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規制だけで無差別殺人防げるか

 98年1月、栃木県黒磯市(現:那須塩原市)の中学校で女性教諭(26)が中学1年生の男子生徒(13)に刺殺される事件があった。この時に凶器として使われたのはバタフライナイフであった。この翌月には都内で短銃ほしさに警察官を襲った少年が現行犯逮捕され、襲撃に使われたのはバタフライナイフだった。当時、テレビドラマで主人公がバタフライナイフを格好良く持つところに魅せられ、多くの若者がバタフライナイフを購入、ナイフを持つことがファッションのようになっていた。
 
 昔の子供は鉛筆を削るためにナイフの扱い方法を教わった。それ以降は、電動鉛筆削り器やシャープペンシルの普及でナイフを使って鉛筆を削る子どもは減った。「鉛筆が削れない子ども」や「リンゴの皮むきが出来ない子ども」は親に「危ないから」といってナイフを取り上げられていた。
 
 物を切るときに使われるという認識でナイフを持ち、実際にリンゴの皮をむいてうっかり手を切ってしまう。ナイフは便利だが時には危険であることを実感するのだ。そうして人を傷つけてしまう痛みを覚える。今の若者がナイフと最初に出会うのはどんな瞬間だろう。そのとき近くに誰がいるのだろうか。
 
 凶器に限らず、人を傷つけようと思えば可能なことはある。言葉だけで人を傷つけてしまうこともあれば、力で相手を痛めつけることも出来る。そう考えると、自分の責任でどれだけ人を傷つけてしまうことが出来るか、そうしたことを子供に教える必要があるだろう。そして傷ついている子供を見たら、そのサインを見逃すことなく手当をする必要があるだろう。
 
 ナイフを規制すればナイフの事件は減るだろう。模倣犯の出現する可能性もあり、そうした喫緊の対策も必要だ。同時に、秋葉原で起きたような事件について親子で、友人同士で、話し合う必要があるだろう。何がいけないのか。そして誰がいけないのか。こうした事件が風化していくときが一番危険なのだ。
 
 
☆ 臆病者ほど持っているナイフが大きい。(映画「島の女」)
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★ 秋葉原の「ホコ天」当面中止へ…千代田区が要望書提出(読売新聞・08/6/12)
★ 【秋葉原通り魔事件】ダガーナイフ、生産・輸入中止に 岐阜の団体(産経新聞・08/6/12)
 
 

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死刑は反対 ~秋葉原の無差別殺傷事件~ 

 東京・秋葉原での無差別殺傷事件で逮捕された男の容疑者(25)は、犯行に使ったナイフ以外にもう一本ナイフを所持していた。起床してから犯行に及ぶまでの間、携帯サイトの掲示板に実況中継のごとく頻繁に書き込みをしていた。
 
 「秋葉原で人を殺します 車でつっこんで、車が使えなくなったらナイフを使います みんなさようなら」「途中で捕まるのが一番しょぼいパターンかな」「いい人を演じるのには慣れている」「秋葉原ついた」「今日は歩行者天国の日だよね?」「時間です」などとなっている。
 
 犯行を決意したのは2、3日前。レンタカーを使って静岡から東京に来るまで、強い殺意が覆ることはなかった。これらを考えると計画的犯行であり、捕まれば極刑になりうることは分かっていたはずである。
 
 3月に茨城県土浦市「荒川沖駅」で起きた8人殺傷事件の被告(24)は、「死にたいが自殺は出来ない。複数殺せば死刑になると思った。誰でもよかった」と供述しているうえ、7年前の大阪教育大学付属池田小事件で死刑を執行された男や、奈良小1女児殺害事件の男、鹿児島県でタクシー運転手を刺殺した自衛官など、「死刑願望」のある犯人の起こした事件が実に多い。
 
 被告が死刑を望んでいるのであれば、それをしないほうが被告に対する刑罰になりうるのではないか。すなわち、一生をかけてその罪を償わせるのである。罪を犯した人間に対する極刑は、死をもって自由を奪うことではなく、生きているままの状態で自由を奪うことである。
 
 死刑が犯罪の抑止力になるなどと思っていたが、間違っていた。「この国では重大な犯罪を起こせば一生刑務所の中です」と言った方が凶悪犯罪の抑止力になるに違いない。生きている人の魂を奪っておいて、自分は死にたいだなんて考えが甘い。凶悪犯罪を犯した者に、生きたいとか死にたいとか選択する権利はない。
 
 
☆ 死のうと思っていた。今年の正月、よそから着物を一反もらった。お年玉としてである。着物の生地は麻であった。これは夏に着る着物であろう。夏まで生きていようと思った。(太宰治)
 
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★ 【秋葉原通り魔事件】「秋葉原で殺す」 当日早朝、携帯サイトに書き込み(産経新聞・08/6/9)
 
 
 

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東京・秋葉原で無差別殺傷、25歳男を逮捕(2008.6.8)

 国内有数の電気街である秋葉原での休日を楽しく過ごそうとしていた人たちが、一転して狂気の犠牲になってしまった。
 
 歩行者天国が始まって30分ほどの午後0時35分ごろ、東京都千代田区外神田1丁目(秋葉原)の交差点付近で、トラックが次々と通行人をはね、さらにトラックから降りた男がサバイバルナイフで通行人を切りつけた。この事件で男女18人が病院に搬送されたが7人が死亡した。
 
 男はトラックで人をはねた後、はねた男性に馬乗りになり体を何度も刺した。歩行者天国実施中は交通課の警察官がその入り口付近を警備しているが、進入したトラックにはねられた人を救護していた警視庁万世橋署の警察官(53)も男に脇腹を刺されて崩れ落ちた。
 
 事件当時、秋葉原地区は歩行者天国となっており多くの人で賑わっていたが、奇声を上げてナイフを振り回し走り出す男に騒然となり、数百人が一斉に逃げるという異常な事態になった。返り血を浴びながら、男は次々と通行人を刺した。
 
 通報で駆けつけた秋葉原交番の万世橋署員と男は対峙し、警察官も警棒で応戦するなどした。男が路地に逃げ込んだところで警察官が「ナイフを捨てないと撃つ」と拳銃を構えると、男はナイフを捨てて逮捕された。銃刀法違反の現行犯で逮捕されたのは、静岡県裾野市の派遣社員の男(25)で「人を殺すために秋葉原に来た。誰でもよかった」「生活に疲れてやった。世の中が嫌になった」などと供述しているという。
 
 亡くなったのは男性6人と女性1人。警視庁によると、通り魔事件としては過去30年で最悪の被害と見られており、捜査一課は万世橋署に特捜本部を設置して事件の全容解明に当たる。
 
 
 
 

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映画の字幕 業界が苦慮

 
 映画の字幕、つまり翻訳する人というのは大変だと思う。通常の通訳であれば、一字一句ニュアンスを大切にしながら訳していく正確さが求められるであろうが、映画の場合は字数が限られている。限られた字数の中で言葉を並べなくてはならない。
 
” This is a long long story. You got a few minutes ? ”
 
 ある映画の一コマでこれを字幕では「話せば長くなるけど、聞く?」と訳してあった。
 
 戦争映画で兵士Aが兵士Bにいう。
 
A ” You got it ? “ (狙いは?)
B ” I got it.” (バッチリさ)
 
 1980年代の映画で、男が車を女の子に見せびらかし、
” This is 80’s ” (最新型さ)
 
 意味をくみ、かつ、流れを妨げないように字数を気にしながら訳さなくてはならない字幕の世界。ところが最近、映画業界が字幕を作るのに四苦八苦しているという。若者が「漢字が読めない」「中学レベルの歴史認識もない」という理由だ。例えば「ソ連ってなんですか」「ナチスって何ですか?」という感想が来るらしい。
 
 漢字にはふりがなを、字数は出来るだけ短く、といった対策を施しているという。そして吹き替え版も有効策なのだという。吹き替え版はどちらかというと、字幕を追うことが出来ない子供や年配者などに人気がある。しかし若者の映画離れにならないように苦肉の策が続いているようだ。
 
 吹き替えも結構だが、俳優自ら声を発しているものはやっぱり迫力が違う。ある映画で電話の受話器を取って安否不明者の名前をため息混じりに呟くシーンがある。吹き替え版で聞いてみると、ため息混じりではなく、何事もないように名前を呼んでおりガッカリした。
 
 一時は落ち込んでいた映画の興行成績もシネマコンプレックス(複合映画館)の普及で良好のようである。テレビで観るのと違うのは、音と大きな画面の迫力が違うからである。それを損なわないための字幕作りに映画会社の模索は続く。
 
 
☆ 文章の中の、ここの個所は切り捨てたらよいものか、それともこのままのほうがよいか、途方にくれた場合は必ずその個所を切り捨てなければならない。いわんや、その個所に何か書き加えるなど、もってのほかというべきであろう。(太宰治)
 
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★ 映画字幕で業界が四苦八苦 若者の知的レベル低下が背景か?(産経新聞・08/5/10)
 
 

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16歳グラビアアイドル、巨漢の痴漢を撃退

 かつて女子高校生だった友人が夜道で痴漢に襲われた。しかし次の瞬間には犯人の男はうずくまった。空手の心得があった彼女が投げ飛ばしたのである。犯人は慌てて逃走、彼女は「待てこのヤロー」と追いかけたが見失った。その後警察に行ったが、「深追いは危険なのでやめてください」と言われたらしい。
 
 16歳のグラビアアイドルが東京の山手線内で痴漢を捕まえた。駅で降りて逃げようとした体重100キロほどの巨漢に正拳突き、そして下段回し蹴りを決めて周囲の協力も得たところで警察に突き出した。彼女の名前は倉持結香。
 
 空手の友人の例は極端であるが、倉持結香も撃退の心得がなければ出来なかったことだろう。なぜ彼女が巨漢を撃退できたかというと、極真空手の有段者であるマネージャーに特訓を受けていたからだという。それまで幾度となく痴漢被害にあっても泣き寝入りしていたそうだ。
 
 ところで16歳の女の子が100キロの男を素人の空手で倒すことが出来るのだろうか。普通、目の前にいる女子生徒が正拳突きしてくるとは思わない。男は無防備状態であったがゆえにパンチとキックで崩れ落ちたのだ。制服姿の子に攻撃されてパニックになったに違いない。
 
 痴漢の逮捕は現行犯でないと難しい。逮捕された男は警察もマークしていた男だった。山手線は殺人的な混み方をするが、被害が表面化するのは僅かな数であろう。倉持結香のブログには「過剰防衛ではないか」というコメントがあった。痴漢であれ強姦であれ、女性が誘惑でもしてこない限り、犯人の男のほうが悪いに決まっている。被害者である女子生徒の女の子を責めるのはおかしな話だ。そうした歪んだ物の見方が、ゆがんだ性犯罪を助長している。いい大人が手鏡に盗撮に鼻息を荒くしている気味の悪い世の中である。
 
 
☆ なるほど、あの娘は美しい。しかし、美しいと思うのはお前の目なのだよ。(クセノフォン)
 
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★ 倉持結香です。「痴漢を捕まえた」(08/4/14・倉持結香の【ユカ専用ブログ】)
 
 
 

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振り込め詐欺 早大生逮捕(2008.4.3)

 大学という空間は面白いところで、無駄な時間をいかに有意義に使うかでその大学生活がかかっているといっても良い。
 
 大学の研究に没頭する者、サークル、アルバイト、各種試験に時間を費やす者などさまざまな選択肢があり自由がある。多くの学生が集えばそれだけ多くの情報を得ることもでき、生涯の友人を捕まえることもできる。
 
 しかし無駄な時間を犯罪にさいているとしたら言語道断である。大きな組織には必ずアウトローがいるとはいえ、こうした報道は虚しい限りである。
 
 振り込め詐欺で10億円を荒稼ぎしていた早稲田大学社会科学部4年生の男子学生(22)ら2人が、詐欺の疑いなどで警視庁・埼玉県警などに逮捕された。他人名義の口座や携帯電話を駆使し、無職の女性に「事故を起こした。公にできないので金が必要」などと言って500万円をだまし取った。
 
 早大に限ったことではないが、大学生の犯罪が増えている。最高学府であるはずの大学に通う者が、その誇りを感じることなく犯罪に手を染める。平成バブルのころ、「大学はアミューズメントパーク化している」との批判があった。遊んでいても卒業できるところに価値はあるのか、という具合である。
 
 ただ、大人から見れば遊びでも、無駄な時間が有意義な事柄に繋がることも少なくない。想像力と行動力を伴う事で、高校や中学ではできないことができるのが大学という場所である。それには条件が1つある。大人であると自覚することである。
 
 
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★ 振り込め詐欺10億円超詐欺か 早大生ら3人を逮捕(時事通信・08/4/3)
 
 

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少年に銃向けた警察官停職(2008.3.14)

 
 2000年、長野県諏訪署の巡査部長が、ミニバイクで二人乗りをしていた少年を発見、追跡し捕まえたときに「死んでみるか」と拳銃を突きつけた。巡査部長はその後、特別公務員暴行陵虐容疑で逮捕され、同日付で懲戒免職となった。このときの長野県警上層部の対応の早さには驚いた。この当時、神奈川県警から始まった“警察の不祥事”が報道されていた時期でもあり、不祥事に対して強い態度に出たものと思われた。
 
 ところが地域住民の反応は違うものだった。巡査部長は交番勤務で勤務熱心であり、地域住民のよき相談相手でもあり良き理解者だった。そのため「処分は重過ぎる」「悪いのは暴走少年のほう」と、5000人の嘆願署名が集まった。
 
 似たような事件が東京で起きた。警視庁滝野川署の巡査長が、「路上でたむろしている少年がうるさい」との通報を受けて現場に行ったが、なかなか立ち去らず反抗的な少年3人に「移動しないと殺すぞ」と銃口を向けた。警視庁はこの巡査長を特別公務員暴行陵虐容疑で書類送検、1ヶ月の停職処分にした。
 
 しかし長野の件と同様に地元住民から滝野川署に「警察官を馬鹿にしたような(少年の)行動は許せない」などといった巡査長擁護の電話やメールが200件近くあったという。
 
 この2つの事件には共通点がある。発覚したのは“被害者”の少年の訴えからだった。自分たちの行為を棚上げしてわざわざ電話で警察に抗議するところには疑問を抱くが、長野や東京の少年たちも警察官の言うことに従えば問題にならなかったことであり、2人の警察官も銃を抜かなかったら事件にはならなかったよくある事案であっただろう。
 
 善悪を注意できる大人が少なくなり、それをできる赤の他人は警察官だけになっているともいえる。それだけにこうした事件はなんとも歯がゆい。気が収まらない。
 
 巡査長は「もし、あの状況に戻れるなら、相手が折れるまでとことん説得します」と反省しているという。
 
 
☆ 世の中に悪が栄えるのは、我々がノーと言う勇気を持たないためである。 (S.スマイルズ)
 
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★ 少年に銃抜いた警官を停職 警視庁(読売新聞・08/3/14)
★ 拳銃抜いたおまわりさんに支援メール相次ぐ(読売新聞・08/3/14)
 
 
 

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恋愛のマニュアル

 
 かつてHot-Dog Pressという雑誌がありよく読んでいた。内容は若い男性向けの情報で、服、新製品情報、そして2月ともなれば、”一人暮らしバイブル”の特集が組まれた。そして”恋愛マニュアル”の見出しも躍った。
 
 当時の”恋愛マニュアル”で覚えているのは、その名も”リンゴ作戦”。気になる女の子とデート。食事などを楽しみ、別れるときに「ほら、これあげる」と言って、リンゴを渡すというものだ。リンゴを渡された女の子はそれが印象的になり、その彼を忘れなくなるというものだった。
 
 アダムとイブ作戦みたいな感じがするが、こういうストーリーをよく考えるものだと感心したものだった。リンゴ1つあげて好きな子をゲットできればこんな楽なことはない。これを読んで実際にリンゴを買いに行った若者はいたのだろうか。
 
 マニュアルというのは最初のとっかかりを掴むときには大変有効だ。右も左も分からないとき、フローチャートに従って動くのは間違いが無く安心できる。しかし言うまでもなく人の心というのはマニュアル通りに掴めるものではない。大切なのはマニュアルを土台とし、マニュアルに書いていない事態を予想し自分でマニュアルを完成させることである。それが個性である。
 
 テレビではマニュアル通りにしなかったのが事件・事故を引き起こしたかのように言われている。でも本当はマニュアル以上のものを想像する力がなかったから問題になるのである。
 
 好きな異性をつかまえることのできる人というのは、きっとマニュアルなんて持っていない。それまで生きてきた経験がマニュアルであり、からだひとつさらけ出して好きな人の目の前に立っているものだ。もちろん、リンゴなんて持っていない。
 
 
☆ 愛し合っているというのはお互い見つめ合っていることではない。お互いが同じ方向を見つめることだ。(サン・テグジュペリ)
 
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★ 女性はなぜ「私のどこが好き?」なんて聞くの? 模範解答は?(R25.jp・08/1/25)
 
 

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