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南田洋子さん死去 認知症で闘病、クモ膜下出血で重体(2009.10.21)

 女優の南田洋子=本名:加藤洋子=さんが21日、入院先の都内の病院で亡くなった。76歳だった。南田さんは17日夜におう吐するなどし、救急隊が駆けつけたところ瞳孔が開いており「極めて危険な状態」とされた。搬送先で重度のクモ膜下出血であることがわかり、夫の長門裕之さん(75)は、「医師に術後の3割が死亡、3割が植物状態、3割が元に戻る」と言われており「最悪のことを覚悟している。病室では一生分のキスをした」と20日の記者会見で述べていた。
 
 長門さんは会見で「俺は何かを待っている。生涯で失いたくないものを失う時間を待っているんです。いま動いているのは、人工呼吸器で自発的な呼吸が出来ない中で、心臓を動かすためにいろんなことを行っているが、現状はどんどん、どんどん、それを待っているのが辛い。ものすごい無常を感じる、そんなばかなことはあり得ない」とし、「洋子に何かあったら、次の日から俺はどうやって生きればいいのか、と。見当もつかない」とコメントしていた。
 
 南田さんは1933年(昭和8年)東京都港区出身。高校卒業後大映にニューフェイスとして入社、その後、日活に移籍して「太陽の季節」で長門裕之さんと共演、61年に結婚した。その後は多くの映画やドラマ、舞台に出演。長門さんとの関係は「おしどり夫婦」と言われていたが、長門さんの女性問題や浪費癖に苦しんでいた。また長門さんの父を長い間介護した経験もあり、その内容を後に出版し、介護経験についての講演も積極的に行っていた。
 
 南田さんは5年前に認知症を発症。長門さんは南田さんの介護のため、200坪あった自宅を売却、生活しやすいマンションに移った。それからは仕事のあるとき以外は昼夜を南田さんと過ごして介護をしてきた。
 
 昨年のテレビ朝日系列番組「徹子の部屋」に長門さんは出演した。映画の話をする予定だったが、旧知の仲である黒柳徹子さんの顔を見て安心したのか、南田さんが認知症であることを告白した。「いま・・・昨日と今日のあいだが・・あの、違う洋子なんだよ。どんどん忘れてる」と涙ながらに語った。
 
 その後、ドキュメンタリー番組で南田さんを介護する長門さんの様子が公開されるが、あまりにも変わってしまった南田さんの様子を明らかにしたことについて、「長門さん頑張って」「老老介護の問題を考えさせられた」という声がある一方、「認知症の妻をさらし者にするとは」「商売の道具にしている」と批判的な意見もあった。
 
 南田さんの意思不在であることが、公開することに否定的な考えの焦点にもなっている。南田さんの尊厳を踏みにじる行為であるという意見にも一定の理解はできる。しかしこうした侃侃諤諤の議論こそ、人の尊厳を守るために必要な行為である。こうした事に無関心になることのほうがむしろ、尊厳というものを考えなくなってしまう危険をはらんでいる。
 
 老老介護の実態、そして元気だった人が突然昨日までの出来事を忘れてしまう恐怖。それは女優としてではなく、1人の人間としてカメラの前に姿を見せてくれた南田洋子さんに敬意を表したい。
 
 21日、夫の長門裕之さんは、東京・明治座の公演に出演中であったが、夜になって記者会見をした。「きのうの今日のことですので、コメントは用意していなかった。何も言うことはありません。洋子は生きています。永遠です。公演が終わった後、お別れします」などと涙ながらに語った。
 
 もう、不安に駆られて苦しむ役どころは終わりました。南田洋子さんが安らかな眠りにつけますように。
 
 
☆ 老いたる女性というものは存在しない。全ての女性は、いくつになっても、もし恋をするならば、もし優しくあるならば、男に無限の瞬間を与える。(ミシュレ)
 
★ 元女優の南田洋子さんが死去(日刊スポーツ・09/10/21)
★ 南田洋子さんがくも膜下出血で入院 認知症で闘病中(本ブログ・09/10/20)
★ 消えていく記憶 認知症の南田洋子さん(本ブログ・08/11/3)
★ 南田洋子さんの認知症「介護は恩返し」長門裕之(本ブログ・08/10/4)
 
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