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ガン闘病の延地和子さん、副読本に掲載

 昨年3月9日のエントリ「余命半年の元校長 最後の授業」で、大阪府吹田市の前教育長であった延地和子さんの「最後の授業」を取り上げた。校内暴力が吹き荒れた時代に生徒と正面からぶつかり、「大変だったけど、楽しかった」と語った。離婚、そして24歳の娘さんの突然死。そうした事を乗り越えて教育畑一筋でがんばってきた延地さん。
 
 そんな延地さんが校長を務めたことのある中学校で、いのちの大切さを説いた「最後の授業」が、中学3年生の道徳の副読本に掲載されることとなった。4ページ2500字の文章にちりばめられているという。執筆したのは、大阪府和泉市立教育研究所の指導員、高井建次さん(61)。「内容をどうするか迷ったが、結局引用部分が三分の二以上になった」という。
 
 『人間が生きていくっていうことは、いろんな試練があってね、それを乗り越えるっていうのは本当に大変なことです。でも、1人じゃない、仲間がいる、仲間と支え合ってこの世の中で生きているんだ、そう私は思っています』
 
 生きている人に質問をすれば答えが返ってくる。死期が近づいている人の教えに対して、僕たちは何を問い、何を答えとして導き出さなくてはならないかを考えて生きて行かなくてはならない。
 
 延地さんは昨年4月1日に亡くなった。「最後の授業」をした3月7日から25日後のことだった。
 
 
☆ 学校で学んだことを一切忘れてしまった時に、なお残っているもの、それこそ教育だ。(アインシュタイン)
 
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★ 命の授業 永遠 ガン闘病の故延地さんの言葉、副読本に(朝日新聞・08/12/11)
★ 余命半年の元校長 最後の授業(本ブログ・08/3/9)
 

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「走り屋狩り」少年ら逮捕 大垂水峠で強盗 神奈川(2009.2.25)

 若いころ、特に意味がなくてもドライブすることが楽しかった。今では観光地となっているお台場周辺も、当時は船の科学館くらいしかなく、さみしい埋め立て地という感じだった。国道20号を都内から西部に向けて走ると、神奈川との都県境に「大垂水峠」というところがある。この周辺は片道1車線の狭い道路で、カーブが連続して続く。その大垂水峠付近で「走り屋狩り」と称して強盗を繰り返していた少年が捕まった。
 
 神奈川県警少年捜査課と津久井署は、相模原市内の18〜19歳の少年ら7人を強盗や傷害容疑で逮捕した。県警によると、少年らは2人乗りしたバイク4、5台で男性会社員(25)の車の前に割り込み、低速走行で無理矢理停車させ、顔を殴って現金6万円を奪った疑い。少年らは「スリルがあり、遊び感覚でやった」と容疑を認めている。
 
 現場は民家などはほとんどなく、車が停車させられたら逃げようがない。被害者にはお気の毒のことであったが、その被害者がもし本当に「走り屋」であるならば、これを機会にやめた方がいいだろう。相模湖にも近いこの国道20号では「走り屋」による暴走行為で毎年若い人が死亡している。暴走行為に及んで事故死するというのは一番つまらない死に方である。
 
 ところで、以前のこの場所は「相模湖町」であったが、相模原市、津久井町、藤野町、相模湖町、城山町が合併して「相模原市」となった。現在は来年3月までに政令指定都市に移行準備中であるという。市としての面積は県内で横浜市に次いで2番目となった。
 
 
☆ もし強盗に出会ったら、他の憶病者達と一緒に並んでいなさい。あなたの勇気は、もっと自分の得になる時のために取っておいたらいい。(O.ヘンリー)
 
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★ ”走り屋狩り”少年ら逮捕 都県境の峠で強盗容疑(産経新聞・09/2/22)
★ 相模原市ホームページ
 
 

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周産期医療施設 母親へのケアを

 出産の苦労は女性に任せることになる。よく「母子共に健康に」という決まり文句を聞くが、ベタでありながらもこれほど的を射た言葉もないだろう。
 
 一方で、予期せずに低体重児を出産することとなると、NICU(新生児集中治療室=Neonatal Intensive Care Unit)に乳児は移される。問題になるのは、出産した母親が自分を責めてしまうことだ。乳児よりも胎児に近い我が子を見て、「こんなに早く産んでしまってごめんね」「ママが全部いけない」「皮膚もできていない子を見るのが辛い」「未熟児特有の病気の事など考えると死にたくなる」。こうした母親の悲痛な声が聞こえてくる。
 
 聖マリアンナ医科大学付属病院では、NICUに常勤の臨床心理士を置く。心理士は常にこの中にいて、新生児に対して自分を責める母親に「子どもにとって、母親は必要」ということを分かってもらうべく活動している。打ち明ける相手のいない母親に近い存在となっている。今まで気付かれることのなかった母親の心の問題は、NICUで必要と考え始められている。
 
 母親にとって、周りから「小さく産んでいるから、『まだ歩かないの?』、『寝返りしないの?』という言葉は辛い」という。低体重児の母親は心理的に不安要素を抱えているだろう。病院でのこうした取り組みもさることながら、周囲の人も気を配ることが大切になってくる。
 
 
☆ 女の人は、赤ちゃん生む時にすごく苦しい思いをするから、その分好きなことをしてもいい。男に甘えてもいいのだ。(出典不明)
 
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★ 布川敏和さん「娘の難病」(1)誕生後すぐ「頭に腫瘍」の告知(読売新聞・09/2/9)
★ 元シブがき隊のフックンが衝突事故(産経新聞・09/2/10)
 

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変わるうつ病の診療

 うつ病にかかることが珍しくなくなった現在は、100万人がうつ病にかかっているといい、そのうちの25%の人が再発する。症状が改善されないと薬を増やすという方法が採られている。しかしそれがうつ病を悪化させる場合がある。
 
 日本うつ病学会の発表によれば、37%が誤診であるという結果もある。しかしうつ病の判断は難しい。患者の申告に頼るしかなく、患者がその状態を正確に伝えられることができなければ、薬の処方が難しく総合的になかなか治癒しづらい部分がある。病気のために意識がもうろう、記憶も無くなることもある。悲観的な状態で思考力が落ち、正確な症状を伝えることが困難な場合もある。内科や外科のように客観的に判断ができないために、医師のほうで正確な判断ができずに誤診する可能性もある。
 
 杏林大学でうつ病を診る田島治教授は、必要以上に薬が処方されているとみており、いったん薬の処方をやめて改めて症状を調べて、適切な処方量にやり直す方法を採っている。その結果、数年間うつ病で改善が診られなかった患者が急激に回復した。
 
 セロトニンという物質がその働きを弱めることによって起こるうつ病。しかしセロトニンが多すぎると、ドーパミンという物質が減る。その結果、やる気や意欲がなくなることから「うつ病が悪化」したと勘違いした医師はさらに薬の処方を増やすという悪循環になる。
 
 医師の選び方は以下に注意する必要があるという。
・薬の処方や副作用について説明をしない。
・いきなり3種類以上の薬を出す。
・薬がどんどん増える。
・薬について質問すると不機嫌になる。
・薬以外の対応法を知らない。
 
 誤診で苦しむ人も多い。ある中年男性は10年以上うつ病と闘ったが、実は双極性障害(躁うつ病)ということが分かった。うつ病と診断されてそれにあった薬だけ処方されると危険なのだという。 
 技術や経験不足の精神科医が安易に開業している部分も多い。内科や外科と違い、基本的には机と椅子があれば開業できる。設備投資に金がかからない分だけ安易に開業する医師も多いのだ。実際にうちの最寄り駅周辺を調べてみると、新しい精神科クリニックが多いことが分かった。ホームページなどでは、「ホテルのような落ち着いた雰囲気」をうたったところもあり患者を安心させているようだ。しかし、薬の副作用や病気についての専門家ならではと言った説明が患者側にはなく、薬の大量処方で終わってしまう悪質なところも多い。
 
 自治体では苦情を受け付けており、「公衆衛生上、重大な危害を生ずる恐れがある場合、行政指導・立ち入り検査ができる」としているが実態は難しく、医師が「私の処方・診断に間違いはない」と主張すれば行政のそれ以上の介入は困難であるという。
 
 近年では、客観的にうつ病かどうかを調べることができるようになっている。問診に頼っていたうつ病診断を血液の流れ等で客観的に判断できる装置も開発されており、誤診を防ぐ取り組みも始まっている。
 
 うつ病などの疾患の場合、認知行動療法が効果的であると言われている。イギリスで認知行動療法を取り入れた場合のうつ病の再発率は、抗うつ剤のみの処方で44%、抗うつ剤と認知行動療法で27%となっている。カウンセラーが患者の言いたいことを聞く「傾聴」だけではなく、患者の苦しみはどこにあるかを予め察知し、そこに気付かせるべく誘導するのだという。
 日本では認知療法でなかなか普及しない部分としては、精神科医、心療内科医が一日に診られる患者数にも限界があり、通常の診察以外に時間が割けないことが現実だ。このため、医師によっては近くにカウンセラーをおいて通常の診察行為で聞けない患者の声に耳を傾ける工夫をしている。臨床心理士が民間の認定資格であるために、保険対象外であることもネックになっている。
 
 患者さんが悲観的になるのは病気だからであって、患者さんの人生が否定されたわけではない。1日24時間は誰にでも平等に与えられた時間だ。忙しく過ごすのも、休養するのも、どちらも人によって有益であるわけで、他人と比べたりする必要は全くない。
 
 うつ病は「心の風邪」と言われている。それは必ず治るという意味と、誰でもなりうるという意味があるが、単なる気分の落ち込みとは訳が違う。周囲が気を配って話を聞いてあげることが1つの救いになるであろう。今年は春の訪れが少々早いようである。うつ病の患者さんにとっても、ちょっとだけ一歩踏み出してみようかなと後押ししてくれそうである。
 
 
☆ 靴が一足もなくて惨めな気持ちだった。しかしそれも、足を失った男を見るまでだった。(ハロルド・アボット)
 
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★ NHKスペシャル うつ病治療 常識が変わる
★ 抗うつ剤、効果に3割の差 日英伊研究、薬を順位付け(朝日新聞・09/1/31)
 
 

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その他

ネコの思い出

 mixiをやっていると、トップの写真にイヌやネコを掲げている人が多い。イヌ派とネコ派は半分くらいだ。平成に入ってからのペットブームで、イヌやネコを飼う人が圧倒的に増えている。それに呼応すべく、賃貸アパートでもペット可物件が増えている。
 
 小学校のころネコを飼ったことがあるがすべて逃走した。全て和ネコであり、最初のネコがまず逃亡。家にあるのはわずか2枚の写真だけだ。次に飼ったネコ2匹は「ミーちゃん」「ケーちゃん」と名付けた。時代を感じるがピンクレディーから取った物だ。
 
 子猫だったから可愛かった。子猫にありがちだが、家の前にある木に登ったはいいが降りられなくなってしまい必死に「ミャーミャー」鳴いていた。手を伸ばすと爪を立てて必死にしがみついてきた。
 
 思えばネコを飼うのにはいい環境のところだった。都区内西部の東大泉というところ。閑静な住宅地で、買い物に出るには少々歩かなくてはならないという点で不便なところだったかもしれないが、緑が豊かで近くにはなんと牛を飼っている人がいた。最近航空地図で見てみると、緑は減ったがそれでも都区内にしては多い方だ。
 
 「ミーちゃん」と「ケーちゃん」も突然いなくなった。近所を探してみると、大きな家の庭でえづけされているのを発見して諦めた。それからネコは飼わなくなり、ずっとイヌだけである。
 
 あのネコたちは今ごろ何に生まれ変わっているのだろう。もしまたネコであったら、東大泉のようなところで暮らせばいいと思う。動物だけでなく人も静かに暮らせるいい町であった。
 
 もしあのネコたちが人間に生まれ変わっているならば、無謀にも高いところに登るような、無鉄砲な人になっているかもしれない。そんな人が近くにいたら、前世はネコだったに違いない。甘えて近寄ってくるそんな人がそうである。最初は目をそらすが、振り向くとこっちを見ているような人もそうである。そんな今日2月22日はネコの日。
 
 
☆ 世間の人がみな馬に乗るその中で、自分は一人虎に乗ってみたい。 (夏目漱石)
 
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★ 今日は猫の日・・・・・。(本ブログ・05/2/22)
 
 

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個人的なウェブログ

【100均ジャンクレシピ】きんぴらごぼうカレーライス

 
 昔のレトルトカレーと言ったら、満足な具など期待できなかった。でも最近のは凄い。ジャガイモとかニンジンとかコロコロ入っている。100円ショップでゲットできる食材も多くなってきた。そんなわけで今日は「きんぴらごぼうカレーライス」を作る。
 
●用意するもの
・米
・きんぴらごぼう(105円)
・カレー大辛大盛250g(105円)
 
 ネットで調べると、カレー(風)味のきんぴらごぼうを作る人はいるようだが、カレーにきんぴらごぼうを混ぜる人はいなさそうだ。ちなみに「きんぴら」とは人の名前で、金平さんがごぼうを食べるとちからが付くということで「きんぴらごぼう」となったそうだ。ポパイのほうれん草みたいなものだな。
 
● 上記食材を順に載っけていけばおしまい。
 
注意点としては、きんぴらごぼうをまんべんなく米の上に広げること。そしてカレーをかける。
 
きんぴらごぼうのシャキシャキ感とカレーのハーモニーがたまらなく美味。
 
そしてただでさえ辛いカレーが、きんぴらごぼう効果でさらに辛くなる。
 
きっとお通じ効果がある。
 
大事なこととしては、こういう質素なカレーだからきんぴらが栄える。
 
ゆえに、腕によりをかけて作った愛情たっぷりの特製カレーにきんぴらごぼうを混ぜてはいけない。きんぴらにもプライドがある。
 
ご飯を半分にし、減らした分に豆腐を入れてかき混ぜるとマイルドなカレーになり、また微妙な食感がキモウマイ。
 
 
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「もったいない」は、いけないこと?

 高級料亭「船場吉兆」(昨年廃業)のとき、腑に落ちないことが1つあった。「食材の使い回し」がそれである。確かに使い回されたら気持ちが悪いと思うが、店側がきちんと見定めて出しているのであれば、そんなに大きな問題にすることかな、と思った。
 
 だって、もったいないじゃない。
 
 店のほうだってプロである。消費期限の切れたものをだしたりすれば食品衛生法で問題にはなるが、品質が劣化しているかどうかは従業員が見れば分かるはずで、箸を付けていないと推定できれば、廃棄処分するのはもったいないと思った。
 
 大手コンビニチェーンの「セブンイレブンジャパン」が、加盟店側に値引きをしないように圧力をかけていた疑いが強まり、公正取引委員会は独占禁止法違反(不公正な取引方法)容疑で同社本部(東京)への調査に乗り出した。
 
 加盟店側が消費期限が迫ってきている弁当や総菜を値引き(見切り販売)したところ、同社本部が「フランチャイズ契約を打ち切る」「大変なことになる」などと圧力をかけ、販売を制限した疑いがある。「個人商店」である加盟店側が自由に値引き設定をできるが、値引きを認めない本部に対する加盟店の苦情が多いことから、公正取引委員会は02年4月にフランチャイズ・ガイドラインを改定し、「見切り販売を正当な理由無く本部が制限し、売れ残りとして加盟店に廃棄を余儀なくさせること」を「優越的地位の乱用」にあたる事例に追記し、業界団体などに改善を促していた。
 
 セブンイレブン・ジャパン側では「値引き販売は新鮮な食材を扱っているというイメージを壊す」「消費期限の新しいものと古いものが混在している状況は良くない」などとしている。しかし消費者側の反応は決してそうではない。私も値引きしてある商品をむしろ積極的に買う。それは安いからというだけではなく、このまま買われなかったらこの商品は廃棄になってもったいないと思うからだ。牛乳なども商品の奥に手を伸ばさずに、手前から買う。
 
 ゴミになるくらいなら、買ってもらったほうがよっぽどエコだと思う。レジ袋削減、割り箸削減と言っている割には、エコロジーを推進すべき企業姿勢としておかしい。コンビニでの買い物はほぼ100%がゴミになる。物を売る業界ならば、ゴミを出さない、生かすという意識した方がいいだろう。といっても、月に30万円を廃棄目標にしているというコンビニチェーンもあるようですが。
 
 食の安全等いろいろ言われていても、やっぱり日本は食に恵まれている。「もったいない運動」を推進している、ケニアのワンガリ・マータイさんに「もったいない」という言葉はどういう意味かを教えてもらったほうがよさそうだ。
 
 
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★ セブンイレブン、加盟店の値引きを制限か 公取委が調査(朝日新聞・09/2/20)
★ もったいない MOTTAINAI
 
 

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お年寄りと接する”常識”の変化

 
 
 ”中高年のアイドル”と言われている綾小路きみまろさん。1時間のライブに多くの中高年層が訪れていた。たくさんの毒舌を吐いているが、それが人気の秘密のようである。来場者は「事実を言われているから何も気にならない」と笑う。
 考えてみると、お年寄りを気遣って当たり障りのないことを言いがちではあるが、それが世代と疎遠の間柄になってしまっている気がする。最初は目上の存在であるから敬語を使って話しているが、それがいつの間にか距離を置いた関係を作ってしまっているのかもしれない。
 
 認知症を防ぐこととして、頭を使うことが大切であるようだ。例えば熊本県の老人ホームでは、これまでオムツをして寝たきり状態にさせていたことをやめて、食事が終わるとトイレに連れて行く。入浴も寝たまま入るスタイルを変えて、介助をしながら通常の入浴に近い形を取り入れた。食事もどんなに時間がかかっても、リビングでスプーンなどを使って食べてもらう。「今まではこちらが面倒を見てあげている、というおごりがあったかもしれない」と施設の責任者は言う。
 
 毒蝮三太夫さんも高齢者への毒舌で有名だ。「ジジイ」「くたばれ」「バレンタインデーに関係のないババアばかりだな」などなど。しかし最初からそのような芸風・口調ではなかったという。40年前にラジオ番組を担当したときに同級生から「普段の話し方じゃないからつまらない」と言われて、今のような口調になり人気を博した。
 
 毒蝮さんは聖徳大学短期大学部客員教授を務め、老人とのコミュニケーションについて教えている。高齢者に接するポイントは、「笑顔で話しかける」「肩に手をかける」「気にかける」の3つだ。人と接する機会が少なくなり、自然と笑顔が消えていくお年寄り。「笑顔で話しかける」というのは対老人でなくとも大切な要素に思えた。人とのふれ合いが少なくなるから「肩に手をかける」。「風邪を引いたみたいだけど、調子はどう?」というように「気にかける」。
 定年退職で人生の節目をリタイアする高齢者は、社会と接する機会が少なくなっていく。本当は誰かと話したくて仕方ないのに、本心から接してもらえない寂しさがあるのかもしれない。上記のお二人の毒舌が受け入れられているのは、よそよそしい態度ではなく、そのものズバリを言っているからに他ならない。
 
 高齢者を受け入れている職場がある。東京・五反田にある「モスバーガー五反田東口店」だ。募集している年齢を見ると、「16歳〜75歳まで」となっている。若い人であれば機械的な対応で済ませてしまうところを、年配者ならではの柔らかい口調の接客が受けていて、若い人ばかりではなく年配のお客さんも増えているとか。ちょっとした気遣いもお客さんに好評で、若い店長も見習うべき点が多いと考えている。
 
 孤独になればなるほど脳も衰えていく。認知症予防の観点からも、「人と話す」という基本的なコミュニケーションを忘れないようにしたい。人生の先輩から教わることもあるであろうし、自分も将来必ず老いと向き合わなくてはならないのだから。
 
 そして過度に年寄り扱いすることも良くないことかもしれない。ある施設で若いスタッフが「おばあちゃん、お食事ですよ」などと声をかけても無視されていた。そこにベテランのスタッフが来て「○○さん、お食事ですよ」と名前を呼びかけたところ、振り向いてくれたという話しを思い出した。
 
 
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★ 消えていく記憶 認知症の南田洋子(本ブログ・08/11/3)
 
 

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