言葉のリサイクル

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退化した”ケータイ世代”

 先日、10年前に受信したメールのバックアップが見つかった。昔は意外な人とやりとりをしていたものだと再認識。そして当時のメールというのはどれも長文であった。これは当時の通信事情によるもの。今のようにブロードバンドではなかったので、メールを送るとなると気合いを入れて書いたものだった。
 
 大学に身を置いていると若い世代からメールをもらう。ある日「なんでメール返信してくれないんだよう」と嘆いたところ、「だってNonoさんのメールは長いから」と返ってきたことは衝撃的だった。メールはある程度長い方が喜んでくれるものと思っていたので、絵文字顔文字を駆使して一生懸命作ったものなのに、否定されてしまった。
 
 考えてみると、携帯やPCに来るメールは短文化が進んでいる。せっかく文字数が数千も送受信できるのに、ショートメッセージ並みのメールが多い。いや、ポケベル並みといってもいいかもしれない。
 
 当たり前だが携帯電話というのは電話だ。この電話を使いたがらない人もかなりいる。仕事上ではフル活用するが、そうでないと”ショートメッセージ”が届く。はっきりいってショートメッセージに返信するのは面倒だ。電話のほうが速い。
 
 以前住んでいた所の近くは女子寮があり、夜ともなると公衆電話に長蛇の列ができ、彼氏や友達と話すことを目一杯楽しんでいたように見えた。最近の電話は高機能の一途をたどっているのに、電話を使いこなせない若者が多くなっているような気がする。
 
 くだんの若い世代は「電話で話すのは苦手」とも言っていた。ネットやメールで繋がっているような錯覚に陥ってはいないだろうか。コミュニケーションの基本は話すこと。友人との繋がりがあるようで、孤独な若者が多い気がする。
 
 
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