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人の心の可視化

 
 ドラマ「相棒」シリーズで、過去の冤罪を訴える話がいくつかある。
 
1. 強盗殺人罪で死刑となっている死刑囚が、刑務所内で「もういい。自分は前世で悪いことをしたからそれを償っているのだ」と達観した者。
 
2. 幼児へのわいせつ事件を疑われた神父は、「過去に捕まったが、あれは真実ではない。警察も裁判所も誰も私の話を信じてくれなかった。しかしそれも、神のお導きによるものと考えた」という者。
 
3. 殺人罪で服役したが、出所後に無実であることをほのめかした遺書を残して身を投げた者。
 
4. ひき逃げで服役したが、「嘘の目撃証言で犯人とされた。本当に目撃したのかその目撃者に会ってみたい」と言ったもの。
 
 1の結末は、死刑囚が病死したのちに真犯人が見つかる。2は、捜査過程で神父が疑われたが真実が判明する。3は、自殺後に特命係の捜査で真犯人が見つかる。4は、嘘の目撃証言のせいで、本来なら被疑者被害者にならずに済んだという話。
 
 冤罪を防ぐ目的で、取調中の録音・録画(可視化)が検討されている。しかし対象は全刑事裁判の2%程度になる見込みだという。取調室という密室で行われる自白だけに偏る捜査では冤罪が起こりうる。足利事件の犯人とされた男性も人生から長い期間が奪われてしまった。可視化は行われた方がよいであろう。
 
 さらには欧米のような司法取引の導入や通信傍受(盗聴)の対象事案の拡大も決定した。司法取引は嘘の供述がなされる懸念があるほか、通信傍受拡大は捜査当局による権利の濫用も不安視されている。
 
 冤罪事件が起きると、人が人を拘束して裁くことは本当に理にかなった行為なのか疑問に感じる。難しいことであるからこそ、可視化の導入でその証言を確実にすることであり、第三者を納得させるのは証拠であることを強く感じる。
 
 冒頭の4つの話は当然ながらフィクションである。3と4は、本来なるべきでなかった人が犯人になった。1と2はこれも運命、と腹をくくった。命を賭して、または達観して、人生を生きなければならない人たちがいるのだとすれば、彼らに罪をなすりつけた人たちというのは、一体何のために生きているのだろう。
  
 
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ルーズヴェルト都議会

 東京都議会の本会議場。塩村文夏議員の発言中、「早く結婚した方がいい」とのセクハラ野次をしたとして、自民党の鈴木章浩議員が発言を認め、塩村議員に謝罪した。
 
 「少子化そして、晩婚化の中で、早く結婚していただきたいという思いがある中で、あのような発言にになってしまったわけですけれども、本当にしたくても結婚がなかなか出来ないかたへの配慮が足りないということで、深くその発言において反省しております」と述べた。議員辞職はしないという。
 
 塩村議員は、「今まで(野次が)無かったことになるんじゃないかと思って怖くて、これが一つのきっかけになると思っています」と語った。
 しかし、「産めないのか」「まずは自分が産めよ」「こどももいないのに」などの野次の発言者については特定されていないうえ、名乗り出てくる議員はいない。
 
 
 TBS系で放送されていた「ルーズヴェルト・ゲーム」(原作:池井戸潤)の最終回を見た。展開はベタなのかもしれないが、とても爽快であった。
 
 「私一人の力じゃない。青島という風土があったからこそ、なし得たことです!」
 
 青島製作所のイメージセンサーが、イツワ電器のものよりも優れていると認定されたことを受けて、開発部長が同社社長に向かっていったセリフである。
 
 本編では、同社野球部が廃部の危機にさらされながらも、ライバルであるイツワ電器野球部に向かって諦めることをやめない姿勢で臨んだ。
 
 青島製作所でも経営危機に陥った同社がイツワ電器に吸収合併されそうになりながら、同社の社員を守り、会社を守るための戦いを繰り広げる。
 
 最後の最後、両社のイメージセンサーのどちらが性能が上か、コンペを行ったところ、青島製作所に軍配が上がった。
 
  
 「お待ちください、我が社のイメージセンサーなら6割というコストです。6割です!」
 
 「もうしわけないが、次元が違う」
 
 「青島のイメージセンサーなら、御社の5倍、いや、10倍の価値がある」
 
 「我々の期待に充分に応えてくれた青島の性能を、その目でよく見たまえ」
 
 スクリーンには、ろうそくを見つめる少女の瞳、置き花のズーム、夜景の空撮の映像が流れた。
 
 「とても爽快であった」と書いたのは、ベタな感動的な話だからではない。会社組織も、野球組織も、正しい自分たちであるための努力を怠らなかったからである。
 
 相手を叱咤し、激励し、慰め、悲しみは共有し、喜びは分け合う。他者を尊重する気持ちがあることで、人も組織も成長し続けるものなのだ。
 
 都議会での野次も、相手を思えば通常出ない言葉である。もしあの時、塩村議員が声を詰まらせたときに、誰か一人が「がんばれ」と声をかけてあげたら、いや、そんな野次があってもよかった。
 
 「ルーズヴェルト・ゲーム」原作では、特定の主人公はいないということである。つまり、誰もが主人公でいられたということなのである。
 
 
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★ 塩村文夏議員にセクハラヤジを飛ばした都議会議員を責めないで(本ブログ・14/6/19)
★ Sexist Case きみがくれたもの(本ブログ・14/6/21)
★ 塩村あやか オフィシャルサイト
★ 日曜劇場「ルーズヴェルト・ゲーム」TBS
 
 

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「鶴瓶の家族に乾杯」ゲストは加藤茶 鹿児島・北九州市

 
 認知症の初期症状に「物忘れ」がある。通常は老いに応じて「ど忘れ」をすることは誰にでもある。しかし問題のある物忘れは、物忘れ自体を忘れてしまうことである。
 
 人は今言ったことを覚えている(即時記憶)、例えば1週間前のことを覚えている(近時記憶)、大昔のことを覚えている(遠隔記憶)があり、問題のある物忘れは、「即時記憶」「近時記憶」という比較的近いことを忘れてしまうのだそうだ。
 
 その一方で、昔のことは覚えていることから、昔話ばかりをするようになったら危険であると専門家は語る。現在の医療では早期発見が大切であるが、治る認知症もあるので専門家による正確な診断が必要だ。
 
 
 9日のNHK「鶴瓶の家族に乾杯」は、加藤茶(以下「カトちゃん」)が自身の名前である「茶」にちなんで、笑福亭鶴瓶と茶畑(鹿児島県北九州市知覧地区)に足を運んだ。
 
鶴瓶「大丈夫ですか?」
茶「まあまあ大丈夫です」
鶴瓶「ちょっと反応遅いですよ、もっと速く反応してください」
茶(すぐに)「分かった!」
 
 いつものカトちゃんは誰に何も言われなくてもテンションが高いが、放送を見る限りはこれまでのカトチャンとは少し違う。笑うのだが表情は少し硬く、言葉も流ちょうに出ていないように感じる。
 
 もしも、カトチャンが少々患っていたとしたら。誰しも年齢を重ねるし、病気がちになることもある。高齢化社会の現在進行形であるから、誰にでもカトチャンのような状況が起こりうるのである。
 
 鶴瓶とカトチャンが訪問したところの人たち、つまり一般の人たちがとても盛り上げていた。鶴瓶も現場で大いに盛り上げており、見ていて楽しかった。
 
 つまり、自分が少々患うことがあったとしても、周囲の人たちが温かく見守ることで、決して悲観的にならなくてもよいのではないかという希望である。
 
 医療は日進月歩。日本は長寿大国になったのだから、長寿の人たちが安心できるような新薬の開発に期待したい。年をとっても過去を振り返らずに、明日でも来週でも1年後でも未来を語ろう。
 
 来週も「鶴瓶の家族に乾杯」はカトチャンとの旅の後編が放送される。番組のナレーターは久米明さんで、なんと90歳。カトチャン、まだまだテレビに出てください。こういう旅番組も、とってもいいですね!
 
 
 
 
 
※ 冒頭医療解説参考:認知症(痴呆) 一宮洋介著 日本医学館
 
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「笑っていいとも!」最終回 タモリさんの卒業

 お昼にやっているのが当たり前の番組になると、時々見なくなってしまうこともある。それでもたまにチャンネルを合わせるとお馴染みの司会者がテレビのスクリーンに登場する。
 
 「スクリーン」と書いたが、テレビと言えば「ブラウン管」が当たり前だった昭和57年という時代に始まった番組。当初は司会者であるタモリさんが「いいとも青年隊」と一緒に「ウキウキWatching」を歌っていたが、「司会者がいきなり歌い出すのはおかしい」という声が上がったことから歌わなくなった。
 
 かつてテレホンショッキングで「次のお友達」に電話をかけていた「ブッチャー小林」こと、小林豊氏(現:フジテレビジョン取締役)が雑誌で語っていたことがある。当時、「視聴率100%男」と呼ばれていた萩本欽一とタモリがタッグを組んだら面白い番組になるだろうね、という内容だ。
 
 しかし、2人が共演することはなかった。2人とも「お笑い」という括りではあるものの、その方向性が異なる。そのため同じステージに立つことはなかったが、2月に「テレホンショッキング」で萩本欽一がゲスト出演してビッグネーム2人が並んだ。
 
 
 そんな「森田和義アワー 笑っていいとも!」が最終回を迎えた。
 
 最終回の平成26年3月31日のオープニングはタモリが牧師に扮して登場。「今朝は涙が出まして・・・・花粉が凄くて」と言って会場を沸かせた。
 
 「いいとも最終回、いってもいいかな?」「いいとも!!」
 
 その後に通常のオープニングに切り替わり、横で踊る「Noon Boys」の2人が当初踊っていた「バック転バージョン」でタモリを迎えた。かつては歌っていた「ウキウキWatching」を久しぶりにタモリが歌った。
 
 その後、月曜のレギュラーメンバーが登場。次々とメンバー紹介が行われる中で、HKT48の指原莉乃が目を押さえて泣き出した。周りから「早いよ〜」といわれる。「もう、タモリさんが歌うの聞けないのかと思ったら」というと、タモリが「俺の歌唱力凄かったろ」と返した。
 
 三村が「慎吾君、何かしゃべってよ」とふると、「慎吾ちゃーん」という歓声の中で、香取慎吾は「いやもう、どうにか今まで通りにしてるんですよ」といっておどけた。渡辺直美はいいとも少女隊として登場していたときの写真が公開された。タモリは第一回の時の写真が出されて、「出すな、だから嫌なんだよこういうのは」と言って会場を沸かせた。
 
 テレホンショッキングにはビートたけしが登場。「表彰状」としてタモリを讃える。「ちなみにこの表彰状はゴーストライターが書いたものであります」と始め、最後まで会場を沸かせた。たけしが「では明日の友達を紹介します」というと、電話に出たのは明石家さんまだった。
 
 その後、「笑っていいとも」とタモリさんに対するギネス認定式があり、番組当初から関わっていたスタッフが登場。32年間ともに歩んできたカメラマンの「サイトウさん」の目にも光るものがあった。
 
 最後にタモリさんは、「32年間ありがとうございました」と客席に頭を下げた。そして「明日もまた見てくれるかな?」と言い、会場が「いいとも!」と応えてクラッカーと紙吹雪が舞う中のフィナーレとなった。
 
 その夜に行われた「笑っていいとも!グランドフィナーレ」では、歴代のお笑いレギュラー陣であった、ダウンタウン、爆笑問題、とんねるず、明石家さんま、ナインティナイン、ウッチャンナンチャンが登場した。ダウンタウンととんねるずが並んだ絵を見たのは初めてだ。
 
 欽ちゃん同様、上記のお笑いコンビが同時に番組をやるのは難しいと感じた。ただ、そうしたメンバーを束ねることができたのも、タモリの力である。
 
 その後、現役のレギュラーメンバー全員によるタモリに対する「感謝のスピーチ」が行われた。メイクをぐちゃぐちゃにして泣いてしまった柳原可奈子、”元ヤン”なのにタモリに褒めてもらって嬉しくて泣いてしまった木下優樹菜。そして”敬語を知らない”まま泣いてしまったローラのスピーチは本当によかった。
 
 最後にタモリさんのスピーチがあり、「皆さんのおかげでここまで来ることができました。当時は不遜で生意気で。視聴者のみなさんのおかげで何となくタレントとして形をなした。32年間本当にありがとうございました。お世話になりました」などと言ってコメントをしめた。
 
 
 笑っていいともはいつでも見られるのが当然だと思っていたので、それが最終回を迎えてしまったことには大いなる悲しみが残る。青春時代を共に過ごしてきた番組であった。
 
 タモリさんには、燃え尽き症候群にならないように気をつけていただきたいと思う。タモリさんだけではない。この春、卒業を迎えたかた、長い勤めを終えたかたは全国にたくさんいらっしゃったことだろう。お疲れ様でした。
 
 東京・新宿の空はよく晴れた天気となった。タモリさんが着ていたスーツの色が街中でたくさん開花し、見ることができた。これからはちょっと寂しいお昼になるかもしれないが、それでもきっと、
 
 
 
きっと明日は、
いいとも♪
いいとも♪
いい Tomorrow ♪
 
 
 
 
 
 
 
 
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笑っていいとも!火曜&水曜最終回

 「笑っていいとも!」最初の最終曜日である火曜日(25日)の放送があった。この日は、通常のテレホンショッキングにDreams Come Trueの2人が出演。その後、レギュラーメンバーが1人ずつタモリとテレホンショッキングでトークをする展開となった。
 
 まずはバナナマンの設楽充。「遅刻レギュラー」として、必ずオープニングには登場しない理由を説明。前の番組出演地である東京・お台場(港区)からスタジオアルタ(新宿区)まで移動するので、どうしても遅れるのだという。地域によっては、前の番組が放送されずに笑っていいともは放送されるので、「なぜあいつはいつも遅刻するのだ」と言われるそうだ。最後に「人生の教訓になる一筆を」をタモリに依頼。タモリは色紙に何故か平仮名の「い」の字だけを書いて会場を沸かせた。
 
 2番手はバナナマンの日村勇紀。先週インフルエンザで休んだことを”いじられた”あと、「タモリさんにやってもらいたいこと」として、「テレホンショッキングあるある」として、タモリが番組でよく言うセリフを言って欲しいと懇願。「髪切った」と「これ貼っておいて」を言ってもらい満足していた。
 
 3番目はローラ。登場するや、「久しぶりだね」。「タモタモさんは、帽子が似合うって誰かが言ってたから、帽子買ってきたの」と言って、タモリにプレゼント。そして自分用の帽子も披露。タモリとお揃いだった。
 
 4番目は、さまぁ~ずの大竹一樹。「僕も最後なんで、タモリさんと普段撮らないような写真」を撮影。お互いの顔を両手で持った写真を撮影。さらに互いにおんぶをしあった所を撮影してもらっていた。
 
 5番目は、ハライチの澤部佑。名前の由来について、「親が北天佑のファンであり、大きな人に育ちなさいという理由で付けてもらった」と説明。タモリへのお願いとして、「今度子供が生まれる。タモさんに子供の名前を付けてもらいたい」とし、色紙にタモリが書いたのは、「い」。「澤部い、じゃだめですって!」と絶叫したところでCMとなった。
 
 最後は中居正広。「なんか照れくさいですね」。「みんながプレゼント持ってきていたので僕からも」というと、ポケットから取り出したのは「二千円」。「これで好きなものでも食べてください」と言って会場を沸かせた。自宅からビデオカメラを持ってきた中居は、「くじけそうになったときのビデオレターを撮りたい」として、BGMを用意して撮影。タモリは「中居、がんばれ」、その後ににっこりと微笑んで「何とかなるって」と言った。
 
 番組の最後は、火曜日のメンバー全員で記念写真を撮影。紙吹雪の舞う中の撮影となった。タモリがレギュラーメンバーに「ありがとうございました」と礼をし、会場にも「火曜日の皆さん、ありがとうございました」と一礼して終了した。
 
 水曜メンバーは栗原類以外は芸人さんということで、全員がネタを披露することとなった。
 
 トップバッターは栗原類。なんと、江頭2:50に扮してパフォーマンス。2番手のパンサー以降は全員コントや漫才を披露した。3番目はウエストランド。4番目はアルコ&ピース。5番目は柳原可奈子。6番目はタカアンドトシ。そして7番目には、タモリと爆笑問題の太田光が漫才をした。最後に漫才の途中で時間切れでCMに入ってしまった。
 
 最後の週ということで、通常のレギュラー企画は一切排除されたラストいいとも。こういうのもいいですね。
 
 
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笑っていいとも! 安倍首相登場

 
 「笑っていいとも!」も残すところ6回となった21日春分の日、「テレホンショッキング」に第96代内閣総理大臣、安倍晋三首相が登場した。スタジオアルタ周辺は警備に当たる制服私服の警察官が多数配置され、スタジオアルタ内にもSPが常駐する中で行われた。
 
 タモリが「安倍晋三首相です」というと、ネームプレートを持った安倍首相が登場。会場からは「お〜」というどよめきが起きる。
 
 マイナス思考は良くない、という話になり、首相が「例えば(後ろに寄せられている)この花も、誰々さんが贈ってくれたのかありがとう、と思えばいいが、見方を変えると、何だ、あの人からは来てないじゃないかとも言える。だから、贈ってくれてありがとうというところでとめておくのが大事」というと、タモリと会場からは笑い声が上がった。
 
 時の首相がバラエティに出演することに批判の声も上がる。「何故この時期に」というが、どの時期に出演しても批判の声は出る。バラエティである「笑っていいとも」は長寿番組であり、終了も決まっていることから、日程調整をして出演したに違いない。バラエティであるから気張ることなく見れば良いが、何でもかんでも批判するのは、こちらが疲れてしまう。
 
 それにしてもタモリという人は誰が来ても臆することなく話のできる人である。それゆえに現役の首相も政治の話から離れて公の場にいることができたし、そういう首相を見ることができたのである。
 
 この日は首相が来る前に、一般参加者を募って”有名人のそっくりさんコンテスト”があった。朝から180人がアルタに列をなしたという。首相が来ると分かっている日に大勢の人の出入りをさせたのは、番組スタッフや警備関係者の苦労があったに違いない。
 
 
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相棒シーズン12 最終回「プロテクト」守りたいもの

 
 12年目の「相棒」第1話はファンにとって衝撃であったに違いない。本作の黎明期から「捜査一課」の1人として重要な立ち位置にいた三浦刑事(大谷亮介)が警視庁から去ることになった。
 
 捜査対象者である男を追跡していた三浦だったが、相手の反撃に遭い左脚をナイフで刺されて負傷した。その結果、杖なしでは歩けなくなってしまった。中園参事官(小野了)が「内勤で慰留」したが、三浦は辞職した。
 1話の後半では、三浦を見舞った伊丹刑事(川原和久)が廊下で嗚咽を抑えて嘆くシーンがあり、その後に三浦が病室で見せる切ない表情が印象的であった。
  
 シーズン12の最終回では、警視庁幹部に刺殺された、小野田公顕(岸部一徳)の残した疑惑が浮上することになる。特命係の杉下警部(水谷豊)と甲斐亨(成宮寛貴)の捜査が始まる。
 
 この最終回では、特命係が捜していた人物が別の名前で存在していることが分かる。さらに小野田公顕の名前の読み方が実は違うことが明らかになる。
 
 昨今、人の名前がないがしろになっているような気がする。あだ名やハンドルネームが気軽なぶん、本名が忘れられてしまうことがある。名前とはそんなに魅力のないものなのか。
 
 「次長、と言えば良いものを、『あなた』と言って距離を置く」と甲斐峯秋(石坂浩二)が息子の甲斐亨に向かって吐き捨てる。
 
 書類上存在する名前というのは、記号であり記録でしかない。人は、名前と人格が”相棒”となることで初めて社会に認知されるのである。罪を犯すものは、黙っていても愚かな行為をし続ける。名前も人格も放棄していく人生に負い目はないのだろうか。
 
 「相棒」のシリーズ12は最終回を迎えた。安定した視聴率を誇るこのドラマ。杉下の徹底した法令に則る姿勢が正義を支える。対する甲斐は、法令にも則っているが、時に感情が爆発することもある。この世の中は”相棒”の登場人物であふれている。特命の2人のような者、伊丹や芹沢(山中崇史)のような者、甲斐次長のような者、月本幸子(鈴木杏樹)のような者、笛吹悦子(真飛聖)のような者、そして顔は知っているけれど、名前の知らない人たちである。
 
 杉下の言った、「叶うのであれば聞いてみたいですね。どう反論するのか」であるが、たぶん返ってくる答えは、「お前は変わらないな」ではないだろうか。いつの時でも、守りたいものは自分自身と相手の人格である。名前というのは人格についている親心なのである。
 
 
 
★ 水谷豊(プロフィール・Yahoo!検索)
★ 成宮寛貴(TOP COAT)
★ 鈴木杏樹(JAPAN MUSIC ENTERTAINMENT)
★ 真飛聖(ワタナベエンターテイメント)
 
★ 川原和久(劇団ショーマ)
★ 大谷亮介(FATHER’S CORPORATION)
★ 山中崇史(劇団扉座)
★ 六角精児(劇団扉座)
★ 山西惇(株式会社キューブ)
 
★ 神保悟志オフィシャルサイト
★ 片桐竜次(ブログ)
★ 小野了(有限会社活動屋)
 
★ 相棒Twelve 12(テレビ朝日)
 
 

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「相棒」にみるドラマの表現

 ネットで検索すれば「放送中止」になった番組がたくさん出てくる。興味のあるかたは検索をして戴きたい。
 
 ドラマとはいえ、作り手のモラルが問われることがある。刑事ドラマの「相棒」のシリーズ3の第7話「夢を喰う女」では、「相棒」の二人(杉下・亀山)が図書館司書から利用者の貸し出し履歴情報を見せてもらうシーンがある。これに日本図書館協会から抗議があった。個人情報を令状なしに刑事に見せることはない、ということだ。このためこの話は欠番となり、再放送もされずDVDにも収録されていないという。(参考:Wikipedia「相棒」)
 
 次に、抗議があったわけではないが、犯罪になりそうな事を咎めるシーンは作り手の慎重さを感じる。以下はすべて「相棒」の話である。
 
・ 制服警察官が道ばたの花をちぎって、人が倒れていた状況を再現したが、花をちぎる行為に対して杉下が、「おやおや、いけませんねぇ」という。
 
・ 聞き込みをしていた杉下に、町内の人が「刑事さん、こっちですよ!」と自転車の後ろに乗せようとする。杉下は後ろに乗ろうとするが、「ああ、二人乗りはいけません」と言って歩き出す。
 
・ 小野田公顕(岸部一徳)の孫の男児が「おしっこしたい」というので公園の雑木林へ連れて行く。そこで立ち小便をさせる際、「じいじ、(警視監という)立場上まずんだよな。でも、今回は緊急避難ということで」と独り言を言う。
 
・ 賭将棋士に事情を聞いていた相棒の二人。その男が対戦相手から勝って得た金を取って立ち去る。賭博の現行犯ということになり、亀山が「ちょっと、おいおい」と言うが、杉下が亀山を抑える。男に対しては別の事件の聴取で来ていたので、それ以外の追求はしたくないためである。
 
 テレビというのは基本的にスイッチを入れれば無料で見ることのできるものだ。それゆえに、その影響力は大きい。ドラマが基本的にフィクションであるとはいえ、作り手が内容に現実性の付与にこだわるように、視聴者もその話の中に没頭することになる。つまり、感情移入する。それゆえに、作り手側には見る側に対しての背信行為がないように留意すべきである。
 
 「相棒」のある話の最後で犯人が杉下・亀山に対して犯行を告白するシーンがある。通常であればそこで任意同行ということになるが、亀山が「右京さん、自首にしませんか?自首でいいでしょ?」とお願いする。杉下は言う。「いつも君がそばにいてくれて助かります。僕には、君のようなしなやかさが欠けています」。
 
 実際の警察が逃走するかもしれない犯人を目前にし、自首をさせるということは無いに違いない。しかしきっと、この場面では制作者側が視聴者の感情移入に助け船を出し、感情を共有することにしたことだろう。「半沢直樹」がそうであったように、真摯に制作すれば番組というのは素直に受け入れられる余地がたくさん有る。作り手にも受け手にも「しなやかさ」が必要だ。
 
 

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