうが、もともと日本からの中古品として流れてきた品には商品保証も修理も何もない。
 
 そうなれば不法に投棄されるが、有害物質の垂れ流しで健康被害が拡大するのは時間の問題であろう。しかしこの問題は中国だけではない。東南アジアやアフリカにも中古品は流れており、壊れたら最後、ゴミの山と化す。現地では修理やリサイクルの設備が整っていないので、ゴミとなるしかない。
 
 ところで、この廃家電は本来ならばリサイクル(再生利用)されるはずである。我々はテレビや冷蔵庫、洗濯機を購入する際に、家電リサイクル法に従って手数料を支払っている。リサイクルされると思うから、この法律には賛同できるし、リサイクル手数料を払うのである。
 
 しかし大手量販店の一部などでは、引き取った中古品を”再販”している。国内や海外に横流ししているのである。我々は前述の理由で手数料を支払っているのであって、”リユース”(再利用)されるのであれば、むしろ買い取ってもらいたいほどである。
 
 2005年5月に東京で行われた国際的な環境会議で、南アフリカの大臣は「先進国は中古品を製品として押しつけ、ゴミを増やしている」と非難している。平成11年12月には、栃木県の産廃処理業者が、古紙と称してフィリピンに輸出した貨物の中から、注射針や使用済み紙おむつが発見される事件も起きた。
 
 日本では「リサイクル」という言葉が「再生利用」という意味ではなく、「回収」という意味に過ぎないように思える。いずれにせよ、廃家電についての回収、リサイクルについて明確なルートを明確にしなければ、国際社会から非難が集中することになりかねない。削減しなくてはならないのは温室効果ガスだけではなく、こうした廃家電もそうである。京都議定書のホスト国がこれでは何をするにしても実効性に疑問を持たれる日が来るであろう。そして我々も、ゴミを出さない工夫を常に考えることが重要である。
 
 地上デジタル放送が始まると、アナログ放送にしか対応していないテレビが大量処分される恐れがある。この問題は産業先進国としての喫緊の命題である。
 
 
 
 
★ 世界の「電子ゴミ」、7割が中国へ 中国メディア(レコードチャイナ・09/6/9)
★ 廃家電4万台を不適切処理 環境省などが適正処理を勧告(産経新聞・09/4/27)
★ 化学物質問題市民研究会 ・有害廃棄物の輸出問題(09年3月、PDFファイル)
★ 廃家電、アジアむしばむ(朝日新聞・08/1/8)
★ ピリピン環境保護団体が日本の廃棄物投棄に反対する集会が行われる(independent media center・07/2/24)
★ 家電量販店2社引き取りの廃家電 約8,800台分で不正処理の可能性(EICネット・04/3/10)
★ 環境白書(環境省)=ページ下部に「フィリピンへの注射針事件」についての記述
 
 
 

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花を育てて防犯効果 東京・杉並区(2009.6.10)

 昨年1年間の空き巣被害が2002年に比べて4分の1に減った。これは東京・杉並区が人通りの少ない路地裏で花を育てるなどして、街の美化を進めた結果である。花の世話や鑑賞のために路地を行き来する人が多くなることで、窃盗犯などを寄せ付けない防犯効果である。かつては井戸端会議が行われることのあった東京では、そうした人の目があることで空き巣や変質者を寄せ付けない空気があった。それを花の力でもう一度、そういうことであろう。
 
 「窓ガラス理論」が、一枚の窓ガラスが割れていると、そこからゴミが捨てられたり自動車が壊されたりして街の治安が乱れるというものであれば、それの逆を行く防犯効果であろう。全国の自治体からは視察や問い合わせが相次いでいる。
 
 東京・武蔵野市にある藤村女子中学・高等学校の北側に「大正通り」という通りがある。かつてこの通り沿いの同校の塀には落書きがされ、多数の放置自転車があった。そこで美術部の卒業生が描いた作品を壁に飾ったところ、落書きも放置自転車もゼロになった。このアイディアは近くのホテルにも採用され、プランターを置くなどしたところ、放置自転車が消えた。
 
 杉並区は住宅密集地が多く存在し、空き巣多発地帯として知られていた。00年に1353件、01年に1485件、02年には1711件の空き巣被害があった。こうした状況に対して区では防犯パトロール隊や防犯カメラを導入し、03〜05年の被害は1000件前後に抑えた。ところが、06年には1206件と増加に転じた。なぜ増加したのかを被害宅100世帯に調査したところ、玄関先や庭先に花を飾っている家の被害は2件しかないことが分かったという。
 昨年の杉並区内の空き巣被害は387件だったという。防犯カメラもさることながら、植物がその役割を担ってくれるのは頼もしい。花の観賞のために善意の人々の往来があればあるほど、犯罪者にとってその街は息苦しいことになるであろう。
 
      
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★ 路地裏の花で防犯効果、空き巣被害4分の1に 東京・杉並(読売新聞・09/6/6)
★ 口コミでひったくり防止(本ブログ・06/12/25)
★ 環境を変えて防犯(本ブログ・06/1/16)
 
 

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季節のいろ

 昨日の夕方、雨上がりに勢いよく陽が差してきた。ゴールデンウィーク後半は天気が崩れたが、その雲のカーテンは勢いよく開いて、白と黄の妖美であった。
 
 各地では虹の撮影に成功したようで、いくつかの新聞社のサイトに写真が掲載されている。虹といえば、いつの間にか七色であると教え込まれたが、この色の数は国や地域によって違うようである。日本では、赤・橙・黄・緑・青・藍・紫で七色だが、アメリカでは「藍(indigo)」がなくて六色である。
 
 季節は寒色系の色から暖色系の色に移り変わろうとしている。今は緑の季節だが、間もなく梅雨がやってくる。空を映した雨のしずくと、それを受けるあじさいの花は、青・藍・紫。
 
 雨季が過ぎれば、緑。そして、黄と橙の光りが街に乱反射して、人々は赤になるのだろう。晴れやかな気候が続けばいいと思うけれども、自然というのはどうも、言うことを聞いてくれない。そうであれば、偶然の虹に出会うことを期待するよりも、自らが自然と接する目が必要なのだ。これから雨上がりのたびに、虹が見えると期待しよう。
 
 
☆ 虹が見たいなら、雨を我慢しなくちゃね(ドリー・バートン)
 
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★ 東京の空に二重の架け橋、15分でかなたに姿消す(読売新聞・09/5/8)
★ 東京の空に七色のアーチ(時事通信・09/5/8)
 
 

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省エネ 緑のカーテン

 東京・板橋区内の小学校で「緑のカーテン運動」が実践されているとNHKで報じられていた。緑のカーテンとは、ゴーヤやアサガオのようにツル状に伸びる植物を窓際で育て、カーテン代わりにして夏季に涼しく過ごすことができる、そんな運動である。昨今のガーデニングブームで都内でも緑が少しずつ増えている気もするが、地球温暖化はそれを上回る勢いである。
 
 小学校のときに自宅の窓際にアサガオを育てた。ちょうど今くらいの時期に種をまくと、夏季にはツルがどんどん伸びて、花を咲かせるのである。当時は地球環境云々とは思わなかったが、これなら楽しみながら温暖化対策に貢献できる。そしてなんといっても安価で手軽だ。
 
 緑のカーテンであれば、クーラーも不要になるであろうし、緑からこぼれる風というのは涼しげな感じがして気分がいい。風情を大切にする日本人ならではのアイディアが復活したものともいえる。風鈴の音は暑い気持ちを落ち着かせてくれるし、すだれも窓の外に斜めにかけるだけで、部屋の温度は快適になるのだという。植物を使う利点は、日にさらされても熱を保つ事がないということだ。
 ツルをはわせた建物を見かけることがあるが、あれもそうした趣旨と同時に観賞用にも成りうることから一石二鳥である。最近テレビで見かけた緑のカーテンは、警視庁原宿警察署である。今年の3月に新庁舎に移転した同署であるが、何らかの事件のときの映像で同署の外観を見たとき、窓にプランターで植物が植えられていた。行政が積極的にこういう事をやると、市民への後押しになることであろう。
 
 緑のカーテンはそうした部屋の中にいる人を涼しげにしてくれるのみならず、温暖化対策にもなるという点でその意義は大きい。ところで冒頭の番組で小学生が「これで今年の夏は教室のクーラーを付けなくて済む」と言っていた。今の小学校はクーラーがあるのか。私の時代は扇風機すらなくて、下敷きをうちわ代わりにして使っていた。もちろん、昔は今ほど異常な暑さではなかったが。
 
 
 
★ 緑のカーテンコミュニティサイト 
 
 

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豚丼と新型インフルエンザ

 04年の3月に留学でロサンゼルスに行っていた。行く前に期待したことは「食べ物」であった。ハンバーガーやホットドッグ、ポテトにコーラ、そんな食べ物が大好きだ。しかも量も多いというから楽しい留学生活が送れるに違いないと思っていた。
 
 行ってみると、3日後にはもう飽きた。コメが食べたくなったのだ。ハンバーガーや大量のポテト、ピザなんてうんざり。ご飯が食べたい。完全に日本食レストランやジャパニーズファーストフードに行くようになった。
 
 その時に行ったファーストフード店のメニューに「Beef Bowl(牛丼)」があった。その頃の日本では狂牛病問題で牛丼が街から姿を消していた時期である。ここぞとばかりに食べまくった。味は日本人好みと少し違うが肉が厚い。「アメリカ人が食べて平気なんだから、狂牛病なんて大丈夫」。そう思ってよく食べたメニューの1つだ。
 
 帰国すると牛丼の代わりに「豚丼」が登場していた。街の声は「牛丼が無くて寂しい」であったが、牛丼よりも安価な豚丼に好奇心をそそられて食べてみると十分美味い。それ以来、牛丼はほとんど食べることが無くなり、その手の店では豚丼ばかりである。
 
 牛丼パニックを予感させる事態に世界中が騒いでいる。豚インフルエンザはWHO(世界保健機構)により「フェイズ4(段階4)」に引き上げられた。メキシコから発症者が出始めた「新型インフルエンザ」、世界の国と地域で感染者が次々と報告されている。感染の疑いがある患者数が多いのはメキシコで2498人。奇妙なことに死者がメキシコ国内だけに集中しており、159人となっている。
 
 なぜメキシコだけ死者が出ているのかは専門家の間でも意見がまとまっていない。例えば首都メキシコシティーは高地にある盆地で以前から大気汚染の問題があり、ウイルスが蔓延しやすいという指摘もある。また、水不足や栄養不足、そして医療施設不足も指摘されているが憶測の域を出ていない。
 
 メキシコでは貧富の差が激しく、都市部から離れた村などでは十分な医療を受けられない人たちもいる。そのため感染者数はもっと多いのではないかと見られている。情報伝達も十分とは言えず、国民の間では「政府は隠し事をしている」と疑念を持つ人もいる。
 そんな中で、インドネシア豚が鳥インフルエンザ(H5N1型)を持っている可能性が高くなったことが神戸大学感染症センターの調査で判明した。このウイルスはアジアを中心に猛威をふるったもので、鳥から人へ感染し250人以上が死亡した。インドネシア豚体内でウイルスが変化し、人から人への感染能力を得ると、豚インフルエンザを上回る被害を及ぼす危険がある。
 
 国内感染はなんとしても阻止して欲しい。政府は「新型インフルエンザ対策本部(本部長:麻生首相)」を設置して水際での阻止を含めた包括的な対策に乗り出している。現在のところ、日本国内での感染者はいない。
 
 政府は「米国産豚肉は安全」という宣言を出した。石破農水大臣は「滅菌処理されて輸入される。肉の中心温度71度以上の加熱でウイルスは死滅する」としており、冷静な対応、特に「豚肉は危険である」といった風評被害を出さないようにしている。
 
 この早期発表は評価すべきであり、これで安心して豚丼を食べられる。それにしても死者がメキシコ国内のみであることが不可解である。インドネシア豚から鳥インフルが検出されたことも不気味である。そして、食べられることを前提に飼育されている豚さんたちにこっそり感謝しておく。
 
 
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★ インドネシア豚から鳥インフル、体内で変化「新型」の恐れ(読売新聞・09/4/29)
 
 

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