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活字媒体は生き残るか

 
 マガジンハウスは、40〜50代向けの雑誌「POPEYE」を12月上旬をめどに創刊する。その名も「POPEYE OilyBoy(ポパイオイリーボーイ)」。大人ではなく「大きな少年」ととらえて、ひと味違ったファッションや音楽、そしてグルメなどを紹介する。
 
 この雑誌の名前は、日本で初めてジーンズをはいたといわれる男性で、実業家の白洲次郎氏のイギリス留学中のニックネームから。大好きな車の整備のために、いつも衣服がオイルまみれになっていたことに由来しているという。
 
 インターネットやテレビの普及で雑誌や新聞の活字媒体が苦境に立たされている。アメリカでは多くのタブロイド紙が廃刊となり、「メディアに殺された」状態になっている。国内の夕刊紙、「日刊ゲンダイ」と「夕刊フジ」の2紙は部数低迷から10円値上げすることになった。人員整理によるキオスク店舗の減少なども原因のようだ。
 
 新聞や雑誌が苦戦しているが、テレビも広告費が削られて苦戦している。バラエティにそっぽを向かれた形となり、秋の再編ではドキュメンタリーなどの新番組をぶつけ、新たな視聴者の開拓に臨む。
 
 広告費がネットに流れているという状況は、ある意味において時代の流れをくむ形とも言えるが、一方で危険もはらんでいる。民放がスポンサーや大手プロダクションを気にして、関連する報道を控える傾向にあるのと同様に、ネットが広告費のみで運営されている現状は脆弱な部分でもある。
 
 無料で情報を探すことのできるネットは便利であるが、広告費のみで運営されれば当然、テレビのようにスポンサーが関連した不祥事などは伝えづらくなる。これは極めて危険な傾向だと言える。
 
 読売新聞サイト内にある「発言小町」が女性に人気だ。1人が質問を投げかけて、それに対して誰かがそれに応えたり、共感したり、反論したりするものである。他の掲示板などと違うところは、編集部のチェックがあることだ。不必要な誹謗中傷などは排除されるので、質問をするほうも読むだけの人も安心できる。
 
 発言小町は携帯版では月額105円を徴収している。このほか読売新聞のみならず、他の新聞社も有料会員向けの情報提供サービスをしている。紙面とネットという狭間にあり、力配分に気を使うところであるが、徐々に有料サービスは増えていくのかもしれない。または、タイトルだけは見ることができても、本文を読むには有料という道も可能性としてはある。
 
 そもそも何でもただで手に入るという風潮がおかしいと思うことがある。気軽にファイル交換などが行われているが、新聞記事も小説も音楽も全て無料状態でネット上に散らばれば、それを創作する人たちが育たなくなるのは至極当然である。
 
 消費者の財布のひもが固くなったこともあり、苦戦しているのはマスメディアだけではないが、家族揃ってテレビを見る時代はとっくに過ぎており、そうした分散した家族にどうやって情報提供していくかが、活字メディアの生き残りにつながるであろう。
 
  
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★ オヤジ版「ポパイ」年内めどに創刊 雑誌不況に挑戦(産経新聞・08/10/7)
★ 大手2紙が値上げ! 夕刊紙にも活字不況の波(日刊サイゾー)
★ 【eye】雑誌不況 底なし ネット台頭、紙代も高騰 (産経新聞・08/9/24)
 
 

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尊厳踏みにじる辛口コラム

  
 死刑執行には複数の刑務官が立ち会う。死刑囚が顔にマスクをかけられ、上からつるされた縄が首に添えられる。刑務官は複数で同時にボタンを押すことにより死刑囚が床に落ちる、という仕組みになっている。この”仕事”には手当が出るそうだが、多くの刑務官がその日のうちに飲みに行って使ってしまうそうである。他にはありえないこの仕事、仕事とはいえいい気持ちがしないのは当然である。
 
 先日の3人の死刑執行に対して、18日付朝日新聞の夕刊辛口コラム「素粒子」は法相のことを「2ヶ月間隔でゴーサインを出して新記録達成。またの名、死に神」とした。これに対し鳩山法相は「死に神と言うとは、執行した人を侮辱する発言」と非難した。死刑存廃論はあっていいのは当然だが、死刑制度のある日本において死刑の執行に携わる人たちをそう呼ぶのは全国紙が発信する言葉であろうか。同コラムでは「侮辱の意図はなかった」「風刺の表現技法を磨きたい」と釈明した。
 
 「素粒子」は2006年1月に「浦安の新成人。遊園地のネズミ踊りに甘ったれた顔して喜んでいるようじゃ、この先思いやられる」と、成人式を東京ディズニーランド(千葉県浦安市)で行った新成人を”風刺”した。これに怒った浦安市は抗議文を送付する騒ぎになった。
 
 言論・表現の自由があるのは当然だが、この自由は個人法人の権利を尊重するという前提に成り立っている。法相を死に神呼ばわりすることは、死刑執行官と同僚・その家族、法務省職員などを侮辱していることに等しい。人が処刑されたことをも軽く考えているようであると考えれば、死刑囚の最期をも侮辱することになる。
 
 表現のモラルが低下しているとしたら、そちらのほうが”死に神”にとりつかれているのではないだろうか。
 
 
☆ もしA=成功だとすると、A = X + Y + Zという公式が成り立つ。Xは仕事、Yは遊び、そしてZは余計なことは言わない、ということだ。(アインシュタイン)
 
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★ 朝日「死に神」報道に法相激怒 「死刑執行された方に対する侮辱」(産経新聞・08/6/20)
★ TDLに行ったことのない「辛口」コラム(本ブログ・06/1/14)
 
 

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ブログ盗用の男性アナウンサー、懲戒停職2ヶ月に

 
 福島中央テレビの男性アナウンサー(38)が他人のブログ内容を盗用したとして懲戒停職2ヶ月の処分を受けた。男性アナは00年11月から書いていた「アナウンス室日記」内で、「金融マン・ぐっちーさん」のブログ「ぐっちーさんの金持ちまっしぐら」の「日本ブランド」というエントリ(ブログ記事本文)の内容を盗用した。昨年9月以降、14件の盗用数になるという。
 
 これはコンピュータのコピー&ペーストのマイナス面である。この”コピペ”の作業はとても便利である。一字一句丁寧に入力しなくても、原文のまま自分のデータとして置き換えることが出来る。WEBサイトのURLのように細かく不規則な文字列を入力するよりも、コピペしたほうが楽である。
 
 その作業が簡単であるゆえに、他人の著作物の扱いに対する心構えが薄弱になりがちである。ネットはブラウザを開いた瞬間にそのすべてが著作物であることという認識が必要なのだ。男性アナも参考にしたのなら引用元を示し自分の言葉で書けばよかったのである。
 
 報道に携わる人だからこそ発信できる言葉があったはず。「金融マン・ぐっちーさんはこう書いていたけど、賛成」「いや反対」、そんなやりとりが出来ればネットで発信する姿勢は成熟してくるだろうし、それが本来あるべき健全なネットの姿である。
 
 以前、日本テレビアナウンス学院(現:日テレ学院)のレポーター養成講座を受けたことがある。実戦訓練として、新宿の歩行者天国で歩行者に突撃インタビューをした。その時プロのカメラマンのかたに注意されたことは「会話のキャッチボールをしなさい」ということだった。
 
 決して独りよがりの姿勢では「対・人」との関係はうまく築けない。ネットも何かを発信したらモニタの向こうにいる人を想像する必要があるだろう。カメラの前で話すのも、キーボードを叩いて発信するのも同じ事なのだ。言葉のコピペはできても、人が本当に考えていることはコピーできないし、されない。
 
 
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★ ブログ盗用の男性アナに処分 ネットの信用性も課題に(朝日新聞・08/6/10)
★ アナウンサーがブログ盗用 福島中央テレビ(産経新聞・08/5/24)
★ 今回の騒動について(08/5/27・債権・株・為替 中年金融マン ぐっちーさんの金持ちまっしぐら)
 
 

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改ざんをねつ造

 NEWSという単語は、新しい物事という意味もあれば、それが東西南北(North,East,West,South)から来ているという意味もありそうだ。日々飛び込んでくるニュースに一喜一憂する。限られた時間の中で新しい情報を取捨選択するのは大変な作業だ。
 
 その情報をねつ造する事態が起きたことは「あるある大事典」が記憶に新しい。あれもこれも全てウソだったということは視聴者の信頼を裏切った。その後も他の局や番組で同様の”事件”が起きた。放送局は反省することがないのか、と落胆したものだった。
 
 そしてまたねつ造が発覚した。テレビ朝日の報道番組でマクドナルドのサラダ調理日時を改ざんしていた問題、元店長代理の女性が出てきて証言していたVTRはテレビ関係者が出演した演出だったことが明らかになった。やめた人間が制服を所有していることがおかしいことだが、わざわざ音声まで変えて登場している。
 
 この番組は視聴者の側に立ったようなコメントをよく耳にするが、その視聴者を騙したことになる。番組のキャスターは「視聴者に混乱と誤解を与えるもの。間違ったやり方だった。申し訳ない」と謝罪、広報部は「視聴者に誤解を与えたが、証言そのものは改ざんを裏付ける真実だととらえている」と半ば開き直ったコメントを出した。
 
 ねつ造はもう無くなることだろうと期待したが、また不祥事が明らかになった。これで放送法や電波法に則った免許をよく交付されているものだと呆れる。報道番組という名のニュースバラエティショーはまだまだ続く。
 
 
☆ 過去から学ばない者は、過去を繰り返す(『マッド・シティ』)
 
 
★ マック改竄 テレ朝が証言者偽装(産経新聞・07/12/8)
 
 

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モラルとは何か

 モラルを辞書で引くと「道徳」とある。道徳を辞書で引くと「人々が、善悪をわきまえて正しい行為をなすために、守り従わねばならない規範の総体。外面的・物理的強制を伴う法律と異なり、自発的に正しい行為へと促す内面的原理として働く」(大辞泉)とある。
 
 この一文最後にある「自発的に」というところがポイントであろう。良いことも悪いことも自発的に行われる。
 
 朝日新聞の記者が読売新聞の記事を盗用した。足で稼ぐであろう記事のソースは何のことはない、他社の記事を参考に作られただけであった。公に向かって発信する側の倫理観が完全になかった。
 
 学校で道徳の時間が削られていくということは、子供だけの問題のみならず、それを教える大人がそれを考えるきっかけを失ってしまった。しかし、番組のねつ造問題も同じであるが、公に発信するという意識が低すぎる。
 
 視聴率や数字などを仕事の目的にするようになっては、マスコミの存在意義はなくなる。それでいて、どうして本来の悪漢と電波やペンで闘おうというのだろうか。それとも法律で一から十まで縛られなくては何もできないだろうか。じつに、実に情けない話が一つや二つではないことに愕然とする。
 
 
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★ 記事盗用の本社記者を解雇 東京編集局長ら解職(朝日新聞・07/2/6)
★ 【溶けゆく日本人】読者の声 子の前に親の教育を(産経新聞・07/2/7)
★ モラルの低下(本ブログ・07/1/12)
 
 

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「ブログ流行語大賞」

 ネット上でこっそりと盛り上がっている「ブログ界流行語大賞」なるものがあるそうだ。向井亜紀さんの代理母出産を暗に批判した「ここはどこだろう、まっくらだ」の朝日新聞天声人語、脱線事故のことについて書いた東京新聞コラム「風の息づかいを感じていれば事前に気配があったはずだ」など、読者の心をちょっとくすぐる逸品ばかりだ。
 
 新聞の社説やコラムというのは、「I(私)」という主語が見えてはいけないという不文律があるはずだが、こうした文章には中立性よりも、書き手の「個」が目立ってしまっている。読んでもらいたいというよりも、影響を及ぼしたいという「息づかい」も感じてしまう。
 
 新聞がペン1つで社会に及ぼす影響は大きい。違法な物事を糾弾するのは大切だとしても、社説やコラムは新聞の顔となるだけに、その品格を保つバランスが大切だ。紙面というのは記録として半永久的に残るのだから。
 
 あなたの気になったブログ流行語はなんですか?
 
 
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★ ひっそりと盛り上がる「ブログ流行語大賞」(産経新聞・06/12/21)
★ 風の息づかいを感じていれば、事前に気配があったはずだ。(TERRAZINE)
 
 

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酔っている言い訳・3

 
 一昨日のエントリーでメディアリテラシーという言葉を使ったが、今度は朝日新聞の記者が飲酒運転で摘発された。
 
 飲酒運転に限らず報道関係者の不祥事は珍しくないが、これでは世論に訴えかける業界人としての力が消失していく。これでもか、というほどにモラルを世間に投げかける記者が、暴投してしまってはだれも率先してキャッチャーにはなってくれない。
 
 現時点ではこの記者は異動にはなったが、懲戒処分は受けていないようだ。
 
 未成年のする過ちは大人がただせ。大人の過ちは社会が正せ。
 
 
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★ 飲酒運転で朝日記者を摘発 山梨県警(産経新聞・06/9/20)
★ スカート盗撮のテレビ局(本ブログ・06/5/19)
 
 

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「容疑」で「現行犯逮捕」!?おかしな表現

 
 マスコミが発表する事件の記述で不思議なものがある。「東京都迷惑防止条例の容疑で現行犯逮捕」というくだりだ。
 
 「容疑」とは疑いがある状態のことなので、通常は捜査当局が捜査をして「恐らくはこいつが犯人であろう」ということで容疑者を捕まえる。
 
 一方「現行犯逮捕」というのは、人の目前で犯罪が行われ、その場で補足されることをいう。要するに容疑も何もなくほぼ100%犯人であるという前提である。
 
 もしかすると、警察が現場確認をしていないから「容疑」という報道発表になるのかもしれないが、○○容疑で現行犯逮捕という表現は不思議でならない。
 
 ところで現行犯逮捕に限っては、警察などだけではなく一般人にも逮捕の権限がある。例えば、ひったくりにあった被害者が「泥棒!」と叫んで、通行人が協力して犯人を取り押さえたりする例が一般人のできる「現行犯逮捕」だ。
 
 現行犯逮捕してみたら警官だった、という話しも珍しくない世の中である。
 
 
☆ もし強盗に出会ったら、他の憶病者達と一緒に並んでいなさい。あなたの勇気は、もっと自分の得になる時のために取っておいたらいい。(O.ヘンリー)
 
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★ 「容疑 現行犯逮捕」の検索結果(Google・06/9/16)
 
 

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