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警察機能が回復した宮城県警 被災しても強い警察

 先日、警察官をしている友人の携帯電話へ発信した。「お久しぶり。ちょっと長くなるので、家の電話番号って何番だっけ?」すると彼は「いま実は、宮城に来ているんです」。
 
 そうか、もしかしたら派遣されているのかもしれないと思ってはいたが、彼もその一人であった。彼曰く、全国警察から応援の警察官が集まっているのだという。
 
 全国警察は先月、東北地方太平洋沖地震で被災した岩手、宮城、福島の3県に、他県警からの警察官応援部隊を1500人入れた。警備部隊が1,000人、パトロール部隊が270人、生活安全相談を受ける女性警察官が約60人、機動捜査隊員約80人などである。3県警への応援部隊は4500人体制。これまで延べ58,000人の警察官が派遣されている。
 
 遺体の捜索など震災に関わる仕事もあるが、通常の治安維持活動もしなくてはならない。とりわけ、がれきの街とかした被災地では、住居侵入事件や窃盗事件が頻発しており、”火事場の泥棒”を捕まえなくてはならない。兵庫県南部地震(阪神淡路大震災)の時には震災直後およそ1週間で約400件近くの窃盗事件が発生。そのほとんどがオートバイや自転車盗であった。
 
 神戸などでは民間の自警団も結成されたが、兵庫県警も独自にパトロール警官隊を組織し、治安が悪くなる夜の街に出動した。当時は避難先である学校に暴走族が集まり、炊き出しを食べたり、校内放送で大声を出すなどの悪態をつく若者がいたという。
 
 仙台地検は9日、仙台市青葉区に住む無職の男の容疑者(36)を強姦罪で起訴した。10日午前0時に公訴時効が完成する直前だった。
 
 男は2004年5月、同区内を歩いていた20代の女性の背後から襲い暴行を加えた。その際に現場で採取された男のDNAが警察庁のデータバンクに登録されており、別件で逮捕されていた男のDNAと一致し、仙台北署が強姦容疑で逮捕していた。
 
 凶悪犯を逮捕・起訴できたことも良かったが、震災で後方治安が後手になっているのではないかと思っていたのでホッとした。
 
 先日放送された、いわゆる「警察24時」は通常の警察活動を伝える内容の他に、震災後に活動する宮城県警の警察官に密着していた。
 
 県警航空隊のヘリが「荒浜地区に津波が押し寄せています!」と緊迫した状況を伝え、また、110番を受信する通信指令室では、地震発生直後から「信号が消えた」「火の手が上がっている」などの通報が殺到。そのうち通報のほとんどが「救助要請になった」とされ、担当者は「涙を流しながら対応していた」と振り返る。
 
 駐在所で勤務していた警察官が津波にのまれて殉職している。同僚であった警察官は、「最後まで、住民の避難誘導をしていたんだと思います」と涙をこらえて話していた。
 
 津波を捕まえることはできない。だが、住民の命を守るために津波に背を向けてもいけない。制服を着た正義がただそこにいること、それが何人の住民を救ったか、自らの命を犠牲にしてまで。
 
 警察庁によると4月4日の時点で、震災でお亡くなりになった警察官は20人。行方が分からないかたは10人だという。
 
  
 
★ 時効成立直前に強姦容疑者を起訴 DNA一致(読売新聞・11/5/11)
★ 警察官の殉職20人に 安否不明は10人 警察庁(朝日新聞・11/4/4)
★ 震災犯罪、許さない 揺らぐ治安 警察・住民が奮闘(河北新報・11/5/4)
 
 

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