言葉のリサイクル

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図書館で「切り抜き」「線引き」横行

 
 読みたいと思った本に巡り逢うのは、運命の人を探すくらいに大変であり、少しばかり楽しい作業である。やっとの思いで見つけた本と過ごす数時間というのは楽しい。ところが最近、全国の公立図書館で図書に線を引き、写真などを切り抜く行為が横行しているという。信じがたい行為である。
 
 東京・世田谷区の図書館で、若い女性がファッション雑誌の写真を切り取っていた。見つけた職員が注意すると「どうしていけないんですか」と逆に質問されたというから驚きだ。
 
 言うまでもないことだが、図書館の書物は公共の財産だ。これに傷を付ければ、他人が迷惑することを考えなくなってきている。これは若い世代のみならず、中高年層にも広がっているというからマナーの欠落ぶりは著しい。
 
 コピー&ペーストは自分のパソコンの中でのみ許される行為。もしかすると、ネット感覚の意識が現実世界をも巻き込もうとはしていないだろうか。ネットはネット、現実は地に足の着いたルールで形成されている。個人主義が引きこもり状態になり、対「集団」から目を背けてはいないだろうか。
 
 彼らは常識をも切り取り、偏った線引きをしているのである。冒頭で「信じがたい」「驚きだ」「言うまでもなく」と書いた。彼らには何が信じがたくて驚きなのか分からないのだろう。自分以外の人や物は大した存在に思えないのかもしれない。もう子供の意識は卒業していただきたい。
 
 家庭で良いこと悪いこと、常識非常識を学び、凛と生きている人たちにとっては理解不可能な事件である。最近は酒を提供する店で「車は運転しません」という誓約書を書かせるところもある。図書館も「本を傷つけません」という一筆を書かなくてはならなくなるのだろうか。
 
「どうしていけないんですか」という人に聞きたい。
 
「どうしてやるんですか?」
※器物損壊罪・・3年以下の懲役または30万円以下の罰金もしくは科料。
  
  
☆ 一つのものが同時に善であったり、悪であったり、そのいずれでもなかったりすることがある。例えば、音楽は憂鬱な人には善であるが、喪に服している人には悪であり、耳の聞こえない者にとっては善でもなく悪でもない(スピノザ )
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★ 図書館の本、傷だらけ…「切り抜き」「線引き」横行(読売新聞・06/12/12)
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