言葉のリサイクル

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安全と質

 
 「安全第一」という言葉があるが、これはどんな人にも平等に当てはまる言葉である。思想の左右や立場の上下、そして洋の東西を問わない。もっと言えば「安全第一」の対象は人間だけにとどまらない。他の動物や植物がその種子を絶やすことのない安全な状態、空気であるといえる。「安全第一」には続きがあり、品質第二、生産第三となる。かつてはその順番が逆で、生産第一であったという。次が品質で最後に安全であった。
 
 「生産性」という言葉は、「生産過程に投入される生産要素が生産物の算出に貢献する程度」(デジタル大辞泉)、しかし、「最先端の工作機械を導入したとしても、それを操作する人が未熟であったり、操作ミスをしてしまったりすると、工作機械はうまく作動せず、故障を起こしてしまうこともある」(日本生産性本部)とある。
 
 一人の議員が発したとされる、特定の人たちは「生産性がない」という発言に注目が集まった。その意見に反対であれば、一議員のことはともかく、未来へつながる議論へとつないだほうが建設的である。身の回りが便利になること、それを考えて実践することは自分を喜ばせることになり、他人を幸せにし、そして社会を一歩前進させる礎となる。これまでも考えることをやめなかった人たちの行動が地球を潤してきた。有言実行、これからもきっとそうである。
 
 引き合いに出すのは申し訳ないが、自らが難病である進行性筋ジストロフィを発症しつつも、介護医療機器会社のHNI(ハンディネットワークインターナショナル)を設立した春山満さんが2014年2月に亡くなった。60歳。首から下が動かなかった「車いす社長」であったが、コーヒーやジュースをストローで飲み、移動は社員が数人一緒になって移動する。介護現場に手を入れる必要があったという思いで社員と一緒に会社を運営してきた。専務取締役である妻の由子さんは満さんの病気を承知した上で結婚した。
 
 民主主義を標榜する荘厳な議会があったとしても、中で働く議員がうまく機能していなければ、必然的に生産性が低いということになる。安全や質を無視した議会運営というのは何も生産することはなく、その視野を国内外の未来に広げることはできないであろう。
 
 
★ 株式会社ハンディネットワークインターナショナル 
★ 車いす社長・春山満は何を残したか?ピンチに動じない大局観と明日への希望(THE PAGE/2014/5/3)
★ 筋ジストロフィー(難病情報センター/公益財団法人難病医学研究財団)
 

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