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【オウム】特別手配犯の男容疑者逃走支援の元信者の女逮捕で解明される闇はあるか

 監禁致死容疑で逮捕されたオウム真理教元幹部、男の容疑者(46)の逃走を手助けしたとして、警視庁は10日、元信者の女の容疑者(49)=大阪府東大阪市川俣=を犯人蔵匿容疑で逮捕した。女の容疑者は容疑を認め、男容疑者とは95年からずっと一緒にいたことを供述している。同庁は潜伏していた自宅マンションなどを家宅捜索し、逃走生活の全容解明を進める。逮捕容疑は、2004年6月ごろから昨年12月31日までの間、男の容疑者を自宅マンションにかくまった疑い。
 
 女の容疑者は男の容疑者の弁護士である滝本太郎氏に付き添われて警視庁大崎署に自首した。滝本弁護士が発表した女の容疑者のコメントを一部抜粋。
 
 「私の出頭が遅くなったことに深くお詫びいたします。(中略)私と(男の容疑者)は報道で色々な事件を知り、特に坂本弁護士一家の事件についてオウム教団のしたことだったことに驚きました。(中略)教団信者には現実感覚がなく、現世は実際に幻と感じていました。異常な世界でした。2人は麻原の法廷での態度に失望しました。(男の容疑者)は(目黒公証役場事務長の)仮谷さんの奥さんの言葉を聞いて出頭しようとも悩んでいましたが、私も(男の容疑者)も(男の容疑者が)、国松(孝次警察庁長官銃撃)事件の主犯と見られていたことから、国松事件で逮捕されなくなるまでは出ないと決めました」と自首までの経緯について簡単に述べた。
 
 男の容疑者が出頭を決意したころについては、
 「昨年の東日本大震災は大きなショックでした。昨年11月末に(男の容疑者)は出頭すると言い始めました。(中略)特に大阪の人にはお詫び申し上げます。偽名で勤務し、長くみなさんをだまし続けてきました。(中略)今日、私は17年ぶりに本名を名乗りました。私はずっとずっと偽名で生活し仕事をしてきました。そんな偽りの人生は終わりにします」と結んでいる。
 
 男の容疑者の弁護人を務めている滝本弁護士は、自らも教団からVXガスで殺害されそうになったことがある。それにもかかわらず、信者の脱会を積極的に支援し、今回男の容疑者の指名で弁護を引き受けた。警察の取り調べには口を閉ざしている男の容疑者も滝本弁護士には話をし、それが報道されて警察が内容を知るという展開になっている。事件当時、滝本弁護士がテレビで信者に向かって「こっちへいらっしゃい」と脱会を勧めたメッセージは記憶に残る。
 
 当時の捜査は警視庁刑事部が始めた捜査であったが、のちに公安部が乗り出したことで捜査は進展したとされる。警視庁大崎署捜査本部は当時の教団事件に関わった捜査員らに加え、公安部員も動員している。当時のオウムのことについてよく知らなければ難しい部分があるとされ、捜査幹部は「経験を生かすしかない」と語る。
 
 新たに逮捕された女の容疑者の供述で、解明されていないオウム事件について明らかになることがあることを期待したい。オウムは宗教に名を借りただけの犯罪集団でありテロ集団だ。松本サリン事件や地下鉄サリン事件では多くの死傷者を出し、今も後遺症に苦しむ人たちがいる。刑事事件史上最悪のテロ事件を何としても解明しなくてはならない。
 
 信仰を持つことは良いことであるが、それは自分のみならず周りも幸せにできなくては宗教ではない。まちがった考えを捨てるのは信仰ではなく、その前に一個人が考えを改めることである。「偽りの人生を終わりにしたい」と語った女の容疑者や男の容疑者が改心することに期待したい。改宗よりも大切なことである。
 
 
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★ 元オウム信者の女を逮捕 容疑者をかくまった疑い 「手配後ずっと一緒」 警視庁(時事通信・12/1/10)
 
★ 『日常生活を愛する人は?』 某弁護士日記(滝本太郎弁護士のブログです)
★ オウム事件:容疑者、元教祖の写真「捨てた」 法廷での態度、情けなく(毎日新聞・12/1/5)
★ 容疑者:「松本死刑囚は詐病」 接見の弁護士に語る(毎日新聞・12/1/7)
★ 容疑者:服のタグなし、足取り隠すための工作か(毎日新聞・12/1/8)
★ 容疑者「アレフ、活動をやめてほしい」(産経新聞・12/1/9)
 
(ブログ管理者注:リンク先の新聞記事はタイトルを一部改変しております)
 

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