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認知症妻介護役を好演 長門裕之 「ショカツの女・3」

 初めて好きになった芸能人は、女優の片平なぎささんだ。幼いころドラマで見て、こんな美人が世の中にいるものなのかと思った。それから数年経つと「スチュワーデス物語」で”再会”するが、とんでもない悪女を演じていて驚いた。その後は2時間ドラマに出演するようになる。そんな片平さん主演のドラマ「ショカツの女・3」を見た。
 
 片平さんも見たかったが、認知症の妻を介護する役で長門裕之さんが出演するということも見た理由の1つ。実際に長門さんは、認知症である妻・南田洋子さんの介護をしている。
 
 ドラマ本編は頻発しているひったくり事件から始まる。そして長門と草村礼子演ずる老夫婦。夫が少し目を離した隙に、車椅子の妻がとある男を見つけて車椅子で追跡する。しかし、段差により車輪が浮き上がり転倒してしまう。男はその場所の近くで殺害されているのが発見される。犯人を目撃していたかもしれない妻は認知症であった。
 
 本庁捜査一課は「認知症の妻の証言など忘れろ」というが、ショカツ(所轄=新宿西署)の捜査員たちはその妻から事情を聞くことから始める。「郵便屋さん(を見た)」との言葉を信じることから始めるのだ。
 
 「医者は認知症という。でも何でも忘れるわけではなく、昔の話をすると鮮明に覚えていることもある」「もう3年になる。俺たちの結婚記念日を忘れたのが始まりだった」「記憶がだんだんなくなっていく」「妻の言葉の一つ一つには意味がある」「君たち若い人にはいっぱい未来がある。でももう俺たちにはないんだ」。
 
 こうした長門のセリフは、実際に介護をしている南田との生活と重なる部分があるような気がする。公園で手から砂を落とすシーンは、長門が実際に言った「どんどん手からこぼれていく。拾っても拾っても追いつかない」というコメントと重なる。
  
 ドラマ本編では、岡本信人演じる刑事がショカツを軽視する管理官に食い下がる。
「ひったくりや振り込め詐欺の被害者は、みんな一生懸命この国を支えてきたお年寄りです。お年寄りを守ろうと、寝食を忘れたこの若い刑事の正義を奪うんですか」。
 
 この国を支え、長い人生を一緒に過ごしてきた夫婦が、晩年を幸せに送れるような社会がいい。老老介護の負担が少しでも減るような社会がいい。愛情も正義も、まっすぐ線を引くことは難しいかもしれない。曲がった線を直すのがパートナーであり、周りにいる仲間である。
 
 資源のないこの国は人が財産だ。そして人生を語ることのできるお年寄りがたくさんいる。そんなお年寄りから学ぶことを忘れてはならない。今は世界的な不況で少しばかり暗い世の中かもしれないが、戦後の焼け野原を経験していない僕らは踏ん張らなければいけない。そんなことを教わったドラマであった。
 
   
☆ 人生の悲劇は、まだ生きているのに心が死んでいるということである(アルベルト・シュバイツァー)
 
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★ 南田洋子が意識障害で緊急入院(産経新聞・09/4/2)
★ 消えていく記憶 認知症の南田洋子(本ブログ・08/11/3)
★ お年寄りと接する”常識”の変化(本ブログ・09/2/19)
 
 

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元Wink 鈴木早智子さん救急搬送 大量服薬? ストレスから解放されるには(09/3/31)

 Winkのメンバーでタレントの鈴木早智子さん(40)が29日、東京都江東区のマンションで体調を崩し、病院に緊急搬送された。所属事務所によると、鈴木さんはすでに仕事に復帰しているといい、「貧血で具合が悪くなったと聞いている。睡眠薬の服用については聞いておらず、確認している」とコメントした。
 
 警視庁東京湾岸署によると、29日午後0時10分頃、鈴木さんの友人女性から「江東区のマンションで、鈴木さんが薬を大量に服用したようだ」と119番通報があった。その際、鈴木さんに意識はあったという。鈴木さんは友人に電話で「最近眠れずに薬を飲んでいる」と話していた。その後、電話口で鈴木さんからの応答がなくなり、友人が通報した。
 
 Winkは90年代に主に洋楽をカバーしてヒットを飛ばした。80年代から90年代にかけて洋楽ブームが起きたことから、その潮流に上手くのったともいえる。無表情な感じで歌って踊る姿が印象的なデュオであり、個人的に大好きな2人である。その後は活動を「停止」し、鈴木さんと相田翔子さんはタレントとして別々に活動している。
 睡眠薬などを服用する人が増えている。ストレスの原因は社会が複雑になっているからともいわれる。「自分の時間を持つ」として、習い事やダブルスクールなどをこなせるバイタリティがあればいいが、結局日時に拘束されることになり、自分を解放することを困難にしている可能性がある。
 
 ストレスから解放されるにはどうしたらよいか。それは例えば自分の時間を持つことである。自分の時間というのは、仕事や学校が終わったあとに、自宅で気の向くままに過ごすことだ。ボーッとテレビを見て、夕飯を食べ、お風呂に入り、眠くなったら寝る、そんな単純なことである。携帯電話もメールや電話でプライバシーに割り込んでくるようになった。思い切って電源を切ってしまうのも1つの自己防衛になりうる。
 
 どうしようもないときには薬に頼ることになるが、自己防衛ができることを忘れないようにしたい。鈴木早智子さんも仕事に復帰しているということで何よりである。
 
 
☆ 馬鹿みたいに何をそんなに心配しているの。今、何でもなかったら何でもないのです。 人生って今なんだから、馬鹿みたいに黄色くなった古新聞を握りしめて自分を苦しめるのはやめよう(山崎房一)
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★ 元Winkの鈴木早智子さんが救急搬送 薬を大量に服用?(産経新聞・09/3/31)
★ 金融搬送されたWink鈴木早智子、原因は「貧血」と報道に困惑(オリコンスタイル・09/3/31)
★ 鈴木早智子オフィシャルブログ「one track memories」
 
 

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特命係に神戸尊(及川光博)がやってきた 「相棒 Season7」最終回

 杉下右京が警察に必要な人物かどうか調べるため、警察庁に身を置いていた神戸尊(かんべ・たける)警部補が、突然警視庁特命係への”左遷”を言い渡された。
 そんな中、東京都西多摩郡の村に住む「賢人(サヴァン症候群)」の青年の描いた絵を不審に思った姉が、駐在所を通じて特命係に調査を依頼する。青年がこれまでに描いた絵は動物の絵だけであり、殺人現場のような絵を見た杉下警部が村で独自に捜査を展開する。
 
 一方、杉下を追って村まできた神戸は、杉下の独特で少し嫌みがかった言動に違和感を覚える。ちなみに神戸は死体を見ることに慣れておらずたじろぐ。運転は乱暴でアップル社のMacBookを愛用している。杉下曰く「理屈っぽく、官僚臭さ」がある。
 
 人を死に至らしめるという行為にはいくつかの種類がある。明確な殺意を持つ場合、殺意はなかったが結果として死に至らせる場合、明確な殺意はないがこのままだと相手が死ぬかもしれないと思った場合。
 
 人間にもたくさんのパターンがある。善人と悪人。そして悪人と善人。どちらか一方であり続ければ判りやすいが、これが入れ替わるとき、特に善人が悪人になる事があるのが人間の怖いところである。運が良かったという人、悪かったという人。運だけで判断すればよいのであれば、人間は何のために存在しているのか判らなくなる。運が人間を左右するのではなく、人間が運を左右するのである。
 
 「神戸君、君がどういうと、僕は見逃せないのですよ」と杉下がいうように、誰かがやらないことをやっている人がいる。それはドラマだけのことだけではないはずである。新たな相棒は今後どんな展開を見せてくれるのだろう。外に目を向ければ、別れと、出会いの始まる新しい季節である。
 
 
☆ うその涙ならば、いつまでも見ていられますが、真実の涙はつらいですねぇ(杉下右京「相棒」)
 
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★ 相棒ホームページ(テレビ朝日)
★ 新「相棒」に及川光博が決定(本ブログ・09/3/7)
★ 特命係の亀ちゃん、相棒を卒業(本ブログ・08/12/18)
★ 「サヴァン症候群」とは? こくぶ脳外科・内科クリニック
 

 
 

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新「相棒」に及川光博が決定

 テレビ朝日系ドラマ「相棒」の新パートナーに、歌手のミッチーこと及川光博(39)の起用が決定した。今回放送中のSeason7の最終回(18日)で初登場する。最終回は2時間のスペシャル番組となり、来年度のSeason8からレギュラー出演することになる。
 
 「相棒」は今シーズンが始まる前から寺脇康文演じる「亀山薫」が卒業することが報じられ、その後任が誰になるのかに注目が集まっていた。昨年末の「亀山最終回」のあとは、水谷豊演じる杉下右京が1人で特命係として動いており、周辺を固めていた生活安全課長、捜査一課員などと”単発”での相棒結成が成されていたが、注目の新「相棒」が登場しないことでファンをやきもきさせていた。
 
 一時は来週11日に登場し、かつて特命係に”左遷”されていたことのある陣川警部補(原田龍二)が相棒になるのではないかという憶測もあったが、これには視聴者の反発も予想された。このまま新しい相棒不在のまま終わるのではないかという報道もあった。
 
 及川光博の独特のキャラクターが生かされることとなりそうだが、興味があるのはどんな役職のミッチーが、どういう経緯で特命係に”左遷”させられることとなるかである。捜査一課のイタミンや、角田課長などとの絡みも見所であり大いに期待できる。肉体派であり、ぶっきらぼうなまでに正義感の強い亀山薫と比べ、どういう立場で進行していくのか注目される。薄暗い特命係の部屋を”バラ色”に染められるかどうか期待したい。
 ちなみに、以前ここで実施させていただいた「亀ちゃんの卒業について」のアンケートでは、「反対」が多数を占めた。結果は一番下のアンケートをご覧ください。
 
 
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★ 年の差17歳!水谷豊 新相棒はミッチー(スポニチ・09/3/7)
★ 都会派刑事ミッチーの領域 水谷豊”新相棒”決定!?(産経新聞・09/3/7)
★ 及川光博オフィシャルサイト バラ色帝国
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お年寄りと接する”常識”の変化

 
 
 ”中高年のアイドル”と言われている綾小路きみまろさん。1時間のライブに多くの中高年層が訪れていた。たくさんの毒舌を吐いているが、それが人気の秘密のようである。来場者は「事実を言われているから何も気にならない」と笑う。
 考えてみると、お年寄りを気遣って当たり障りのないことを言いがちではあるが、それが世代と疎遠の間柄になってしまっている気がする。最初は目上の存在であるから敬語を使って話しているが、それがいつの間にか距離を置いた関係を作ってしまっているのかもしれない。
 
 認知症を防ぐこととして、頭を使うことが大切であるようだ。例えば熊本県の老人ホームでは、これまでオムツをして寝たきり状態にさせていたことをやめて、食事が終わるとトイレに連れて行く。入浴も寝たまま入るスタイルを変えて、介助をしながら通常の入浴に近い形を取り入れた。食事もどんなに時間がかかっても、リビングでスプーンなどを使って食べてもらう。「今まではこちらが面倒を見てあげている、というおごりがあったかもしれない」と施設の責任者は言う。
 
 毒蝮三太夫さんも高齢者への毒舌で有名だ。「ジジイ」「くたばれ」「バレンタインデーに関係のないババアばかりだな」などなど。しかし最初からそのような芸風・口調ではなかったという。40年前にラジオ番組を担当したときに同級生から「普段の話し方じゃないからつまらない」と言われて、今のような口調になり人気を博した。
 
 毒蝮さんは聖徳大学短期大学部客員教授を務め、老人とのコミュニケーションについて教えている。高齢者に接するポイントは、「笑顔で話しかける」「肩に手をかける」「気にかける」の3つだ。人と接する機会が少なくなり、自然と笑顔が消えていくお年寄り。「笑顔で話しかける」というのは対老人でなくとも大切な要素に思えた。人とのふれ合いが少なくなるから「肩に手をかける」。「風邪を引いたみたいだけど、調子はどう?」というように「気にかける」。
 定年退職で人生の節目をリタイアする高齢者は、社会と接する機会が少なくなっていく。本当は誰かと話したくて仕方ないのに、本心から接してもらえない寂しさがあるのかもしれない。上記のお二人の毒舌が受け入れられているのは、よそよそしい態度ではなく、そのものズバリを言っているからに他ならない。
 
 高齢者を受け入れている職場がある。東京・五反田にある「モスバーガー五反田東口店」だ。募集している年齢を見ると、「16歳〜75歳まで」となっている。若い人であれば機械的な対応で済ませてしまうところを、年配者ならではの柔らかい口調の接客が受けていて、若い人ばかりではなく年配のお客さんも増えているとか。ちょっとした気遣いもお客さんに好評で、若い店長も見習うべき点が多いと考えている。
 
 孤独になればなるほど脳も衰えていく。認知症予防の観点からも、「人と話す」という基本的なコミュニケーションを忘れないようにしたい。人生の先輩から教わることもあるであろうし、自分も将来必ず老いと向き合わなくてはならないのだから。
 
 そして過度に年寄り扱いすることも良くないことかもしれない。ある施設で若いスタッフが「おばあちゃん、お食事ですよ」などと声をかけても無視されていた。そこにベテランのスタッフが来て「○○さん、お食事ですよ」と名前を呼びかけたところ、振り向いてくれたという話しを思い出した。
 
 
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★ モスバーガー五反田東口店求人情報
★ クローズアップ現代ホームページ
★ 消えていく記憶 認知症の南田洋子(本ブログ・08/11/3)
 
 

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スマイリーキクチさんのブログ「炎上」させた18人を名誉毀損で検挙へ

 
 警視庁は、タレントのスマイリーキクチさん(37)のブログを集中攻撃し、閉鎖に追い込んだ男女18人(17〜45歳)について、名誉毀損容疑で刑事責任追及することを決めた。「殺人犯」などと、事実無根の書き込みが繰り返されたという。いわゆる「炎上」と呼ばれる集団攻撃の一斉摘発は初めて。警視庁よると、18人は大阪府高槻市内に住む国立大学職員の男(45)、千葉県松戸市の男(35)、札幌市の女子生徒(17)などとなっており、すでに自宅などを捜索してパソコンや携帯電話のデータを押収、近く書類送検する。
 
 被害にあったスマイリーさんのブログは、昨年1月〜4月にかけて、東京・足立区内で89年に発生した「女子高生コンクリート殺人事件」に、スマイリーさんが関与したという根拠のない誹謗中傷をされた。「人殺しが何で芸人をやるんだ」、「死ね、犯人のくせに」、「てめえは何をしたと思っているんだ」といった書き込みが、短期間に数百件に上ったという。現在、スマイリーさんは別のブログを再開している。
 
 スマイリーさんは所属事務所が「足立区出身の元不良」とのうたい文句で売り出したことがきっかけで、ネットの掲示板に男性を犯人扱いする書き込みが始まった。事務所側は02年、ホームページにて「事件とは無関係」と公表したが効果はなかった。
 
 スマイリーさんは「タレントとしての名誉に著しく傷が付き、芸能活動に重大な支障が生じた」として、中野署に被害届を提出、警視庁で通信記録を調べたところ、数十人が書き込みをしており、その中から執拗に悪質な書き込みを繰り返した18人を特定した。また、「殺す」と書き込んだ29歳の女を脅迫容疑で書類送検した。
 
 ネット上では、匿名であるのをいいことに、誹謗中傷の限りが尽くされている。根拠もなく無知なだけの誹謗中傷が、ネット上を闊歩している現状に歯止めをかける必要がある。匿名であるから便利な部分もあるインターネットであるが、見えない敵と対峙しなくてはならない被害者の苦痛は大変なものだ。
 
 過去にブログ仲間である女性が、ブログや掲示板で中傷を受けた。果敢にも応戦していたが、結局ブログの更新はやめてしまった。それにしても、わざわざ他人を中傷する人というのは、何が楽しくてパソコンのモニタを見つめているのだろう。やっていることは何の生産性もない嫌がらせだけ。モニタから離れれば、涼しい顔をして日常生活を送っているのだろう。バーチャル空間というのは、「仮想現実」と言われているが、これは立派な「現実社会」であることを忘れてはならない。ゲームの世界とは違うのである。
 
 面識のないネット上だけの付き合いの人がいる。お互いに誠意を持って接すれば、顔が見えないのにその人の顔が見えてくるような気がするから不思議だ。知らない人同士でも気軽に有意義に時を過ごすのが正しいネットの使い方である。ネットリテラシー、すなわちネットを上手く使う能力のある人は、現実の世界でも誠意のある人であることが非常に多い。屈折した人間は、現実社会でも何の実りもない寂しい人間であるに違いない。 
 
 もう一つ。スマイリーさんのブログを閉鎖に追い込んだ者たちは許せないが、そんな書き込みがあるほど、加害少年たちによる「足立区女子高生コンクリート殺人事件」というのは許し難い衝撃的な事件であった。この年には未成年者による「名古屋アベック殺人事件」もあり、少年法の議論が活発になった年でもある。
 
 
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★ 芸能人ブログを集中攻撃、「炎上」させる 18人立件へ(読売新聞・09/2/5)
★ ブログ炎上 矛先が一般人にも(読売新聞・09/2/5)
★ 「2ちゃんねるさえなければ、」(本ブログ・08/3/12)
★ 匿名人間が牙をむく(本ブログ・05/11/8)
★ 上村愛子のブログ(本ブログ・06/8/5)
★ 女子高生コンクリ詰め殺人事件(事件回廊)
★ 名古屋アベック殺人事件(事件回廊)
 

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楳図かずおさん勝訴 自宅の色彩巡り 東京地裁

 
 東京・武蔵野市吉祥寺の楳図かずおさんの家の外壁の色を巡り、周辺住民が「周囲の景観を破壊する」として、外壁の撤去を求めた訴訟の判決があり、東京地裁の畠山稔裁判長は「地域に、壁の色彩についての法的根拠などはなく、違法とは言えない」とし、反対派住民の請求を棄却した。2階建ての楳図さん宅は、赤と白の横縞模様に塗装されており、近隣の住民が「周囲との調和を欠く」とし、「良好な景観から恩恵を受ける権利(景観利益)を侵害された」と主張していた。
 
 法律や自治体の条例で、全国どこの地域も高さや容積率など細かい条件が決まっており、好き勝手に建物を建てることができない。一例として、京都や鎌倉などは景観地区や風致地区などの指定があり、その条件に合わせて建物を建てる必要がある。周囲と調和しない色も制限されるであろう。しかし、武蔵野市には景観などを規制する条例などはなく、建築に関する基準や条件をを満たせば、外壁の色を規制する根拠はない。
 
 過去には群馬県高崎市内の家電店が蛍光色を建物全体に塗装、周辺住民の反対にあって色を塗り直したことがあった。また、千代田区内に建てられた「イタリア文化会館」が鮮明な赤色であり、皇居周辺の緑と調和しないとして、周辺住民の反対運動が起きた。千代田区は皇居周辺を美観地区に指定しており、「水や緑と調和するようなシルエットを形成する」としている。しかし、千代田区も「何色がいけない、というわけではない」としており、判断の難しさが浮き彫りとなっている。
 
 今回の東京地裁の判決では、武蔵野市に景観条例や地域住民の取り決めなどがないことを判決の根拠とした。それに加え、「仮に景観利益があるとしても、周囲との調和を乱すような建物ではない」とした。楳図さんは「いい結果をいただいた。周囲には気を配りながら生活したい」とした。
 
 自宅から15分ほどの距離なので見に行ったことがある。報道で言われるほど派手だとか、調和していないという感じは受けなかった。豪華か派手かそうでないかは個人の主観に依るところが大きい。もし、色まで厳密に規制するようなことがあれば、国土の狭い日本は住みづらくなる。人も多くて土地の狭い東京では、何かを妥協しないと難しい。妥協という言葉が不釣り合いであれば、”譲り合い”を。
 
 
☆ 奇跡は 誰にでも一度おきる。だがおきたことには誰も気がつかない。(楳図かずお )
 
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★ 楳図かずおさん宅、赤白の壁は適法 東京地裁(産経新聞・09/1/28)
★ 色彩の暴力? 楳図かずおさん宅(本ブログ・07/8/22)
 
 

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引きこもりからロックバンド 欧米進出の「ガガーリング」

 
 うつ病、対人恐怖症、摂食障害、不安障害にパニック障害など、多くの人が心療内科や精神科にかかるようになり、社会の病気として認知されている心の病。そんな中で、引きこもりにうつ病、そして自殺未遂を経験、20歳で失意のどん底にいた経験から一転してロックバンドのボーカルになった女性がいる。「ガガーリング」のボーカル、マイムさんだ。
 
 受験に失敗したことから「私はダメ人間」と、自分を責めるようになった。重度のうつ病と診断されて、2度自殺を図った。ある日、友人が連れ出したローリング・ストーンズのライブ。「この曲、聞いたことがある」と、失っていた楽しさがこみ上げてきた。
 
 「こんなに人を感動させる。自分もやる」と決めると、カラオケボックスで自分の歌声を録音し、デモテープを持ってライブハウスを巡る。「歌いたいんです」と1人のギタリストにテープを突きつけた。それはギタリストのモトさんで、元リンドバーグのドラムのチェリーさんと新バンドを作ろうとしていた。
 
 鬱を引きずっていたが、プロデューサーは「悩んでいる若者や鬱の人は大勢いる。それを素直に詞にしよう」と言った。欧米では日本のビジュアル系バンドブームの最中だったが、そこから「ガガーリング」の快進撃が始まる。昨年2月にネット上の「マイスペース(MySpace)」に曲を投稿したところ、視聴数がいきなり1位になり、賞賛のメールが海外から舞い込んだ。現在「フレンド」は8000人を超えている。今春にはモスクワ公演も予定している。
 
 マイムさんは「ちょっとでも変わりたい心があれば、外に一歩踏み出して。どこかにきっかけが落ちているか分からないから。1つの行動が未来を大きく変える。心が動いた瞬間を逃さないで」とコメントしている。
 
 人はさまざまな状況下に置かれて失意の底に沈むときがある。マイムさんはそれを打破した。病気の人も、健康な人も最初の一歩が踏み出せずにいるから苦しみが長引くのだ。日常生活で単に目的地に向かって歩いている一歩一歩はたいした歩数ではない。辛いときの大きな一歩というのは、時には国をまたぐその前進たるや、自分の想像を超えた無限の可能性に突き進むに違いない。
 
★ ボーカルだったマイムさんが現在若女将として活躍されている「日進館」(群馬・万座温泉)のホームページ
★ GAGAALING ガガーリング オフィシャルサイト
★ GaGAAlinG on MySpace (MySpace)
★ 引きこもり一転 ロックバンドで欧米進出「ガガーリング」ボーカルのマイム(産経新聞・09/1/9)
 
 

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