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To be or not to be.

 
 物質を構成する最小のものが素粒子と呼ばれるもので、クォークとレプトンがそれであるという。素粒子が結合し陽子・中性子となり、原子核、そこから原子・分子で元素の元となり、物質を構成する。物質は細胞を構成して生物はそこから成り立っている。生物の上には人間がいて、地球、宇宙と続く。
 
 人間は構成されている生物の中で、恐らく中間的なものである。原子ほど小さくなく、地球のように大きくない。しかしこれは、人間含めた生物が存在しているはずである、という前提の上に成り立つ考え方だ。
 「我思う、ゆえに我あり」というが、ときに存在そのものが虚構のものではないかと考えることがある。自分が認識している自分や他人は、もしかすると存在していないのではないか、ということ。存在させられているのではないだろうか。目の前にいる人は見える。見えると認識している。認識していると知覚する。ではどうやって知覚しているのだろう。数の最小単位は涅槃寂静(ねはんじゃくじょう)といい、1のマイナス24乗である。小さいことは難しい。
 むかし、「宇宙は一体どれくらいの広さなんだろう」ということを友人達と話し合ったことがある。物理学にも天文学にも全員が無知であるために、ほとんど漫画的な考察、推測、はたまたアイディアかヒントくらいのものしか出てこない、それは空虚なものだった。数の最大単位は”無限大数”で10の68乗。さらに仏典に登場する最大の数の単位が不可説不可説転(ふかせつふかせつてん)といい、無限大数よりも想像できないくらい大きいことになる。大きいものも難しい。
 ノーベル物理学賞と化学賞を日本人が受賞した。その研究内容をテレビやネットで学んだつもりだったが、さっぱり分からなかった。分かりやすかったのは、米ボストン大名誉教授、下村脩さんの”クラゲ”だった。緑色蛍光タンパク質の光を利用して、他の細胞の動きが分かるというものだ。生命科学の分野の発展が期待され、長年に渡って研究された姿勢に頭が下がる。
 それにしても、人間は元が同じ素粒子であるはずなのに、どうしてこうも違うものなのか憂うとことではある。どこでどう違ってしまうのだろう。
 人間の存在は果たして大きいのか小さいのか。それを先祖から引き継ぎ、子孫に託すことで人間の存在は大きくなっていくのかもしれない。そして、賞が用意されていない功績を残している人たちも無限大数のように多くいるはずである。我々はそれを知覚すべく生きていくだけの存在である。そしてきっと誰かが知覚してくれるに違いない。
  
  
☆ 人間と猿のDNAはたった3%しか違わないの。でも、その3%がアインシュタインやモーツァルトを生んだのよ。(映画「ミッション・トゥ・マーズ」)
 
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★ ノーベル化学賞:下村脩・米ボストン大名誉教授ら3博士に(毎日新聞・08/10/8)
★ ノーベル物理学賞:益川教授ら日本人3氏に授与(毎日新聞・08/10/7)
 
 

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活字媒体は生き残るか

 
 マガジンハウスは、40〜50代向けの雑誌「POPEYE」を12月上旬をめどに創刊する。その名も「POPEYE OilyBoy(ポパイオイリーボーイ)」。大人ではなく「大きな少年」ととらえて、ひと味違ったファッションや音楽、そしてグルメなどを紹介する。
 
 この雑誌の名前は、日本で初めてジーンズをはいたといわれる男性で、実業家の白洲次郎氏のイギリス留学中のニックネームから。大好きな車の整備のために、いつも衣服がオイルまみれになっていたことに由来しているという。
 
 インターネットやテレビの普及で雑誌や新聞の活字媒体が苦境に立たされている。アメリカでは多くのタブロイド紙が廃刊となり、「メディアに殺された」状態になっている。国内の夕刊紙、「日刊ゲンダイ」と「夕刊フジ」の2紙は部数低迷から10円値上げすることになった。人員整理によるキオスク店舗の減少なども原因のようだ。
 
 新聞や雑誌が苦戦しているが、テレビも広告費が削られて苦戦している。バラエティにそっぽを向かれた形となり、秋の再編ではドキュメンタリーなどの新番組をぶつけ、新たな視聴者の開拓に臨む。
 
 広告費がネットに流れているという状況は、ある意味において時代の流れをくむ形とも言えるが、一方で危険もはらんでいる。民放がスポンサーや大手プロダクションを気にして、関連する報道を控える傾向にあるのと同様に、ネットが広告費のみで運営されている現状は脆弱な部分でもある。
 
 無料で情報を探すことのできるネットは便利であるが、広告費のみで運営されれば当然、テレビのようにスポンサーが関連した不祥事などは伝えづらくなる。これは極めて危険な傾向だと言える。
 
 読売新聞サイト内にある「発言小町」が女性に人気だ。1人が質問を投げかけて、それに対して誰かがそれに応えたり、共感したり、反論したりするものである。他の掲示板などと違うところは、編集部のチェックがあることだ。不必要な誹謗中傷などは排除されるので、質問をするほうも読むだけの人も安心できる。
 
 発言小町は携帯版では月額105円を徴収している。このほか読売新聞のみならず、他の新聞社も有料会員向けの情報提供サービスをしている。紙面とネットという狭間にあり、力配分に気を使うところであるが、徐々に有料サービスは増えていくのかもしれない。または、タイトルだけは見ることができても、本文を読むには有料という道も可能性としてはある。
 
 そもそも何でもただで手に入るという風潮がおかしいと思うことがある。気軽にファイル交換などが行われているが、新聞記事も小説も音楽も全て無料状態でネット上に散らばれば、それを創作する人たちが育たなくなるのは至極当然である。
 
 消費者の財布のひもが固くなったこともあり、苦戦しているのはマスメディアだけではないが、家族揃ってテレビを見る時代はとっくに過ぎており、そうした分散した家族にどうやって情報提供していくかが、活字メディアの生き残りにつながるであろう。
 
  
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★ オヤジ版「ポパイ」年内めどに創刊 雑誌不況に挑戦(産経新聞・08/10/7)
★ 大手2紙が値上げ! 夕刊紙にも活字不況の波(日刊サイゾー)
★ 【eye】雑誌不況 底なし ネット台頭、紙代も高騰 (産経新聞・08/9/24)
 
 

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緒形拳さん、逝く

 俳優の緒形拳さんが亡くなった。71歳だった。
 先月30日にはフジテレビのドラマ「風のガーデン」の製作発表に出席していた。ご本人のブログは9月30日までほぼ毎日更新され、「連続ドラマ『風のガーデン』全て撮影が終了しました。是非是非ご覧下さい」などと記されていた。
 以下は、緒形さんのブログに寄せられたコメントの一部です。
 

  
急すぎます・・・
まだ信じられない自分がいます・・・
遺作にするにはまだまだ早いでしょう・・・
突然の訃報と聞きショックです…
 
こんなサプライズは聞きたくありませんでした…
 
信じられません・・・・・
また好きな俳優さんがこの世を去ってしまったんですね。
 
全然信じられません・・もう二度と見れないんですか?そんなの・・・たえられません・・・
大好きです大好きです大好きです・・・・
 
最初ネタだと思っていた自分を殴りたい
 
訃報に接し、残念で残念で堪りません。
いい役者さんだったと思います。
勝手に親父のように思ってました。
さようなら。
 
父と同じ歳という事で、ずっと親近感を持って拝見していた為か、もう一人の父を亡くしたような気持ちです・・・。
 
まだまだ。
これから、これからだったのに。
たっぷり、たっぷりだったのに。
今は何処の舞台に立っているのですか?
  
緒形さんの死を認めたくなくて涙が止まらないのです。
 
今まで、お疲れ様でした。ずっとずっと大好きです。
どうぞ、ゆっくりお休みください。

 逝ったあとに悼む声が途切れないことも格好いいことです。
 
 心よりご冥福をお祈りします。
★ 津川雅彦さんのブログに、臨終間際の様子が書かれています。
★ 竹内結子、緒方拳がプリンターをPR(読売新聞・08/9/19)
 
 

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夕方のカラス

 詩人の中村雨紅は「夕焼け小焼け」の作詞をし、その中で「カラスもいっしょにかえりましょう」と記した。この詩が示すように、かつてカラスといえば夕方に見かける鳥であった。
 
 都内で幼少時代を過ごした私は、カラスの鳴き声が帰宅の合図でもあった。そして私が住んでいたところは帰宅時間になると防災無線から「夕焼け小焼け」が流れて、同じ時間帯には豆腐屋さんがあのラッパを吹きながら自転車をこいでいた。カラスが舞う空の色といい、カラスの鳴き声やラッパの音といい、きれいな昭和の思い出だった。
 
 今年の夏に近所で豆腐屋さんのラッパを久しぶりに聞いた。といっても、昔の自転車に箱を積んだものではなく、自転車でリアカーを引っ張っているのだ。その荷台には青いプラスティック製の箱が何個か積まれていた。ラッパと同時にセールストークもついている。それによれば、豆腐単体のみならず、豆腐ハンバーグや練り物なども売っているようである。
 
 ラッパは久しぶりに聞けたが、カラスの鳴き声を夕方に聞くことはほとんどなくなった。それどころか近年は、早朝にゴミを荒らす悪いイメージが定着してしまった。初夏の繁殖期になると人に向かって飛んできて「威嚇」するのも脅威である。
 
 私はゴミ集積所でカラスと”仁義なき戦い”を経験しただけにカラスは憎たらしい。何が憎たらしいかというと、頭がいいからである。壊れた黒色の折りたたみ傘をぶら下げておく。その日は”仲間がやられた”と警戒して近寄らないが、次の日にはそれがニセモノだとばれる。電線に無数に列をなしているカラスに届かないのがもどかしかった。
 
 東京都は数年前にカラスの駆除を徹底的に行ったようだが、恐らくその効果が出ているのではないかと思う。少し前の夏に比べると、カラスは減っているように思える。
 
 カラスはスズメなどと同様に野鳥であるため、一般的には飼育することができないが、堺市内の男性宅に住み着いたカラスが近所で人気者になっているという。万代嘉美さん(65)の自宅にいるカラスは「ポッポ」と近所の子供たちに名付けられた。ポッポは人なつっこく、自ら人間に近づいてくるのだという。
 
 ポッポは5月に堺市内の神社で見つかった。巣から落ちていたようで、右足を引きずっていたようだが、万代さんの看病ですっかり回復し、ドッグフードに魚や肉に加え、カレーライスまで食べるらしい。「憎たらしい鳥だと思っていましたが、飼ってみると、とってもかわいい」と万代さんは話す。
 
 そして間もなくポッポを野性に戻すのだという。万代さんを親のようにしたっていたポッポは頭の良さを通り越しているに違いない。人と接することを楽しみとし、万代さんもポッポを可愛がってきた。動物がいとおしいのは、言葉が直接通じないのに気持ちが通じることがあるからだ。
 野生に返すとき、ポッポがピョンピョンピョンと戻ってきたら、万代さん、お辛いでしょうね。
 
 
☆ 蝶はモグラではない。でも、そのことを残念がる蝶はいないだろう(アインシュタイン)
 
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★ 人なつこいカラスが人気 大阪の男性が親代わり「飼ってみると、とてもかわいい」(産経新聞・08/9/10)
 
 

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南田洋子さんの認知症「介護は恩返し」長門裕之

 俳優の長門裕之というと、かつては主演を多く抱えたビッグネーム、そして現在では存在感のある俳優として有名だ。独特のセリフの言い回しや、コミカルな部分というのは他の俳優に真似のできない部分であろう。私が過去に見たドラマでは、堀ちえみ主演の「スチュワーデス物語」で主人公千秋の義理の父親役、小泉今日子主演の「少女に何が起こったか」で音楽大学の教授役など、この人ならではの個性的な役が印象で気である。「スチュワーデス物語」では、妻である南田洋子がゲスト出演している。
 
 おしどり夫婦として有名だが、長門裕之(74)が、妻の南田洋子(75)の認知症を明らかにした。テレビ朝日系の「徹子の部屋」に出演し、介護について涙ながらに語った。3年ほど前から南田が物忘れをするようになり、長年住んでいた東京・世田谷の豪邸を売却し、住みやすいマンションに引っ越した。
 
 「指の中からポロポロ落ちた物を、俺が一生懸命拾い集め、手の中に戻そうとするけれど追っつかない。どんどん忘れている」。「スリッパを履きたいのに、テレビを指して『あれ』と言ったりして戸惑うけど、それも洋子なんだと納得してやっている。お風呂で背中を流すとき『お背中長嶋茂雄』っていうとコロコロ笑う。かわいいんだ」。
 
 今でも女優のプライドを忘れることはなく、外出時は車いすをいやがる。「洋子が全てを忘れていく中で、二人っきりの生活を楽しく過ごし、最後のときに『楽しかった』と思わせてまっとうしたい。そばにいて支えることに男として夫として充実感がある。洋子への恩返しなんだ」と語った。南田と同い年の黒柳徹子ももらい泣きをした。
 
 長門はかつて女遊びをしていたことを暴露本にしたために、芸能活動ができなかった時期もある。また南田に対するDV(ドメスティックバイオレンス)があったことも明らかになっている。南田は10年ほど前まで、長門の父の介護を15年に渡ってしてきた。その南田が自ら要介護者となってしまうのは何とも解せないことである。
 
 65歳以上の高齢者は7年後に4人に1人と試算されている。少子高齢化は避けられないが、認知症の患者も現在180万人が、15年後に337万人まで増えるとの予想だ。介護費用や介護そのものの負担も考えなくてはならない喫緊の命題である。
 
 通常よりも速く歩く「速歩」という方法が認知症を予防する1つの方法となっている。脳に酸素を送ることが少なくなる老年期に効果的なのだという。だから1日1時間でも散歩などをするといいようだ。不安な心理状態が続くと発症すると言われる認知症。全国の患者さんが少しでも楽しい余生を送れるためにも、特効薬の開発が望まれる。
 
 
☆ 愛し合っているというのはお互い見つめ合っていることではない。お互いが同じ方向を見つめることだ。(サン・テグジュペリ)
 
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★ 長門裕之「介護は恩返し」妻、南田洋子の認知症涙で語る(iza・08/10/3))
★ 認知症の患者数、30年後は倍に!?(healthクリック)
★ アルツハイマー予防の可能性 カレーの成分(本ブログ・07/7/17)
 
 

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振り込め詐欺を撲滅せよ

 あたかもビジネスのような被害額の多さ。年々「振り込め詐欺」の被害は増えている。そんな中、警視庁は現金自動出入機の防犯カメラに写った「出し子」と呼ばれる現金引き出し役の画像を公開した。画像は4月初旬〜6月中旬に、都内葛飾区や台東区などのコンビニなどで現金を引き出した男ら2人。
 出し子の画像公開は通常は令状を取ってからのことで、異例の措置といえる。今年には千葉県警が出し子の画像を公開し、逮捕にこぎ着けたことがある。警視庁捜査2課では、「現金引き出し時が、容疑者が顔を見せるほぼ唯一の機会」とし、情報提供を呼びかけている。
 情報提供は、振り込め詐欺ホットラインへ(03-3501-2967)。 
 振り込め詐欺撲滅月間が10月から始まっている。警察庁では「事後的な検挙だけでは多発する犯罪は抑えられない。やはり、発生を抑止する対策を講じる必要がある」として、同庁、金融庁監督局長、全国銀行協会会長との3者会談を設け、ATM対策を中心に犯罪を許さない「環境作り」を進めることにした。
 
 全国の被害の2割以上が集中する東京都では、警視庁が無人店舗を中心に、約1000カ所のATM周辺に機動隊員らを配置し、高齢者への声かけに加え、不審者への職務質問を徹底するという。目標は被害発生の半減。
 この作戦は都内江東区の深川署管内で試行したところ、被害が激減したことなどから導入された。約1万人の民間ボランティアにも協力を求めるという。金融機関でもATM対策が始まっている。山陰合同銀行(松江市)は、通話中の携帯の電波を認識すれば、警告灯を点滅させて注意を呼びかけ、行員が駆けつけるシステムを採用した。
 
 振り込め詐欺グループも摘発逃れの工夫を凝らしているという。アジトは2、3ヶ月で移動し、鍵を管理者らに無断で付け替える、出前を取っても部屋の中の様子を見られないよう外で受け取る、といった具合だ。
 
 このため、警察当局は通常の詐欺捜査に当たる刑事部の警察官はもとより、アジトの摘発ノウハウなどがある公安部員も動員し、詐欺集団の摘発に臨んでいる。
 被害者は「振り込め詐欺のことは知っていた」というが、「騙されていることには気がつかなかった」ということが多い。高齢の方と距離を遠くして住んでいる方は、もう一度本人確認の方法、連絡方法、親子じゃなければ分からない話題を話してみる、などの対策を講じたほうが良さそうだ。
 振り込め詐欺で代表的な「オレオレ詐欺」のみならず、還付金詐欺や、振り込ませずに自宅まで取りに来るものもある。ちょっとでもおかしいなと思ったら、躊躇することなく110番した方がよいだろう。
 手配写真をよく見てください。近くにいませんか、こういう人相のワルいやつが。
 
 
☆ 一流の人は一流の人を雇う。二流の人は三流の人を雇う(Leo Rosten)
 
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★ 振り込め詐欺の「出し子」はこの男たち 警視庁(朝日新聞・08/10/1)
★ 振り込め詐欺:百回企て成功ゼロ 未遂で4人組逮捕 東京(毎日新聞・08/10/2)
★ 「振り込め詐欺撲滅月間」初日に被害4件 警視庁「恥忍んで」発表(産経新聞・08/10/2)
 
 

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間違えた警察

 長野県岡谷市のスーパーマーケットで万引きをした”少年”が窃盗の現行犯で逮捕された。ところがその後の調べで少年ではなく少女(17)であることが判明した。
 長野県警岡谷署によると、少女は実在する少年の名前や住所が記載された運転免許証を持っていたため、同署では「全く気付かなかった」としている。免許証の写真は少女本人であり、偽造の形跡もないことから、交付の際に不正があったと見て調べている。
 
 どの段階で女性と分かったのか興味深いところである。捕まった少女は署内で男としてしばらく通したことになりる。見た感じもボーイッシュだったのだろう。見た感じ男の子のような女性であれば、免許証申請書に写真を貼り、写真撮影で名前を呼ばれたところで見抜けないかもしれない。名前も中性的な名前、例えば「かおる」「ひろみ」「ゆう」などならば、そのまま通してしまいそうだ。
 それにしても免許証交付の時点でも見抜けなかったのだから、これは困ったことである。窃盗で発覚したからよかったようなものの、犯罪者集団が身分を偽るようなことに使っていたら大変なことである。
 見抜けなかったと言えば、静岡県伊豆市内の”死体遺棄事件”もそうであった。発見者である男性が、袋から出ている”女性”の体を少し離れて棒でつついた。「感触がある、死体だ」。所轄署である大仁署員が駆けつけ初見で”死体”と断定。”死体遺棄事件”と断定し、現場に規制線を張り巡らせた。
 
 通常、すぐに犯人が判明するときなどは所轄署だけで捜査をするが、静岡県警本部から捜査一課員や幹部も到着、鑑識課員も指紋採取や遺留品の捜索を始める事態となった。もちろん”凶悪事件”にほかならないからだ。大仁署内では記者会見の準備も進んでいた。
 ところがである。検案室に運ばれた”遺体”は寝袋に入れられており、それを開けると”人形”であった。「頭髪と足先しか出てなかったために間違えた」と釈明する県警関係者。
 人形はシリコン製で人間と同じ大きさの物は30万円から100万円ほどするのだという。見つかった人形は168センチ54キロで、「弾力や見た目で少しでも”本物”に近づけるのがこの業界の生命線。いくら警察でもパッと見ただけでは分からないだろう」と”人形”業界関係者は言う。
 
 このままでは収まりが悪い静岡県警は警察業務を妨害された「悪質ないたずら」とし、偽計業務妨害で捜査を始める。ほどなくして大仁署に初老の男性が現れた。妻と死別し寂しさを紛らわすために人形を購入したこと、騒ぎは分かっていたがなかなか名乗り出ることができなかったこと、息子と同居することになり、こういう”人形”を持っていることが恥ずかしかったことを話した。
 精巧に作られた人形をバラバラにすると余計に騒ぎになり、またシリコン製のために焼却も困難だったという。結果として人目につく場所に捨てたのは「心臓が悪く重い物を遠くまで運べない」からだという。同署はいたずらの意図はなかったとして、廃棄物処理法違反容疑で書類送検して決着した。
 万引きをし、”偽装”免許証を所持していた悪意のある少女、寂しさを紛らわした結果に”死体遺棄”した悪意のない男性。警察の仕事は一筋縄でいかない案件もあるものだ。
 
 
☆ 孤独――訪ねるにはよい場所であるが、滞在するのには寂しい場所である(ヘンリーショー)
 
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★ 窃盗容疑で逮捕発表の「少年」、実は「少女」だった…長野(読売新聞・08/10/1)
★ 【衝撃事件の核心】「人形殺人」でメンツ潰した静岡県警…不法投棄の男の悲しい事情とは(産経新聞・08/9/27)
 
 

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愛犬が飼い主救う 米国

 
 ジャーマンシェパードのバディ君が主人を救いました。18ヶ月のオスのバディはアリゾナ州のジョー・ストルネーカーさんに子犬のころ引き取られました。ジョーさんはバディに、彼が発作を起こしたときに電話を持ってくるように訓練をしました。
 そしてジョーさんに発作が起こったときに、バディは電話を持ってきて、予めプログラムしてあったボタンを歯を使って押して、911(アメリカの緊急番号)に通報したのです。オペレーターが出ると、クウンクウンと鳴いて異状を知らせ、2分後には救急隊が到着したのです。
 バディの通報はこれで4回目になるそうで、ジョーさんはその甲斐あって回復に向かっているそうです。「バディは私の全てであり、紛れもなくベストフレンドです。いままでもバディがそばにいてくれたように、私は彼のそばにいたいと思います」。
 
 犬は飼い主に忠誠を誓う動物とされています。忠犬というとハチ公を思い出します。来る日も来る日も渋谷駅で主人を待っていた話は有名です。「近くの人がやっていたエサ目当てに来ていた」という話もありますが、私はそう思いません。
 以前、雑種犬を飼っていました。その犬は最期を迎える2、3日前にやせ細ってしまったのですが、それでも母がちょっと買い物で出て行くと、ヨタヨタと玄関まで行き、母の帰りを待っていました。あの姿を思い出すと、ハチ公も純粋に主人を待っていたと考えられるわけです。
 
 
☆ 友情とは二つの肉体に宿れる一つの魂である 。(アリストテレス)
 
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★ Joe Stalnaker’s dog Buddy dials 911 to save him(NEWS.com・08/9/15)
★ 「動物」を含む本ブログのエントリ一覧 
 
 

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