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iPadがもし成功したら、サイトの有料化も加速する?

 今も売っているのかわからないが、ソニーの商品で「airboard」というものが実家にあった。妹が母にインターネットを簡単に楽しんでもらおうと購入した。この製品は、インターネットのほか、メール、テレビを楽しむことができる。充電スタンドからはずせば、無線の届く範囲で家の中を移動ができるので、ちょっと調べ物をしたいときには大変重宝した。メインのテレビを見ながら、airboardで裏番組を同時に見るという使い方もした。専用のペンがついているタッチパネル方式である。
 
 この製品の負の部分としては、バッテリが2時間しかもたない、最初の設定がやけに難しく、ちょっとトラブルになったときは私ではなく、妹にやってもらった。これだとトラブル時に年配の方が使うのは難しい。本体自体の機能は特に問題はない。ちょっとネットで調べ物をしたいときには、起動が早いぶんパソコンよりも有用だ。
 
 さて、今月末にいよいよ日本国内でもiPadが発売される。これに先立ち、NTTドコモが同機用のミニSIMカードを発売することを公表している。iPad購入者を取り込もうという考えだ。
 
 肝心のiPadだが、米国発のレビュー記事を見ると、年配の方にとっては「字が小さい」といい、ソフトウエアも特定の動作で「クラッシュする」ことが確認されている。まだ不安要素が多いが、米国よりも日本国内でiPadがどういう位置づけになるのかが気になるところである。
 
 ファミコンが「マリオブラザーズ」で売り上げを伸ばし、「ドラゴンクエスト」で不動の地位を築いた。ハードを売るためにはソフトの充実が欠かせない。iPadもソフトウエアがどれだけユーザーの心を捉えるかにかかっている。
 
 スマートフォンとネットブックの間に位置するといわれるiPad。ことさら話題となっているのが「電子書籍」ブームに火がつくのではないかということである。現在出版業界を取り巻く状況は厳しく、老舗の雑誌が廃刊、または休刊となっている。日本の新聞社は広告料の関係もあって自ら公にはしていないが、新聞の購読者数も激減していることであろう。米国では多数の夕刊紙が「ネットに殺された」として廃刊になった。
 
 ネットブックもiPadのように持ち運びは楽であるが、開いて→電源入れて→どこかに置いて→通信端末を起動させて→ソフトウエアアイコンをクリックして→使用するという過程をたどる。それに比べるとiPadは電源を入れて、好きなソフトウエアのアイコンをタップすればよく、雑誌や新聞のように物理的なアクセシビリティ(利用しやすさ、近づきやすさ)に極めて近い。見たいときに見ることができるのだ。
 
 現在のところ、日本での電子書籍購読ができるような体制が整っていないようだが、これが成功すれば、低迷している出版業界の起爆剤になりうる。電子辞書がそうであるように、iPadに何冊もの本を持ち歩かせることが可能になる。
 
 現在タダで読めるようになっている新聞社サイトが一部、または全部有料になるであろう。気軽に持ち歩くことができるだけに、優良なコンテンツは課金されることであろうし、アイディア次第では紙の書籍とのコラボも考えられる。iPadもネットブックも、そしてスマートフォンなども我々がほしいのは情報である。文字情報、そして画像や動画である。ほしい情報にどれくらい早くたどり着けるかで、そのハードの存在意義がある。情報を得たら、我々は液晶画面から離れて、実際の人に会ったり場所に行ったり商品を手にするのである。
 
 iPadも失敗すれば、フリスビーとして使われるか、うちわのかわりにされるのが関の山である。5月末の発売がiPodやiPhoneのような革命を起こせるのかが注目される。
 
 
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