ルーズヴェルト都議会
東京都議会の本会議場。塩村文夏議員の発言中、「早く結婚した方がいい」とのセクハラ野次をしたとして、自民党の鈴木章浩議員が発言を認め、塩村議員に謝罪した。
「少子化そして、晩婚化の中で、早く結婚していただきたいという思いがある中で、あのような発言にになってしまったわけですけれども、本当にしたくても結婚がなかなか出来ないかたへの配慮が足りないということで、深くその発言において反省しております」と述べた。議員辞職はしないという。
塩村議員は、「今まで(野次が)無かったことになるんじゃないかと思って怖くて、これが一つのきっかけになると思っています」と語った。
しかし、「産めないのか」「まずは自分が産めよ」「こどももいないのに」などの野次の発言者については特定されていないうえ、名乗り出てくる議員はいない。
TBS系で放送されていた「ルーズヴェルト・ゲーム」(原作:池井戸潤)の最終回を見た。展開はベタなのかもしれないが、とても爽快であった。
「私一人の力じゃない。青島という風土があったからこそ、なし得たことです!」
青島製作所のイメージセンサーが、イツワ電器のものよりも優れていると認定されたことを受けて、開発部長が同社社長に向かっていったセリフである。
本編では、同社野球部が廃部の危機にさらされながらも、ライバルであるイツワ電器野球部に向かって諦めることをやめない姿勢で臨んだ。
青島製作所でも経営危機に陥った同社がイツワ電器に吸収合併されそうになりながら、同社の社員を守り、会社を守るための戦いを繰り広げる。
最後の最後、両社のイメージセンサーのどちらが性能が上か、コンペを行ったところ、青島製作所に軍配が上がった。
「お待ちください、我が社のイメージセンサーなら6割というコストです。6割です!」
「もうしわけないが、次元が違う」
「青島のイメージセンサーなら、御社の5倍、いや、10倍の価値がある」
「我々の期待に充分に応えてくれた青島の性能を、その目でよく見たまえ」
スクリーンには、ろうそくを見つめる少女の瞳、置き花のズーム、夜景の空撮の映像が流れた。
「とても爽快であった」と書いたのは、ベタな感動的な話だからではない。会社組織も、野球組織も、正しい自分たちであるための努力を怠らなかったからである。
相手を叱咤し、激励し、慰め、悲しみは共有し、喜びは分け合う。他者を尊重する気持ちがあることで、人も組織も成長し続けるものなのだ。
都議会での野次も、相手を思えば通常出ない言葉である。もしあの時、塩村議員が声を詰まらせたときに、誰か一人が「がんばれ」と声をかけてあげたら、いや、そんな野次があってもよかった。
「ルーズヴェルト・ゲーム」原作では、特定の主人公はいないということである。つまり、誰もが主人公でいられたということなのである。
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