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「しんちゃん」作者の臼井さんと確認 群馬・荒船山で発見の遺体

 9月11日の朝に「荒船山に行く」と登山に出かけたまま行方不明になっている、アニメ「クレヨンしんちゃん」の作者、臼井儀人さん(51)が荒船山の艫岩(ともいわ)と呼ばれている岩壁の約100メートル下で遺体で発見された。遺体は骨折などで損傷が激しく服もボロボロであるという。
 
 19日に男性登山者(58)から「人が倒れている」と通報があり、群馬県警下仁田署員らが捜索していたが、崖が険しく収容作業が難航したため、20日午前から活動を再開。収容した遺体が臼井さんであることが確認した。家族や出版元の双葉社の社員も遺体を確認した。リュックの中に携帯電話や財布、衣類が入っているのが見つかったが、遺書はなく、滑落して死亡したものとみられる。
 
 臼井さんは山歩きが趣味で、これまでも登山にたびたび出かけており、11日は春日部の自宅を電車で出発。グレーのTシャツにジーパン姿、リュックサックを背負っていたという。
 
 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
 
 臼井さんの地元・春日部では突然の悲報に衝撃が走った。近所の主婦は「人気漫画家なのに鼻にかけることなく気さくに話しかけてくれた」、「春日部が舞台ですから非常に残念」と語る。市内の焼き鳥店主は「ネギマを注文しては、『おいしい、おいしい』と言ってくれたり、サインをくれたりした」「最後に来たとき、『そのうち、この店のことを漫画に書くよ』といってくれた。春日部といったらしんちゃんなのに残念だ」と語った。
 
 1990年から「クレヨンしんちゃん」を発行する双葉社は「これまで警察の捜索にいちるの望みをつないでいたが、こういう最悪の結果になり大変ショックを受けています。今はただご冥福を祈るばかりです」と述べた。11月5日分までの原稿が出来ており、予定通りに連載するとしている。アニメを放送しているテレビ朝日は「これまでの偉大な功績に感謝し、お悔やみ申し上げます。今後の放送は関係者と協議して決めたい」としている。
 
 臼井儀人さん=本名・義人=さんは、1958年(昭和33年)4月21日に静岡県で生まれた。デザイン専門学校を経て79年に広告関係の会社に入社。87年「だらくやストア物語」で「双葉社 週間Weekly漫画アクション新人賞」の佳作に入賞、漫画家の道に進んだ。「夢を売る仕事なので」と、マスコミに顔を出さないことで知られていた。臼井さんの家族は「心の整理がついていないので、しばらくそっとして欲しい」と述べた。
 
 
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★ 「しんちゃん」作者、荒船山で滑落死か?(朝日新聞・09/9/20)
★ 草なぎ「残念な気持ち」臼井さん遺体で収容(サンスポ・09/9/21)
★ クレヨンしんちゃん:遺体は作者の臼井さんと確認(毎日新聞・09/9/20)
★ クレヨンしんちゃん作者が不明、捜索願い 埼玉・春日部(本ブログ・09/9/16)
 
 

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墜落の岐阜県防災ヘリ「実績ない」 県警の反対押し切る(2009.9.19)

 
 岐阜県の防災ヘリ「若鮎2」が救助活動中に墜落した事故で、県防災航空隊が県警航空隊の反対を押し切って出動していたことが明らかになった。岐阜県警は19日、県防災課と県防災航空センターを業務上過失致死容疑で捜索した。
 
 岐阜県警などによると、県防災航空隊は11日午後1時半ごろ、長野県から「心肺停止の遭難者がいる」との119番通報の転送を受け、出動準備を開始した。これに対し、県から連絡を受けた県警航空隊は、県防災ヘリが北アルプスでの出動実績がないことから県警ヘリを出動させる準備をした。
 
 当時、県警航空隊の隊長と副隊長は愛知県の会議に出席。救助要請の知らせを聞いて、愛知県警ヘリで県警航空隊に急行。県側には待機を要請したが、県は「待てない」と回答。同2時10分ごろに単独で若鮎2号を出動させた。県警はこの後も救助機の交代を県に要請したという。 
 
 今回の事故で亡くなった操縦士(57)は同機が導入されてから専従の操縦士であり、消防や救急患者の搬送に出動していたとされている。ただ、過去に「若鮎2」は2001年1月6日、今回と同様に北アルプス奥穂高岳、そして西穂高岳で計6人を救助しているが、このとき操縦かんを握っていたのは岐阜県警航空隊員であった。県警航空隊は救助活動の他に、暴走族の追跡、産廃不法投棄の監視なども行う。
 
 85年8月の「日航ジャンボ機墜落事故」の際、墜落場所の情報が錯綜する中、現地に向かうヘリがどこになるのかが問題となった。当時の米軍横田基地から「救助の用意がある」と打診があったが、日本政府は断った。事故現場が特定できない中で、最初に現場に着いたヘリは朝日新聞社所有機だった。その後に自衛隊の出動となるが、山岳地帯での救助は難航した。のちに事故現場に対応できるヘリ2機を東京消防庁が所有していたことが分かったが、このときは救援要請がなかったために出動しなかった。
 
 県警による今後の捜査で、県の防災ヘリが出動した経緯や、亡くなった操縦士などとのやりとりなども明らかにされることが望まれる。日本は山岳地帯が多く、救助ヘリが担う役割は大きい。そのために出動態勢なども解明されなくてはならない。
  
 
★ 「実績ない」県警の反対押し切り出動 墜落の防災ヘリ(読売新聞・09/9/19)
★ ヘリ墜落現場付近で男性重体 岐阜・高山 奥穂高岳 高所での救助経験はあった?(本ブログ・09/9/13)
 
 

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大型トラックなど4台追突 10人死傷 茨城・かすみがうら市(2009.9.16)

 16日午前11時半ごろ、茨城県かすみがうら市西野寺の国道6号線上り線の水戸街道で、大型トラックなど4台が絡む追突事故が発生した。トラック2台の間には大破したワゴン車が1台あり、原形をとどめない状態になっており、警察と消防で救出活動を続けていた。
 
 挟まれているワゴン車の間には6人が乗っており見られている。13時過ぎに1名が救助され救急車で搬送された。その後、30〜50代の男性5人全員が救助されたが、うち3人の死亡が確認された。他にも数人の負傷者が出ている。
 
 調べによると、ワゴン車が後ろから来たトラックに追突され、その弾みで前のトラックに衝突し挟まれた。後ろのトラックの後方には別の乗用車が追突した。現場は常磐道千代田石岡インターチェンジ付近の国道で、上り車線が通行止めになっていた。
 
 追突したトラックの運転手は「よそ見をした」と言っており、茨城県警土浦署で事故の原因を詳しく調べている。
 
 
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★ トラックに衝突され3人車内に閉じこめ 茨城(イザ!・09/9/16)
★ 多重事故で消防職員ら10人死傷 トラック乗り上げワゴン車大破(時時事通信・09/9/16)
 
 

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ヘリ墜落現場付近で男性重体 岐阜・高山 奥穂高岳 高所での救助経験はあった?

 13日午前6時5分ごろ、岐阜県高山市奥飛騨温泉郷神坂の北アルプス奥穂高岳の穂高岳山荘(2983メートル)から「登山者が登山道から転落している」と岐阜県警高山署に連絡があった。
 
 山荘の従業員が滑落現場に向かうと、登山道から約10メートル下の岩場に40歳くらいの男性が倒れており、山荘に収容したが心肺停止状態だという。付近はガスがかかっており、県警は天候が回復次第、県警ヘリで収容する予定。
 
 男性が倒れていたのは、11日に県防災ヘリ「若鮎2」が墜落した現場から北に400メートルほどの地点だった。
  
 11日の事故では、3190メートルある北アルプス奥穂高岳に向かった「若鮎2」が3000メートルを超える山岳地帯での救助経験がなかったことが明らかになっている。通常、山岳救助の通報時には県防災航空センターが岐阜県警察航空隊と調整、どちらが出動するかを決めることになっている。現場が11日の事故時のような険しい場所の場合、これまで県の防災ヘリが現場に向かったことはなかった。
 
 若鮎2号も導入以来、山のふもとに救助に向かったことはあるが、3000メートル以上でホバリングして救助した経験はなかったという。しかし、この「若鮎2号」は01年1月6日に岐阜県警のヘリとして出動、今回の現場である奥穂高岳や西穂高岳(2908メートル)で計6人を救助している。そのときの話が当時の読売新聞に記者と県警航空隊員との会話形式で記されている。隊員は「こんな怖い思いをしたのは初めて」と語り、山にへばりついている登山者を見て「一刻の猶予もないと思った」と語っている。(※1)
 
 県の鈴木・防災対策監は「警察航空隊から『警察に直接通報がなければ出動できない』と説明があった」としており、「一刻を争う事態だったので出動した」と述べた。県警は「事実関係を確認する」としている。11日の事故について国交省の航空事故調査委員会の調査官は「回転翼が山のどこかに当たった可能性がある」と指摘した。
 
 一般に3000メートルの高さでのホバリングは難しいとされる。通常は80%のエンジン出力で停止を保てるが、強風などの場合はほとんどエンジンを動かさないこともある。それでも1トン近い機体が風の力でコントロールが難しくなる。強風ゆえに後部ローターなどが山肌に接触する危険もあれば、風にきりもみされたために後部が折れてしまうこともある。そのため、悪天候の場合はやむなく救助活動をしないという。
 
 岐阜県によると、若鮎1号と2号の昨年度の緊急運航実績は、前年度比で7件増えて215件と過去最多となった。救急搬送活動が142件で最も多く、次いで山岳遭難などの救助活動が52件、林野火災など火災防御活動16件などとなっている。救急搬送では、飛騨地域76件、中濃地域37件と山間部の多い地域が8割を占め、捜索救助活動では河川での水難事故と山岳遭難・事故がいずれも24件で最多となった。(※2)
  
 
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★ 救助ヘリが山中に墜落、3人死亡 2人は間一髪 岐阜・高山(本ブログ・09/9/11)
★ へり墜落現場から400m、男性滑落し心肺停止(読売新聞・09/9/13)
★ ヘリ墜落;遭難救助、3000M超経験なし 若鮎2号(毎日新聞・09/9/13)
★ 回転翼が山に接触か 岐阜ヘリ事故で調査官見解(イザ!・09/9/12)
★ 55歳で警備会社から警察官へ ヘリ操縦士・西窪茂男さん(イザ!・09/9/3)
(※1)参考=読売新聞中部朝刊・01/1/7、23 (※2)参考=読売新聞中部朝刊・09/6/5)
 
 

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救助ヘリが山中に墜落、3人死亡 2人は間一髪 岐阜・高山(2009.9.11)

 11日午後3時28分ごろ、岐阜県高山市の山中で救助要請を受けて出動していた県の防災ヘリが墜落した。この事故で岐阜県防災航空隊の操縦士(57)、整備士(57)、副隊長(34)の3人が死亡した。墜落した場所は同市飛騨温泉郷神坂の岩場、ジャンダルム(標高3163メートル)付近。岐阜と長野の県境になる。
 
 救助に向かったヘリには5人乗っており、現場で岐阜県警山岳警備隊員と医師が降下した後に、上空のヘリの後部が岩場に接触した可能性があるという。先に降下していた2人が県警高山署に通報した。
 
 岐阜県によると墜落したヘリは「若鮎2」。死亡した操縦士は飛行時間5740時間のベテランで、97年に航空自衛隊を退職後に操縦士として県に採用されたという。事故機は消防や救急活動に使われていた。
 
 岐阜県によると、現場付近から「登山中の男性が心肺停止状態になっている」と出動要請を受けて、各務原市の県防災航空センターを出発。途中で一部の乗員を乗せ替え、現場上空で2人を下ろした後にヘリ後部が岩壁に接触し墜落炎上した。
 
 岐阜県警のヘリが死亡した3人の遺体を収容、また救助要請していた心肺停止状態の男性(64)は長野県警のヘリが病院搬送したが、死亡が確認された。
 
 事故後に現場に向かった県警航空隊長によると、「事故の約30分後に現場に着いたが、ガスがかかっていて視界が悪かった」という。現場周辺は捜索・救助活動が特に困難な場所だと岐阜県警幹部が語っている。
 
 その後の調べで、先に降下した救急隊員と岐阜県警山岳救助隊員が降下中に「バン」という乾いた音がし、上を確認するとヘリが横向きになっていたような状態になっており、危険を察知してフックのカラビナ(留め具)を外して危険を回避したという。
 
 国土交通省の事故調査委員会は調査官3人が現地入りしたが、悪天候のために明日以降に調査をする。
 
 
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★ ヘリ墜落3人死亡、機体2つに折れ斜面落下(読売新聞・09/9/12)
★ 「頭上をヘリが斜めに落ちた」 ヘリ墜落事故(産経新聞・09/9/12)
★ 航空事故:北ア、防災ヘリ墜落 岐阜県職員3人が死亡 尾翼、岩衝突(毎日新聞・09/9/12)
★ 岐阜県防災ヘリ墜落、3人死亡 北アルプス奥穂高岳(朝日新聞・09/9/11)
 
 

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愚行は繰り返される 貧困な想像力の欠落

 京都教育大学の学生6人が集団で女子学生に乱暴した事件に関連し、この被害者をネット上で中傷したとして訓告処分を受けた男子学生が再度中傷を繰り返した。大学側はさらに厳しい処分を科すことを決めた。大学は24日までに男子学生に対して訓告処分をしたが、中傷の書き込みが続いていることを外部からの指摘で分かった。本人は認めているという。
 
 この女子学生に対する集団暴行事件に関しては、大学側が当初公表せずにいたために非難の声が上がった。守るべき対象は加害者でもなく、大学でもなく、被害者だったはずだ。しかし、ネットに中傷の書き込みをした男子学生に対する訓告処分は妥当であり、それにも関わらずこの学生は中傷を続けた。大学という高等教育の場において処分を受けるということに対する認識の甘さ。大学側の指導よりも、中傷を続けた学生の稚拙さが垣間見える。大学にこれ以上指導する責務などあるだろうか。
 
 話を警察の不祥事に移す。福岡県警小倉北署の警部補(56)が、酒を飲んで追突事故を起こし、道交法違反(酒気帯び運転)容疑で逮捕されたが、県警は29日付けで懲戒免職処分にした。容疑者呼称となった警部補は「(こんなに高い値の)アルコール検出量は認められない」といった供述をしている。
 
 福岡での酒の事故というと、福岡市職員が酒を飲んで運転してRV車に追突したために、RV車に乗っていた幼い子供3人が死亡する事件が記憶に新しい。この事件を機に全国で飲酒運転追放運動が始まったと言っても過言ではない。それにもかかわらず全国では、警察官だけではなく飲酒運転による事故がなくならない。
 
 これまで「歴史は繰り返される」という文言は、無知や無関心のために続くものだと思っていたが違うようである。それは無責任のために繰り返される愚行なのだ。人の痛みを分かろうとしない無責任、善悪を追求しようとしない無責任、責任を取ろうとしない無責任。一部の無責任者が、人間の歴史に恥の上塗りをしている。
 
 
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★ 訓告学生、また被害者を中傷 京教大集団暴行、より重く再処分へ(京都新聞・09/6/29)
★ 酒気帯び運転容疑で逮捕 小倉北警部補を懲戒免(西日本新聞・09/6/29)
★ ミクシィが2ちゃんねる化!無責任に”言いたい放題”(ZAKZAK・09/6/19)
★ 京教大性、準強姦被害者を非難するネット書き込み(朝日新聞・09/6/18)
★ 京都教育大暴行事件の被害女子学生をネットで中傷 立命館大が学生2人に人権指導(産経新聞・09/6/10)
★ 京都教育大学 ホームページ
 
 

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さよなら、タイガーマスク Sayonara, Tiger Mask, Misawa Mitsuharu, RIP.

 試合を観戦していた広島市内の男性(27)は「これまで三沢選手に何度も勇気づけられた。まさかこんなことになるなんて」。福岡県遠賀町に住む会社員の女性(39)は「三沢さんの試合を楽しみにしていたのに。タイガーマスクを見てプロレスファンになった。三沢さんは私の原点。ありがとうといいたい」と大粒の涙を流した。
 
 プロレスが全盛期だった昭和の時代は、ゴールデンタイムにプロレス番組は編成されていた。子供だった私にとってもルールは分かりやすく、強いレスラーが勝つ、屈強そうな相手を倒したあとのスリーカウントに興奮した。覆面レスラーが登場すると、どんな技を見せてくれるのだろうと期待に胸を膨らませた。
 
 1984年(昭和59年)に登場した2代目タイガーマスクは、1代目を受け継いだ。それゆえにプレッシャーがあったかもしれないが、相手が出さないような華麗な技、それは空中戦であったり、まさにトラのごとく相手に忍び寄り強い蹴りを見せてくれて、大いに興奮させてくれた。タイガーマスクが負けるはずがない。
 
 プロレスというのはいかに自身を強く鍛え、相手を攻撃するのかに重点が置かれているものだと思っていた。大きな体の外国人選手の張り手だけでも、一般人が食らったらひとたまりもないような勢いだ。それにも耐えうる肉体を作り上げることに重点が置かれていると思っていた。
 
 もちろん、相手を攻撃するための力を維持していかなくてはいけないが、プロレスというのは受け身のスポーツであるということを初めて知った。プロレスに造詣が深い友人に聞いてみると「バックドロップは投げられる側の両手が自由なので、柔道のような『頭が落ちる前に手をクッションにする』受け身が可能。だから投げる側は結構危険な角度で投げてしまうことが多い。だから何らかの理由で受け身がとれないと極めて危険だ」「投げる側と投げられる側の『あうん』の呼吸がある」とのことだった。
 
 三沢光晴も「相手がかける技をどうやって上手くかけられるか。これって凄い技術がいるんです。いろいろなケースを設定して体を鍛えておかなければなりません。僕らの体の鍛え方は半端じゃないですよ」と産経新聞の記者に話している。
 
 13日夜、185センチ、118キロという大きな体。受け身が上手いレスラーと言われていた大きな男がバックドロップで崩れ落ちた。不自然な「く」の字になり、動かなくなった。異変に気付いたレフリーが試合を止め、選手たちや関係者がリングに駆けつけて周りを取り囲む。心肺停止の可能性が高かったことから、医師やトレーナーが人工呼吸や心臓マッサージを施す。
 
 心臓マッサージが始まると、異常事態に気付いた2300人の観客から「三沢!」の声が乱れ飛ぶ。男性の観客が「三沢!」と叫べば、「三沢さん!」と女性ファンの声も混じる。三沢は全く動かない。関係者なのか観客なのか「AEDを持ってこい!」という怒号も飛ぶ。顔をハンカチで覆い隠す女性ファンの姿もみられる。
 
 通報で約6分後に駆けつけた、広島市消防局の救急隊員がAED(自動体外式除細動器)による蘇生措置を行う。そのまま広島大病院に搬送される。
 
 翌14日の朝の番組で、プロレスの実況の経験もある徳光和夫さん(68)が神妙な面持ちで言っていたのは「彼は受け身の名人でした。その受け身で三沢光晴がこういうことになったのは無念でならない」と、言葉が感情に遮られながら話していた。
 同日夜の「バンキシャ!」では、三沢光晴時代にプロレスの実況をしていた、番組司会者の福澤朗キャスター(45)がコメントした。「昨夜のことなんですが、衝撃的なニュースが飛び込んでまいりました」。その発言の語尾に、力はなかった。「誠実な人柄で、実に多方面から人望の厚い方でした。私も公私にわたり大変にお世話になりました。無念であります」。
 
 13日午後10時10分、三沢光晴さんは搬送先で死亡が確認された。46歳だった。広島中央署によると、頸椎損傷にともなう頸髄離断(けいずい・りだん)が死因であった。
 三沢さん、26年の選手生活、お疲れさまでした。寄らば大樹の陰と慕ってきたのはレスラーの皆さんたちだけではありません。冒頭のファンの人たちのように、強い三沢さんを心の支えにしていたかたも大勢います。三沢さんはこれまでファンのためにたくさんの汗を流してきました。今度はファンが涙を流す番になりました。
 
 悲しいですね。タイガーマスク、さよなら。
  
 
★ プロレスの三沢光晴さん、リングで頭強打し死亡(読売新聞・09/6/14)
★ 三沢光晴さん死す:受け身とれず、体が「く」の字に(毎日新聞・09/6/14)
 
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自転車「死亡ひき逃げ」73歳女性死亡 大阪・柏原(2009.6.9)

 自転車の無謀運転による悲劇が多くなってきている。大阪府柏原市で5月7日、同市内の無職女性(73)が自転車にひき逃げされ、その後死亡する事件があった。大阪府警柏原署は重過失致死、道交法違反(ひき逃げ)の疑いで捜査を始めた。
 
 5月7日午後4時25分ごろ、柏原市今町の市道を歩いていた女性が、後ろから来た自転車にはねられて転倒し、頭を強打した。女性は意識不明の重体になり、同18日に脳挫傷で死亡した。目撃者によると、自転車を運転していたのは30歳くらいの男で、紺色の上着に黒のズボン姿だったという。男は女性をはねた直後に振り返ったが、そのまま北へ逃げ去った。
 
 警察庁によると、自転車が人をはねるなどの加害者側になる人身事故は昨年7000件を超え、10年前から5倍に急増しているという。同庁は全国の警察本部に自転車の危険走行の取り締まり強化を指示している。
 
 2007年には東京・渋谷区渋谷の宮益坂で女性会社員(当時40)が無職の女性(当時75)をはねて死亡させる事故が起きた。警視庁渋谷署は女性会社員を重過失致死容疑で検挙した。それにしても何故、自転車事故が急増しているのだろうか。
 
 移動手段としての自転車が見直されてきたこと、それは昨今の健康ブームやマウンテンバイクなどの人気も後押ししていることだろう。環境にも優しいことから、都心などでは自転車タクシーなるものも登場している。さらに、携帯電話や音楽プレーヤーの普及により、自転車に乗りながらこれらを操作する人も目立つ。自転車に対しても道路交通法が適用されることへの意識の欠如も垣間見える。
 
 しかし一番の要因は利己主義が蔓延しているのであろう。日本の人口は1億3千万人で、世界でもトップ10の中にランクインする。人は多いのだが、個人が社会との接点を避けて孤独になっている気もする。いずれにせよ自転車も速度が増せば、危険を回避する操作をするのには限界がある。標識を守ること、そして他人を守ることが最終的に自分を守ることにつながるのである。
 
     
☆ 人生は、10段変速の自転車のようなもの。だれもが、自分がもっているものの大半は使っていないのです。(チャールズ・シュルツ)
 
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★ 「自転車ひき逃げ」73歳女性死亡 大阪府警が犯人追う(読売新聞・09/6/9)
★ 自転車にはねられ、74歳女性死亡(本ブログ・07/11/30)
★ 無謀な自転車92件を摘発 愛知(本ブログ・07/12/9)
★ 子供たちに「自転車免許」(本ブログ・07/1/18)
 
 

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