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殺処分ゼロに尽力した一人にインタビュー 神奈川

 神奈川県平塚市にある「神奈川県動物保護センター」で、昨年度殺処分ゼロを達成したのは既報のとおり。センターにはボランティア団体や個人がおよそ30以上登録しているという。そのボランティアの一人で、同県大磯町で「トリミングサロン・ブルーボンボン」を経営している岡本聰子さんに話を聞いた。
 
1. 岡本さんはどこに所属しているどういう立場か
 
 私は預かりボランティアです。センターに収容されて、会がレスキューした犬を里親さんが見つかるまでお預かりします。心や身体のケア、通院が必要な場合もあります。病犬や老犬は、里親が見つからないまま最期まで看取ることもあります。
 
 トリミングボランティアもしています。レスキューされたワンコのトリミングをします。お手入れをされた事がなくて毛玉や皮膚病がヒドい子、トリミングに馴れていない子が多いのでお店に来る子とはちょっと扱いが異なります。
 
2. 里親ボランティアに携わっている人は何人くらいか
 
 預かりボランティア、トリミングボランティア、イベントのお手伝いボランティア、搬入搬出ボランティア、バザー品の提供…などなど、色々な形で関わってくれている人がたくさんいます。
 
3. ボランティアに協力したい場合はどうすればいい?
 
 会のブログやFacebook、電話でのお問い合わせ、イベントや譲渡会で直接声をかけてもらう、などでお願いします。
 
4. なぜ「平塚愛護センター」で殺処分ゼロになったと思うか。
 神奈川動物保護センターのHPを見れば分かるように、ボランティア団体を登録して情報を共有したり、センターに犬を持ち込んでも飼い方を指導するなどして簡単には引き取らないなど、積極的な取り組みをしています。
 
5. これから飼い主になる人たちに一言お願いします。
 
 子犬はかわいいです。でも必ず大きくなるし、吠えるし噛むし、病気にもなるし、ワクチンや医療費はかかるし、年もとってボケて吠え続けたり動けなくなって介護が必要にもなる場合もあります。
 犬を飼うということは、家族が増えるということです。どのような状況の変化があったとしても、最後まで家族として過ごす事を考えて犬を迎えてください。
 
 
6. その他、何かあれば。
 
 昨日の県知事のお話の中でも、殺処分ゼロを維持するために県としても譲渡会の場所を提供したり、これから犬を飼う人に里親という選択肢もあることを考えてもらうように発信する、と言っていました。
 
 それも大切な事なのですが、根本的に売る側を規制しないと問題の解決にはならない気がします。
 
 ペットショップで「sale!」の文字…命をsaleっておかしいでしょ?雑誌で「流行りのミックス♡」流行りって、ファッションじゃないんだから。
 
 実際に、流行りのミックスやプードルの収容も多いし、子犬を産ませるだけの道具にされた後、繁殖不要犬として捨てられる犬も後をたちません。
 
 お金目的でいい加減な繁殖をしたあげく、売れずに7匹まとめて山に捨てられていたミックス犬は、ほとんどの子が先天性の心疾患を持っていました。
 
 そんないい加減な繁殖の為だけに利用され、抱っこもされた事なく散歩もした事がなくケージの中だけで生きてきて、年をとって使えなくなったと捨てられる、そういう子を実際に私達は見ています。
 
 一言ではとても言い尽くせない、この現実を多くの方に知ってもらいたい。子犬を売る時には、きちんと最後まで責任を持って飼えるかどうかをよく確認したうえで売るべきだと思ってます。
 
 
 ありがとうございました。この件で多くのかたが協力したことは否めません。今回のことは神奈川だけのことではなく、広く日本国内に、そして世界に広がっていけばよいことですね。 
 
 やったね!と思っているのは関係者の皆さんだけではありません。
 
 「わんわんわんわん!わんわんわんわん!」と多くのワンちゃんたちが喜んでいるはずです。
 
 
 訳:「神奈川の皆さん、助けてくれてありがとう!」
 
 
 
  
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★ 神奈川県動物保護センターのホームページ

★ トリミングサロン・ブルーボンボン
★ 「イヌの殺処分ゼロ続けます」神奈川・黒岩知事が宣言(朝日新聞・14/5/23)

 
★ ha-naで個性的なプレゼントを 自由が丘(本ブログ・09/10/13)
 
 

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告発の犬たち

 
 2003年に大阪府警が、大阪市鶴見区内の主婦を動物愛護法違反(愛護動物遺棄)容疑で書類送検した。同法ではペットを遺棄した場合、30万円以下の罰金刑を定めている。
 
 主婦は同区内の集合住宅で、コリー種の親子3匹を飼っていたが、移転先の規則で飼えないため、同区内の公園に置き去りにした。
 
 3日後、同地から500メートル離れた元の家の玄関に子犬2匹(ともに3歳)がお座りしているのを近所の人が見つけて府警に届け出た。2匹は府内で引き取られたが、親犬は行方が分からないままであるという。主婦は「犬には申し訳ないことをした」と語っている。
 
 神奈川県平塚市にある、「神奈川県動物保護センター」で昨年度殺処分された犬がゼロであることが分かった。同センターでは横浜、川崎、横須賀の3市以外で捨てられるなどした動物を預かっているが、72年の開設以来初めてのゼロとなった。
 
 環境省によると、40年前の殺処分数は115万匹。2012年度は3万8千匹。神奈川県内も1992年に6300匹だったのが、2012年には217匹まで減った。
 
 ペットブームで多くの犬が飼われる一方、それと比例するように殺処分された犬も多かった。減った背景には動物虐待への意識が高まったことに加え、動物愛護法などで警察が積極的に取り締まりをした成果もあるだろう。しかし依然として多くの動物たちが、拉致され、軟禁され、”死刑”となっている不条理があり、殺処分ゼロを目指しての高い意識付けが我々に必要となっている。
 
 
 冒頭の大阪の記事では、「捨て犬の告発」と題されていた。しかし、ワンちゃんたちは人を告発なんてしません。ただ、飼い主さんに会いたかっただけなんです。
 
 
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★ 【動画】殺処分寸前だった犬が心を開く瞬間(本ブログ・11/8/25)
★ 犬の殺処分、ゼロを達成 神奈川の保護センタ(朝日新聞・14/4/19)
※ 本文参考 読売新聞2003/9/20朝刊社会面「捨て犬の告発」
 
 

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雪をかき分けたひとたち【大雪被害】

   
 
 桝添要一・東京都知事というのは不思議な人である。自衛隊に対して、都内西多摩郡奥多摩町と檜原村への災害派遣を要請しておきながら、自身はソチ五輪に向けて出発した。孤立している人たちがいるのに少しは現場に足を運ぼうとは思わなかったのだろうか。
 
 東京都のホームページから「知事の部屋」を見ると、「都政の役割の第一は、都民の皆様の生命と財産を守ることです」とあり、「自然豊かな多摩・島しょの発展、(中略)東京の魅力を磨き上げてまいります」と記されている。冒頭に「全身全霊をもって都政の舵取りに」と言っておきながら、ソチに向けて舵を切った。すぐに帰国してもよかったはず。
 
 山梨県は17日午前、「災害対策本部」を設置したが専門家からは「丸二日経ってからでは遅すぎる」との声がある。これに先立ち山梨県警察本部は15日、異例の「豪雪対策警備本部」を立ち上げている。何が異例かと言えば、豪雪地帯ではない山梨県での同本部の立ち上げが異例なのだ。
 
 ネットの情報を収集していると「首長の対応の遅さ」が際立っているが、実際に現場では多くの人たちが人命救助に携わっていた。都や県、あるいは国が災害対策本部をいかに早く設けるかも大事であるが、地元の消防、警察、そして自治体職員のかたたちが率先して動いていた。
 
 救援要請の119番、110番で救急隊員や警察官らが現場に急行しようとすれば、大雪の惨状はすぐに分かる。15日には甲府市内で雪崩に巻き込まれた2人を緊急搬送するために横浜市消防局のヘリが出動している。つまり、首長が動かなくても人命救助に力点は置かれていた。ただ、県全体が事態を把握するためには災害本部の立ち上げは急務であった。現場では県全域の状況を把握することに困難を極めたに違いない。
 
 ところで、首都圏を襲った大雪をもたらせた南岸低気圧は東北、そして北海道に進み、通行止めや孤立集落が出てきている。首都圏だけが大変なわけではないのに論点が偏っているような気がする。
  
 さらに論点がずれているのは、首相が「てんぷら会食」していた事が批判されている点。麻生太郎副総理が首相時代に、「毎日ホテルのバーで飲酒して葉巻を吸っているのでは庶民の暮らしが分かるはずがない」などと批判を浴びた。首相がどこで何をしようと、有事の際は適宜適切な指示が出されれば足りるわけであり批判する意味が分からない。自治体の要請で自衛隊も動いており、批判をする人は首相が除雪車でも運転すれば気が済むのだろうか。
 
 NHKが山梨の惨状をニュースで取り上げないことにも批判が出た。しかしNHK甲府放送局は適宜放送をしていた。もっとも、通行止め箇所が多く、自治体ですら情報収集がままならない状態で、報道陣が体制を整えた取材ができたかというと疑問である。「報道してくれない」と嘆く人は報道してもらうことで何が満足なのだろう。
 
 自治体の対応に話を戻す。山梨県に限って言えば、昨年世界遺産に登録された富士山を抱えている。富士山が噴火した時の防災対策は率先してなされるべきである。そして防災の観点で言えば、県内の平均的な降雪量である40センチを超えた時点での初動対応ができていれば、凍死で亡くなるかたは救えたはずである。救えたはずの命。
 
 現場では、救急隊員、消防隊員、警察官、自治体職員、鉄道会社の社員、高速道路の作業員、自衛隊員、地元の方たちによるトイレの開放、炊き出しなどに尽力された多くの人たちがいる。高潔なこの行いは、金メダル級の、実にありふれた行動である。それを忘れることがあってはならない。
  
 
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★ 大雪に関する情報(山梨県)
★ 知事の部屋/ごあいさつ(東京都)
 

 

 
 

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平成26年2月14日の積雪

 平成26年2月14日は全国的に降雪となった。関東地方では2週連続週末の雪となり交通機関は鉄道も空の便もダイヤが乱れた。こんな荒れた天気になることもあれば、過去には夏日を記録したこともあった。
 
 09年2月14日は全国的に気温が上がり、静岡市清水区で26.8度、神奈川県小田原市で26,1度、千葉県茂原市で25.7度となった。水戸市24.3度、横浜市24.8度、東京都心で23.9度であるからだいぶ過ごしやすい2月であった。
 
 14日から15日にかけての降雪で、東京都内では商店街アーケードの屋根、体育館の屋根などが雪の重みで崩落。川崎市中原区内の東急東横線では停車した車両に後続車が追突する事故が起きた。JR高崎線や中央線などでは電車が動けなくなり乗客が車内で宿泊する事態になっている。静岡県内の東名高速や山梨県内の中央道では雪のため多数の車が動けなくなり、車中泊を余儀なくされている状況が続いている。
 
 自宅前で雪かきをしていると、近くの道路で救急車が立ち往生していた。なかなか動かない。救急車にお世話になったことがある身としては放置できず救援に参加した。救急車が動かないなんて。近くで除雪していた人たちも集まり、救急車を押したり引いたり道路の雪を取り除く。しかし救急車はどうしても前進できない。
 
 聞けばここから数百メートル先まで行かなくてはならないという。3人の隊員のうち、2人が車を捨てて徒歩で通報先に向かった。残された車は何とか方向転換をし、搬送される患者さんが来るのに備えた。
 
 東京に限って言えば、降雪があったとしても交通網が深刻に停止するほどではない。そうした理由で都内には除雪機能が無いのである。雪国で見かける雪を蹴散らす除雪車は存在せず、自治体が委託した建設業者がブルドーザーなどで除雪し、雪をトラックの荷台に載せる。しかし十数年ぶりの大雪は都内西部や関東北部、山梨県などに深刻な状況にしている。除雪が追いつかない。
 
 こうしたときは、人の手というのは非常に助けとなる。号令をかける者よりも黙って動いている者の方が頼れる。口が先行する者は必要ない。
 
 立ち往生していた救急車から離れて再び自宅前へ。歩道を”整備”するのはやめた。緊急車両が通れないことの方が恐ろしい。車道の雪かきをしていたところ、先ほどの救急車が動き出した。マイクを使い「ありがとうございました」とスピーカーを通じて言うと、車内からこちらに向かって隊員が頭を下げた。200メートルほど走行すると、サイレンを鳴らして消えていった。あの音が、搬送されている患者さんにとって心強いものであったに違いない。
 
 この時期に受験会場に向かう受験生は気の毒だと思いますが、蛍雪の功、ぜひ怪我など無いようにして会場まで無事についてください。
 
 
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台風26号 伊豆大島襲う 16人死亡、40人超が行方不明(平成25年10月16日)

 
 大型の勢力を保った台風26号は伊豆諸島の大島(東京都大島町)を襲った。16日17時時点で亡くなったかたが16人、行方不明になったかたが41人となった。
 
 火山灰に覆われた島の地質も影響しているという。本来、水を浸透させる成分を帯びているのが火山噴出物なのだが、この許容量を超えると一気に流れやすくなると専門家話す。大島には川がない。今回土石流となったのは沢であった。
 
 伊豆大島というと、1986年に噴火した活火山である三原山を思い出す。噴火した三原山から溶岩が流れ出たため、全島避難が行われた。その際には今回の土石流のような溶岩が流れた痕と似ていた。
 
 このような状況で、地元の大島町役場は避難勧告や指示を住民に呼びかけなかった。全住民には防災無線が直接受信できる装置が配布されているが役に立つことはなかった。これに対して大島町役場は、「普段から住民には危険を感じたら自主避難をするよう呼びかけていた。だから特に避難の呼びかけはしなかった」としている。
 
 しかし気象庁は、未明に電話で役場の防災担当者に注意を呼びかけていたほか、地元の警視庁大島署が役場に「避難勧告を出して欲しい」と要望していたという。
 
 相手が自然となると対応が難しい部分はある。しかし大型の台風が来ることは知っていたことである。自治体は防災情報を直接受け取り、それを精査できる立場にある。避難指示がだめでも避難勧告くらいは出せなかったのか悔やまれる。
 
 東京消防庁によると、大島町で被害を受けた建物は283戸にのぼるという。警視庁特殊救助隊や警察犬、東京消防庁のハイパーレスキュー隊が出動し、行方不明者の捜索が始まっている。早く一人でも多くのかたが救出されることを願う。
 
 
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★ 東京都大島町公式サイト
★ 警視庁大島警察署
★ 伊豆大島被害、警察や消防の救助体制は?(日テレニュース24・13/10/16)
★ 「土砂が一気に襲ってきた」伊豆大島13人死亡(読売新聞・13/10/16)
 
 

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クールジャパンなどの拠点に 羽田空港跡地に国家戦略特区 政府構想(2013.8.21)

 
 構想が浮上している段階なので仕方のないことだが、東京の羽田空港跡地と多摩川を挟んだ対岸にある川崎市の一部を使って「国家戦略特区」にする構想が政府内にあるという。
 
 「羽田グローバルアライアンスセンター」というカナが分かりにくい。川崎市側を「ライフイノベーション」とするのもよく分からない。さらに国際展示場を併設し、付加価値の高い農産遺品を集めた展示会を開催、そしてアニメなどのコンテンツを発信するクールジャパンの拠点として活用する、とある。
 
 どうも国が音頭をとると号令だけ響きが良いように感じる。
 農産品や工芸品をアピールするのなら、都内のデパートですでにやっていることである。これを羽田でやるのであれば、そうした特産地に飛べるような総合案内所を作るべきで、羽田をハブ(拠点)にするのなら国内どこでも飛べることであるし可能である。
 
 飛んだ先では、特産品を扱う道の駅などの施設に誘導する手はずを整えておく。電車やバスなどの公共機関を利用できるように案内表示の整備も必要になるだろう。
 
 最近「Kokkai(国会)」などの標識が分かりにくいという苦情を受けて、国交省が重い腰を上げた。「国会」は「The National Diet」、「外務省」は「Gaimusho」から「Min. of Foreign Affairs」に換えるという。昔も話題になったが、当時の国交省は「直すつもりはない」と突っぱねていた。言葉の意味も分からない外国人に「kokkai」が分かるはずもない。苦情が来る前に対応できていればクールジャパンなのに。
 
 話題のドラマである「半沢直樹」のロケ地が関西で人気が出ているという。当然「半沢」に会えるわけもないが、こうした場所に行くことで実際のドラマとの相乗効果が得られるであろう。何しろ楽しい。
 
 埼玉県所沢市には「トトロの森」と呼ばれるところがある。いかにもトトロが出てきそうな雑木林である。こうしたところに案内できる交通網の整備、ガイド・通訳者の手配等が整えば、日本の観光産業に活気が出そうである。
 
 日本に何らかの期待を持って来日する外国人たち。「ここが○○で有名なところか」「ここがあの映画で使われていたところか」と実在するものに喜んでもらえるようにしたい。そして「ここにトトロがいるのか」と想像力を刺激されて楽しんでもらえるようにできればいい。そんな潜在的な魅力が日本には沢山あるのだから。
 
 
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★ 羽田空港跡地に国家戦略特区 中小製造業、クールジャパン、先端医療の拠点に(産経新聞・13/8/19)
★ 「Kokkai」やめます 国会周辺の標識、英語に(産経新聞・13/8/20)
★ 半沢直樹:関西ロケ地じわり人気(毎日新聞・13/8/21)
★ トトロの森の紹介(公益財団法人 トトロのふるさと基金)
★ トトロの家 全焼 東京・杉並(本ブログ・09/2/14)
 
 

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山口豪雨、孤立状態の人たちが救われる(2013.7.29)

 
 山口県内に住む友人がかつて「山口は地震も台風も水害もない」と言っていたことがあったが、それは過去のものになってしまったようだ。山口・島根県を襲った記録的な豪雨で、山口県内では山口市と萩市で合わせておよそ280人が孤立したが、29日夕方までに全員が自衛隊に救助された。
 
 山口市阿東嘉年下にあるキャンプ場などで、夏休みのキャンプに来ていた小学生など200人が取り残された。豪雨で周囲の道路が寸断したためである。施設の職員はテントを張っていた場所が危険だと判断、屋内の施設に避難、職員らは子供たちが不安になることを防ぐために孤立したことを伝えなかった。屋内で子供たちは食事をしたり遊ぶなどして過ごしたという。食事は1日分が備蓄されていた。
 
 萩市上小川の特養老人ホームでは、入居者ら80人が同様の理由で取り残された。女性職員によると、「一階部分に水が流れ込んだが、入居者を不安にさせないように避難させた」とした。そのあと、女性職員は涙声で「もうダメかと思いましたが、何とか皆さんを避難させたかった」と語った。その表情に心を打たれた。
 
 阪神大震災や東日本大震災では略奪などはなく、静かに物資配給の列に並ぶ日本人の姿が海外メディアに賞賛された。こうした姿は災害の多い日本であるからこそ培われた精神にちがいない。「仕方がない」というのはあきらめではない。耐えて静かに待つことが半ば常識として体に染みついているのだ。
 
 災害の多い日本では行政だけではなく、キャンプ場や特養ホームの職員のみなさんのように、いざというときに動くことの出来る人たちのおかげで救われる。自分たちのことだけではなく、目の前にいる人たちを安全に避難させなくてはならない。よぎる不安もきっと大きかったに違いない。
 
 自衛隊に救助された特養ホームのお年寄りは2人が入院、他の人は萩市内の特養ホームなどに移ったという。キャンプ場の子供たちは若干疲れた様子も見られたそうだが、笑顔で自衛隊のヘリから降りてきた。キャンプは中断したが、自衛隊のヘリにはなかなか乗れるものではない。思い出になったかもしれないが、最後まで安全でいられた環境に誰が関わっていたかを忘れないで。
 
 
★ NHKニュース
★ 災害用伝言板と災害用音声お届けサービス提供について(NTTドコモ)
★ 災害用伝言板/災害用音声お届けサービス(ソフトバンクモバイル)
★ 災害用伝言板(au)
★ 災害用伝言板(イーモバイル)
★ 現在、中国地方での豪雨に伴う災害用伝言板を開設中です。(ウィルコム) 
 
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のどかな街を切り裂く 東京・練馬で児童を切りつけた男を逮捕(2013.6.28)

  
 都市計画地域の中に風致地区と呼ばれる地域がある。風致地区というのは自然の美しさを保護するために規制されている地区であり、神奈川では藤沢市の湘南地区、大阪市では夕陽丘、神戸市は六甲山、奈良市春日山、福岡市松崎など、平成24年3月現在、全国で762地区が風致地区に指定されている。自然美ではなく、神奈川県鎌倉、岐阜県飛騨高山のような人工美を守る都市計画地域は景観地区という。
 
 東京・練馬区の北西部に位置する大泉地区は23区でも指折りの「風致地区」に設定されている場所である。都内では杉並区善福寺、千代田区お茶の水、大田区と世田谷区にまたがる多摩川など21地区が指定されている。
 
 そんなのどかな場所である、練馬区大泉町で子供が襲われる事件が起きた。28日午後1時40分ごろ、同区立大泉第一小学校から「ナイフを持った男に児童が切りつけられた」と110番通報があった。ケガをしたのは一年生男子児童3人でいずれも軽傷。
 
 3人の児童は校門付近で男にナイフで襲われた。近くにいた交通指導員の男性(71)が誘導に使う旗を持って立ち向かうと、男は車に乗って逃走した。男性は車のナンバーを控えていた。
 
 通報から50分後、現場から北部に10キロほどの埼玉県三芳町で埼玉県警東入間署の警察官が手配された車を発見、職務質問したところナイフを所持していたため、銃刀法違反の現行犯で身柄を拘束された。
 
 警視庁石神井署によると、逮捕されたのは事件現場近くに住む、男の容疑者(47)で、調べに対して「ナイフは持っていたが悪いことはしていません」と供述しているという。容疑が固まり次第、傷害か殺人未遂の容疑で逮捕する方針。
 
 大泉第一小学校の校長は「下校時というのはこれから遊びに行こうとか、楽しい時間なんです。こういうときを狙う犯人は許せない」と語気を強めた。
 
 評価しなくてはならないことがある。
 
 事件発生から1時間も経たないうちに、隣接する埼玉県警が容疑者を補足したということである。県境で事件が発生した場合、警察本部同士の連携は欠かせない。かつて、東京・町田市で銃を所持した男が警察官に発砲して逃走した事件では、警視庁と隣接する神奈川県警との連携がうまくいかず、緊急配備の情報も共有できなかったことから、犯人を逮捕するのに時間がかかった。
 
 今回、警視庁と埼玉県警の連携がうまくいったのは、かつて東京・埼玉で発生した連続幼女殺人事件がきっかけだったという。子供が被害に遭ったときにどう連携するのか、情報共有をどうするのか訓練を重ねた。
 
 地域に配置されていた交通誘導員の男性のとっさの判断がよかった。子供が襲われているのをみて、すぐに男に立ち向かった勇気は賞賛されなくてはならない。
 
 子供が受けた恐怖を払拭するために心のケアも課題だ。小さなころに受けた恐怖というのは記憶として残る。校門を出るたびに怯えなくてはならない、そんな怖い思いをさせては絶対にいけない。しかし、誘導員の男性がそこにいること、守ってくれるかもしれないという安心感を子供たちは感じたことだろう。
 
 とにかく大きな事態にならなくて良かった。小さな子供たちをみていると、この子たちに未来は託されていると感じる。自分は十分生きた、交代すべき命はあってもいいと思う。刃物を振り回した男に立ち向かっていった誘導員の男性は「自分はどうなっても良いから子供たちを守ろうと思った」と語った。その勇気に敬服である。
 
 そしてそういうかたにはもっと人生を歩んでいただき、生きることの大切さ、悪に立ち向かう勇気、守ってくれる人たちの存在、そんなことを子供たちに話していただいたいと思う。横断用の黄色い旗が、明日からも子供たちの安心のために振り下ろされること切望する。怖い思いをした男の子たち、男に立ち向かっていった男性をどう思っただろうか。早く元気になるといいね。
 
 
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★ 練馬児童切りつけ 容疑者の車にナイフ2本(日テレニュース24・13/6/28)
 
 

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