ケーブルカー運休で地元の”足”が消える 東京・御岳山

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 東京西部にある御岳山(みたけさん・929m、青梅市)は高尾山(599m・八王子市)と並んで都内にある登山可能な山だ。どちらも観光誘致に力を入れているが、高尾山が都心新宿から1時間ほどでいけるのに対し、御岳山は2時間ほどかかる。高尾山にはケーブルカーとリフトがあり登山をしなくても山頂まで行くことが可能である。御岳山にも同様にケーブルカーとリフトがある。
 
 御岳山で以前、ケーブルカーを利用してふもとから上ったところでランドセルを背負った小学生に会った。なんともこの空に近い所に住んでいるのかと驚いた。
 
 その御岳山のケーブルカーが、2016年の1月から3月まで整備のために運休することが明らかになった。これに困るのは御岳山頂の近くで民宿や土産屋などを営み住んでいる人たちである。
 
 居住人口は140人ほど。周辺には「御岳山1丁目」と書いた住居表示プレート、週2回ほど運営されている診療所、公民館、ポストもあった。土産屋の従業員女性は「歯科に行くのに(青梅市より都心の)福生市まで行っている」と言っていた。
 
 また、自動車は許可を受けた軽自動車のみが通行可能であるようで、車上に青色の回転灯をつけて上がろうとしていた宅配業者を見かけた。
 
 こうした車で相互通行できるほど道幅は大きくなく、歩いての下山に40~50分ほどかかる。しかも樹木に覆われており暗くて危険だ。ケーブルカーが住人の足となっていることもあり、ケーブルカーの運休は大きな問題となりうる。
 
 いわゆる過疎の町と比較するのは間違いだが、地元で交通手段となっている公営バスなどのサービスが軒並み廃止、運賃の値上げというニュースを聞く。少子高齢化で社会的弱者が、基本的な行動である外出という日常を送ることが困難になっている。長寿の国としてはあまりにも厳しい現実である。
 
 御岳山の自治会では「介護や通学などに支障が出る。降雪期でもあり心配だ」と語っている。自然と同居することは時に困難を伴う。自然立国である日本はその地理的要因と常に対峙する必要がある。都会は電車や高速道路が発達するが、数を運ぶとなると、都会と地方の天秤はなかなか平等にならないようである。

 
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