鹿児島県鹿屋(かのや)市内の中学校に通っていた女性(19)が当時の校長にわいせつ行為を受け、心的外傷後ストレス障害(Post Traumatic Stress Disorder=PTSD)になったとして、市と元校長に約1700万円の損害賠償を求めた訴訟で、鹿児島地裁は2月15日、わいせつ行為があったことを認定し、市に67万円の支払いを命じた。女性の告訴について地裁の牧賢二裁判長は「元生徒の供述の信用性は高い」とした。
刑事裁判としては、鹿児島地検が嫌疑不十分として不起訴にしていたが、民事としての”有罪”を認めた形となった。刑事裁判として”無罪”が確定しても、民事で”有罪”となったケースである。
元校長は07年6月、当時中学3年生だった女性をドライブに連れ出して、車内で覆い被さるなどの行為をした。元校長側は「精神的に不安定な元生徒を励ます目的で誘った。ドライブ中は相談を受けていただけ」と主張。しかし判決は「元校長が停車した場所は周囲に施設などがなく、性的行為が目的だったと思われる」と指摘した。
元生徒の父親は、判決後「主張は認められたが、被害者が勇気を持って裁判をしなければ事実さえ受け入れない教師がいるのは残念。被告は猛省をし、市教委は子供を守るための対応策を整備して欲しい」と語った。鹿屋市は「判決内容を詳細に検討して対処したい」とコメントを出した。
公立学校でのわいせつ事案が無くなることのない背景の一つとして、公務員が犯した犯罪については、裁かれるのが公務員一個人ではなく、”公務”そのものが問題に問われることにある。公務員が犯罪の加害者になっても被害者になっても、”公務”という見えない概念が裁判で問われる”対象”となる。
別の言い方をする。公務中の公務員に暴行・脅迫をすれば、公務執行妨害罪として加害行為をしたものは裁かれる。その場合、守られるのは襲われた公務員ではなくあくまでも”公務”という概念である。公務員が公務を遂行できなくなれば、国や自治体の業務作用に影響を及ぼすためである。
わいせつ事案を本気で無くすつもりであるならば、不祥事を起こした公務員に対して自治体が加害行為をした公務員に対して損害賠償請求をすべきである。本判決で被害者に弁済することになったが、これは税金によってまかなわれるということを知っておくべきである。
判決で被害者は一つの区切りを迎えることになった。中学三年という女の子に対して、校長という身分で信頼関係を崩壊させ、被害者に恐怖心を植え付け、青春の一時期を黒く塗りつぶした加害行為に対して67万円というのはあまりに安すぎる。加害者に財産刑が科されることもなく名前も公表されない。加害行為をした一個人が痛みを伴わないからわいせつ事案など無くならないのだ。
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★ 元中学校長:生徒にわいせつ行為 市に賠償命令(毎日新聞・12/2/16)
★ 中学校長が女子生徒にわいせつ 鹿児島(本ブログ・07/11/5)
月: 2012年3月
新聞記事に見る”紋切り型の表現”
「夕刊ガジェット通信」に「記事の最後で「興味深い」「注目だ」と締めても意味ないよな」と題した記事が載っている。そこではメディアアクティビストの津田大介氏のメールマガジンから、新聞記事などに使われる「締め言葉」について批評がある。メールマガジンに読者から質問のあった内容に津田氏が答えている。
質問内容は「速水健朗さんのブックレビューで『興味深い』という締めは、やっつけ仕事観が強くてプロのライターとして最低」「ライターさんの中では『これを使ったら手抜き』というお決まりのフレーズはあるんですか?」といった内容だ。
津田氏は以下のような内容を答えている。(矢印右は津田さんのツッコミ)
・「議論を呼びそうだ」→ お前が波紋を呼ばせたいんだろ。
・「ますます目が離せない」→ 一生離しとくな。
・「注視したい」→ 問題意識を持っているのであれば、今後ちゃんとアクション取れよ。
・「これからも勢いは加速しそうだ」→ とりあえずホメとけ、なやっつけ感満載です。
・「私だけだろうか」→ 本当はお前だけだとは思ってないんだろ。謙虚ぶるな。
という具合である。
新聞紙面はこうしたステレオタイプ(決まり切った型・新鮮味がない)表現が多い。「議論を呼びそうだ」は世論を煽っているとしか思えないし、がっかりした様子を表す「肩を落とす」、他にも、「眉をひそめる」、「嬉しい悲鳴」、「唇をかむ」などがある。
いずれも表現していることは分かるのだが、毎回使われると事実と言うよりも、よくある情報という感じがして新鮮味がない。こうした表現が生きるかどうかは記事の内容にもよる。決まった言い回しが多いのは政治家の答弁などが代表的であるが、こうした事実を扱うときは紋切り型の表現もあってもよい。政治家の話し方は新鮮味がないからだ。
しかし事件報道などの周辺住民への取材などでは、表現の仕方というのを多少なりとも工夫した方が良い。事件事故が悲惨になればなるほど、表現には注意が必要であり、残虐さや悲惨さを伝えるには”常識的な言葉使用の揺らぎ”が必要である。「唇を噛んだ」や「肩を落とした」というだけでは、いつもの表現過ぎてその事実に新しさがない。表現にツヤを求めないのであれば、ひたすら事実の羅列でもした方がましである。
前述の表現の類が昔から嫌で仕方がなかった。ゆえに当ブログではそうした表現を使っていない。と思ったら「肩を落としている」という表現が1度だけあった。限られた紙面で物事を伝えるのは難しい。あらゆる出来事は無限である。それに呼応する術は型破りであるべきだ。
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★ 記事の最後で「興味深い」「注目だ」と締めても意味ないよな(夕刊ガジェット通信・12/2/28)
★ 津田大介の「メディアの現場」(メールマガジン)
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アクセスいただき誠にありがとうございました。今後もよろしくお願いいたします。
Nono
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