管理ができないのなら閉鎖を 2ちゃんねる、警察の削除要請1000件を放置
インターネットの掲示板「2ちゃんねる」が警察から書き込み削除要請を受けていたにもかかわらず1000件以上放置していたことが読売新聞の取材で分かった。うち8割が薬物関連の書き込みで、同サイト内で犯罪行為を助長しているとの見方を強めている。運営側に通報しても削除されなかったケースは約2000件で、うち半数が2ちゃんねるであった。
2ちゃんねるでは「削除ガイドライン」を公表し、誹謗中傷や他人の投稿への妨害など削除項目を規定している。ガイドラインに抵触するか否かは「削除人」と呼ばれる担当者が対応する。
削除人経験者は「書き込みの自由を尊重するあまり、削除を裂ける傾向にある」、「もし違法薬物の取引などに対応しようとすれば今の体制では無理」「証拠保全」を理由に削除しない、などと主張しているが、あまりに稚拙な主張ではないだろうか。
警察は「削除要請をする前に証拠は押さえてあり、薬物の蔓延を防ぐために即刻削除に応じて欲しい」としている。そのうえ、2002年に施行された「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律」(プロバイダ責任制限法)に則った考え方も重要である。
2ちゃんねるのようなサイトは勿論、レンタル掲示板、ブログ、ホームページなど、あらゆるサイトの管理者は謝った情報やコメントが残された場合には適宜対処しなくてはならない。また被害者の権利を著しく侵害するような書き込みがあった場合、それに対する削除要請を受けた場合は積極的に善処することが求められている。権利侵害が止まないことで損害賠償請求されることもある。
かつて某ポータルサイトで配信されたニュースにより権利侵害されたとして、被害者がポータルサイトを運営する会社を訴えて勝訴した。ポータルサイト運営会社は「配信元のニュースまでチェックできない」などと主張していた。チェックができない、削除まで手が回らないというお粗末な体制であれば、そんなサイトは閉鎖すべきである。人の権利が侵害されているのにそれを放置して良い理由など存在しない。ネット上の情報は瞬く間にコピーされる。そういう危機意識がないものが運営しているサイト管理者のあまりに幼い対応である。
冒頭の薬物事案に関しては、麻薬特例法違反の幇助容疑で捜査がなされている。体をむしばみ人生を狂わす薬物事件の発展を巨大掲示板が助けていることは明白である。
★ プロバイダ責任制限法について(警視庁)
★ 2ちゃんねる、警察の削除要請1000件放置(読売新聞・12/3/28)
★ 元管理人側に広告収入 2ちゃんねる覚せい剤書き込み放置 当時の運営関与か(産経新聞・12/3/29)
★ 警視庁”有害情報提供サイト”統括事務局設置(本ブログ・09/9/30)