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「男はつらいよ お帰り 寅さん」 レビュー

 冒頭は、小説家となった満男(吉岡秀隆)が夢を見て目覚めるところから始まる。おなじみのオープニングの歌は桑田佳祐が歌う。
 
 妻の七回忌が実家である柴又で行われる。母のさくら(倍賞千恵子)、父の博(前田吟)ら近所の人たちも集まる。そんなおり、昔の恋人である泉(後藤久美子)が偶然現れることになる。
 
 満男やその家族は折に触れて寅次郎(渥美清)を思い出すのである。
 
 
満男 「おじさん、人間はなんのために生きてるのかな」
 
寅 「お前、難しいこと聞くなぁ。うーん、なんていうかな。生まれてきてよかったなってことがなんべんかあるじゃない。そのために人間生きてんじゃないのか?」
 
 
 生きるとはなんぞや、という問いがあるが、生きていくことは生まれてきてよかったと感じるために生きることなのだろう。生きることはそのために喜び、悲しみ、怒り、を探すために前に進むこと。ただ存在することではなく、止まらないこと。
 
 若さというのは経験しておくべきである。その思い出を語るにはあまりに微笑ましく、自分のことですら羨ましくなるからだ。
 
 そしていつしか、誰かが各々の記憶に振り向いたとき、寅さんみたいな存在を思い出せるような。
 
 「お帰り、寅さん」という小説が書かれたとしたら、終わりなき恋愛が何編も続きそうである。終わりそうで終わらない、寅さんの希望ではなく読み手の希望が続きそうである。
 
 

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2020年「半沢直樹」最終回レビュー

 昭和の時代に生まれた人たちが昔は持っていたものがある。それは「青臭い正義感」である。
 
 かつての刑事ドラマなどを見ていても、情熱的で熱い気持ちを持った刑事が悪を憎む構図が描かれていた。そしてその大半はハッピーエンドで終わり、見るものをスッキリさせてくれた。そんなにうまくいくはずもない、そう思いつつもそうしたドラマや映画に魅了させられた。
 
 時代は昭和から平成に変わり、より「現実に近いもの」を追求する描写が増えた。必ずしも見るものを安堵させるのではなく、何か残像を残したような、奇妙な後味の作品が増えた気がした。
 
 「半沢直樹」は、大声でタンカを切り、明快に悪をやっつけるという部分において視聴者の支持を得たドラマである。苦境に陥るかと思いきや、最後のどんでん返しで見るものを安心させてくれた。
 
 実際にあのように大声を出して相手を威嚇するようなことは問題になるかもしれないが、今の私たちは少し静かになりすぎたのかもしれない。
 
 もし何か苦しいことが起きたら、決して一人で抱え込むべきではない。その苦しみをメモに書いておくことも有用なのだという。相談相手を求めてネットで検索する方法もある。また、嫌な情報から距離を置くことも重要だ。NPOや国の相談窓口もあるのでまずは身近な「半沢直樹」を探すことは決して無駄なことではない。
 
 
 それにしても、部屋の中を花でいっぱいにするというのはなかなかいいものである。自然に生まれた鮮やかな色と香りが心を豊かにする。そして、一輪々々に刻まれた花言葉が人を勇気づける。そこでは花が花に語りかけるのである。
 
 こういうご時世であり、忘れがちであるので覚えておきたいことがある。今は握りこぶしで相手と”握手”をするが、そのうち必ず、手のひらを広げて握手をする時が戻ってくる。当たり前のことを当たり前にできる準備をしておきたい。怒りや我慢の握りこぶしを解いて、花を咲かせたい。
 
 
★ 花言葉・由来
★ 日曜劇場『半沢直樹』|TBSテレビ
 
半沢直樹 堺雅人
半沢花  上戸彩
渡真利忍 及川光博
黒崎俊一 片岡愛之助
 
森山 雅弘 賀来賢人 
三木重行 角田晃広
 
伊佐山泰二 市川猿之助
乃原 正太 筒井道隆
三笠 洋一郎 古田新太
女将・智美 井川遥
 
白井亜希子 江口のりこ
箕部啓治 柄本明
中野渡謙 北大路欣也
大和田暁 香川照之
 
☆ 竹内結子(Yuko Takeuchi Official Web Site)
 

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「コブラ会 シーズン 1」簡易レビュー

 「コブラ会 シーズン1」というドラマが2018年からアメリカで放送されているようである。結論から言うと、映画「ベスト・キッド」のファンの人は絶対に見たほうがいい。
 
 時は34年が経過した世界であり、コブラ会の優等生だったジョニー・ローレンス(ウイリアム・ザブカ)は生活が荒れて酒浸りの日々を送っていた。一方でライバルであったダニエル・ラルーソー(ラルフ・マッチオ)は自動車販売チェーンを経営し大成功を収めている。
 
 ジョニーは「コブラ会」を作り、もう一度空手で人生をやり直すことを決める。一番弟子には不良に絡まれて凹んでいた少年ミゲルが入会する。
 
 かつての映画を見た時は、塀のペンキ塗りや車のワックスがけなど意味があるのだろうか、いや映画だからいいじゃないか、と思っていたが、また出た。
 
 ジョニーは弟子のミゲルにトイレ掃除などの”雑用”をやらせることになる。2018年である。80年代ではない。和暦で言うなら昭和は終わり、平成は過ぎ、時代は令和である。ああいう”訓練”は実際の空手に照らし合わせてどれくらいの意味があるのだろう。
 
 「コブラ会」本編では、「ベスト・キッド」の懐かしいシーンも随所に織り込まれている。ミスターミヤギも当然出てくる。出てくるといえば、懐かしのあの場所やあの場所、そしてあの場所もあの人も、そしてあの人も登場するし、あの音楽も当然流れる。くどいようだがファンの方は絶対に見るべきだ。敵に情けは無用だ。
 
 少し登場人物に言及すると、「コブラ会」ジョニーの一番弟子がミゲル、ミゲルの恋人はサム、サムの父親はダニエル。そして「ミヤギ道」ダニエルの一番弟子がロビー、ロビーの父親はジョニー、という具合なのでご留意いただきたい。
 
 シーズン1でもトーナメントのシーンがある。準決勝で選手の紹介があり、飛んだり跳ねたりする強い選手が出てくるが、その選手のコメントを引用させていただく。
 

I just wanted to say, even though I love to fight, we all need to fight together against hatred…
 
And as I look around this arena, I pray for every race, religion and gender that we can all live together in peace. Please join me in a moment of silence as we strive to end intolerance in our time.
 
一言だけ言わせてください。戦いは好きですがヘイトは許せません。この会場を見渡したとき、私は祈りを捧げます。すべての人種、宗教、ジェンダーがみんな平和に暮らせますように。黙祷を捧げましょう。不寛容を終わりにするために。

  
 「コブラ会」でも頻繁に出てくるフレーズ、”No mercy”(情けは無用)。本当に情けは無用であろうか。トーナメントで情けをかけては相手を倒すことができないからこそ強くなる必要がある。若い子どもたちはそうやって強くなっていく。そしてきっと、情けが必要なことも学ぶに違いない。
 
 
☆ 敵がいつもルールを守るとは考えるな。(ジョニー・ローレンス「コブラ会・シーズン1)
 
★ コブラ会(Netflix)
 
★ 84年版「ベスト・キッド」のサントラとDVDをゲットした(本ブログ・2010/12/26)
★ 「ベスト・キッド」の「ミスターミヤギ」、死去(本ブログ・2005/11/30)
 
 

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前奏のない曲、イントロの短い歌

 前奏(イントロ)がない曲、または短い曲というのが多数存在する。番組収録などの場合はよいが、生放送の場合はタイミングを取るのが難しいだろう。そういう場合はドラムスティックを使ってカウント、またはキーを鳴らしてそのカウントを分かりにくくする、さらには簡単な前奏を演奏するなどと工夫が見られるのが興味深い。昔の楽曲ばかりで恐縮だが並べた。
 
1. ピンクレディー「ウォンテッド(指名手配)」
 
 前奏なしの曲。彼らの時代には生放送での歌の披露が多く、その多くは前述のようなタイミングをバンドやオーケストラが作って出だしを助けた。生放送だと時間の都合で全編歌うことができずに「ショートバージョン」になることも多かった。ピンクレディーの二人の曲は歌のみではなく振り付けも大きな魅力となっていただけに、短い編成の時は間違いのないようにしなくてはならず苦労があったに違いない。
 
2. シャネルズ 「ランナウェイ」など
 
 ドゥワップの曲は考えてみると前奏がないものなのかもしれない。「ランナウェイ」「街角トワイライト」「ハリケーン」などは鈴木雅之のカウントで始まる。
 
3. 田原俊彦「悲しみTOOヤング」
 
 前奏は4拍。しかし歌う準備ができてないとタイミングに追いつくのが大変になる。「歌の準備をどうぞ」と言われない状況だとなかなか難しいことであろう。
 
4. 近藤真彦「情熱☆熱風☽せれなーで」
 
 前奏のない曲。この曲も生放送泣かせの曲であったろう。カウントなどがあれば入りやすいが、いきなり始まるパターンしか記憶にない。
 
5. 松田聖子「渚のバルコニー」「瞳はダイアモンド」
 
 いずれも前奏は4拍。「渚のバルコニー」は大抵、歌の準備ができていることが多く、また立ち位置(バミリ)の近くにいて曲紹介をされることが多かった。「瞳はダイアモンド」の場合はスタンバイができた状態で歌うことが多かった気がする。
 
6. シュガー「ウェディング・ベル」
 
 前奏なしの曲。実際の歌番組でもちゃんと歌から始まることが多かったが、バックバンドのカウントを使ったこともあるようだ。コーラスの大変美しい曲であり、元カレに対する強烈な詞が面白かった。この曲が披露されるときの多くが「2番はカット」であった。
 
7. チェッカーズ「涙のリクエスト」
 
 前奏なしの曲。こういう曲の場合、生放送であるとメンバーではなくセットの一部、例えば花などのアップを映し、その間に曲が始まるというカメラ構成も多くある。
 
8. サザンオールスターズ「TSUNAMI」
 
 前奏なしの曲。この曲の場合はドラムスティックでのカウント(ワン・ツー・スリー・フォー)で始まることが多いようだ。間奏の部分を前奏に置き換えて編集されたものもある。サザンのようなバントの場合は出だしだけでなく、次の曲とのつなぎの部分のアレンジも楽しめる。
 
9. DREAMS COME TRUE「あなたにサラダ」
 
 前奏なしの前菜の曲。それにしてもサラダが言葉になるとなんとも健康的で幸せな時間の到来を予期させるのは何故であろう。
 
10. 【番外編】伊藤つかさ「少女人形」
 
 この曲は前奏が10小節あったが、時間的制約からかイントロが極端に短く編集された例である。さらに、伊藤つかさの場合、”存在そのものが編集された” 稀有な例であるという点だ。
 
 14歳で歌手デビューした彼女であったが、当時の歌番組が20時以降の生放送が多く、労働基準法の「20時以降の15歳未満は就業禁止」に抵触するという考え方から、歌番組では彼女の歌っている場面のVTR出演という形で対応した。ただ、同法では例外的に「学業などに抵触せず有害でないもの」、「芸能などの子役」などは認めていたことから、彼女は本来出演できたはずであった。後に伊藤つかさ本人がこの件について語っている部分がウィキペディアにあるので興味のある方は参照されたい。
 
 同じような例としては、工藤夕貴の「野性時代」がある。当時20時開始であった日本テレビ系列の歌番組「トップテン」に出演することができず、歌唱部分はVTRで流し、客席に「お客さんとして」着席していた本人に話を聞くという離れ業が披露された。SPEEDの4人組も19時台に歌ってその後は客席から座って”出演”ということがあった。
 
 前奏のアレンジだけではなく、生放送番組であると時間的な問題で曲そのものが大きく変更されることが多くあった。そのたびに間違わないように歌わなければならないし、AKB48などの振り付けが多い歌ではプロとはいえ間違いが許されない緊張感があるだろう。
 
 しかしその一方で、生放送でお客さんが目の前にいて、ステージ上で生のオーケストラのかたたちがいる環境において、歌うことができるというのは歌手冥利に尽きることであろう。
 

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相棒シーズン17 最終回レビュー

 
 大学教授が殺される事件が発生した。殺されたのは遺伝子工学の権威である。教授は鳥インフルエンザに関する研究を続けていた。特命係の二人はいつものように非公式ながら捜査に乗り出す。
  
 
 24年前の1995年(平成7年)の今日、東京都内の複数の地下鉄線内にて猛毒サリンが撒かれた。13人のかたが亡くなり、およそ6300人のかたが重軽傷を負った。負傷された方の中には今でも健康状態がすぐれず、地下鉄に乗れない人、めまいや頭痛が頻発する人、脳に重篤な傷を負い意思疎通ができなくなってしまった人などがいる。
 
 事件から24年が経過した。事件の被害者と関係者の方たちにどうすれば寄り添えるのだろうか。
 
 
 相棒本編で、「世界が滅びてもいいのか!」と男が叫ぶのに対して、杉下は応える。「そんなことはさせません」と。
 
 科学も情報も、人を間違った方向に導くような使われ方をしてはいけない。特に社会的に弱くなった人に対して、間違った科学や情報が悪用される。そんなとき杉下のように、「そんなことはさせません」、「それは間違っている」と言い続けることが重要だ。過去を忘れず、今を偽らず、未来に目を向けたい。なぜならば、科学は暴走しないが、暴走するのはいつも人間だからである。
 
 相棒本シーズンでは、月本幸子(鈴木杏樹)が「花の里」を卒業した。13年間も登場していただけに少々寂しい気がするが、また何らかのかたちで特命係の二人に出会うことを期待したい。そして本シーズン最初に訃報があった。大木長十郎刑事役の志水正義さんのご冥福を改めてお祈りします。
  
☆ 思想をお持ちになるのは自由です。ですが、その目的を達成させるために罪を犯そうとしているのなら、それは、大きな間違いですよ(杉下右京・相棒17「新世界より」)
 
★ 相棒 (テレビ朝日)
 
★ 地下鉄サリン事件から24年、遺族ら献花(日本経済新聞・2019/3/20)
 
★ 水谷豊(トライサム)
★ 反町隆史 オフィシャルサイト
★ 鈴木杏樹(JAPAN MUSIC ENTERTAINMENT)
★ 川原和久(NEVERLAND ARTS)
★ 山中崇史(トライサム)
 
★ 志水正義(大和プロ)
★ 山西惇(株式会社キューブ)
★ 神保悟志オフィシャルサイト
★ 片桐竜次(東映マネージメント)
★ 小野了(有限会社活動屋)
 

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相棒17 第14話「そして妻が消えた」レビュー

 人がスポットライトを浴びるという感触がどんなものなのだろうか。私は習い事としてジャズダンスとボイストレーニングを受けたことがある。その発表会にも何度か出た。舞台の袖で待っているときの緊張感。上から後ろから横から当たるライトの熱、そして前方には薄っすらと見えるお客さんたち。あまりうまく行かなかったことのほうが多かったが、少しばかりの達成感と拍手を受けることはたしかにクセになりそうであった。
 
 
 元人気女性キャスターの小田絵美子はオダエミとしてその名が知れ渡っていた。犯罪心理学者として有名であった坂崎(宮川一朗太)と結婚。オダエミと坂崎は理想の夫婦として認知されるようになった。しかしオダエミが突然失踪し、冠城(反町隆史)の知り合いであり夫の坂崎に殺人の嫌疑がかかることになる。
 
 オダエミが言うセリフで「なぜ私があなたの陰にならなくてはいけないのか」という部分がある。一度名声を手に入れると人は自分の人生に酔い続けたくなるのかもしれない。”アルコール”が抜けたときの虚脱感、自分の名前が思い出されない状況に苛立つのかもしれない。
 
 ところで相棒を見ているとベテラン俳優さんが出ていることに気が付かないこともある。それに加えて、俳優さんのプライベートを踏襲したような話の作りになっていることもある。
 
 例えば、シーズン12の14話「顔」は整形手術の話であるが、本編には芦川よしみさんが出演している。芦川さんはかつて仕事中に顔に大怪我をして形成外科手術を経験されている。顔を売る仕事なのにそんな怪我を負わせるとは神様も意地が悪い。
 
 今回の相棒に話を戻すと、オダエミを演じたのは俳優の東風万智子さん。私としては「真中瞳」さんとして記憶にあるが、ずいぶん前に改名されて新たな船出をされている。お名前は「こちまちこ」と読み、逆から読んでも同じ読みができる。これなら忘れることはなさそうである。
 
 
★ 相棒 17(テレビ朝日)

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相棒17 第13話「10億分の1」レビュー

 フリマアプリが流行っているのは知っているが実際には使ったことがない。昔からネットオークションはやっており、出品すると少しずつ金額が上がっていくさまが面白い。このオークションも昔は無料で互いのメールアドレスを交換してそこから住所氏名などの個人情報を教え合うというものだった。サイト側の介入はなかったが、違法なものの出品や品物が届かないなどのトラブルも多くなってきたことからシステムが強力になり今日のように有料のサービスとなった。
 
 相棒本編では、冠城(反町隆史)が夜の街で橋の上で思いつめた様子の女性に声を掛ける。女性は橋本美由紀(大路恵美)であったが三日後に遺体となって発見される。ショックを受けた冠城は他殺の可能性を考えて杉下右京(水谷豊)と捜査に乗り出す。現場で清掃業務に従事する中野絢子(大和田美帆)との共通点が明らかになる。
 
 本編で出てくるセリフで、忙しく世間から取り残された人が、フリマアプリを使い知らない相手とやり取りすることが楽しい、という描写がある。確かにオークションで出品するとどんな人が興味を持ってくれたのだろうと思うことはある。知らない人とのやり取りは胡散臭いという考え方はすでに古く、ネット上から派生したこういう交流も当たり前の世の中になった。実際に相手に会いたくなる、というのは自然な感情だ。
 
 本編を見ていてアメリカでの話を思い出した。ノースカロライナ州で3歳の男の子が行方不明になったが、その後森の中で無事に発見されたというニュースだ。男の子はクマと一緒だったと話しているという。この証言を裏付ける証拠はないが、寒くて雨も降った状況であったにもかかわらず何かが男の子の助けになっていたかもしれない、と当局は話しているという。
 
 何が男児の助けになったかははっきりしない。ただ、小さい男の子を放っておけない別の生命体がいたとしたらそれは素敵なことである。
 
 人間は60億人、そしてそれ以外の生命体は億を超える。自分の見えないところで、救おうとする何かに助けられていることは実は多いのかもしれない。
 
 
★ 相棒 17(テレビ朝日)
★ 「クマが一緒にいてくれた」行方不明の男児を森で発見(CNN・2019.1.29)

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相棒17 第11話「密着特命係24時」レビュー

 相棒を見ているとベテラン俳優さんが出ている事に気が付かないこともある。今回は井上純一さんが出演していることにだいぶあとになってから気づいた。「『密着捜査一課24時!!』番組ナレーションの予告編」はなんと俳優・声優の小林清志さんが担当。「ルパン三世」の「次元大介」の声といえばわかりやすいが、実際にテレビ朝日系列「警察24時」のナレーションを長きに渡って担当している。
 
 相棒本編で、一人の弁護士が転落死しているところを発見される。現場には捜査一課の伊丹・芹沢の両刑事がいた。そして捜査の様子は「密着捜査一課24時!!」のカメラが捉えていた。しかしいつの間にか、カメラマンは特命係の二人を追っていた。
 
 一度事件が発生すると、一人の人間の過ちで多くの人の人生を変える結果になりうる。加害者とその家族、犯罪被害とは無関係だった被害者とその家族である。最初は些細な出来事からエスカレートしていく犯罪。犯罪を封じ込めるには日々の規範意識を保つことが必要になってくる。
 
 大人になれば叱ってくれる人が少なくなるから自分で律するしか方法はない。そして他人の不注意を教え諭すきっかけを作っていくことが大事である。
 
 杉下は犯人に向かって「そもそもあなたがこんなことをしなければ」と怒るのだが、できれば犯意が実行に移されない時に本人が気づくべきであった。そうすれば容疑者などと呼ばれなくてもよいのである。
 
 初心忘るべからず、ということわざがあるが、このことわざの存在を忘れるようになってはいけない。毎日が初心であれば、今日、見える世界も自ずと変わってくるだろう。
 

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