言葉のリサイクル

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昭和の時代からずっと

 昭和のころのCMというのはビデオデッキ、ビデオカメラやテレビのものが多かった。考えてみれば、携帯電話もインターネットもない時代。情報を集めるのにも娯楽にもテレビの存在が圧倒的な時代だ。テレビ番組を見て次の日に友人とその番組について話をした。半日遅れの情報の共有である。
 
 この昭和の時代からいじめ問題というのは存在した。あの頃にケリがついたはずの問題だったが、時は平成に入っても一向になくならない問題。大きな年月を経ての情報の共有である。共有はしたが、問題は棚上げされたままの部分もある。いじめはあるものだと公には認識されたはずだったが、教訓は生かされず、殺された。
 
 2015年12月25日、大手広告代理店に勤めていた入社2年目の高橋まつりさんが自ら命を絶った。まだ24歳だった。亡くなる前のツイッターでは、「眠りたい以外の感情を失いました」など、長時間労働や上司からのパワハラを嘆き苦しむ様子が投稿されていた。長時間労働が過労死(労災)を招いたとして、厚労省東京労働局は、同広告代理店に対して調査である臨検監督を実施した。
 
 2016年8月25日午前、青森県黒石市の中学2年生、葛西りまさんが自らの命を絶った。まだ13歳だった。遺書には「もう耐えられません。いじめてきたやつら、自分で分かると思います。二度としないでください」などと書かれていた。学校では無視をされ暴言を吐かれるなどしていた。葛西さんは美術工芸部の部活動のほかに、津軽民謡に合わせて踊る「手踊り」の学外チームにも所属していたという。
 
 なぜ企業も学校も、生きる若人に死の選択肢を示すのか。過労死やいじめの問題は今に始まったことではないことは知っているのに。
 
 時は平成となり、ビデオはブルーレイ、ビデオカメラは手軽なスマートホンにもなった。あのころよりも高画質な写真が簡単に残せるようになった。
 
 袖ふれあうこともなかった平成生まれの若い女性の笑顔が、これで美しくに残る。閉ざされた空間に抑圧されることもなく、優しく微笑む24歳のままで、命の高揚を踊りに託した13歳のままで、永久に記憶に残るのである。
 
 
★ 電通の女性社員を労災認定 入社9カ月、過労で自殺(時事通信・2016/10/7)
★ 青森で中2女子、自殺か 遺書「いじめしないで」(日本経済新聞・2016/8/30)
  
 
 
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