サザンオールスターズ観 SASの快進撃

 
 デビューして25年を経過したサザンオールスターズ(以下「サザン」)。今では珍しくないその音楽スタイルも、デビュー当初は「コミックバンド」との評価を受けたという。
 
 この時の映像を観たことがあるが、当時とすれば派手なパフォーマンスや歌詞は異質な存在なのであろう。コミックバンドと揶揄されたサザンも「いとしのエリー」でその存在を世に誇示することとなった。この曲はのちにRay Charlesもカバーし、楽曲の質が高いことを国外にも認められたことになる。2000年にリリースされた「TSUNAMI」はサザン自身のトップセールスを記録することになった。
 
 楽曲の質はコミックバンドと揶揄されていても、一定の支持を保っていた。昭和時代の音楽番組では必ずランクインし、番組出演を渋るアーティストが少なくなかった時代も、その言動には愛嬌があり視聴者を楽しませてくれた一面もある。
 
 「サザン」として親しまれている名前。得てしてアーティスト名というのは省略されて呼ばれることが珍しくない。アーティスト本人はこれを不快に思うこともあるかも知れない。木村拓哉が「キムタクと呼ばれるのが嫌だ」と言っているが、そうであろうか。アーティスト名が省略されているというのは、それだけ視聴者が口にする機会が多いという点で認知度が高い証拠だと言える。
 
 このサザンという名前の由来はなんであるかを調べてみた。夏のイメージで作られた造語だと思っていたが、そうではなく、友人が考えてくれた名前なのだそうだ。当時桑田がはまっていたクラプトンなどのサザンロックと、フォニアオールスターズの二つをくっつけた名前だということである。(参考URL「バンド名の由来辞典—他人が付けた名前」http://www4.plala.or.jp/band/08.html)
 
 レコード会社が付けたり、事務所が考案した名前ではないことから、個性的なネーミングが認知されている。これが商業的に商品としてのサザンを成功していることになるだろう。今では「Southern All Stars」と表記されることもあるが、当時は「サザンオールスターズ」であり、地位を確立したパッケージングされた商品は、どちらの名前表記でも問題なく視聴者の目にとまる。アルファベットが多用され、誰が誰だか分からなくなるような「商品」の多い昨今である。知名度を上げたければ、アーティストはその名前をおざなりにしてはいけない、というのも一つの要素である。
 
 勿論、名前だけが成功の構成要素ではない。視聴者の多くは街で、テレビで流れるメロディラインに「この曲、いい。誰の曲?」と言うところから始まり、そのアーティストに注目することになる。メロディに魅了されると、その歌詞を分析することになるだろう。カラオケが大衆文化として受け入れられている昨今では、他人が歌っている曲の歌詞をモニタして、「これはいい詞だね」という感想が挙がることが珍しくない。
 
 サザンの詞も夏に徹底して固執しており、ワンパターンもそれに執着すれば個性になる。夏を言葉で並べてください、と言われればサザンはそれにひるむことは全くないであろう。また、サザンは遊び心にも長けていて、卑わいな言葉もしくは、それに聞こえるといったないようの詞も珍しくない。「ボディスペシャル2」では「man callで」というくだりも出てきてドキリとさせられる。
 
 その言葉の使い方も今と昔では変わってきている。カタカナ語を多用していたサザンではあるが、TSUNAMIでは昔に比べてカタカナ語がほとんどない。これは最近成功しているアーティストの傾向でもある。森山直太朗は歌詞にカタカナ語をほとんど使っておらず、これが幅広い年齢層に支持されている要因でもある。
 
 前述のように、カラオケが普及している向きもあり、歌詞の内容を重視するアーティストが少なくない。英語を多用する向きは90年代初頭から見ることが出来たが、その時は確かに斬新であった。しかし、利く年代が限られてしまう。年配層には何が何だか分からず、楽曲の評価も落ちてしまうことになりかねない。
 
 サザンというと夏のイメージがあるが、どの楽曲にもそのメロディラインが惜しむことなく散りばめられている。「コミックバンド」の代表作でもある「勝手にシンドバッド」は当時としては歌詞が分かりづらい部分もあったが、新風を巻き起こしたことは想像に遠くない。楽曲も夏のノリのいいテンポに載せた派手な音階で飾られていて、何ら聞くものを構えさせる上品さはなく、当時の若者の心を引きつけた作品であるといえるだろう。
 
 TSUNAMIが圧倒的に支持を受けたのは、メロディラインの美しさや歌詞の良さである。聴くものを魅了したのはサビの部分の高音域であろう。「鏡のような夢の中で」そして最後のほうの「死ぬまで好きと言って」という高音域はカラオケ好きならどうしても歌いたくなる部分である。
 
 しかし、サザンはそれを狙っているのではない。我が道を行くアーティストというのは、時代にこびることはなく、独自の音楽宗教観に基づいて楽曲制作に取りかかる。もう他人のアドバイスなど入らないのである。
 
 バンドという形態をとりながら、四半世紀も活動が続いていることも凄いことである。多くのバンドが数年で解散してしまうことが多い中、サザンは内紛も何もなく、これでもか、というくらいに淡々と音楽活動を続けているのである。
 
 桑田佳祐は一説によると、楽譜を読み書きが出来なかった。それを奥さんである原由子が教えてあげたと言うことらしい。今では奥さんに依存するまでもなく、自らがギターを握って他の追随を許さない楽曲の提供をしている。
 
 一度成功を手にすると、販売店側も協力体制になるのは当然である。夏ともなれば、店頭にはサザンのCDが面陳列されており、おじさんロックは色あせることなくその支持が続くことになるであろう。是非、頑張って欲しいところである。
 
参考URL「サザンオールスターズHP」
http://www.jvcmusic.co.jp/sas/index.html
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