46年ぶりとなる皆既日食が22日午前に国内で観測された。継続時間の最長は、鹿児島県十島村のトカラ列島・悪石島で6分25秒となり、今世紀最長だという。天候が悪く暴風雨に近くなり、悪石島に集まった報道陣や天体ファンらは一斉に”避難”することになった。それでも皆既日食が始まると、まるで日が暮れてしまったかのように辺りは暗くなり、島に観測に来ていた男性は「感動しますね」と興奮気味であった。
東京・小笠原諸島の北硫黄島海域では洋上からの観測に成功。快晴の夏空が夜のように暗くなり、最初に金星が現れ、水星やこと座の1等星「ベガ」も輝いた。ツアー客らからは「素晴らしい」「信じられない」という歓声が上がったという。
東京・渋谷のスクランブル交差点でも、曇り空ながらもうっすらと見えた三日月の太陽に向かって、多くの人が携帯電話のカメラを向けていた。
天候に恵まれた宮古島では、部分日食であったものの、公園の木漏れ日に混じって三日月の形をした太陽が地面に映った。
航空会社が企画した”雲の上からの日食観測”では、上空から完全な皆既日食を見ることができ、黒いダイヤモンドリングを目の当たりにした参加者からは「もう死んでもいい。生きていてよかった」と笑みがこぼれ、別の中年の男性は「なんか涙が出てきた」と言ってメガネを外した。
いつも暗いニュースばかり書いているが、こういう暗いニュースなら毎日書きたいところである。しかし次回に書けるのは26年後と、かなりじらされる。
果てしなく続いているであろう宇宙の中の、太陽と、月と、地球の、あまりにも静かなパフォーマンスに魅せられた数分間。青い空を満喫したい季節に起きたその演出は、幕を開けたら小さな星たちを連れて、黒い光りを青い星に照らし、隠れている姿を見せてくれた。
☆ 大きいなんて言葉、空には小さすぎるわ。(ピーター・ヘッジス)
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★ 黒い太陽、つかの間の夜 46年ぶりの皆既日食(朝日新聞・09/7/22)
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黒くてきれいな真夏のそら
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