言葉のリサイクル

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119番救急車の有料化は是か非か

 
 いざという時に頼りになる119番通報だが、救急車の有料化が議論されている。財務省は、軽症患者が救急車を呼んだ場合の有料化を打ち出しているという。2013年の119番通報は、全国で591万件であり10年で2割り増えたが、そのうちの半数は軽症患者であったという。 
 
 有料化に賛成する意見の中には、「タクシー代わりに使っている使っている軽症患者のために現場が疲弊している」といった声も聞こえる。有料化に反対する意見の中には、「通報をためらう人が出て死者が増える」などという意見もある。
 
 興味深かったのは現場の救急隊員の意見で、「有料化にしたら『金払ってるんだから、早く行け!』など、有料を逆手にとって、何を言い出すか分かったものではない」という「有料化反対」の意見だった。
 
 症状に応じて有料化する考えもあるが、線引きは困難かもしれないし、現場に余計な負担が増えるだけではないだろうか。
 
 自分のために119番通報した(された)経験から、有料化にはいささか抵抗がある。そしてもっと抵抗があるのは、他人のための通報である。
 
 以前に書いたが、路上で胸を押さえて苦しんでいる男性がいた。「大丈夫ですか」と聞いてもひたすら苦しんでいる。近くの友人に通報をお願いし、私はとりあえず水を用意して飲んでいただいた。「いま救急車を呼びましたから、頑張ってくださいね」と声をかけ、救急隊員に引き継いだ。通報で駆けつけていただけるのは本当にありがたい。
 
 119番通報同様に深刻なのは110番通報である。「ゴキブリが出た」、「テレビが映らない」など、警察業務に関係ないものや免許証更新の手続きについての相談なども多い。無言電話も、いたずらに違いないと思っていても、事件被害者が通報中に力尽きることも考えられるため、念のために警察官を現場に急行させるのだという。
 
 こうした公務に携わる人たちの存在は心強いが、こうした心ない通報のために救われるはずの命が救われなくなる可能性がある。不要不急な電話はしないという啓発活動が必要である。
 
 しかしそうは言っても、啓発されるべき人たちというのはこうした考えに耳を傾けない。天に唾を吐く行為に対して、有料化で解決するしかないのか。
 
 以前の職場の店内で、激しく嘔吐して顔色が悪いお客さんがいた。119番通報したが、救急車が出払っており、最初に到着したのは消防車であった。消防隊員が患者さんに話しかけるも様子を見ていただけであった。しかしそれでも緊急車両が来たことが心強かったし、後に救急車が来てそのお客さんは無事搬送された。
 
 有料化になれば、そんな通報もためらうのかと考えてしまう。「(有料だから)通報しないで!」ともし言われたら、医療の知識の無い赤の他人は傍観者になってしまう、そんな気がする。
 
 
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★ 救急車の有料化、僕は賛成です(読売新聞・15/5/15)
★ 救急車を呼ぶべきか困ったときは#7119 #8000に電話相談しよう(BAVERまとめ)
★ 救急隊員 救急車の有料化に「できればやめてほしい」ともらす(女性セブン・14/12/31)
★ 公費での救助は無駄遣いではありません(本ブログ・2013/6/24)
 
 

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