カテゴリー
その他

私、タバコやめました。”禁煙セラピー”で「卒煙」した日

 喫煙者は居酒屋に行くと、「とりあえずビール」という前に、とりあえずタバコに火をつける。起きたら一服、そして食前、食後、出かける前、最寄り駅の近くで、職場に着いたら、などなど節目節目で吸いたくなるのが喫煙者である。いずれの一服もおいしいのだ。
 
 しかし昨今の喫煙者を取り巻く環境は厳しい。路上を禁煙にしている自治体は多いうえ、屋内施設でも飲食店でも分煙・禁煙がなされている。タクシーでも吸えないとは。喫煙者が見知らぬ土地に電車などで行った場合、最初に探すのが喫煙場所である。ファーストフードでも喫茶店でも何でも構わない。これを探すのだけでも面倒だが、意地でも探すのが喫煙者の心理。
 
 そんな私も同様のことをしてきた1人だが、このたび「アレン・カー・ジャパン」の禁煙セラピーを体験。長い喫煙生活に終止符を打つこととなった。これまでもこっそり禁煙に挑戦したことはあるが、我慢しても我慢しても結局たばこ屋さんに走ってしまうことの連続。禁煙などはできないと諦めていた。
 
 1日1箱(20本)のセブンスターを吸っていた。喫煙者のかたならセブンスターがどれだけきつい(うまい)タバコがご存じかと思う。そんな私が禁煙ではなく「卒煙」できた。「そつえん」なんていう言葉、幼稚園を卒業したとき以来だ。きっかけは昨年夏の毎日新聞で、記者さんがこのセラピーの”卒煙体験”を記事にしていたことだった。記者さんが体験して書いているのだからウソはない。
 
 ◆ ◆ ◆
 
 都内のマンション一室に行くと、セラピストの女性に名前を確認される。「まだ時間があるので、喫煙コーナーで吸ってきていいですよ」というと、私を含めた男性3人が直行。顔を見合わせて、ガハハと笑う。「本当にやめられるんですかね」「半信半疑ですよね」。そんな会話がなされ、男性3人、女性4人の受講者がそろったところでセッション(講義)が始まる。
 
 喫煙者は「体に悪いからやめなさい」とか「他人に迷惑がかかるんだから!」などと言われることが一番辛いことである。なぜならそんなことは百も承知で吸っているからである。セッションでは、そうしたような頭ごなしに喫煙行為を批判するようなことはしない。ちなみにセラピストの女性も元喫煙者であり、1日30本吸っていたという人である。そのかたもこのセッションを受けて「卒煙」し、今は禁煙セラピストとして活動している。
 
 セッションは50分ごとに1度中断して「タバコ休憩」がある。みんな迷わず喫煙コーナーに直行する。そしてお茶やコーヒーを飲んでリラックス。タバコ休憩がわざわざあるのが嬉しい。
 全部で5時間ほどのセッションが終わると、「最後の一本の儀式」というのがある。自分の持ってきたタバコの最後一本を吸うのである。これでタバコとはお別れのはずである。しかし個人的にはこの儀式よりも、受講者全員で「タバコの墓」に持ってきているタバコやライターを投げ捨てる儀式のほうが印象的だった。
 
 そして最後に催眠療法がある。よく誤解があるわけだが、テレビの催眠術ショーなどの影響もあって、「体が操られるのでは」、「気絶するのでは」などという心配があるかもしれないが、それは100%ないことを断言する。あれはテレビ用の催眠術。
 
 催眠療法というのは、深層心理に訴えかける方法論で、例えば眠れない子供に本を読んであげたら寝てしまった、ということがあるが、その程度のことである。この場合、子供は母親に本を読んでもらって本の内容を理解することが目的ではない。本を読んでもらうことで眠ろうと自分の中で無意識に考えているのである。
 
 つまりここでの催眠療法も同じである。半信半疑な受講者も、自分の潜在意識にある「タバコを止めたい」という部分に話しかけられるので、セラピストの言葉を自然に受け入れるのである。目をつぶって集中してセラピストの言葉に耳を傾けていればいいだけで、ちゃんと自分の意識はあるし、危険な目にあったりすることはないので、不安な方はご安心を。
 
 本当にタバコをやめられるのだろうか、そんな疑問があるわけだが、少なくともこの会場まで足をわざわざ運んだ時点で7割ほどは卒煙に向けての準備が整っている。そしてセラピストさんが残りの3割の部分を手助けしてくれるのだ。
 
 ◆ ◆ ◆
 
 こうして長丁場となった禁煙セラピーで、無事「卒煙」できた。不思議でならないのだが、「今ここで吸えばうまいだろうな」ということは分かっていても、わざわざタバコを買いに行こうとまでは思わない。タバコの自販機の前も通ったが”食指”が動かなかったし、ファミレスの喫煙席の隣にある禁煙席に1時間以上座っていたがやっぱり自販機まで走ることはなかった。たったの半日でタバコを止められるとは思わなかった。
 
 年間10万円近く払っていたタバコ代も不要となり、ライター代も不要となる。さらにタバコを吸いたいがために入っていた飲食店代もかからない。浮いたお金で何をしようか。そして増えるのはお金だけではなく時間も同じ。1本吸うのに5分かかるとして、5分×20本=1時間40分を1日に使ってきた。実際は何かをしながら吸うときもあるので、少なくとも1日1時間くらいはタバコの時間としてきたということになる。空いた時間で何をしようか。
 
 卒煙した私だが、周りにいる喫煙者の友人知人に卒煙を勧める気もないし、今までさんざん吸ってきたのだから喫煙者を攻撃する気も毛頭無い。みなさん私の前では遠慮せず吸ってください。平気ですから。「Nonoはタバコを吸わなければいいやつなのに」と何度か言われたことがある。友人らにタバコを止めたと言ったらきっと驚くに違いない。
 
 これから受けようと思っているかた、不運にも失敗してしまったかたにアドバイスを1つ。セラピストさんの言う内容を十分理解してください。決して難しいことを言われるわけではないので、納得しながら講義に臨んでください。
  
 一緒にセッションに参加したかた、空手の男性、ピッチャーの男性、ヘビースモーカーだった旦那さんに勧められてきた女性などなど。皆さんちゃんと止められたかな。みんなでタバコを捨てた儀式、忘れないでいましょう。そしてセラピストさん、本当にありがとうございました。
 
 
☆ 大事なのは今までのあなたではなく、これからのあなた。(エラ・フィッツジェラルド)
 
 
★ 禁煙セラピーのアレン・カー・ジャパン
 
 
 
 

カテゴリー
ニュース

日本人、4人に1人は65歳以上 積極的長寿の促進を

 総務省の人口推計の発表で、65歳以上の人口は2898万人、総人口に占める割合は22.7%と過去最高となった。このうち女性は人口の25.4%(1659万人)、男性は19.9%(1239万人)となり、女性の4人に1人、男性の5人に1人が該当する数字となった。
 
 世帯主が65歳以上で無職の世帯の1ヶ月平均消費支出が約20万6千円。これに対して可処分所得は16万4千円となり、4万2千円足りない。不足分は00年の2万円と比べて倍増している。要因は税金と社会保険料の増加だといい、同省によると「不足分は預貯金などの金融資産の取り崩しなどで賄われている」という。
 
 少子高齢化が本格的に始まった、そんな報道を見聞きするたびに思う。少子化は未来が先細りする問題ではあるが、高齢化そのものは悪いことではない。日本人の長寿化は世界に誇ることのできる話である。問題なのは、社会から疎遠となっていくリタイア世代に対する社会保障の不備にある。
 
 医療崩壊も叫ばれるなか、自治体によってはプールや体操などのリハビリ施設に定期的に参加してもらうことで、多くのリタイヤ世代が元気な町もある。病気や病院ありきの議論ではなく、子供や働き盛りの世代にも通用するような、健康促進プログラムを考える必要がある。
 

 加齢による関節や腰の痛みなどを改善すべく、プール内での運動を行っている施設が愛媛県宇和島市にある「アクアクリニック別当」である。通院患者の8割がひざや腰の痛みと生活習慣病を抱える高齢者で、プールを目的に通っている。筋力や脚力を鍛えることで「寝たきりにならない、介護を必要としない晩年」が目標だ。
 
 院長の釜池豊秋院長は「体操の個々の動きには医学的な裏付けがある。水の負荷で運動する人の力に合わせ、無理なく筋肉を鍛えることができる。ほとんどの腰痛やひざの痛みは筋肉を鍛えれば治る」と強調する。 
 
 同市内の70代の女性は変形性関節症。毎日通院して水中体操をしてきた。「今はほぼ痛みが消え、最高血圧は160から130に下がり、体重も3キロ減った」と喜ぶ。プールから出てきた80代の女性も、神経痛のために杖が必要だが、「運動した後は心地よくて生きる元気がわいてきます」と語る。(99.8.21・読売新聞東京朝刊)

 
 こうした水中療法や温泉療法が効果的であることは医学者の間では知られているが、実際に病院がプールまで用意するとなると経営的に難しい。ゆえに、自治体が持っているプール・温泉施設を積極活用することで、医療費の削減、医療機関の負担軽減、ひいてはリタイヤ世代の長寿につながる。病気になる前の予防を施すことが先決なのである。
 
 つなげて話をするのはおかしいかも知れないが、テニスのクルム伊達公子選手が韓国オープンを制した。スタンドの韓国人観客からは大きな拍手と歓声が送られたとのことである。ソウルに住む韓国人主婦(32)は「40歳近くというのに本当に凄い闘志。あんな力がどこからわいてくるのだろう。ファンになった」と嬉しそうに話した。
 
 復活してからあれよあれよという間に登りつめていくクルム伊達公子だが、どうしても年齢のことに絡めて報じられてしまうのは失礼だと思いつつも、やっぱり凄いことである。一度引退したのにもかかわらず、自分より年下の選手を次々に倒していった。クルム伊達は昨年、「負けず嫌いにブランクはなかった」と述べている。13年前に引退したクルム伊達の活躍は、何か勇気づけてくれるものを感じる。それは”アラフォー”だから凄いのではなくて、リタイアしてから堂々と復活し続けていく姿勢に目を見張るのである。
 
 若いときに華のある時期を送ることができるのは当たり前。そのあと社会が手を差し伸べれば、リタイアした方たちがまだまだ復活し続けるのは決して夢物語ではない。せっかく政権が交代したのだから政府には思い切った改革を望む。手を差しのばせる余裕のある国であるべきだ。
 
  
☆ 人気ブログランキング(国内ニュース)に参加しています。クリックのご協力をお願いいたします。
  
★ 女性高齢者の割合、始めて25%超す 男性は5人に1人(朝日新聞・09/9/21)
★ 【テニス】年齢に負けない伊達 韓国人観客から拍手と歓声(産経新聞・09/9/27)
 
 
 

カテゴリー
ニュース

南アフリカのキャスター・セメンヤ選手、両性具有と判明→女性として陸上界へ復帰

 
 8月にベルリンで行われた陸上の世界選手権女子800メートルで優勝した、南アフリカのキャスター・セメンヤ選手(18)が男女両方の生殖器を持つ両性具有だと分かった。国際陸上連盟が性別疑惑に対して調査しており、血液や染色体、婦人科の検査を行った結果判明した。オーストラリア紙が11日に一斉に伝えた。
 
 同選手は外見や声が低いなど、男性的な部分を指摘されていたが、優勝後もインタビューに答えることなくコースを後にしたことから「性別疑惑」が浮上していた。
 
 セメンヤ選手には卵巣が無く、男性ホルモンのテストステロンを大量に分泌する精巣が体内にあるという。セメンヤ選手は出生証明書では女性でありながら、幼少期から男性的な身体能力があると指摘された。
 
 国際陸連は最終的な結果を基に対応を検討するが、セメンヤ選手の金メダル剥奪はせずに、2位だったケニアのジェネス・ジェプコスゲイ選手にも金メダルを与える可能性があるという。
 
 何かの映画を思い出させるが、これは半陰陽(はんいんよう=インターセックス)といわれ、外性器が未成熟な状態で男性か女性かはっきりしない場合をいう。男性器のほうが目立っている場合もあれば、女性器がはっきりしている場合もある。どちらか曖昧な場合もある。母体内での成長過程で、染色体構成のXXが女性、XYが男性となる時と異なる場合や、ホルモンの作用が通常と違う場合にみられる。
 
 ある程度身体が発達してから本人の「性自認」を尊重し、カウンセリングや手術を行うなどの方法が採られる。性別不明でも出生届が受理されることから、男女2つの性だけではなく「性教育に多様性を持たせるべき」と作家の蔦森樹(つたもりたつる)さんは語る。蔦森さんは男性から女性に転換した経験を持つ。
 
 幼少時に一方的に性を決めて手術をし、その後に本人の性自認が一致しない場合「性同一性障害」と診断されることもある。日本半陰陽協会は相談を受け付けている。
 
以上のことから、セメンヤさん本人が女性であると主張していることもあり、大きな問題にする必要はないであろう。本人の性自認が女性であるならば、それを否定する行為は人種や性の差別よりも、人格や存在を否定する行為になりかねない。
 
 

※キャスター・セメンヤ選手、女性として陸上界へ復帰決定(10/7/7)

 
   性別疑惑が出ていた、陸上南アフリカのキャスター・セメンヤ選手(19)について、国際陸上競技連盟(IAAF)は、に女性として競技に復帰することを認める発表をした。セメンヤ選手側の弁護士は、連盟との「画期的な和解」があったことを述べたが、詳細についてはコメントを控えている。
 
(「陸上性別疑惑のセメンヤ、女性として競技復帰へ」ロイター・10/7/7)
 
 
☆ 人気ブログランキング(国内ニュース)に参加しています。クリックのご協力をお願いいたします。
 
★ 陸上=南アのスポーツ担当相、「セメンヤ報道」に激怒(ロイター・09/9/12)
★ 女子800優勝の南ア選手は両性具有 豪紙(読売新聞・09/9/11)
 

カテゴリー
ニュース

老老介護の現実  進行する高齢化の問題

 このブログの中に「本日人気のあるエントリ」というのがあり、アクセスの多いものが並んでいる。最近は見なくなったが、かつては「南田洋子の認知症『介護は恩返し』長門裕之」がトップに上がっていた。テレビで見かけなくなった南田洋子さんが認知症を患っていたことに多くの人が衝撃を受けたことであろう。この様子はテレビで放映された。
 
 このテレビ放映に対して嫌悪感を覚えた方も多くいる。つまり、「認知症の妻をテレビで見せ物にするとは」というものである。本人の意思が確認できないのに、そのプライバシーを勝手に放映するとはよろしくない、ということである。長門さんに対する反発もあるであろうし、テレビ局に対してもそうであろう。その考えはよく理解できる。
 
 参考までにこのブログで「南田洋子さんのテレビ公開」についてアンケートを募ったところ、反対が7,賛成が16、どちらとも言えないが6であった。私は賛成である。南田さんの意思が不在であるのは認知症が進行している状態ではどうしようもない。そうであれば南田さんの代理人、すなわち成年後見人である長門さんの意思決定が重要になる。
 
 長門さん自身も高齢でありお金の問題もある。公開することで経済的負担をなくせる部分があることも本音だと推測する。とりわけ子供のいない長門夫妻が頼れる介護者はデイケアのヘルパーさんであり、長門さん自身である。
 
 家庭によっては施設に入院させることもできるであろう。しかし誰もがそれをできるわけではない。老老介護の現実を知る機会は少ない。6年後には日本の人口の4人に1人が65歳以上になる。これはもう一部の人の問題ではない。
 
 介護の経験をまとめた本なども多数あるが、映像のほうが分かりやすいことが多い。そういう意味で老老介護の現実を知る上で必要な情報の提供方法だと思う。そして夫婦で過ごせるという意味で南田さんは幸せだとすら思う。
 
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ 
 
 介護が起因する悲劇は後を絶たない。その中で印象に残っているのが、2006年に京都で起きた承諾殺人である。
 
 京都市伏見区の河川敷で母親(当時86歳)を絞殺した50代の男性被告は、被告人質問で事件の経緯について語った。男性は介護のために仕事を辞めた。生活保護費の受給申請に福祉事務所を3回訪れたが申請は拒否された。生活費を削るもアパート代金すら払えなくなった。男性は母親に対して献身的な介護を続けていたが、経済的に困窮してしまい絶望した。母親を殺して自分も死のうと決意した。
 
 「母親に『僕と一緒にどこにでも行こうか』と聞くと、にっこり笑ってくれた。最後まで2人で行こうと思いました」、「この手は母親をあやめるための手か。心の負の遺産を作ってしまった」と涙ながらに述べると法廷は静まりかえり、傍聴席からすすり泣きが漏れた。
 
 検察側は「被告は母親をこよなく愛し、一緒に行きたいと思い、最後の瞬間まで介護を続け、被害者と心中に至った。しかし親族に援助を求めることなどもできたのに『人に迷惑をかけてはいけない』という自分の生き方を優先させており、命の尊さに対する理解が欠けている」とした。これに対して弁護側は「法的に非難することはできても、道義的に非難することはできない」と反論した。
 
 検察は被告を非難したと同時に「被告は母親を長年にわたって献身的に介護しており、2人で生活できる方法を模索したが、見つけることができなかった」と被告に有利な情状も述べている。
 
 06年7月21日に京都地裁で男性に対する判決が出た。承諾殺人と銃刀法違反の罪に問われた男性に対して、東尾龍一裁判官は懲役2年6ヶ月(求刑3年)、執行猶予3年の判決を出した。
 
 「被告は行政からの援助を受けられず、経済状態が急迫し、心身ともに疲労困憊となり、愛する母親をあやめた。その苦しみや絶望感は言葉では言い尽くせない」。「母親は献身的な介護を受け、犯行前日には、思い出のある京都市内の繁華街を案内してもらっている。恨みなどを抱かず、厳罰も望んでいないと推察される。自力で更生し、母親の冥福を祈らせることが相当」と述べた。 
 
 判決の後に同裁判官は「生活保護行政も問われている。事件に発展した以上は、対応すべきだったかを(関係者が)考える余地がある」と福祉行政について踏み込んだ発言をしている。
 
 東尾裁判官は最後に被告に対して「絶対に自分をあやめることはしないようにして、お母さんのためにも幸せに生きてください」と諭した。
  
 公判を傍聴していた男性(60)は「母親は4月に亡くなったが、自分も『母親と一緒に死にたい』と思ったことがある。こういう悲劇が起きなければ、介護で辛い思いをしている人の声が世間に届かないことが悲しい」と述べている。
 懸命に介護をしていても、それが犯罪になってしまう悲劇。手を下した男性は悪い。しかしそのきっかけを作った所に責任はおよばない。これは3年前の事件であるが、その後も同様の事件は続いている。
 
 
※ 「承諾殺人」の男性はその後に亡くなっていることが分かりました↓
 
★ 介護殺人その後 加害者も心に大ダメージ 社会復帰に壁(毎日新聞・2016/1/5)
 
 
☆ 人気ブログランキング(国内ニュース)に参加しています。クリックのご協力をお願いいたします。
 
★ 南田洋子の認知症「介護は恩返し」長門裕之(本ブログ・08/10/4)
★ 消えていく記憶 認知症の南田洋子(本ブログ・08/11/3)
★ お年寄りと接する”常識”の変化(本ブログ・09/2/19)
★ 認知症妻介護役を好演 長門裕之 「ショカツの女・3」
※「京都の承諾殺人」参考=読売新聞06.6.22、06.7.6、06.7.21、06.7.22。
 
 

カテゴリー
ニュース

取調中居眠りの巡査長から睡眠薬 逃走の容疑者が混入?(2009.4.26)

 兵庫県警西宮署で取調中の巡査(19)が居眠りをして容疑者が逃げる事件があったが、容疑者は間もなく出頭し、取り調べの窃盗容疑で逮捕された。一緒に取り調べていた巡査部長が一時退席した際に起きた事件であったが、今度は茨城県警水戸署でも、窃盗未遂容疑で逮捕して取調中の男が巡査長(30)が居眠りをしたすきに逃走した。
 
 ところが巡査長の尿と、取調室で巡査長が飲み残したお茶を同署で調べたところ、睡眠薬の成分を検出した。県警科学捜査研究所の鑑定で判明。巡査長は睡眠薬を服用しておらず、どういう経緯でお茶に混入したか調べている。逃走している男のお茶からは睡眠薬の成分は検出されなかった。県警は逃走容疑で男を全国に指名手配して行方を追っている。
 同署によると、巡査長は24日午後2時ごろ、無職の男の容疑者(24)と1対1で取り調べを始めた。巡査長は2人分のお茶を持って取調室に入ったという。巡査長が目を覚ました2時間半後には、窓の鉄格子1本が外され、同容疑者がいなくなっていた。巡査長は「急に眠くなった」と話している。取り調べ前には同容疑者に対して身体検査をしたが、睡眠薬は見つからなかった。この容疑者も睡眠薬の処方は受けていない。
 
 検出されたのは「ベンゾジアゼピン系薬物トリアゾラム」という錠剤に使用されている成分で、服用後30〜40分で寝入ってしまうといい、入手には医師の処方箋が必要だという。
 
 一方で同署は25日、同容疑者が逃走中と知りながら、現金や着替えなどを渡して逃走を手助けした犯人隠避容疑で、水戸市の会社員(21)と那珂市の無職の男(21)を逮捕した。
 
 不規則勤務で暖かい時期を迎えたこともあり、他人である容疑者を前にしても居眠りをしてしまうものなのか、そう思ったが水戸署の場合は違う様相を呈してきた。逃走中の容疑者が何らかの方法で混入したのか警察署内部にいた者が混入したか分からないが、とりあえずは逃走中の容疑者を捕捉して事情を聞く必要があるだろう。
 
 もし何者かが故意に入れたのであれば暴行罪に問われることになるだろう。近年は薬物を使ったこうした事件や事故が多く、また食品にも異物が混入されることも多い。身体のことであり、大きな影響が出てからでは遅い。必要な人にとって西洋医学というのは即効性があるが、副作用はつきものであり、使い方によっては諸刃の剣になり得るものであり、注意が必要だ。
 
 
☆ 人気ブログランキング(国内ニュース)に参加しています。クリックのご協力をお願いいたします。
 
★ 水戸署取り調べ官のお茶から睡眠薬 居眠り中の容疑者逃走(読売新聞・09/4/25)
★ 「マイスリー」に異常行動の副作用はあった(本ブログ・07/3/18) 
 
 

カテゴリー
その他

認知症妻介護役を好演 長門裕之 「ショカツの女・3」

 初めて好きになった芸能人は、女優の片平なぎささんだ。幼いころドラマで見て、こんな美人が世の中にいるものなのかと思った。それから数年経つと「スチュワーデス物語」で”再会”するが、とんでもない悪女を演じていて驚いた。その後は2時間ドラマに出演するようになる。そんな片平さん主演のドラマ「ショカツの女・3」を見た。
 
 片平さんも見たかったが、認知症の妻を介護する役で長門裕之さんが出演するということも見た理由の1つ。実際に長門さんは、認知症である妻・南田洋子さんの介護をしている。
 
 ドラマ本編は頻発しているひったくり事件から始まる。そして長門と草村礼子演ずる老夫婦。夫が少し目を離した隙に、車椅子の妻がとある男を見つけて車椅子で追跡する。しかし、段差により車輪が浮き上がり転倒してしまう。男はその場所の近くで殺害されているのが発見される。犯人を目撃していたかもしれない妻は認知症であった。
 
 本庁捜査一課は「認知症の妻の証言など忘れろ」というが、ショカツ(所轄=新宿西署)の捜査員たちはその妻から事情を聞くことから始める。「郵便屋さん(を見た)」との言葉を信じることから始めるのだ。
 
 「医者は認知症という。でも何でも忘れるわけではなく、昔の話をすると鮮明に覚えていることもある」「もう3年になる。俺たちの結婚記念日を忘れたのが始まりだった」「記憶がだんだんなくなっていく」「妻の言葉の一つ一つには意味がある」「君たち若い人にはいっぱい未来がある。でももう俺たちにはないんだ」。
 
 こうした長門のセリフは、実際に介護をしている南田との生活と重なる部分があるような気がする。公園で手から砂を落とすシーンは、長門が実際に言った「どんどん手からこぼれていく。拾っても拾っても追いつかない」というコメントと重なる。
  
 ドラマ本編では、岡本信人演じる刑事がショカツを軽視する管理官に食い下がる。
「ひったくりや振り込め詐欺の被害者は、みんな一生懸命この国を支えてきたお年寄りです。お年寄りを守ろうと、寝食を忘れたこの若い刑事の正義を奪うんですか」。
 
 この国を支え、長い人生を一緒に過ごしてきた夫婦が、晩年を幸せに送れるような社会がいい。老老介護の負担が少しでも減るような社会がいい。愛情も正義も、まっすぐ線を引くことは難しいかもしれない。曲がった線を直すのがパートナーであり、周りにいる仲間である。
 
 資源のないこの国は人が財産だ。そして人生を語ることのできるお年寄りがたくさんいる。そんなお年寄りから学ぶことを忘れてはならない。今は世界的な不況で少しばかり暗い世の中かもしれないが、戦後の焼け野原を経験していない僕らは踏ん張らなければいけない。そんなことを教わったドラマであった。
 
   
☆ 人生の悲劇は、まだ生きているのに心が死んでいるということである(アルベルト・シュバイツァー)
 
☆ 人気ブログランキング(国内ニュース)に参加しています。クリックのご協力をお願いいたします。
 
★ 南田洋子が意識障害で緊急入院(産経新聞・09/4/2)
★ 消えていく記憶 認知症の南田洋子(本ブログ・08/11/3)
★ お年寄りと接する”常識”の変化(本ブログ・09/2/19)
 
 

カテゴリー
ニュース

「大麻欲しさに万引き」の被告に、「バカ」と裁判官

 岐阜地裁で窃盗罪に問われている男性被告(20)に対して、男性裁判官(40)が「バカ」と発言した。被告は岐阜市内の複数の書店で229冊の本を万引きした。万引きの理由は「借金の返済や大麻を買うため」であった。
 
 裁判官は「大麻が身体に悪いと分かっているのか」と尋ねたのに対して被告は「体に悪いと思っていない」と答え、裁判官はそれに対して「あんたがバカだから分からないんだよ」と発言した。被告は「害がゼロとは言わないけど、インターネットで調べたら、たばこや酒より害がないと書いてあった」と反論。裁判官は「だまされているんだよ」と何度も諭したという。 
 ここのところ、大麻の不法所持や営利目的の栽培で逮捕される例が続出している。1つには厚生労働省の麻薬取締部(麻取)の活躍がめざましいことが挙げられる。際立っている理由の1つとして、警察の薬物対策捜査員と職務内容が同じであることから、警察への編入案が出ている事に対して、麻取が力を誇示していることが推測される。
 
 いずれにせよ、大麻で捕まる者は後を絶たない。ネット上では上記被告と同様に、「大麻はタバコや酒より害がない」「肺がんのリスクはタバコの方が大きい」「欧米では微量の大麻は違法ではない」「エイズ患者の食欲促進として大麻は有効」といった内容のサイトを見つけることができる。その一方で、「幻覚や妄想を引き起こす」「統合失調症になる」「心臓や肺に有害」など有害説も依然根強い。
 
 ”大麻擁護”で気になった記述があった。「酒は酔って人に迷惑かけたり飲酒運転を引き起こす」「覚せい剤などと違い、大麻を吸って凶悪事件を起こした者はいない」といった内容だ。しかし前にも書いたが、比較の問題ではない。大麻が完全に無害というのであればともかく、実際に幻覚を経験した知人がいる。「運転中に信号の色が分からなくなった」というものだ。タバコに比べれば害が少ないから合法にすべきである、という根拠は乏しい。
 
 被害者がいない犯罪ならしても良いというのであれば、違法風俗や管理売春なども合法にしなくてはならない。風紀が乱れれば、社会の秩序も乱れる。大麻擁護者は例えばスピード違反で捕まったときに「私よりもっと飛ばしているやつがいるじゃないか」と言っているようにも聞こえる。
 
 冒頭の「バカ」といった裁判官も品がないが、違法な薬物を得るために違法な手段を完遂した被告も品があるとは思えない。薬物依存から抜けようと、必死に努力している人たちがいることも知っておくべきである。
 
 
☆ 今日という日は、残りの人生の最初の日。 (Charles Dederich / 米薬物更生施設の精神科医)
  
☆ 人気ブログランキング(国内ニュース)に参加しています。クリックのご協力をお願いいたします。
★ 裁判官、反省の姿勢見せない被告に「バカ」(朝日新聞・09/4/16)
★ 薬物使用の危険性 大麻の脳への作用[メンタルヘルス](All About・07/9/26)
★ 九州大学 研究者情報[森元聡(教授)薬学研究院 臨床薬学部門]
★ 麻と人類文化 
★ Marijuana NIDA Drugs of Abuse and Related Topics(英語です)
★ 大学に大麻汚染(本ブログ・08/11/18)
★ 全国ダルク(全国薬物依存症者家族連合会)
 
 

カテゴリー
その他

子ども事故、対策本を出版へ

 小さいころ、自分の過失でケガを負ったことがある。例えば「バラ線」と呼んでいた、柵と柵の間に通してある鉄のギザギザをくぐり抜けようとしたら脚や手を傷つけたとか、電球の付いていない電気スタンドの金属部分を触って感電したとか。さらには、幼稚園のバスが迎えに来るところで女性の運転する自転車と衝突、鼻血を出しながら泣いて帰った記憶がある。
 
 妹はキャンディーがのどに詰まり、両足を持って背中を叩かれていたことがある。また、いとこが妹を背負ってふざけていたら転倒、窓ガラスに突っ込んでしまい、額から出血して救急車を呼ぶ騒ぎになった。
 
 東京消防庁は過去10年間の事例を分析して、その特徴や対策をまとめた本を出版する。「注意すれば未然に防げる事故も少なくない。親や子どもに接する人たちに呼んで欲しい」としている。本の題名は「あなたの子ども 不慮の事故で 泣かせて いませんか」で、98年から07年に同庁管内で発生した事案について、0〜12歳のものを分析した結果を紹介した。
 
 水におぼれる事故のうち8割は家庭で発生するという。意外な気もするが、そういえば小さいころに、風呂の浴槽でうっかり足を滑らせて水を飲んでしまったことがよくあった。誤飲や衣服に火が付いたときの対策・応急処置などを、災害医療を専門とする山本保博・東京臨海病院長が全面監修した。
 
 子どもは危険を知らないから親が想像もしない行動をとる。本当に不可抗力による事故は悲しいが、多くは防げるはずであることをこの本は述べているのだろう。
 
 私が2歳の時に階段から転げ落ちたとき、母親はまず「お父さんに何て言い訳をしようか」と考えたそうである。私に救援の手が伸びたのは、私がしばらくしてギャーギャー泣き出したからだそうだ。それは順番が違うでしょうが。
 
 財団法人東京連合防火協会発行、購入・問い合わせは下記リンクの同協会まで。
  
  
☆ 子供は大人のいうことを聞くのは得意じゃない。だけど、まねをするのは抜群にうまい。(ジェームズ・ボールドウィン)
 
☆ 人気ブログランキング(国内ニュース)に参加しています。クリックのご協力をお願いいたします。
 
★ 財団法人 東京連合防火協会 ホームページ
★ 子ども事故、ここが危ない 10年分のデータで対策本(朝日新聞・09/4/12)
 
 
 

モバイルバージョンを終了