スティーブ・ジョブズ氏死去 56歳 前アップル社CEO 偉大なカリスマの死
若かったころマッキントッシュが(Mac)欲しくて仕方がなかった。パソコンを使って作曲をするのにMacが優れている、そういう話を聞いたことがあったからだ。しかし当時はなかなか手が出せないでいた。
その後Performa575という本体とモニタが一体となったMacを初めて手に入れた。それまでパソコンに命令文を打ち込まなくては起動しなかったソフトウエアが、マウスを使ってアイコンをクリックすることで簡単に起動できる。そんな今では当たり前のことをしたのが、Apple社前CEO・スティーブ・ジョブズ氏だった。
ジョブズ氏は友人と創業したアップルコンピュータ社(現:アップル社)で次々と新しい製品を開発。斬新なデザインの「iMac」はこれまでパソコンやインターネットに触れたことのない層にも圧倒的な支持を得た。
日本人にとって特に革命的だったといえるのが、音楽再生プレーヤー「iPod」の登場である。街で歩きながら音楽を聴くというスタイルは、ソニーの「ウォークマン」が確立していたが、それをあっという間にiPodがその歴史を塗り替えてしまったのだ。
そのスティーブ・ジョブズ氏が5日、56歳で死去した。ジョブズ氏は8月に病気療養を理由に経営の一線から退いていた。訃報の直前には新しいスマートフォン「iPhone4S」の発表をアップルが行ったばかりであった。「iPhone4S」の「4S」は「For Steve」を意味するのではないかという推測も流れている。アップルは大きなカリスマを失ったことで、経営の新しい舵取りを迫られる。
ジョブズ氏は自宅のガレージ(車庫)で初代Macを開発した。空っぽなガレージは新しいものを想像する場所として最適だったかも知れない。何もない所からアイディアが生まれる。何もない空間はそんな楽しみを見つける所である。
よく「最も偉大な功績を残した人の1人」という言い方がされる。それは間違えで、「最も偉大な功績を残した人」である。ジョブズ氏はそんな、唯一無二の存在であった。
アップルHP
アップルのジョブズ氏死去、革新を主導したカリスマ創業者(CNN・11/10/6)
デジタル産業の枠壊した革新者 スティーブ・ジョブズ氏(朝日新聞・11/6/6)
ジョブズ氏死去:ITのカリスマ悼む 全世界に衝撃(毎日新聞・11/10/6)
ジョブズ流経営どう継承 カリスマなきアップルに試練(日本経済新聞・11/10/6)
Apple創業者スティーブ・ジョブズ氏が死去(マイコミジャーナル・11/10/6)
米アップルのジョブズ氏、カリスマ経営者が残した言葉(ロイター・11/10/6)