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時効成立 井の頭公園バラバラ殺人

 容疑者も真相も時効とともに闇に消えた。平成6年(94年)4月23日に、東京・三鷹市の都立井の頭恩賜公園内で、近くに住む一級建築士、川村誠一さん(当時35)の遺体がバラバラにされて見つかった事件は、24日午前0時に公訴時効が成立した。
 
 この事件は気になっていた。事件発生当時も今も、京王井の頭線沿線に住んでいる。時々この公園を散歩することもある。そして一番気になっていたことは、都内でも名高いこの公園で起きた猟奇的な殺人・死体遺棄事件の続報が当時は全くと言っていいほど無かったのである。しかし産経新聞の記事を読んで納得した。この事件の3日後に名古屋空港で中華航空機が墜落、264人が死亡する大事故が起きたのだ。報道紙面はそちらに割かれた。
 
 そして捜査していた警視庁だが、翌年3月に未曾有のテロ事件である「地下鉄サリン事件」が起きた。当時捜査一課の元刑事(61)はいつものように捜査本部のある三鷹署に向かっていたが、「築地署に向かって欲しい。霞ヶ関で大変なことが起きている」と電話連絡を受けた。捜査一課員は全員招集され、三鷹署捜査本部は解散になったという。
 
 オウム関連事件・捜査はその後収束するが、捜査一課が三鷹署に再び戻ることはなかった。都内では新しい事件が次々起きている。凶悪事件になれば所轄署に捜査本部が設置され、捜査一課が捜査支援に乗り出す。元刑事も三鷹署ではなく、別の捜査本部に行くことになったのだ。新たな物証などが見つからない限り、捜査本部体制での再捜査は行われない。三鷹署だけで継続捜査するしかなかった。
 
 地下鉄サリン事件の4ヶ月後に発生した「八王子スーパー強盗殺人事件」、平成12年12月の世田谷一家殺人事件の2件は、継続捜査されている稀なケースであるという。そして所轄の三鷹署管内でも「居酒屋副店長強盗殺人事件」「薬局店内強盗殺人事件」の少なくとも2件の強盗殺人事件が未解決のままだ。
 
 05年1月1日の法改正によって、殺人のような死刑に該当する罪に対する時効が15年から25年に伸びた。しかし、法律の不遡及、つまり遡って適用しないという大原則があるため、05年より前に発生した殺人事件の時効は15年のままだ。
 
 井の頭公園はそのほとんどが三鷹市に属するが、一部は武蔵野市にも属している。近くには都内有数の繁華街を持つJR吉祥寺駅がある。賑やかな公園ではあるが、夜になると街灯があるとはいえ暗くなる。園内を通過する地域住民以外に、外部の人間がいたとしても分かりにくい。
 
 そしてどうしても分からないことがある。なぜ犯人はこの公園に被害者を遺棄したのであろう。仮に現場から離れたところから車で来たとして、駐車スペースから園内の複数のゴミ箱に遺棄する事はかなりの手間に思える。
 
 時効で終結した今回の事件。しかし本当は時効よりも、断続的に物証や目撃証言が見つからなかったことが残念でならない。被害者である川村さんの無念さを思うと非常に残念なことである。そしてどこかに潜伏している犯人が憎らしいし、日常生活を送っていると思うと腹が立つ。警視庁によると、捜査1課が特捜本部を設置した殺人事件のうち、昨年だけでも6件が時効を迎えた。時効が成立してその壁が無くなるのは犯人だけだ。残された遺族にとっては、壁のままであり続けてしまうのである。
 
 
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★ 【衝撃事件『未解決』の核心】異常さ際立つ猟奇的犯行 なぜ捜査は暗礁に…井の頭公園バラバラ殺人事件(上)(産経新聞・09/4/18)
★ 【日本の議論】時効の壁はなくせないのか?(産経新聞・09/3/29)
★ 「終わらせない」 井の頭公園切断遺体事件、23日時効(朝日新聞・09/4/22)
 
 

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