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尖閣映像流出 長引く任意聴取の海上保安官はどうなる

 「自分が流出させた」と告白した第5管区海上保安本部・神戸海上保安部の海上保安官(43)の任意の事情聴取が長引いている。警視庁と東京地検が合同で捜査を始めて間もなく名乗り出た海上保安官はこの後どうなるのであろう。容疑が固まれば「逮捕」としていた捜査側であるが、一筋縄ではいかなようだ。
 
 罪の構成要件を固めて本人の供述の裏付け捜査が必要になる。特に今回は映像をアップロードしたという事実は固まっているようだが、国家公務員法の守秘義務違反での捜査。秘密なのか否かが焦点となり、警察と検察でも見解が二分している。犯人しか知り得ない秘密の暴露などがなければ、後に否認に転じた時に公判が維持できない可能性もある。
 
 世論も専門家も意見は賛否二分している。石原慎太郎・東京都知事は「愛国者を罰するのは間違い」とし、橋下徹・大阪府知事は「本人には気の毒だが、公務員は政治家の決定に従うべき。そこが崩れたら政治行政は成り立たない」と語る。
 
 法を犯せば罰せられるのは当然である。捜査当局が判断することは、この嫌疑に見合う行為を海上保安官が行ったかということであり、逮捕して起訴することで公判を維持できるかを勘案しなければならない。
 
 もし海上保安官を逮捕したならば、後に不起訴とすることだ。中国船長を無罪放免とした時と天秤にかけ、それを釣り合わせること、正義と大義を両立させる冷静な手段である。それにしても海上保安官も警察官も検察官も同じ司法職員である。捜査当局の士気が上がらないように感じるのは気のせいか。
 
 明らかに違法行為を行った中国漁船を”無罪”にし、それを公開した海保職員が犯罪者になろうとしている。同じ国内法でも一方は国境を守る海保が検挙し、その映像を公開した自国民である職員を2つの捜査機関が検挙しようとするのは海外から見れば奇妙に映るに違いない。
 
 
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★ 【海保職員「流出」】長引く取り調べの理由とは?「準備不足」と「世論感情」と(産経新聞・10/11/11)
★ 映像流出事件、任意捜査も検討 逮捕の可否、検察も割れる(共同通信・10/11/12)
 
 

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「尖閣映像流出 長引く任意聴取の海上保安官はどうなる」への1件の返信

内部告発者を護るウィキリークスを知っていたなら、
素早く追突ビデオ流れて誰も傷つかなかった。
反日も反中デモも無かったと思います。
機密があるのに民主主義ですか?知る権利を保障しないのなら。
間違った投票で住みにくい社会にしてしまうのを恐れます。
反日感情の恐れより、事実が機密扱いされる意味を議論すべきだと思います。
米では前の大統領が事実と違う発表で戦争を始めたのを、
ウィキリークスが機密を漏らしていたら。
自分の思い違いの政治家に投票し住みにくい社会にしてしまう愚かさが分ったと思います。

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