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昔話を知っている子どもたち

 小学生の時に昔話についてクラスで研究していたことがある。その中で興味を持ったのは、話の最後に付く言葉だった。「しゃんしゃん」、「とっぴんばらりのぶう」、「えつこまんま」など、それ自体は意味のない言葉のようで、「おしまい」に代わる言葉だった。当時はその言葉を探すにしても、昔話を片っ端からあさるほか手段はなかった。今ならネットで簡単に検索できることだろう。
 驚いた。桃太郎の鬼退治にお供するのはイヌ、サル、おばあさん —————— 筑波大学大学院の徳田克己教授(子供支援学)らのグループが行った調査で、有名な童話や昔話を子供たちが正確に理解していないことが分かった。桃太郎が腰につけたものについては、平成2年の調査では3歳児の76%、5〜6歳児の91%が「きびだんご」と答えたが、今回の調査ではそれぞれ22%、51%と低下。中にはパン、ケーキ、シチューという誤答もあったという。
 徳田教授は「親も物語をよく知らなくなってきている。日本の昔話には年よりをいたわる、うそをつかないなどの道徳が自然に身につくものが多く、大切にして欲しい」と話す。
 
 かつて小学校には道徳の時間があり、テレビで物語を見せられた。よい役と悪い役が出てきて繰り広げられるお話。「大きくなる子」のような人形劇もあれば、人が出てくる教室が舞台のドラマもあった。何がよくて、何が悪いか分からないから、こうしたお話を見たり聞いたりする価値がある。
 
 

 「沖縄戦」の戦没者名が刻まれた沖縄県糸満市の「平和の礎(いしじ)」ができて10年。今年ようやく兄と妹の名前を刻んだ真栄城ヒデ子さん(67)の取材で、小学校の同級生、玉城トミ子さん(67)に会った。
 
 玉城さんは真栄城さんにきょうだいがいたとは知らなかった。戦後、戦災で校舎がなくなった小学校の「青空学校」で、人懐こい笑顔が魅力的だった。「当時、私は亡くなった姉の話を彼女にしたが、彼女は胸の内にしまっていたのね。つらかったでしょう」
 
 玉城さんもつらい日々を過ごした。米兵に撃たれ、左手首を吹き飛ばされた。病院で看護師が「必ず生えてくる」と慰めた言葉を信じたが、ウソだとわかり、絶望した。義手をつけ、妻を亡くした兄の子4人の母代わりとして生きた。そんな話を真栄城さんにしたことはない。
 
 最近、封じてきた過去を聞いてほしい気がして、真栄城さんに「今度の同窓会で昔話しようね」と電話した。戦後60年の沖縄、広島、長崎、そして終戦と巡り来るその日に、ようやく過去を振り返る人たちがいる。(容)
(2005年7月2日 読売新聞・大阪夕刊より)

 
 
 子供に対してする昔話は、良いことか悪いことかを考えさせるためであり、大人にとっての昔話は良いことだったか悪いことだったかを検証するためである。話し手がいるのは当然ながら聞き手がいるからである。「いる」という言葉を単に「居る」とするか、「要る」とするか。それが分かるのは、語り部が真剣に話していることを聞き手も真摯に受け取ったときである。
 
 「けりをつける」という言い方は、和歌などに出てくるの助動詞「けり」を最後につけることから、「終わらせる」「済ませる」という意味がある。沖縄・普天間基地移設問題では政府の迷走が続いており、けりをつけられそうもない。このままだと、政権与党の汚点ばかりが後世に伝えられて、”しゃんしゃん”という事態になりかねない。政党の汚点ならよいが、政治というのは、国民ひとりひとりの歴史を悲しいものにしてはならない。これだけは、けりをつけなくてはいけない問題である。
 
 
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★ 普天間の県外・国外移設求め9万人大会 知事「公約通りの解決を」(産経新聞・10/4/25)
★ 「もう限界」政府に怒りの声 沖縄県民大会(読売新聞・10/4/26)
★ 普天間問題:「なぜ基地押しつける」 会場に怒りの声次々(毎日新聞・10/4/25)
★ 「危険性除去と負担軽減を」仲井真・沖縄県知事あいさつ(朝日新聞・10/4/25)
★ 「桃太郎のお供は?」「アンパンマン!」昔話知らない子供たち(産経新聞・10/4/24)
★ まんが日本昔ばなしの人気(本ブログ・08/1/12)
 
 

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10歳の男の子が漢検1級に合格 相模原

 日本漢字能力検定協会の1級試験に、相模原市南区の5年生の男の子(10)が最年少タイ記録で合格した。1級は日常生活でも出てこないような難解な漢字を扱うので、合格率は3〜4%ほどだという難関だ。
 
 男の子は幼少期から漢字や記号に興味を持った。それに気付いた母親が積極的に協力して男の子の才能を開花させたという。男の子は「将来は漢字の楽しさを教えたい」と語っているとか。子どもの成長を楽しみ、それを応援する親子関係というのは素晴らしいと思う。
 
 こういうニュースを聞くと、自分も小さいときに頑張っておけばよかったと悔やむことがあった。でも最近は少し考え方が変わった。もし過去に行けるようなことがあれば、そこから人生をやり直すのではなく、陰からこっそりエールを送りたいと思う。顔を真っ赤にして、悪戦苦闘している過去の自分に。
  
 
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小学生兄弟が3日朝から行方不明、無事保護 兵庫県警(2010.4.10)

 兵庫県宝塚市内で、小学生の兄弟が3日朝から行方不明になっており、兵庫県警宝塚署は顔写真などを公表し、公開捜査を始めていたが、同県尼崎市内にいたところを無事保護された。
 
 行方が分からなくなっていたのは、同市内の男性(37)の長男で市立小学校6年生の長男(11)と次男の5年生(10)。2人は3日午前9時ごろ自宅から歩いて出かけたが、その後行方が分からなくなっており、父親の渡さんが5日に同署に捜索願を出していた。
 
 10日午前、尼崎市内で、「似た子どもがいる」との通報を受け、警察官が2人を無事に保護した。県警では詳しい状況などを調べている。
 
 新学期が始まる前の出来事だ。所持金が1500円ほどだったといい、遠くに行くにも行けそうにない。男の子というのは往々にして放浪癖というのがある。突然に冒険心がわき出ることがあるのだ。春休みの土曜日に、自らの意思でどこかに出かけたのかもしれない。いずれにせよ、無事で何より。
  
 
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★ 小学生兄弟が行方不明 宝塚署が公開捜査(神戸新聞・10/4/10)
★ 子どもハザードマップ(兵庫県警察本部)
 
 

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懐かしい再放送「がんばれ!ロボコン」

 小学生のころ、都内に住んでいた漫画家の石ノ森章太郎さん宅にお邪魔したことがある。グループ研究の類で、5人ほど集まって石ノ森先生にお話を聞きに行った。自宅前には等身大の仮面ライダーの模型があった。さすがに”アポなし”での取材は迷惑だったようだが、「明日ならいいよ」と応じてくださった。それにしても、どうやって住所を調べたのだろう。
 
 そんな石ノ森章太郎作品で代表的なものの1つが「がんばれ!ロボコン」である。実写の子供番組としては異例の118話まで続き、現在もその記録は破られていない。長いことビデオやDVDでの販売はなかったが、昨年からCSで再放送、同時にDVDも段階的に販売されている。
  
 「ロボコン」は東京・練馬区に東映大泉撮影所があることから、主に練馬区西部とその周辺で撮影されていた。そのため都立石神井(しゃくじい)公園も頻繁に出てくる。実際に住宅街の交差点で映った「飛び出し注意」の立て看板には、実在する「石神井警察署」と記されている。
 
 また、由利徹演じる「町田巡査」が勤務している交番を見ると「警視庁石神井警察署・高野台派出所」と、実在する町名が表示されていた。この交番は本物ではないか、そう思ったので調べてみた。現在の管轄である、光が丘警察署のホームページが少し変わっていた。交番の紹介はどの署のホームページでも確認できるが、ここだけは珍しく交番の歴史が紹介されている。奇跡的にも、昭和44年に新築されたという当時の派出所の写真が載っていた。今ではあり得ないが、これを見て”本物の交番”を撮影に使っていたことを確信した。現在は移転して、「警視庁光が丘警察署・練馬高野台駅前交番」となっている。
 
 ロボコンは「A級ロボット」を目指すために、人間社会に奉仕しようとロボット本部からやってくる。100件目の訪問先である「大山家」でようやく居候をさせてもらうことができる。ゴキブリを見るとパニックを起こして家中を破壊してしまうが、どんなことにもめげずに「ロボ根性」で困難に立ち向かう。しかしロボット学校に戻っても、ガンツ先生の採点はいつも「ロボコン0点!」である。そんなときには両手を頭で抱えて「ウララ~」と嘆くのがお決まりである。
 
 ある日、大山家の長女「みどりちゃん」(ロボコンは舌足らずなので「どりちゃん」と呼ぶ)が、「ロボットなんて大嫌い!ロボコン、近寄らないで」という。さらに「ロボコンは(鉄でできているので)冷たいでしょ。温かい血が流れていないからよ」と言う。怒ったロボコンは「確かにおいらは鉄でできているが、誰にも負けないロボ根性と熱いハートがあるのだ!」と、頭から煙を出して言う。この回では、どりちゃんに好かれるべく、「ウララ〜」と失敗しながらも、ロボコンの奮闘が見られることになる。
 
 人情味のあるロボコンはこの他にも、仲間のロボットを救うために体内の大切な部品を渡してフラフラになったり、仲間の代わりにダイナマイトで木っ端みじんになるなどさんざんな目に遭う。ロボコンは最終回を迎えるまでに、何度か100点を採ることがあるにはあるのだが・・・・。
 
 かつてソニーがAIBOを発売した際、海外では「そのロボットは何かに役立つのか」という反応があった。日本人はAIBOをペットの替わりとしていたが、ロボットに対する欧米との考え方の違いを垣間見た。最近では表情豊かな女性ロボットも出現し、また、人の介助に適したロボットも実用化に向けて開発されつつある。
 
 ロボットは確実に進化をしているが、人間は進化しているだろうか。紛争が絶えることなく、欲に群がる人間の意識は全く変わっておらずに歴史は繰り返されるだけである。正確に言うと、人間はわずかながらに進歩しているのだが、大きな進歩を完遂する前に死んでしまうのである。それを分かっている者は、命を冒涜するようなことはしないであろうし、自らを粉にして現実と闘うことだろう。
 
 時代は変わっても、時の流れは変わらない。「ロボコン」の話の最後に、子供たちが「ロボコン、おうちへ帰ろう」と、ロボコンの手を引いて帰るシーンがある。それは夕焼けのきれいな、昭和の一コマである。
 
 
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★ ロボットと人間(本ブログ・07/12/11)
★ がんばれ!!ロボコン (石森プロオフィシャルウエブサイト)
★ 警視庁光が丘警察署
★ 人間型ロボットがモデルデビュー(産経新聞・09/3/23)
 
 

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”トリッキーライター”の普及を 後を絶たないライターによる子どもの死

 100円ライター起因の火災で子どもが犠牲になる事故が後を絶たない。北海道厚沢部(あっさぶ)町で駐車中の乗用車内で火災が発生、4人の子どもが焼死した火災で、北海道警江差署は、後部座席が出火元の可能性が高いと判断した。父親は「車内は紙くずなどが散乱していた」「ライターが置いてあったかもしれない」などと話していることから、車内にいた子どもがライターをいじっていて何かに引火した可能性が高い。
 
 姪が母親と大きな交差点を横断中に転んだ。まだ小さい姪に曲がってきたワンボックスの車は気付かずに姪の頭の近くまで来た。幸い、近くで見ていた人が「ストップ、ストップ!」とワンボックスの運転手に声をかけて事なきを得た。
 
 実家のマンションに行ったとき、姪の姿が見えなくなった。母親である妹は姪の名前を呼ぶが見あたらない。窓が開いており、顔面蒼白になって下を見るがいなかった。しかし姪は意外なところにいた。最初に呼んだはずの部屋の隅にちょこんと座っており、こちらを不思議そうに見ていた。妹は「もう!ママが呼んだら、ちゃんとお返事して!」
 
 専門家は「常に危機意識を持って」と忠告する。親御さんは大変だが、子どもはどんな行動を取るか予想できないこともある。何でも口にしてしまうこともあり、小さいものは子どもの手の届かないところにおいた方がよいだろう。
 
 100円ライターによる火災が増えていることを受けて、経産省がライターに安全規制を設ける方針を打ち出した。これに呼応したメーカー「東海」(静岡県小山町)では130円で、ちょっと”トリッキー”なライターを販売している。ストッパーを添加口方向に押しながら、着火レバーを下げると点火する。子どもは指先で二つの動作を同時にするのが苦手なので、事故防止に役立つという。
 
 こうしたライターの普及も望ましいが、子どもを危険に近づけないような環境を自宅内外で作ることが最善の方法だ。
 
 
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★ 北海道厚沢部の車両火災:子供乗る後部シート付近で出火か(毎日新聞・10/4/3)
★ ワゴン車炎上 子供だけ 相次ぐ悲劇 専門家「常に危機感持って」(産経新聞・10/4/4)
★ 子供の火遊び防止ライター 20円値下げし再販売(朝日新聞・10/3/17)
 
 

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「足利事件」再審公判で菅谷さんに無罪判決 裁判所が謝罪 宇都宮地裁

 
 90年に4歳の女の子が殺害された「足利事件」で犯人とされて無期懲役が確定、証拠であったDNA鑑定に疑問があることが分かり、昨年6月に釈放された菅谷利和さん(63)の再審判決公判が26日、宇都宮地裁であった。佐藤正信裁判長は「旧DNA型鑑定に証拠能力はなく、自白も信用性が無く、虚偽であることは明らか。菅谷さんが犯人でないことは誰の目から見ても明らか」として無罪を言い渡した。
 
 判決朗読後に佐藤裁判長は「菅谷さんの真実の声に耳を傾けられず、17年半もの長きにわたり自由を奪うことになったことは誠に申し訳なく思います」と謝罪、3人の裁判官が起立して頭を下げた。これらの裁判官の言動は異例のことだ。菅谷さんは「裁判所が謝ってくれたので、今日の天気のように気持ちが晴れました」と語った。
 
 鹿児島の選挙違反事件、富山の強姦事件に続いて、冤罪の恐ろしさを知ることとなった。冤罪事件に見られるのが自白偏重の取り調べだ。密室での取り調べでやっていないことを「やった」と言ってしまう心理状態は理解できる。これまでにも発生したことを防げなかったことが残念である。
 
 冤罪は司法職員が一番起こしてはならない大失態である。菅谷さんの人生は時間を奪われただけでなく、犯人という濡れ衣まで着せられた。親の死に目にも会うことができなかった。もし菅谷さんが服役中に病死でもしていたら、もはや取り返しのつかない”冤罪による死刑”と同じことになるところだった。
 
 そして殺害された女児の遺族の方が一番聞きたくなかったことであろう。犯人逮捕で心の整理が着いたはずなのに、18年も立ってから「犯人じゃなかった」と言われて心の悲しみをどうすればよいのだろう。
 
 足利市周辺では当時、女児4人が相次いで殺害され、今回の件も含めてすべて犯人が捕まらないまま公訴時効を迎えている。もはや、幼い子を手にかけた犯人にたどり着くことは不可能であり、犯人が野放しの状態になっているのである。
 
 覚えている映像がある。「足利事件」を捜査していた栃木県警足利署の刑事が、遺体発見現場の河川敷で雨の中、手を合わせて犯人逮捕を誓っている画である。あの時に、きちんとした物証や犯人しか知り得ない秘密の暴露を押さえておけば、菅谷さんの自由を奪うことはせずに済んだ。
 
 当時、取り調べを担当した刑事や検察官は菅谷さんに謝罪をしていない。捜査機関の持ってきた証拠や証言に不備があったとして裁判所が謝罪したのだから、警察と検察も同じことをしなければ今後も司法の足並みがそろわずに冤罪を生むだけだ。菅谷さんが収監されていた苦しみに比べれば、頭を下げる行為など大したことはないではないか。冤罪を前にすると、捜査機関というのは全くの無力である。
 
 
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★ 足利事件:菅谷さん無罪 裁判長が謝罪 宇都宮地裁(毎日新聞・10/3/26)
★ 30年前の女児殺害、異例のDNA再鑑定へ 栃木県警(本ブログ・09/9/22) 
 
 

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母親への人的なケアを 乳児揺さぶり殺人にみる

 
 大阪府堺市で生後2ヶ月の長女を揺さぶった結果殺害したとして、殺人容疑で逮捕された母親(24)の逮捕に、母親を知る女性は、マタニティ教室で一緒だった母親と事件との落差に驚いたという。母親は長女を殺害する前に、堺市の保健センターを訪れ、「娘をたたいてしまう」「可愛いと思えない」などと”窮状”を訴えていた。堺市は話を聞いてはいたが、具体的な策を講じることはできなかった。
 
 子どものいる知人によれば、例えば週に3回、1日4時間程度、家事などを手伝ってくれる人がいると助かるという。実際に知人の住む自治体では、1回2時間で掃除や洗濯そして買い物などを手伝ってくれるヘルパーさんがいるというが、「それでは足りない」という。知人の場合は近くに両親が住んでいるので何かと頼れる部分が多い。その友人女性も双子を育てており、両方とも泣き出すとノイローゼに近くなり母親に助けを求めるのだという。
 
 誰もが最初は育児の初心者であり、人的な援助がないと母親一人で抱え込むことになり、こうした事案は今後も続くという懸念がある。子ども手当も良いが、知人は「これでは子どもが見殺しにされる例がまだ続くだろう」という。
 
 親が近くにいなくても夫の帰宅が早ければいいが、恵まれた環境に誰もがあるわけではない。殺人容疑で逮捕された母親のような例を出さないためにも、早急に人的支援をする必要がある。乳児の泣き声に悩まされるのか。できれば子どもの笑顔に癒される精神的な余裕を作る必要がある。
 
  
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★ 乳児揺さぶり殺害、孤立した育児「ひとごととは」(読売新聞・10/3/24)
 
 

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二審も懲役30年、小学生に強姦など95件のM被告(2010.3.19)

 広島県内の公立小学校校舎内などで、01年から06年にかけて、教え子の小学生女児に性的暴行や同未遂、強制わいせつなど95件を繰り返していた元教諭、M被告(44)の控訴審判決が広島高裁であった。高裁は18日、一審の広島地裁判決の一部の事実誤認があったとして破棄、改めて一審と同じ懲役30年を言い渡した。元教え子3人や保護者は、被告や県などに約1億1550万円の慰謝料支払いを求めて広島地裁に提訴している。
 
 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
 
 福岡県内の強姦事件認知件数が4年連続全国ワースト1であったが、昨年はそれを返上し、東京がワースト1となった。福岡県警によると、強姦事件の認知件数は05年(143件)、06年(142件)、07年(140件)、08年(122件)であった。これを人口10万人当たりで換算すると、東京や大阪を上回っており、4年連続の汚名をきせられていた。
 
 そのために県警は、強姦、殺人、放火などを担当する捜査1課内に性犯罪特別捜査係を新設し、特別捜査員を集中的に捜査に当たらせた。福岡市や春日市などで連続発生した強盗・強姦事件では合同捜査本部を県警南署に設置し、元内装工の男性被告(25)=1審無期懲役、控訴中=が35件の犯行を繰り返していたことを突き止めた。
 
 さらに09年4月、県警生活安全総務課内に「子供・女性安全対策隊」を設置し、「声かけ」「つきまとい」行為へ警告するなどして84人を検挙している。
 
 強姦罪は親告罪だ。つまり、被害者の訴えがないと公訴ができない。強姦事件が多い一因としてこの親告罪であるがために、被害者が捜査機関への告訴を躊躇している部分もあるだろう。公判でその苦痛を思い出して訴えなくてはならないことは被害者にとってさらなる負担になる。
 
 強姦罪に限らず、親告罪は加害側の罪の意識が少ないところにある。タレントのスマイリーキクチさんのブログで、スマイリーさんに対する誹謗中傷が成された名誉毀損事件は記憶に新しい。ネット上だから、みんなが書いているからと、書き込みをした18人は同罪で検挙された。今後も親告が進む事案であろう。
 
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 M被告の起こした事件で、強姦罪は懲役3年以上の有期刑で、他の罪との併合罪で最高30年という異例の長さとなった。しかし性欲のはけ口を幼い子になした罪は重く、大きい。この事件の態様が、教師が教え子に対するということ、それが校舎内でも行われたということ、さらに長期にわたって多数の被害者を出していること、そうした悪質さを考えると、「元教諭」という肩書きが聞いて呆れる。
 
 公判廷で裁かれるということは、先進国においては最低限の権利が保障されることを意味している。こうした事件を起こす者は、それだけでもありがたいとひざまずかなくてはならない。
 
  
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★ 教え子10人被害、強姦の元教諭に二審も懲役30年(産経新聞・10/3/18)
★ 強姦ワースト1、4年連続の福岡から東京に(読売新聞・10/3/11)
★ 教え子暴行46件、元小学校教諭・M被告に懲役30年の最高刑 広島地裁(本ブログ・09/9/14)
 
 

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