五輪に向けて

 
 東京・新宿区内の公衆トイレで個室から出てきた外国人に「フラッシュ?(flush)」と聞かれた。水を流すにはどうしたら良いのか、ということである。日本のトイレは洗浄機がついていたり手をかざすだけで水が流れたりと過剰に便利であるが、他国の人にしてみれば何が何だか分からない。操作方法が記されていないのである。
 
 その新宿区内にある新宿御苑で勤めていた非常勤の男性が、過去に外国人から怒鳴られたことがトラウマになり、以後外国人から入場料を取っていなかったことが明らかになった。被害額は判明していない。男性は外国語が理解できなかったという。
 
 外国人を受け入れる観光立国として英語表記は必要である。加えて、公共の場においての行き先表示やトイレの使い方は外国語表記を進めなければ五輪に間に合わなくなる。新宿御苑のホームページを見たが、外国語の案内は現時点で無いようである。新宿という好立地にある所なので、事前に英語で案内があれば便利であるし、記憶にないので分からないが入口にも英語表記があってしかるべきだ。
 
 お客さんに怒鳴られてトラウマになるのはよく分かる。私自身、接客の経験が長いので、訳の分からないことで怒鳴ってくる客の対応経験がある。こちらに落ち度はないのに怒っている。そうした場合でも相手の言い分を聞いてこちらの誠意を示すしかない。
 
 それが日本語の出来ない外国人が怒鳴るとなると、従業員側は見透かされてしまうかもしれない。今後はこうした状況に対応できる環境を整える必要があるが、どこも少ない人数で対応しているサービス産業で準備を整えるのは容易でない。ただ、非常勤の男性は同僚に相談しなかったのだろうか。
 
 しかし、声を上げれば通ると思われるのもしゃくに障る。札幌市内のホテルで、南京大虐殺を否定するような本を置いたところ、ホテル側の対応を中国外務省が批判した。冬季アジア大会を控え、組織委員会から「客室内全ての情報物の撤去」の要請があり、ホテル側は「言論の自由があり、批判されたことで書籍を撤去することは考えていないが、ホテルとしての利用者の要望に出来るだけ沿うようにするのは当然のため、組織委員会の意向に従うことになると考える」とした。
 
 お客様を前にすると、大小のクレームもすべて受け入れ、そのことが、言論をする者がそこに立つ自由さえも許されないのかと怒りを覚える。
  
 
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★ 外国客の入園料未収で減給 新宿御苑「言葉話せず怒鳴られた。怖かった」(産経新聞・2017/1/20)
★札幌冬季アジア大会中は書籍撤去か 組織委が「快適な空間の提供」を要請 中国からの批判受けての措置は否定(産経新聞・2017/1/20)
 
 

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