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サバイバル研修を無人島で 日清食品 異業種への研修の成果とは

 日清食品ホールディングスは26日から2泊3日で、グループ会社の若手管理職社員を対象に、瀬戸内海の無人島で生活させる「サバイバル研修」を実施する。研修中は「チキンラーメン」と水、小麦粉、ビニールシートしか持たされない。まきを拾って火をおこして手作りの道具で調理、ビニールシートで寝泊まりするなどのサバイバル生活を強いられる。同社では若手管理職の心身を鍛える事が目的だ。
 
 愛知県内の複数の企業は、県内の自衛隊春日井駐屯地に新人、社員研修を依頼している。1日1人1000円程度で受けられることから、経費削減の目的もある。自衛隊側も「隊内生活を経験すれば自衛隊に親近感を持ってもらえる」としている。入隊体験は2泊3日。午前6時起床、午後11時消灯という規則正しい生活の中で、隊列行進などの基本訓練、3,000メートル走などの体力測定を経験する。
 
 ある大学病院の研修医は末期がんの患者に「痛くて痛くて我慢ができないんです」と激しい疼痛を訴えられた。しかし研修医は答えに窮した。「つらいですよね」「しんどいですよね」そんな言葉しかでない自分が情けなかったという。それでも話を聞き続けたら「少し気分が楽になった」と言われて救われたという。04年度から義務化された新人医師研修では、患者の気持ちの分かる医師を育てようという目標が掲げられた。患者や家族とコミュニケーションの取れる医師の養成だ。(※)
 
 大学で劇作家・演出家の平田オリザ先生にワークショップを受けたことがある。動的な講義は座学と違いなかなか面白かった。先生は「医師の卵にもこうしたワークショップを実施している」と話していた。とかく冷たい対応と批判されがちな医師にならないための研修の一環とも言える。先生は「あまり演技の上手い医者ばかりでも困るけどさ」と笑ったが、長い時間待たされて診察30秒、ほとんど目を合わされることもない診察はまさに「病気は診るが人を診ない」の批判に当てはまる。
 
 日清食品のみならず、異業種で研修をすることは大きな意義があると思う。最近ニュースを見ていると、社会的地位のある人たちが起こす不祥事が多い。そのままいつも通りの生活をしていれば順風満帆な人生を歩めるはずなのに、ふとした瞬間から転落の人生を歩むことになる。それは恐らく「魔が差した」というレベルの話が原因ではない。自分の社会的立場や自分の仕事を客観的に見る力がないからだ。
 
 まったく未知の分野に入り込んだときに、自分に無力な部分があると知ることがある。それとは逆に、自分や他人の新たな可能性に気付くこともある。迷ったとき、立ち止まって冷静な視点で考えることで、導かれることは必ずある。
 
 
☆ 人生で本当に興味を持ってやれる何かを見つけなさい。それを続け、ゴールを設定し、優秀であることを自身に誓いなさい。できる限りのベストをつくすのです。(クリス・エバート) 
 
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★ 崩れる「公」意識(本ブログ・06/10/31)
★ 日清食品、無人島でのサバイバル研修を再開(産経新聞・09/8/17)
 
 
(※参考 読売新聞・東京朝刊・2006/3/23)
 
 

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