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農相と次官、信頼失墜のまま引責辞任

 
 畏敬の念や敬愛の心というのは絶対的な信頼関係が根底にある。この信頼関係があるからこそ、家族や職場の上下関係というのは成り立つが、信用がなくなればこれが根底から崩れる。一度崩壊した人間関係にはすでに尊敬の気持ちはないのだから、問題が起きたときにすがることのできる大木がないゆえに混乱に陥る。
 農林水産省は今まさにその混乱の状態なのであろう。就任早々事務所費問題が浮上した農相は最初から威厳が消失していた。そうした人が汚染米の事件を受けて十分な対策が取れないのも当然のことであった。
 食の問題は国民生活の根本的なことであり、絶対に守られなければならないが、それを取り仕切るボス的な存在はない。少なくとも近年の日本政治を見ているとそう感じる。「汚染米?誰がそんなことをしてるんだ、俺がカタつけてやる」くらいの威勢のいいボスザルは永田町というサル山には見られなくなった。
 大臣が大臣なら次官も次官で、汚染米について「直ちに私ども(農水省)に責任があるとは考えていない」と発言し反発を食らう形となった。責任がないというのであれば、不正な横流しを発見できなかった農政事務所など置く必要がない。チェックするべき人間が機能していないのであれば、人的にも時間的にも無駄なことだ。
 小麦の高騰で貧困国では満足に配給が行われていない現状がある。一方、日本では農水省と三笠フーズの”連係プレー”で汚れた米を不正に食用とし、国民の身体の安全をおざなりにした。米という食材の品格をも落とした。そうした中、太田誠一農相と農林水産省の白須敏朗次官が辞任した。農相の辞任で町村官房長官が次期政権発足まで農相臨時代理を兼務する。次官の後任は井出道雄林野庁長官が就任する。
 威厳もなければ仕事の実績も作らないままの辞任。辞めた後もこの問題について最後まで責任をもってやっていただきたい。現場のメーカーは深刻な事態に直面している。自殺した社長もいる。辞めて済むような簡単な地位にいたわけでないことを再認識していただきたい。
 
 
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