言葉のリサイクル

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ヒアリの可能性

 
 世の中にはいろいろな専門家がいるが、大学に行って研究までしたアリの専門家の知り合いがいた。その人にいわせると「アリはとてもかわいい」のだという。かわいいかどうかは分からないが、思えば幼いころは身近な昆虫はアリであった。2匹のアリを捕まえて狭い空間で戦わせたり、意味も無く踏みつぶしたりした。アリには悪いことをした。
  
 そんな無駄な殺生をするのをやめようと思ったのは大人になってからである。ゴキブリを昇天させて外に放置しておいたとき、翌日見てみると10匹くらいのアリが一生懸命そのゴキブリを運んでいるのである。昆虫なんて半年とか一年程度の寿命であろうに、そんな虫のいのちを意味もなく奪うのは心苦しいと思ったのだ。
 
 台所に赤い小さなアリが出てくるようになった。その専門家に聞くとオオヅアリという名前らしい。このアリに限らないが、大量発生すると数が多くていちいち始末するのは困難である。専門家のアドバイスに従って市販の薬を置いておくと姿を見せなくなり効果があったようである。
 
 最近、南米原産のヒアリ(fire ant)が日本国内で発見されて話題になっている。噛まれるとその毒から激しい痛みや最悪の場合は死に至ることもあるという。そんな危険なアリは何としても水際で阻止しなくてはならない。
 
 可愛らしいアリも、元をたどるとハチの仲間であるらしい。顔つきを見ると、群れをなし噛んだり刺したりする凶暴性はなるほど危険である。「女王さま」のもとで一生懸命働くのも同じである。
 
 もしヒアリが内陸で大量発生した場合、天敵となるのはクモ類、トンボ、また、別のアリたちということらしい。であるならば、不用意に市販薬で始末しなければよかったと悔やむところである。
 
 ちなみに、シロアリは名前に「アリ」とついてはいるが、ゴキブリの仲間だそうだ。画像を検索すると確かにアリとは趣の違いがある。これも専門家に聞いた話であり、一番驚いた事実である。季節としては昆虫に慣れ親しむことのできる時期であるが、同時に害虫との戦いでもある。不用意に刺されないようにご注意を。
 
 
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