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震災で返還された金庫の現金23億円に外国が驚く 「誠実な日本人」

 
 東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)では、津波で建物が破壊されたことに伴い多くの貴重品が津波で流された。その中で警察に拾得物として届けられた現金が多いことに外国メディアが驚いている。実に約23億円の現金が持ち主に返還された。
 
 中野寛成国家公安委員長は記者会見で、被災地で拾得物として警察に届けられた金庫は7月10日時点で約5700個。中から回収された現金が約23億7000万に上ったことを明らかにした。岩手、宮城、福島の3県警では約96%にあたる22億円超を持ち主に返還した。金庫に入っていた預金通帳や権利書などが持ち主特定の決め手となった。
 
 イギリスの新聞「デイリーメール」では「日本人の誠実さが証明された」と驚く。同紙の電子版によると、「地震や津波の猛威を見せつけられた後に日本人は驚くべき誠実さを見せた」、「警察署に保管するスペースが無くなるほどの金庫が警察に届けられた」、「日本では多額の現金を自宅やオフィスに保管することはよくあることで、沿岸地区では水産業者が取引に現金を使うことを好む」、「金庫は鍵穴が泥でつまっていたが、警察が委託した業者が解錠した」とした。
 
 また、横浜市立大学の伊藤隆二・名誉教授の言葉を引用し、「震災後に盗まれた金庫もあるだろうが、23億円の現金が持ち主に戻ったという事実は、日本人の中にある高い倫理意識を示すものだ」と締めくくっている。
 
 「23億円の現金が戻った」というニュースを聞いた時、よく集まったとは思ったがそれほど驚くことはなかった。やはり日本人には「落とし物は警察に届ける」という意識が強い。前に書いたが、小学校低学年のころに500円を拾って交番に届けたことがある。小さいころからそう教えられてきているのである。
 
 その意識をいっそう高めたのが交番の存在であろう。日本では交番という建物が非常に身近に存在する。警察署まで届けるのは面倒だが、交番なら近くにあるから便利だ。交番は海外にも”輸出”されており、シンガポールや日本人観光客の多いハワイ・ホノルルにも設置されている。
 
 しかしながら、日本の治安の良さを支えているのはやはり日本人の国民性が大きいと言える。「デイリーメール」のコメント欄には、「震災後に略奪や暴力がなかった。礼儀正しくちゃんとしていた。素晴らしい国」、「日本に住む外国人が財布を無くしたが、中の物が元の状態で戻ってきて驚いていた」「これが中国だったら違う話になっていただろう」と続く。
 
 23億円の現金が持ち主に戻ったことは喜ばしい。そして、そうした見える財産だけではなく、日本人のモラルの高さという無形の財産があることは実に誇らしい。
  
  

 
★ Hotest Japanese return $78 million in cash found in earthquake rubble(Mail Online・11/8/17)
★ 【ホノルル点描 ワイキキビーチ交番】アロハストリート・09/12/11
★ 現金23億7千万円回収 金庫5700個、96%を返還 被災地の拾得物で警察庁(時事通信・11/8/18)
★ 【震災】津波で流された金庫の23億円返還に欧米驚き(テレ朝news・11/8/19)
★ 東日本大震災関連エントリ(本ブログ)
 
 
 

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金ドン!の「気仙沼ちゃん」が欽ちゃんと震災後初の再会

 密かに気になっていた人であった。1977年、フジテレビ系列の「欽ちゃんのドンとやってみよう!」に出演していた「気仙沼ちゃん」こと白幡美千子さん(56)が仙台市内で6日、かつての師匠である萩本欽一さんと再会した。
 
 欽ちゃんは「俺を見たら嬉しくて泣くと思ったけど、たくましくてほっとしたよ」と感想を述べた。白幡さんは「一緒に仕事をしたのは1年だけなのにずっと気にかけてくれて本当に嬉しい」と気仙沼弁で喜んだ。2007年には番組の収録で20年ぶりの再会を果たした2人だったが、震災を機に再び会うこととなった。震災後は欽ちゃんの元に「気仙沼ちゃんは元気です」というメールが多く届いていたという。
 
 白幡さんはオーディションで合格し、1977年から78年に「金ドン!」に出演。素朴な人柄が受け、気仙沼出身であることから「気仙沼ちゃん」と呼ばれて人気者となったが「芸能人としての限界」を感じて引退した。
 
 白幡さんは気仙沼市の離島・大島で民宿を営んでいるが、津波の被害に遭い1階が浸水しライフラインがなかなか復旧しない中、避難所で生活を送った。1年後を目処に民宿再開を目指しているという。「毎日が休業日」と周りを笑わせた白幡さんは「これを機に欽ちゃんに『狭い』といわれた風呂を大きくしようと思う。悲しい話は胸の奥に閉まって、前よりもっといい宿にしたい」と話す。
 
 いい出会いがあるというのは素晴らしいことである。そして大切なことは、その出会いを継続させる人間関係を作っていくことである。新しい縁をひたすら追い求めるのではなく、小さな出会いを終わらせないようにすることである。ささやかな人との触れあいが人生を触発することもあるのだ。自分のために出会うのではなく、出会った人のために出会うべきである。
 
 七夕前日ではあったが、欽ちゃんと白幡さんのような再会もいいものである。七夕の時だけではなく、空はつながっているところがいい。場所を区別しないところがいい。そして空は過去を語ることのできる大きなスクリーンであり、未来を描くことのできる大きなキャンバスだ。
 
 
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★ 欽ちゃん、被災した気仙沼ちゃんと再会(読売新聞・11/7/7)
★ 「悲しい話は胸の奥に」気仙沼ちゃんが欽ちゃんと震災後初の再開(産経新聞・11/7/6)
 
 

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発音するとかっこいい英単語・12


 本日は発音云々は関係なく、震災・原発関連の単語をご紹介。
 
 
blackout ブラックアウト 【名】停電
ちなみに今夏なければいい「輪番(計画)停電」のことは、rolling blackout(s) といいます。
 
cesium シ-ジアム 【名】 セシウム
難解な用語ですがおなじみになりました。
 
cold shutdown コールドシャットダウン【名】 冷温停止
こうなると理想的な状態です。
 
contaminate コンタ-ミネイト【他動】汚染する
どれくらいの汚染が広がったか想像できないところです。
 
cooling system クーリングシステム【名】 冷却装置
この装置にはがんばって欲しいところです。
 
core meltdown コアメルトダウン 【名】炉心溶融
いわゆる「メルトダウン」です。
 
cover up カヴァーアップ【他動】隠蔽する
政府にはやって欲しくないですね。
 
criticality クリティカリティ【名】臨界
この後に、accidentをつけると「臨界事故」です。
 
debris デブリー 【名】がれき、がらくた
最後のSは発音しません。
 
decommission ディーコミション【他動】廃炉する
名詞っぽいですけれど動詞。
 
decontaminate ディコンタミネイト【他動】(汚染物質を)除去する
これが進めばどれほど安心か。
 
deepest condolences 【名】心からのお悔やみ
Please accept my sincerest condolence で、「心からお悔やみ申し上げます」。
 
disaster zone / devastated area 【名詞】被災地
早く復興してこの言葉が消えればいいですね。
 
dose ドウス【名】放射線量、(薬の)1回処方分
 
emergency operation イマージェンシーオペレーション【名】応急処置
街で見かける自動体外式除細動器の「AED」は、Automatic External Defibrillator(オートメイティッド・イクスターナル・デフィブリレイター)の略です。
 
epicenter エピセンタ【名詞】震源地、震央
昨年3月14日、福島沖震源の地震でいわき市周辺に震度5弱があったことを知りました。
  
harmful rumor 【名】風評被害
正しい情報の開示を。正しい情報の収集を。
 
hydrogen explosion ハイドロジェンイクスプロージョン【名】水素爆発
 
infrastructure インフラストラクチャー【名】インフラ、社会基盤
 
International Atomic Energy Agency (=IAEA)【名】国際原子力機関
 
Japan Meteorological Agency (=JMA) ジャパン・ミーティオラロ-ジクル・エージェンシィ【名】気象庁
 
leakage of radioactive substance リーケイジ・オヴ・レイディオアクティブ・サブスタンス【名】放射性物質漏れ
 
monitoring post 【名】モニタリングポスト、放射線監視装置
 
Nuclear and Industrial Safety Agency (=NISA)【名】原子力安全・保安院
 
permission radiation dose 【名】許容放射線量
 
reactor リアクタ【名】原子炉
 
reactor containment vessel 【名】原子炉格納容器
 
tsunami alert/warning 【名】津波警報
 
20-km radius トゥエンティ・キロミター・レイディアス【名】半径20キロ圏内
 
Great Hanshin Earthquake 【名】阪神淡路大震災
 
Great East Japan Earthquake 【名】東日本大震災
 
 私たちは千年に一度という巨大地震発生の歴史に立ち会っています。歴史に残るのは政治の中味ではありません。私たち日本人ひとりひとりの行動が大切です。
 
 
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★ 発音するとかっこいい英単語・11(本ブログ・11/6/18)
 
 

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「放射能問題は深刻」 元内閣官房参与・小佐古氏が証言 辞任後の初インタビューで

 元内閣官房参与で辞任の記者会見で涙を流した、小佐古敏荘氏(61)がウォール・ストリート・ジャーナルのインタビューに応じた。同氏は海の汚染や魚への影響について迅速が分析ができていないために特定の放射能の危険性を過小評価していると述べた。その他の同氏の主張論点は以下のようになる。
 
1. 野菜などの食品汚染は散発的に報告されているが、主食の米の収穫が始まったころに憂慮すべき問題が明らかになる。「東北の米は買わない」ということになればやっかいなことに。
 
2. 原発状況に関して、政府の意志決定がどういう理屈で何を決めているのか不明。とても民主主義社会とは思えず、東アジアの発展途上国のような状況。
 
3. 校庭の放射能許容レベルが主張した低いレベルに設定すると、何千校もの学校で放射能除去作業が必要になる。コストがかかる選択肢は支持されなかった。
 
4. 原子炉から海に廃棄された放射能物質について、海水の監視や、拡散状況の予測をこれまで以上に行い、海草から魚類に至るまでさまざまな種類の汚染に対応するための措置を実行するように求めたがやっていない。
 
5. 緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)データは3月23日まで一般公開されず、結果として何千人もの福島県民を高レベルの放射能にさらした可能性がある。
 
という具合だ。
 
 辞任後、小佐古氏がマスコミのインタビューに応じたのは初めて。小佐古氏は心の準備ができたとうことで、今後は米国や台湾で講演を行うという。
 
 日本政府の情報提供はまさに民主主義社会とは乖離(かいり)したものである。情報の隠蔽などしていないといわれてもその疑念を払拭するにたり得る正しい情報が得られていない。加えて、政府が地方自治体に対して、放射能物質に関する的確な情報や指針を出しているとも思えない。
 
 もはや正しいことは誰が言ってくれるのか分かりにくくなった。正しいことを精査して信じるしかない。先進国でありながら、国民に重要で正しい情報が降りてこないというのは大問題である。
 
 真実が明らかになることが大切である。その内容がどんなことであろうとも、国民に知らせて民意を原発事故政策に反映させることもせずに、停止中の原発稼働することが容易ではないことは明明白白である。
 
 
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★ 【インタビュー】日本の放射能問題は深刻 元内閣官房参与・小佐古氏(WSJ日本版・11/7/2)
★ 福島第1原発:福島ナンバーの車に理不尽な風評被害(毎日新聞・11/7/2)
★ 日本全国隠された「放射能汚染」地域 全国民必携これが本当の数値だ(現代ビジネス・11/6/27)
★ 原発「安価」神話のウソ、強弁と楽観で作り上げた虚構、今や経済合理性はゼロ(東洋経済オンライン・11/6/21)
★ 確実に広がる放射能、福島県内学校の75%が放射能「管理区域」レベルの汚染(1)(東洋経済オンライン・11/4/14)
★ 日本当局の「重大な怠慢」仏CRIIRAD報告(フランスメディアニュース・11/6/29)
 
 

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あなたは何をSHARE(シェア)しますか? 物・夢・未来

 同時通訳者である関谷英里子氏の本「ビジネスパーソンの英単語帳」(ディスカバー・トゥエンティワン)を読んだ。最初に出てくる英単語が「SHARE」である。動詞で「分かち合う・共有する」という意味だ。
 
 例えば、”I will tell you my opinion on this issue.”(=これからこの件について私の意見を言います)という文。英語そのものとしては間違っていないが、ビジネスシーンで使うには不適当で、「言いたいことを言う一方的な印象です」とある。
 
 この時に使うのが、”SHARE”であるという。”I will share with you my opinion on this issue.”で、「みなさんにこの件について私の意見をお話しします」という意味になり、「自分の意見を相手と共有したい、聞いてください、という分かち合いの精神が表現されます」とのことである。
 
 SHAREというと「共有」との意味で覚えていることが強く、上記の文がいまいち分かりにくかったが、「話し合いの時間をも共有しましょう」という実はとても肯定的な意味を含んでいることを知った。
 
 
 28日のNHK「クローズアップ現代」では「広がる”シェア”」と題して放送。家や車などを所有するよりも知らない人と共有して新たな価値を見出すという内容だ。
 
 個人間で行われる「カーシェア」は全く知らない人に低料金で車を貸し出して眠っている財産を有効活用しようという考えだ。個人間のやりとりということもあり、レンタカーや従来のカーシェアリングよりも安価だ。国内に登録されている5800万台の車のほとんどが眠っているという現実。そこにカーシェアサービスを提供するサイトが登場したのだ。
 
 不要品を無料で提供するサービスでは、直接「手渡し」することで人とのつながりができ、それが最大の楽しみであるという。マニアックなものを提供できれば、初めて会ったときにそれだけ話も広がり楽しそうである。
 
 夢もシェアする。「応援投資」と名付けられたサイトでは「●●をやりたい」ということを「クラウドファンディング」に登録。魅力的な事業には「投資」される仕組みだ。利益が出たら出資者に還元される。
 
 シェアすることで新たな価値観をも共有することができるのだ。そこには物質的な豊かさよりも精神的な豊かさを求めている部分が強く、物の価値というよりもそこに触れる時間に価値を与えているような気がする。
 
 
 SHAREという単語は名詞で「株」という意味がある。”shareholder”といえば「株主」という意味になる。28日は東京電力の株主総会が行われた。異例とも言える6時間9分という長い総会では、株主から怒号やヤジが飛び交う事態となった。
 
 男性株主から「この株主総会を世界中が注目している。私どもは皆さんから希望を聞きたいんです」と質問があると、東電の勝俣会長は「株主から希望とおっしゃるが、残念ながら希望は見えておりません」と回答した。本来ならば株主と経営陣で共有できるはずのものが原発事故、そして事故後の対応の不手際から、信頼関係まで共有することが困難になった。社会や世界からの信頼も同じである。
 
 人は自分の言動に共感してくれる人がいると嬉しいものである。他人と共有するものが生まれて初めて自分の存在に価値を見出すことができる。誰かと何かを共有したいということは物だけではない。
 
 人と人とをつなげるものは誰でも心の中に持っており、それはいつまでも共有したいものである。愛情を共有したり悲しみを共有したりすること。いつかそれが平和を共有することに繋がることは永遠である。
 
 
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★ CaFoRe みんなのカーシェアリング
★ livils[リブリス] Twitterでほしい&あげる
★ 4次元クローゼット 日本初ファッションシェアサービス
★ READYFOR?(レディーフォー) クラウドファンディング
 
★ NHK クローズアップ現代 ”シェア” 〜誰かと何かを共有したい〜
★ 脱原発の株主提案否決 東電・中部電・九電総会(読売新聞・11/6/28)
★ 東電株主総会:「原発撤退」は否決 勝俣会長続投(毎日新聞・11/6/28)
★ 東電6時間9分、株価暴落に怒り 株主に届かぬ「けじめ」(産経新聞・11/6/28)
★ 【株主総会ライブ】東電(1)「1日も早く危機克服」合理化にも総力(SankeiBiz・11/6/28)
 
 

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車での避難で巻き込まれた人 震災時の車は禁止 被災地と首都圏

 3月11日の東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)では地震そのものよりも津波の被害が大きかったといえる。高台に避難した人、建物の屋上に避難した人は難を逃れたが不運にも波にのまれてしまった多数の方がいた。
 
 被災地では車で避難をしようとして高台方向に車が集中して渋滞が発生した。そこで車を置いて逃げた人は運が良かったが、車を捨てなかった人の中には波にのまれたケースも多かった。ある男性は有料道路が”唯一の高台”と考え、道路点検のために封鎖されていた料金所を突破して道路本線に入った。その数十秒後に後ろで流されていく車を多数見たという。
 
 東京は震災発生時に多くの帰宅困難者が路上に溢れた。JRは「本日電車の運転はありません」とアナウンスし、多くの乗客を駅構内から出した。そしてタクシーもバスもほとんど乗れない状態になり迎えの車が都心に集中。その結果、車がほとんど動かない大渋滞が発生した。
 
 新宿区ではJR四谷駅周辺の学校を帰宅困難者のために開放するが、瞬く間に毛布が無くなった。毛布の補充を手配するが、備蓄倉庫からわずか3キロ程度の道のりは大渋滞し、届くまでに3時間かかった。同区では今後、備蓄倉庫の数を増やして対応していくのだという。
 
 行政の対策としてはそれで良いが、車が大渋滞したこと自体は憂慮すべきことだ。
 
 非公認の自動車教習所に通っていたとき、学科試験のための勉強は独学であった。そこで覚えた項目がある。「震災時は車は使用しない。運転中の時には車両を左に寄せてキーをつけたまま車を離れる」というものだ。
 
 東京都の場合、震度6弱以上の地震発生で、環状七号線の内側は全面通行止めとなる。国道16号線から東は進入禁止などが決められている。
 
 これは渋滞防止に加え、緊急車両の通行に大きな支障が出るのを防ぐためだ。主要道路には「震災時この道路は車両通行止めになります」と表示があるが、震度6弱ではなかったとはいえ虚しい結果となった。
 
 実際に阪神淡路大震災の時には車が渋滞を起こした。通行規制をしようにも、警察官は別件に対処せざるを得ない状況であり、そこまで人員を割けなかった。
 
 被災地で車に乗って津波から逃れようとした人を非難することはできない。急いで可能な限り遠くへ、そう思われたに違いない。しかし首都圏での車の使用は中止すべきであった。あの混沌とした状況の中で大事故がおきれば警察も消防も動けない。帰宅困難者のみならず、車両を扱う人たちも有事の際の行動を考えなくてはならない。
 
 
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★ 津波被害、避難車の渋滞で拡大 「車で逃げるな」(共同通信・11/5/1)
★ 避難渋滞、津波被害を拡大 促しても車降りる人少数(朝日新聞・11/4/1)
★ 【01】道路交通 阪神・淡路大震災教訓情報資料集(内閣府)
★ 東京都震災対策条例
 
 

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デマを流す人、信じる人

 東北地方太平洋沖地震の翌日3月12日に知人からメールが来た。内容は「●●の知り合いの気象庁の人が言っていた」とすることで、「原発関係で明日の15時に東京に有害な物質が降り注ぐ。政府はパニックを恐れて公表しない」というものであった。
 
 「それはデマだよ」と返信したが知人は「判断はNonoちゃんに任せる」と返してきた。ケンカしたくないのでそれ以上の返信はしなかった。
 
 そのメールの文面では、「気象庁の関係者」「政府がパニックを恐れて公表しない」というのがいかにもデマらしいと感じた。しかし私がそれを鵜呑みにしないのには理由があった。
 
 「気象庁の関係者」というのがどの程度原発に詳しい人なのか分からなかった。そもそも原発の監督省庁は経済産業省であり、気象庁は国土交通省の所管である。
 
 「気象庁の関係者」が原発関係に詳しいとしても、人にどのような影響を与えるどんな有害物質が飛散するか明確ではなかった。花粉の飛散なら信じるが。
 
 「パニックを恐れて公表しない」というのがデマメールの常套句であったし、第一次情報を提示できないことが胡散臭かった。ならば具体的にどこまで逃げれば安全なのかが分からなかった。
 
 デマを流す人と信じる人には共通点がある。そうしたことで混乱する人は普段、情報の取捨選択に慣れていない。今まで時事問題や危機管理に言及したことのない人というのは、分かりやすい身の危険だけを鵜呑みにしやすい。普段から何らかの危険に対して警鐘を鳴らす人であれば、くだんの情報に慌てふためくことはないであろう。
 
 現在、結果としてみれば、レベル7の最悪の状態であり、東京電力福島原発周辺はもとより、関東地方ですら放射性物質が降り注いでいることは否定できない。
 
 最悪の状態であれば、チェルノブイリと同レベルとして、本州から撤退しなければいけなくなるが、東京都の放射線量を見る限り今すぐにどうにかしなければいけないということでもない。もちろん100%安全であるということは言えないが、日本を脱出できない以上冷静に行動しなくてはならない。
 
 不要なデマを排除するには、日頃から危機意識を構築していくことであり、大切な情報、つまり第一次情報というのは自分で見聞きしたテレビやラジオ、ネットのマスコミサイトなどを参考にするのが大原則だ。「誰それの友人が言っていた」というのは情報にならないただの噂であることを知っておくべきだし、不安ならば裏付けを必ずとらなくてはならない。
 
 
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★ 東京都防災ホームページ(東京都)
 
 

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「ペッパー警部」と「サウスポー」を歌って募金 JASRACが震災対策を発表

 1位は「残酷な天使のテーゼ」(高橋洋子)、2位は「butterfly」(木村カエラ)、3位は「また君に恋してる」(ビリー・バンバン、坂本冬美)であった。
 
 JASRAC(日本音楽著作権協会)は、2010年度の著作権使用料分配額に基づく楽曲ランキングを発表した。CDやカラオケなどの使用から徴収され、作詞家、作曲家などの著作権者に分配される。
 
 また、東日本大震災への対応として、被災地域の飲食店やホテル、カラオケボックスなどの音楽著作物使用料について、2011年4月から9月まで徴収しないことを決定。10月以降については復興状況を見定める。
 
 JASRAC会長で作曲家の都倉俊一さんは自身の作曲作品のうち、「ペッパー警部」「サウスポー」(いずれも歌はピンクレディ)の通信カラオケでの使用料を9月分配分から1年間に渡り「JASRAC震災復興支援基金」に拠出することを決めた。2曲は都倉さんの作品の中でも著作物使用料が多いという。
 
 音楽著作権と言っても作詞家・作曲家までは分かりやすいが、実際はもっと複雑だ。CDなどに収められた楽曲演奏者やボーカルに対しても「アーティスト税」などと呼ばれる一定の印税が支払われる。版権を持つレコード会社や音楽出版社などや税金に手数料なども絡むのでもっと複雑だ。
 
 バンドが「音楽性の違い」を理由に解散することがあるが、実際は作詞作曲もするボーカルだけが収入が多く、そのほかのメンバーがそれを不満に活動を辞めてしまうことも推測される。ゆえに、サザンやミスチルなど、昔から友人同士で結成したバンドが長続きしているのはこのためであることも想像できる。
 
 ところで、個人的には「ウォンテッド(指名手配)」(ピンクレディ)も”募金曲”として含めて欲しかった。いずれにせよ、楽しみながら募金支援できる試みは嬉しい。買って募金、参加して募金、いろいろな取り組みが街で見られるが、今回の震災では長期的な支援が不可欠である。日本人全体が”伊達直人”となって、この国難を何としても乗り切る必要がある。
 
 
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★ 「ペッパー警部」「サウスポー」のカラオケ使用料を義援金に、JASRACが基金(INTERNET Watch・11/5/24)
★ 「エヴァ」主題歌、著作権使用料1位 昨年度(朝日新聞・11/5/24)
★ 音楽業界の仕組み〜超入門(ウタレン)
 
 

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