露骨な表現続けるテレビ

 
 かつて視聴率を独占した怪物番組「8時だよ!全員集合!」は凄かった。舞台の上で動物が登場したり、セット上方を車が飛んだりする大掛かりな仕掛けが登場した。こうしたセットを瞬時に設置して次の瞬間には歌手が歌うためにそのセットを片付ける。出演者やスタッフさんの苦労があってのことだが、これが生放送で毎週公開されていたことが凄かった。
 
 昭和45年8月8日には東京・杉並区の旧杉並公会堂で一度だけ公演があった。同区郷土博物館分館ではその時の舞台デザインをした山田満郎氏の設計図や舞台裏を紹介する企画展を行われているという。当時のVTRもあるといい、入場は無料だそうだ。
 
 このお化け番組も現在では同じように放送するのは不可能だと言われている。

出演者のギャラの高騰などによる費用面の問題・出演者に掛ける保険の費用高騰・安全性の問題・その後の様々な表現規制・芸能事務所の生放送番組に対するスタンスの変化などといった業界事情の変化により、現在ではこの様な規模の公開生放送番組を毎週1回のペースで作ることは極めて困難であり、かつてドリフのマネージャーを務め、現在ドリフメンバーが所属するイザワオフィス社長の井澤健も『週刊新潮』のインタビューで「時代が変わり過ぎて、現在ではもう再現不可能な要素が多過ぎる」と語っている。(Wikipedia「8時だョ!全員集合」)

 
 特に表現の部分では規制が緩かった当時と今とでは違う。お笑いの世界では法令遵守が叫ばれるようになった。テレビ番組のキャラクターについて、LGTB関連の団体がテレビ局に抗議したことは記憶に新しい。「地上波ではお笑い番組が難しくなった」とも言われる。こうしてお笑い番組やバラエティは変化していくのかもしれない。
 
 その一方で、報道はどうであろうか。宮崎勤による連続女児殺害事件では内容の一部を省略して報道されるなどの配慮があった。また犯罪史上で極めて冷酷と言われている北九州監禁殺人事件では、内容があまりに壮絶であったことから報道規制がされ、知名度があまりない事件とされている。新聞でも主犯が死刑になったと簡単に伝えただけであった。
 
 神奈川県の事件では残忍な手口がワイドショーやニュースで繰り返し放送された。一部をゴミに捨てたとかいう表現を夕食のニュースで言うわけである。ここまで詳細にテレビで報道する必要があるのだろうか。
 
 衝撃的な事件であり視聴者の関心の高い事件であることはわかる。しかし、手口や方法を詳細に表現し分析することは視聴者の知る権利の助けにはならない。我々は犯行態様を知って、そうした犯罪を理解するつもりはまったくないからである。
 
 報道の自由、表現の自由、知る権利を並べて考えるのは難しい側面がある。しかしもう一度考えたいのは、そうした被害者をなくすためにはどうするかということである。遺族や周辺住民の方の心のケアも必要である。
 
 WHO 自殺予防 メディア関係者のための手引き

 厚労省のウエブページ内に、メディア関係者のための手引として、「自殺をセンセーショナルに扱わない」、「写真や映像を使うときは慎重を期する」などの項目があり、救済されるべき方法を提示する、ということも書いてある。
 
★ WHO 自殺予防 メディア関係者のための手引き (2008年改訂版日本語版)厚生労働省
 
 
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★ ドリフの舞台の裏側を紹介 東京・杉並で全員集合展(中日新聞・2017/11/2)
★ 分間企画展『8時だョ!全員集合』昭和45年8月8日 旧杉並公会堂生放送(杉並区・郷土博物館分館・2017/10/20)
 

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