言葉のリサイクル

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涙もろい人たち 「リトルチャロ」と「たったひとつのたからもの」

 
 JRの車両についているモニタを眺めていたら、NHKの英語アニメ・リトルチャロが映っていた。主人公のチャロは捨て犬で雑種の小型犬である。
 
 チャロ「自分の誕生日を知っているかい?僕は捨て犬だから分からないんだよ」
 
 パピヨンのキャンディが「もちろん知っているわ」と答える。
 
 今度はボクサー犬の怖そうで愛想のないドレッドに質問する。
 
 「自分の誕生日を知っているかい?僕は捨て犬だから分からないんだ」
 
 眠っていたドレッドが答える。
 
 「お前は翔太に拾われたんだろ。その日を覚えているか」
 
 チャロ「あれは雪の降っている日曜日の朝だった」
 
 「だったら、雪の降る日曜日はいつもお前の誕生日だ」
 
 〜それを聞いたチャロは温かい気持ちになり眠りにつきました。
 
 通勤中にこの話だけでグッと来た。
 
 先日は松田聖子主演のドラマ「たったひとつのたからもの」の再放送を見た。ダウン症であった子とその家族を描いたものである。このドラマを見ている時には5分おきに涙腺が爆発した。人前では泣かないつもりでいるので、独り暮らしはぐちゃぐちゃな顔を見られないで済んでよかった。
 
 時に人は「年のせいで涙もろくなった」ということがあるが、それは間違いである。年輪を重ねたことによって、真実の喜びや悲しみを知ったから本当の涙を流すのである。
 
 それでは若いころの涙は何か。それはぐずって泣いてしまう赤ちゃんの余韻を引きずっているだけの涙である。本当の喜びも悲しみも分からないから、それを目の当たりにして泣いてしまっていたのである。
 
 
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