カテゴリー
ニュース

5月4日の首相訪沖に米懸念 「守れない」何のための米軍、何のための首相

 鳩山由紀夫首相が、米軍普天間飛行場移設問題で5月4日に沖縄入りすることを決めた。これについて、現地が混乱することが予想されるため、政府内外から懸念の声が上がっている。
 
 地元では移設反対の横断幕が掲げられるなどして反発が高まっており、米軍側も首相の安全確保への不安などから視察に懸念を示している。首相は仲井真・沖縄県知事と会談するほか、普天間飛行場や名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワフを視察する予定。しかし米軍側は「ゲートは1カ所しかなく、激しい反対運動にさらされてイメージがよくないのではないか」、「首相の安全を保証するのは難しい」とも伝えた。
 
 名護市内には「ヘリポート移設許すな」と大きく書かれた横断幕があり、「首相がシュワブに入ろうとしても、数百人規模の住民が集まってゲートを封鎖する。周辺住民の1人は「9万人が県内移設に反対したばかりなのに、その直後に来て修正案を押しつけるなんて、何を考えているのか」と話した。
 
 米軍の「首相を守れない」というのは、反発する市民を前に力を誇示してまで日本の首相を守ることは難しい、そういう観点では理解できる。まさか市民を押しのけてまで鳩山首相をガードするわけにはいかない。しかしその一方で、首相ひとりすら守れないのも情けない気がする。何のための安全保障か。
 
 そもそも米軍は強く反省しなくてはならない。沖縄はその歴史から、特に反米感情が強いと考えられるが、いまだに毎年200〜300件、米国軍人及び関係者による犯罪が起きている。規範意識が余りにもなさ過ぎるが「綱紀粛正を図る」とアナウンスがあっても改善されているようには思えない。
 
 基地内は米国領かもしれない。しかし、フェンスの外は日本の領土であり、沖縄の土地である。その国の法令を厳守することができない軍人に、日本の安全保障などを任せられない。そもそも、尖閣諸島に中国や香港、台湾の活動家が上陸しようとしたとき、米軍は何をしていたのか。領土という日本の主権が侵されようとしたときに動いたのは、海上保安庁ではなかったか。
 
 鳩山首相も強く反省しなくてはならない。昨年の選挙公約では米軍基地について大きく触れていなかった。案の定、この数ヶ月はつぎはぎだらけの場当たり的な行動しか見ることができず、一国の首相としての牽引力が全く見られない。
 
 できないのならば、最初からそんな約束はしなければよく、その代わりに沖縄県民の生命財産を守る政策でも打ち出した方がよかったのだ。警察官や警備員の増強、経済支援などできることはあるはずだ。事業仕分けで浮いたお金は、こういうところに積極的に使わなければ、政権運営自体が実態のないパフォーマンスに終始することを知っておかなくてはならない。
 
 
☆ 人気ブログランキング(国内ニュース)に参加しています。クリックのご協力をお願いいたします。 
 
★ 昔話を知っている子供たち(本ブログ・10/4/25)
★ 首相訪沖の混乱予想、米はシュワブ視察に懸念(読売新聞・10/4/29)
★ 辺野古修正案、社民の福島党首「明確に反対だ」(朝日新聞・10/4/29)
★ 「面会した上でことわりたい」普天間移設問題で徳之島町長(産経新聞・10/4/29)
★ 迷走 普天間問題(時事通信)
 
 

カテゴリー
ニュース

諸賀さん殺害:別件で32歳男逮捕 諸賀さんの腕時計を質入

 福岡市の博多湾で同市博多区の会社員、諸賀礼子さん(32)の切断遺体が見つかった事件で、福岡県警の捜査本部は、諸賀さんが所持していた腕時計を県内の質店で換金した男(32)を、事件とは別の窃盗容疑で逮捕した。県警は、腕時計を入手した経緯を調べ、男の自宅を家宅捜索している。逮捕されたのは同市中央区在住の派遣社員の男。逮捕容疑は、市内の勤務先から液晶テレビを盗んだ窃盗容疑。
 男は3月5日以降、県内の質店で諸賀さんが所持していた有名ブランド製の腕時計を換金していた。諸賀さんの遺体の両足と着衣、アクセサリーなどは依然として見つかっていない。遺体を遺棄する前に、犯人がアクセサリーなどを持ち去った可能性もある。現時点で、男と諸賀さんとの接点は浮かんでいない。しかし、諸賀さんの所持品である腕時計を持っているのは極めて不自然であり、県警は慎重に男を聴取する。
 
 諸賀さんの自宅には、現金の入った財布やバッグが残されていることから、顔見知りの犯行の可能性もあるとされる。警察は諸賀さん自宅周辺で付近の住民に、「男女の言い争うような声はないか」「不審な人物はいなかったか」などの聞き込みをしている。
 
 今回の直接の容疑である窃盗罪は被害の大きい犯罪ではないが、県警にしてみれば、諸賀さん事件解明へのとっかかりが欲しかったことなのだろう。冷たい海に遺棄された諸賀さんの無念を晴らすべく、捜査の進展が望まれる。
 
 
☆ 人気ブログランキング(国内ニュース)に参加しています。クリックのご協力をお願いいたします。 
 
★ 質入れの男、別の容疑で逮捕 遺棄女性と接点浮かばず(朝日新聞・10/4/28)
★ 福岡・能古島の女性遺体:被害者腕時計、質店に 県警断定、換金の男聴取へ(毎日新聞・10/4/28)
★ 腕時計を質入れの男、逮捕 諸賀さん切断遺体(産経新聞・10/4/28)
★ 能古島の遺体女性、交通事故トラブルが発端?ネット上で不安を吐露(本ブログ・10/3/25)
 
 

カテゴリー
ニュース

愛知・蟹江町の一家襲撃の男「こんなはずじゃなかった」

> 愛知県蟹江町で何者かに一家が襲撃され、会社員の山田喜保子さん(57)と次男(26)殺害され、三男が重傷を負った事件で、犯人の男が負傷した三男に「こんなはずじゃなかった」と話していたことが分かった。その話の中で、「誰も家に来ないか」と確認したといい、その後、現場に10時間滞在し、証拠隠滅などを図ったと見られる。
 
 この事件では、通報を受けた蟹江署員が犯人の男を被害者と勘違いし、「大丈夫ですか」と声をかけた後に逃走されている。男は被害者から現金は奪ったが、2階に置いてあった現金70万円は手をつけておらず、怨恨の可能性も排除できない。
 
 間もなく1年経とうとしているこの事件、犯人を見逃すという、初動捜査に大きな誤りがあったことは否めないが、殺人犯が現場に長時間残っていたということは不気味なことである。すぐにでも現場を離れたいはずなのに、証拠隠滅までしていった犯人の男。何らかの動機がありそうだが、1年が経過しようとするこの事件に男の”動線”が見えてこない。
 
 愛知県警蟹江署では情報提供を呼びかけている。(0120-011-076)
 
 
☆ 人気ブログランキング(国内ニュース)に参加しています。クリックのご協力をお願いいたします。 
 
★ 愛知一家殺傷 犯人の異常な行動(本ブログ・09/5/11)
★ 犯人が証拠を消そうとしたか 愛知3人殺傷(日テレNEWS24・10/4/27)
★ 海部郡蟹江町蟹江本町地内における強盗殺人事件 情報提供のお願い=有力情報には懸賞金300万円(上限)=(愛知県警察)
 
 

カテゴリー
ニュース

昔話を知っている子どもたち

 小学生の時に昔話についてクラスで研究していたことがある。その中で興味を持ったのは、話の最後に付く言葉だった。「しゃんしゃん」、「とっぴんばらりのぶう」、「えつこまんま」など、それ自体は意味のない言葉のようで、「おしまい」に代わる言葉だった。当時はその言葉を探すにしても、昔話を片っ端からあさるほか手段はなかった。今ならネットで簡単に検索できることだろう。
 驚いた。桃太郎の鬼退治にお供するのはイヌ、サル、おばあさん —————— 筑波大学大学院の徳田克己教授(子供支援学)らのグループが行った調査で、有名な童話や昔話を子供たちが正確に理解していないことが分かった。桃太郎が腰につけたものについては、平成2年の調査では3歳児の76%、5〜6歳児の91%が「きびだんご」と答えたが、今回の調査ではそれぞれ22%、51%と低下。中にはパン、ケーキ、シチューという誤答もあったという。
 徳田教授は「親も物語をよく知らなくなってきている。日本の昔話には年よりをいたわる、うそをつかないなどの道徳が自然に身につくものが多く、大切にして欲しい」と話す。
 
 かつて小学校には道徳の時間があり、テレビで物語を見せられた。よい役と悪い役が出てきて繰り広げられるお話。「大きくなる子」のような人形劇もあれば、人が出てくる教室が舞台のドラマもあった。何がよくて、何が悪いか分からないから、こうしたお話を見たり聞いたりする価値がある。
 
 

 「沖縄戦」の戦没者名が刻まれた沖縄県糸満市の「平和の礎(いしじ)」ができて10年。今年ようやく兄と妹の名前を刻んだ真栄城ヒデ子さん(67)の取材で、小学校の同級生、玉城トミ子さん(67)に会った。
 
 玉城さんは真栄城さんにきょうだいがいたとは知らなかった。戦後、戦災で校舎がなくなった小学校の「青空学校」で、人懐こい笑顔が魅力的だった。「当時、私は亡くなった姉の話を彼女にしたが、彼女は胸の内にしまっていたのね。つらかったでしょう」
 
 玉城さんもつらい日々を過ごした。米兵に撃たれ、左手首を吹き飛ばされた。病院で看護師が「必ず生えてくる」と慰めた言葉を信じたが、ウソだとわかり、絶望した。義手をつけ、妻を亡くした兄の子4人の母代わりとして生きた。そんな話を真栄城さんにしたことはない。
 
 最近、封じてきた過去を聞いてほしい気がして、真栄城さんに「今度の同窓会で昔話しようね」と電話した。戦後60年の沖縄、広島、長崎、そして終戦と巡り来るその日に、ようやく過去を振り返る人たちがいる。(容)
(2005年7月2日 読売新聞・大阪夕刊より)

 
 
 子供に対してする昔話は、良いことか悪いことかを考えさせるためであり、大人にとっての昔話は良いことだったか悪いことだったかを検証するためである。話し手がいるのは当然ながら聞き手がいるからである。「いる」という言葉を単に「居る」とするか、「要る」とするか。それが分かるのは、語り部が真剣に話していることを聞き手も真摯に受け取ったときである。
 
 「けりをつける」という言い方は、和歌などに出てくるの助動詞「けり」を最後につけることから、「終わらせる」「済ませる」という意味がある。沖縄・普天間基地移設問題では政府の迷走が続いており、けりをつけられそうもない。このままだと、政権与党の汚点ばかりが後世に伝えられて、”しゃんしゃん”という事態になりかねない。政党の汚点ならよいが、政治というのは、国民ひとりひとりの歴史を悲しいものにしてはならない。これだけは、けりをつけなくてはいけない問題である。
 
 
☆ 人気ブログランキング(国内ニュース)に参加しています。クリックのご協力をお願いいたします。 
 
★ 普天間の県外・国外移設求め9万人大会 知事「公約通りの解決を」(産経新聞・10/4/25)
★ 「もう限界」政府に怒りの声 沖縄県民大会(読売新聞・10/4/26)
★ 普天間問題:「なぜ基地押しつける」 会場に怒りの声次々(毎日新聞・10/4/25)
★ 「危険性除去と負担軽減を」仲井真・沖縄県知事あいさつ(朝日新聞・10/4/25)
★ 「桃太郎のお供は?」「アンパンマン!」昔話知らない子供たち(産経新聞・10/4/24)
★ まんが日本昔ばなしの人気(本ブログ・08/1/12)
 
 

カテゴリー
ニュース

身近な犯罪撲滅を 病院や塾に地域の犯罪情報提供 警察庁

 地域社会の連帯感を強めて犯罪防止に役立たせようと、警察庁は、地元の施設や企業などに防犯活動への参加を働きかけるように、全国警察本部に指示をした。同庁によると、刑法犯認知件数は7年連続で減っているが、性犯罪や空き巣、振り込め詐欺などは依然として目立っている。
 
 これは犯罪が大きくなる前に、地域の草の根活動から犯罪抑止をするのが目的である。これまでも、ひったくりに遭わないように美容師が客に話して”口コミ効果”で防犯に役立てる試みがあったが、今回の警察庁の通達はこうした活動を広げようとするものだ。
 
 さらに「万引きはゲートウェイ犯罪」とし、万引きを事件化して窃盗罪として積極的に取り締まる、落書きやゴミのポイ捨てを器物損壊罪などで積極的に取り締まるように通達を出している。こうした考えは、いわゆる「ガラス窓理論」である。ちいさな風紀の乱れから、街の治安が悪化するのを未然に防ぐという考え方だ。
 
 昨年のエントリで「花を育てて防犯効果」という内容を書いた。人通りの少ない路地に花を植えることで、それを見に来る近所の人の往来が多くなり、結果として不審者を寄せ付けずに済むという考えだ。実際に行ってみたが、遊歩道に多くの花が咲いていてきれいだった。ここの遊歩道というのはもともと川であったところだが、フタがされて”暗渠化”されている。ゆえに殺風景な住宅の間の小道というイメージだったが、草木が多く植えられることで全く見違えるようになった。
 

すべて無施錠 就寝中の性犯罪被害者 福岡県警

 
 福岡県警は、昨年確認された性犯罪事件のうち、自宅で就寝中に被害にあった約30件がすべて無施錠の玄関や窓から侵入されていたことを明らかにした。県警では「高層階でも安心せずに戸締まりを徹底して欲しい」としている。県内の性犯罪認知件数は強姦84件、強制わいせつ355件となっている。
 
 こうした状況に対して、県警子ども・女性安全対策課は、強制わいせつや盗撮、痴漢、つきまとい行為などの容疑で摘発、警告した男約70人に対して心理調査を実施。それによると、警戒心の有無などや服装で被害者を選んでいた。逆に犯行を諦めた理由が、人通りが多い、警戒心が強い、複数で行動している、などとなっている。
 
 空き巣と違い、特定の人物を狙っている点で、性犯罪というのは恐ろしいものだ。自宅は決して安心ではないことを肝に銘じて帰宅したら即施錠をこころがけていただきたい。強姦事件は一般に報道されにくいが、福岡だけでもかなりの被害者がいることが分かる。記事になっていないだけで、辛い思いをしている被害者がいる。規範意識のない野獣の餌食にならないようにご注意を。
 
☆ 人気ブログランキング(国内ニュース)に参加しています。クリックのご協力をお願いいたします。 
 
★ 女性の皆様ご注意を 性犯罪、福岡がワースト1(本ブログ・08/9/7)
★ 生命体の差別 花が被害に遭う事件が相次ぐ(本ブログ・08/6/23)
★ 花を育てて防犯効果 東京・杉並区(本ブログ・09/6/10)
★ 塾や病院に地域の犯罪情報提供 連帯強化狙い警察庁指示(朝日新聞・10/4/21)
★ 就寝中の性犯罪被害、すべて無施錠 高層階4割(読売新聞・10/4/21)
 
 

カテゴリー
ニュース

愛犬チロの飼い主に死刑判決 さいたま地裁

 「まず理由から言い渡しますので、そこに座ってください」。
 08年11月に発生した元厚生事務次官宅連続襲撃事件で、殺人、同未遂、同予備、銃刀法違反の罪に問われた男性被告人(48)の判決公判がさいたま地裁で行われ、伝田喜久裁判長は男性被告に死刑を言い渡した。
 
 裁判では被告の犯行の態様や計画性に加え、結果の重大性を指摘。「生まれ変わったらまた殺す」などと述べていることから「矯正は不可能」であり、死刑を躊躇する特別な理由はないとした。犯行動機である「保健所に殺処分された愛犬チロのあだ討ち」自体が重大事件を引き起こす動機として正当化できるわけがない、とした。
 
 被告は犯行後に霞ヶ関の警視庁に出頭した。弁護側は「自首に当たる」としていたが、これも否定されることとなった。出頭すること自体が犯行の計画に入っており、これを認めることは合理的な司法判断とはいえないとした。
 
 最初の被害者であり、退官後の第二の人生を過ごそうと考えていたY夫妻に降りかかった悲劇。夫が刺されるのを見て、自分にもナイフの刃が向けられた奥さんの恐怖は察するにあまりある。恐怖の中で意識が薄れていく被害者の無念さを考えれば死刑選択は当然だといえる。第二の被害者で重傷を負った、東京・中野区のXさんの妻(73)も後遺症に苦しみ、極刑を望んでいたという。
 
 被告は即日控訴した。
 
 - - - - -
 山口県下関市で、殺処分5時間前に飼い主が現れ、救われた犬がいる。同市内に住む女性が飼っている、雑種で3歳の「アイ」である。
 
 アイは2月下旬に路上でケガをして鳴いているところを、私立早鞆(はやとも)高校1年である冨田由実さん(16)に見つけられた。ひき逃げされたとみられている。動物愛護管理センターに犬を引き渡したが、「飼い主や里親が現れなければ、約2週間後に殺処分される」と聞いた。
 
 冨田さんは「なぜ人間はひき逃げなんてできるん。ひかれた犬をさらに殺すなんてできるん」と思い、友人に話した。冨田さんに共感した級友が犬の飼い主捜しを始めた。犬について知っている人がいたら教えてください、というメールは次々に広がった。チラシも作り、そのチラシを目にした女性がセンターに名乗り出た。それが殺処分される5時間前だった。女性は「アイがいなくなって夜も眠れなかった。本当に感謝しています」と話す。
 
 
 アイをかわいそうと思った冨田さんとその友人、「夜も眠れなかった」という飼い主の女性。人や動物の魂を愛おしいと思うことはこういうことである。アイの発見から2週間で事なきを得た話である。
 
 その一方で、被告は34年もの間、”復讐”だけを考えて生きてきた。”チロ”を失った気持ちは同情するが、第二のチロを出さないような努力はいくらでもできたはずである。冨田さんのような発想をしようとしなかった、ただの怠慢ではないか。
  
 
☆ 人気ブログランキング(国内ニュース)に参加しています。クリックのご協力をお願いいたします。 
 
 
★ 【元厚生次官ら連続殺傷 判決(上)】「まず理由から」小刻みに頭を震わせる被告は裁判長の言葉に・・(産経新聞・10/3/30)
 

カテゴリー
ニュース 映像写真

吉祥寺ロンロン閉店の動画


 
 
☆ 人気ブログランキング(国内ニュース)に参加しています。クリックのご協力をお願いいたします。
 
 
 
 

カテゴリー
ニュース

竹下通りで若者が殺到、けが人も「芸能人が来る」でパニック 東京・原宿(2010.3.27)

 1938年、オーソン・ウェルズがプロデュースしたラジオ番組「宇宙戦争」は、ニュース形式など本物そっくりな構成で番組を作ったために、ラジオを聞いた一般市民が「火星人が来た!」とパニックになったことで有名である。ラジオがメディアとして力のあった時代である。これを聴いた市民は番組が作り物であるにもかかわらず、冷静さを失った。人から人への伝播もあったことだろう。
 
 東京・原宿の竹下通りで「芸能人が来る」という噂が突然広まり、春休みで混雑していた狭い通りは一斉にパニック状態となった。ラッシュ時のような寿司詰め状態となり、倒れた女の子の上に人が被さり、擦り傷や過呼吸になった若者数人が救急搬送された。東京消防庁によると、女性(13)が過呼吸と顔面打撲の軽傷、14歳の女性2人が左腹の打撲などで搬送されるなどした。
 
 警視庁原宿署によると、JR原宿駅前の竹下通り入り口付近で混雑が発生。「アイドルが来た」「路上ライブをやる」などの情報が口コミで広がり、若者がパニック状態になったという。同署によると芸能人が来ている情報は確認が取れなかったといい、”情報源”は不明のままだ。
 
 この騒ぎでは口づての他にもメールやツイッターなども騒ぎに拍車をかけたようだ。誰かがそんな情報を得てうっかり口にすれば誰かの耳に入る。方向も分からず人の多い方に流れてしまう。悲鳴なのか”黄色い歓声”なのかが分からなくなる。集団心理の怖さを垣間見たような気がする。
 
 原宿署では警官が竹下通りの真ん中に列を作り、交通整理をすることとなった。制服警察官が列を成す光景を原宿で見たことはない。
 
 若者が多く集まる春休みや夏休みは、悪徳勧誘業者が忍び寄ってくる。個人情報を簡単に教えないようにし、知らない場所に連れて行かれないように気をつけなければいけない。もし強引に連れて行かれそうになったら、その時こそ大きな悲鳴を上げましょう。
 
 
☆ 人気ブログランキング(国内ニュース)に参加しています。クリックのご協力をお願いいたします。 
 
★ 救急搬送:ライブ情報で殺到 女性3人病院へ 東京・原宿(毎日新聞・10/3/26)
★ 竹下通りに若者殺到 体調不良訴え、転倒も 「アイドル来た」?、東京・原宿(時事通信・10/3/26)
 
 

モバイルバージョンを終了