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土浦の8人殺傷事件、なぜ県警は防げなかった

 男の容疑者(24)は警戒していた茨城県警土浦署員の前を素通りしていた。土浦市のJR荒川沖駅周辺で起きた8人殺傷事件で、警察は殺人容疑で指名手配をしていた男の犯行を許す形となった。
 
 「早く捕まえてごらん」という本人からの110番通報を受けた県警は、携帯からの発信記録から、つくばエクスプレスの各駅に捜査員を配置し警戒していた。事件が起きた荒川沖駅周辺にも8人の私服警官を配置したが、変装した男は堂々と警官の目前を素通りした。
 
 その直後、惨劇が始まった。改札付近にいた巡査が突然頭部を切られ、近くにいた別の巡査に事件の発生を伝えた。この瞬間に男は逃走、被害者を次々と出す結果となった。
 
 この茨城県警の警戒態勢がおかしい。防刃チョッキを着けて臨んだ体制であったが、全員が無線機を所持しておらず、携帯電話で個別に連絡することとなった。けが人の救助に追われた捜査員は男を駅周辺から逃がしてしまい、県警本部に入った第一報は一般人からの110番通報だった。
 
 この時に無線機を所持していれば、当然のことながら事件の発生は警戒中の捜査員全員に一斉に伝わることになる。殺人容疑で手配中の犯人を捕捉するのに、これでは8人の捜査員がいた意味がない。情報の伝達が一斉にできない携帯電話では、捜査員は8人ではなく1人で対処するのと同じ事である。
 
 制服の警察官を配置しないところにも疑問を感じる。制服というだけで抑止力となりうる場合がある。少なくとも銃や警棒を装備している制服警察官であれば、突然の惨劇に対する被害を最小限に抑えられた可能性もある。最後に刺されて亡くなった男性の命は救えたはずだ。
 
 男は犯行後、現場から300メートル離れた無人の交番にいるところを逮捕された。男を簡単に逃がしたことで、さらに被害者を増やした可能性も否定できない。県警は170人の体制で警戒していたというが、本当は荒川沖駅に配置されていた8人の捜査員だけで逮捕できた事案であった。警官の目の前で一般のかたが犠牲になったことを茨城県警は重く受け止めなければならない。
 
 
★ 容疑者、張り込み警官の目前を素通り(読売新聞・08/3/24)
★ 死亡の被害者は首をひと突き 明確な殺意「たまたま見かけたので刺した」、土浦市の8人殺傷事件(産経新聞・08/3/24)
 
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