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男が男を・・・痴漢、盗撮で逮捕 京都と東京

 京都府警鉄道警察隊と五条署は京都府迷惑防止条例違反(卑わいな行為の禁止)の現行犯で、京都市南区内の会社員の男(29)を逮捕した。男は8日午前8時15分ごろ、京都市営地下鉄烏丸線車内で、京都市の公務員男性(32)の下半身を触った。車内で警戒中の捜査員が目撃し、逮捕した。容疑者は戸籍上の性別は男であるが、名前を女性の名前に変更していた。
 
 警視庁池袋署は練馬区内の男(31)を東京都迷惑防止条例違反の現行犯で逮捕した。男はJR池袋駅の男子トイレ内で小便器の前で、警視庁捜査一課の警部補(49)の下半身をデジカメで撮影した。デジカメには画像が残っており、男は「男性の下半身に興味があった」と供述している。
 
 警部補は部下の男性巡査部長3人と仕事を終えた後に、現場のトイレに立ち寄った。男がカメラを向けたことに気付いた警部補が「何をするんだ」といい、巡査部長3人とともに現行犯逮捕した。
 
 もう気持ちの悪い犯罪ばかりだが、男も安心してトイレに入ったり電車に乗れないのだろうか。変質者が増えているようで気味が悪い。上記の産経新聞記事を読んでいて思い出した。昨年、愛知県警中署の男性警察官がひったくり犯を現行犯逮捕するために、女装をして警戒するおとり捜査を始めた、というものだ。選ばれたのは若手の4人で、いずれも細身で身長160センチ前後の小柄ではあるが、柔剣道の有段者。後ろから撮影した写真が載っているのだが、どんなお顔なのか拝見したいところである。無理か・・・。
 
 
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★ 地下鉄で痴漢容疑 府警、南区の会社員逮捕(京都新聞・10/4/8)
★ 電車内で男性に痴漢の疑い(産経新聞・10/4/8)
★ 男子トイレで盗撮 被害者は刑事 容疑の男、その場で逮捕(朝日新聞・10/4/8)
★ 女装警官いざ出動! 愛知県警がひったくり対策(産経新聞・0911/26)
 
 

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「足利事件」再審公判で菅谷さんに無罪判決 裁判所が謝罪 宇都宮地裁

 
 90年に4歳の女の子が殺害された「足利事件」で犯人とされて無期懲役が確定、証拠であったDNA鑑定に疑問があることが分かり、昨年6月に釈放された菅谷利和さん(63)の再審判決公判が26日、宇都宮地裁であった。佐藤正信裁判長は「旧DNA型鑑定に証拠能力はなく、自白も信用性が無く、虚偽であることは明らか。菅谷さんが犯人でないことは誰の目から見ても明らか」として無罪を言い渡した。
 
 判決朗読後に佐藤裁判長は「菅谷さんの真実の声に耳を傾けられず、17年半もの長きにわたり自由を奪うことになったことは誠に申し訳なく思います」と謝罪、3人の裁判官が起立して頭を下げた。これらの裁判官の言動は異例のことだ。菅谷さんは「裁判所が謝ってくれたので、今日の天気のように気持ちが晴れました」と語った。
 
 鹿児島の選挙違反事件、富山の強姦事件に続いて、冤罪の恐ろしさを知ることとなった。冤罪事件に見られるのが自白偏重の取り調べだ。密室での取り調べでやっていないことを「やった」と言ってしまう心理状態は理解できる。これまでにも発生したことを防げなかったことが残念である。
 
 冤罪は司法職員が一番起こしてはならない大失態である。菅谷さんの人生は時間を奪われただけでなく、犯人という濡れ衣まで着せられた。親の死に目にも会うことができなかった。もし菅谷さんが服役中に病死でもしていたら、もはや取り返しのつかない”冤罪による死刑”と同じことになるところだった。
 
 そして殺害された女児の遺族の方が一番聞きたくなかったことであろう。犯人逮捕で心の整理が着いたはずなのに、18年も立ってから「犯人じゃなかった」と言われて心の悲しみをどうすればよいのだろう。
 
 足利市周辺では当時、女児4人が相次いで殺害され、今回の件も含めてすべて犯人が捕まらないまま公訴時効を迎えている。もはや、幼い子を手にかけた犯人にたどり着くことは不可能であり、犯人が野放しの状態になっているのである。
 
 覚えている映像がある。「足利事件」を捜査していた栃木県警足利署の刑事が、遺体発見現場の河川敷で雨の中、手を合わせて犯人逮捕を誓っている画である。あの時に、きちんとした物証や犯人しか知り得ない秘密の暴露を押さえておけば、菅谷さんの自由を奪うことはせずに済んだ。
 
 当時、取り調べを担当した刑事や検察官は菅谷さんに謝罪をしていない。捜査機関の持ってきた証拠や証言に不備があったとして裁判所が謝罪したのだから、警察と検察も同じことをしなければ今後も司法の足並みがそろわずに冤罪を生むだけだ。菅谷さんが収監されていた苦しみに比べれば、頭を下げる行為など大したことはないではないか。冤罪を前にすると、捜査機関というのは全くの無力である。
 
 
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★ 足利事件:菅谷さん無罪 裁判長が謝罪 宇都宮地裁(毎日新聞・10/3/26)
★ 30年前の女児殺害、異例のDNA再鑑定へ 栃木県警(本ブログ・09/9/22) 
 
 

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DV防いだ警察 パトとヘリで夫追跡、逮捕 熊本

 25日午前、熊本市内の女性から無言の110番通報があった。電話番号からドメスティックバイオレンス(DV)被害者として登録されていることが分かり、熊本県警熊本北署員が急行した。署員が夫を発見すると、妻をおいて車で逃走した。
 
 県警ではパトカー20台とヘリコプターで約1時間追跡。逃走中の夫はパトカーに体当たりするなどしたが、合志市内で停車した。夫はナイフで自分の首を軽く2回切り、警察官を威嚇するなどしたが、警察官が拳銃を構えるとナイフを捨て、警察官に身柄を確保された。
 
 銃刀法違反の現行犯で逮捕されたのは、女性の夫で無職の男(28)。警察官に向けたナイフは刃渡り15センチのナイフであった。女性は1月に県警に対してDVの相談をし、熊本地裁が男に女性に近づくことを禁じる保護命令を出していた。
 
 DVやストーカーの被害者は多いが、警察の対応が後手に回る報道をよく目にする。今回は熊本県警の迅速な対応で被害を防ぐことができたといえるだろう。裁判所の命令を重く受け止めない者、つまり法令を遵守できないものは身柄を拘束するしかないようだ。
 
 パトカーは警察本部に対して現在地を知らせるGPSなどの装備が整っているが、最近はヘリの活躍も目立つ。危険な被疑者の逃げ得を許さないという警察の姿勢が顕著に表れており頼もしい限りだ。何よりも、女性に対する被害を防ぐことができて良かった。
 
  
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★ DV夫をパトカー20台とヘリで追跡・逮捕(読売新聞・10/3/25)
 
 

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女子生徒につきまといで富山県警警部補逮捕 石川県警

 石川県警生活環境課子供・女性安全対策室は4日、富山県警警備部の警部補(42)を軽犯罪法違反(つきまとい行為)の現行犯で逮捕した。
 
 同日午後0時20分ごろ、金沢市のJR東金沢駅近くの歩道で、石川県内の女子生徒(18)の前に立ちふさがり、「車に乗らないか」などと言って3〜4分間つきまとった。現場を通りかかった同対策室の捜査員が警部補を逮捕した。
 
 ストーカー犯罪がなくならないが、本件のように軽犯罪法違反で初期段階のストーカーを防ぐことはできないものか。ストーカー規制法で取り締まるとなると、状況がある程度進行した状態ではないと取り締まることが難しい。軽犯罪法違反のほうが検挙が容易であるし、警察に身柄拘束されることでストーカー行為に対して一定の抑止力を持つと考えられる。
 
 軽犯罪法は、公衆の面前で大声を出して威嚇する、並んでいる列に割り込む、立ち小便をするなど、日常接しやすい軽微な犯罪を取り締まることを目的としている。ただし、同法を厳格に適用すると誰もが犯罪者になる可能性もあり、法の運用には慎重さを求められる。
 
 しかしながら、ストーカー犯罪や虐待事案などの対応が後手に回る中で、職権で身体拘束できる意義は大きい。凶悪犯罪が軽犯罪法の前を通り過ぎて行っているようでもどかしいのである。
  
 
★ 警部補、女子高校生につきまとい容疑で現行犯逮捕(朝日新聞・10/3/4)
★ 富山県警警部補を現行犯逮捕 女子高生につきまとい容疑 石川県警(時事通信・10/3/4)
★ 軽犯罪法(法令データ提供システム) 
 

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警察当局は知っていた?オウムの”逆襲” 地下鉄サリン事件発生前

 3月20日で悪夢の1日から15年という節目を迎える。12人が死亡、5千人以上が重軽傷を負った地下鉄サリン事件で、事件発生数日前に警察当局が「オウム真理教が何らかの捜査かく乱作戦に出る」という情報を得ていたことが明らかになった。
 
 地下鉄サリン事件は東京・目黒の公証人役場事務長拉致監禁致死事件の捜査をかく乱させるために起こしたとされるが、こうしたオウムの事件について警察当局が事前に教団の動きを察知していたことになる。証言したのは国松孝次・元警察庁長官(72)で、地下鉄サリン事件被害者の会代表世話人の高橋シズヱさん(63)による事件関係者への取材の中で明らかにした。
 
 元長官によると、地下鉄サリン事件の2日後の3月22日に、山梨県の教団施設に警察の強制捜査が入ることを予期したオウム側がかく乱作戦に出る情報があったとされる。しかし「(情報内容の)具体性はなく、サリンをまくということを予期してはいなかった。予防措置で警察官を派遣することは考えられなかった」とし、事前の対応が不可能であったことを明かした。
 
 元長官も同月30日に都内のマンションを出たところを狙撃され、重篤な状態になったが一命を取り留めて公務に復帰、しかし狙撃犯は未だ捕まっていない。当時は他にも当時の警視総監らも狙撃対象にするという脅迫電話が報道側あった。この事件も今年に時効を迎える。
 
 このオウムの一連の事件で日本の「安全神話」は崩れた。霞ヶ関周辺での緊急車両の集結はとても日本で起きている事態とは思えなかった。テロはゆがんだ思想を真実のものとしたいがために行われる蛮行だが、こうした過去に対して我々は「許せない」としてきた。そして未来を守るためには「許さない」という意思表示が必要である。
 
 
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★ 地下鉄サリン前に捜査かく乱情報 国松元警察庁長官が証言(共同通信・10/2/22)
 
 

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署内で拳銃奪い発砲、署員重傷 留置途中の男を逮捕 警視庁玉川署(2010.2.13)

 
 東京都世田谷区中町2の警視庁玉川警察署内で、傷害の現行犯で逮捕されていた男の容疑者(43)が、留置施設に向かう途中、連行していた同署刑事組織犯罪対策課の男性巡査部長(35)の拳銃を奪い2発発砲した。弾の1発が巡査部長の左腕に当たった。容疑者はその場で別の警察官らに殺人未遂の現行犯で逮捕された。巡査部長は病院に搬送されたが重傷。
 
 容疑者は、世田谷区玉川の東急電鉄二子玉川駅前で通行人を殴ったとして、傷害の現行犯で逮捕され同署に連行された。当初から酒に酔っており、留置事務室内で調べをしていた時も暴れた。このため同署員6人が左右と後ろを固めていたが、突然容疑者が暴れ出し、巡査部長の腰の拳銃ホルダーから銃を奪取、床に一発発射し、もう一発が巡査部長の腕に命中した。
 
 玉川署長は「一時的にせよ、銃を奪われたことは誠に遺憾」とコメントした。奪われた銃には弾が5発装てんされていた。
 
 同署では08年12月、留置係の男性巡査長(27)が強盗傷害罪などで拘置中の男(21)から500万円を脅し取られる事件が起きている。男は巡査長が勤務中に携帯電話を使っていた内規違反をネタにタバコを吸わせるなど便宜を強要、「これまでの事をバラされたくなければ金を払え」と脅した。男は恐喝容疑で逮捕され、停職処分を受けた巡査長は後日辞職した。
 
 08年の事件と今回の発砲事件とは全く内容が違うものである。ただ警察署内ということが気になる。複数の警察官で連行していたところからたまたま油断してしまったのかもしれない。”たまたま”は2回まで。たまたま銃を奪われて撃たれたが、たまたま助かったということになる。巡査部長の命が助かって何よりだ。
 
 暴れる被疑者や酔っぱらいを日々扱うことが珍しくない警察官という職業。警察官だけではないが、大事に至らぬように常に気分の引き締めが大切である。
 
 警察官の受難はこれまでにも発生している。
・82年10月、名古屋市内で愛知県警千種署員が車ではねられて拳銃を奪われた。犯人は72年から10年間に渡って男女8人を殺害した元消防士で、奪われた銃は、そのうちの行員男性殺害に使われた。元消防士は後に死刑執行。
 
・92年2月、東京都清瀬市の交番で警視庁東村山署の警部補(42)が刺殺され拳銃を奪われた強盗殺人事件が発生。09年に公訴時効が成立したが、銃が奪われたままとなっており、警視庁では情報提供を呼びかけている。
 
・05年5月、岐阜県多治見市で暴行を加えられた多治見署の巡査が実弾入りの拳銃を奪われた。岐阜県警は近隣県警にも協力を要請し、のちに日系ブラジル人2人を公務執行妨害などで逮捕。
 
・07年10月、福岡県田川市で自販機荒らしをしている男2人を発見、福岡県警田川署員3人が取り押さえようとしたところ、抵抗した1人が巡査部長の銃を奪って至近距離から発砲、巡査部長は重傷を負った。2人は無職の男と組員の男でその場で逮捕。
 
・08年6月、福岡県筑紫野市の駐車場で、福岡県警少年課の捜査員2人が暴力団組員4人に襲われ警察手帳を奪われた。後に道仁会系組員ら4人が逮捕された。
 
・08年6月、東京・秋葉原の歩行者天国で無差別殺傷事件が発生。交通整理をしていた警視庁万世橋署交通課の警部補が背後から刺されて重傷。他にも多数の死傷者を出した。容疑者の男は銃刀法違反で現行犯逮捕。
 
・08年12月、神奈川県南足利市内で暴走族を追跡中の神奈川県警松田署の男性巡査(30)が少年2人の反撃に遭い、羽交い締めにされて拳銃と手錠を奪われる事件が発生。県警では間もなく少年2人を公務執行妨害などで緊急逮捕。
 
・09年11月、三重県警鈴鹿署員が外国人3人に襲われて警棒を奪われた。署員はその際に2発発砲した。その後にブラジル国籍の男(22)を入管難民法違反(不法残留)で逮捕。男から銃弾が貫通したような傷が見つかった。
 
 
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★ 酔って署内で拳銃発砲、警官重傷 東京・世田谷(朝日新聞・10/2/13)
★ 東京・玉川署で男が拳銃奪い発砲、警官けが(読売新聞・10/2/13)
 
 
 

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2009年のニュースを振り返る・4【時効の是非】

 今年は時効の議論が活発になった年でもある。時効の成立によって真相究明に終止符が打たれる。しかしながら凶悪事件の被害者やその家族の無念さははかり知ることはなく、残りの人生を悲しみに費やすことになる。
 
 法務省は21日、凶悪事件の公訴時効を見直す具体的方策を提示した。法制審議会に提示されたのは、(1)時効の廃止(2)時効期間50年など大幅延長(3)容疑者を特定できなくてもDNA型情報を被告として起訴する制度(4)一定の証拠に基づいて検察官の請求で裁判官が停止(中断)する制度の4つ。
 
 また、廃止と延長の組み合わせも提示された。法定刑の上限が死刑に当たる殺人罪などは、現行の時効25年から「廃止」にする。上限が無期懲役の強制わいせつ致死罪などは、現行の15年から30年に延長。上限が懲役20年の傷害致死や危険運転致死罪は、現行の10年から20年に延長、などである。法務省は意見を一般から募ることにしている。今夏に一般から募った意見では7割が時効の廃止・延長を支持している。
 
 (1)の時効の廃止だが、前にも書いたように、容疑者が特定できている事件に関しては時効を無くしたほうがよい。被疑者が分かっているのに捕捉できないがために犯人を野放しにすることは社会にとって脅威である。しかし完全に廃止してしまうと、例えば明治時代の殺人事件の犯人を平成のいま特定したところで、社会正義が成り立つのかどうか疑問が残る。証拠品の保管場所確保についても現実的ではない。
 
 そういう意味では、(2)の時効期間50年など大幅延長は現実的だ。1警察官が退職するまで約40年ほどであることを考えれば、歴史の生き証人である我々の記憶があるうちに容疑者を逮捕できる可能性がある。科学捜査も進歩することであろうし現実的である。実際、今年冤罪であることが分かった「足利事件」の管家利和さんの場合、逮捕当時のDNA鑑定の精度の低さが冤罪を作り出した問題の一つであった。その後の鑑定技術の向上で管家さんは晴れて無罪と確定するのである。
 
 (3)は考えたこともなかったが、容疑者本人ではなく、そのDNAを起訴して事件に一定の完結性を持たせるということか。勿論、容疑者が確保され次第、”DNA”と同様の裁きを受け継ぐことになるのかもしれない。
 
 (4)も現実的である。証拠がそろっていて、十中八九”クロ”である容疑者がいた場合、時効の中断により、容疑者を精神的に追い込むことができるであろう。無尽蔵に時効を廃止よりも法運用の流れに整合性がある。
 
 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
 
 時効について考えれば、法制審議会の今後の判断に注目できるが、それと同時に考えなくてはならないことがある。それは事件が起こらないような社会環境の整備だ。先日、茨城連続殺傷事件の金川真大被告人(26)に死刑判決が出た。事件の態様を考えれば予想された判決である。自分勝手な妄想にとりつかれた犯罪者の言い分は身勝手で、何の関係もない人を傷つけた罪は極めて重い。
 
 大切なのは教育である。親が、学校が、社会が人を育てていくことを放棄したとき、その隙間に犯罪は生まれる。挑戦的な態度を法廷でとり続けた金川被告も、幼なじみの男性が面会に来たときには動揺を見せた。
 
 男性が「優しそうな昔のイメージのままだ。絶対やるはずがないと思っていた」「どうしてそんなふうになっちゃったの?」と尋ねられると、金川被告は「大して変わってないよ。単につまんないから、人生やめるかって」と答えた。平静を装っていたが、目は潤んでおり、のど仏を上下に動かして嗚咽を我慢している様子であったという。金川被告の周りにこの男性のような人が声をかけてあげられたら、防げた事件かもしれない。
 
 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
 
 公訴時効の廃止・延長が現実的になったとしたら、忘れてはならないことがある。事件を捜査機関に任せるだけではなく、我々もその事件を忘れてはならないということだ。諸外国に比べると日本はまだ治安がよいほうである。それは日本人の国民性が大きく影響していることを忘れてはならない。
 
 
☆ 時が癒やす?時が病気だったらどうするの?(『ベルリン・天使の詩』)
 
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★ 公訴時効:廃止など4案を提示 法務省が法制審部会に(毎日新聞・09/12/21)
★ 幼なじみの言葉に目潤ませた金川被告 接見時(読売新聞・09/12/18)
 
★ 時効の殺人 民事賠償確定へ 最高裁(本ブログ・09/4/18)
★ 時効成立 井の頭公園バラバラ殺人(本ブログ・09/4/24)
★ 愛知一家殺傷 犯人の異常な行動(本ブログ・09/5/11)
★ 時効まで2ヶ月半、傷害致死容疑で元同僚逮捕 検視に問題なかったか 京都府警(本ブログ・09/7/19)
★ 東京・八王子スーパー強盗殺人事件 時効まで1年(本ブログ・09/7/25)
★ 警視庁に”特命”新設 時効間近の重大事件を扱う(本ブログ・09/11/2)
  
 
 

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警視庁に”特命”新設 時効間近の重大事件を扱う

 
 警視庁は刑事部捜査一課内に「特命捜査対策室」を設置した。ベテラン捜査員38人で構成され、時効が迫っている重大事件を再捜査、”洗い直し”をする。対象となるのは2001年に44人が死亡した新宿・歌舞伎町のビル火災事件など、時効になっていない約50の事件。特に時効が迫っているもの、最新の科学捜査で解明が期待できる事案を優先的に捜査する。
 
 警視庁刑事部の石川輝行理事官は、「被害者、遺族の無念を晴らす執念の捜査。そして逃げ得は許さない信念の捜査。この2つを使命として取り組みたい」と述べた。
 
 刑事ドラマ「相棒」の”特命係”と、同「BOSS」の”特別犯罪対策室”を足したような名前だが、警視庁のホームページをみてみると、79ほどの事件が未解決となって継続捜査が行われている。どれも社会を震撼させる大事件であり、近隣で起こりうる治安の悪化を感じさせるような事件である。新たな事件が起きれば、捜査の力点はそちらに注がれる。これにより、長期にわたる継続捜査も実際は困難が伴う。
 
 最新の科学捜査も期待したいが、ささいな情報が事件の解決に結びつくことも多い。我々も不審な人物や噂を見たり聞いたりしたら、躊躇することなく通報する必要がある。なぜなら事件の通報が国民の義務であることのみならず、かつて高い検挙率を世界に誇っていた日本警察を支えていたのは我々一般市民だからである。
 
 
☆ ぼくには空を飛ぶちからも十万馬力もない。あるのは戦う勇気だけだ(『鉄腕アトム』・手塚治虫)
 
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★ 事件ファイル(未解決事件一覧) 警視庁
 
 

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