非恋愛型のストーカーが増えている

 俳優さんというのは、一人で笑う芝居をするときには面白い事でも思い出しているのだろうか。 
 
 ドラマ「相棒」の再放送を見ていてぞっとした。本シリーズでは、ストーカーが関係している話がいくつかあるが、中でもシリーズ5の12話「狼の行方」で、木下ほうかさん演じる「神崎哲哉」のストーカーが恐ろしい。
 
 ストーカーの定義というのはいうまでも無く、曲がった恋愛感情が抑制できずに嫌がらせを恋愛対象者に押しつける行為である。脅迫、つきまとい、暴行などの嫌がらせ行為をする。
 
 「神崎」のストーカー行為は典型的であるが、一人で泣いているシーン、そして太陽を背に一人で高笑いしているシーンはストーカーの悲哀と狂気を感じさせる恐ろしい部分である。
 
 埼玉県桶川市で発生したストーカー殺人事件を機に制定されたストーカー規制法であったが、その後も痛ましい事件が続いている。警察の対応がもどかしい部分も否めない一方で、捜査着手後に被害者が萎縮してしまい告訴を取り下げるケースもあるという。また、つきまとい行為などが「気のせいだった」ということもあるそうだ。
 
 そうなると捜査する側の士気も失われる。時間と人員をかけて捜査したのに、被害者側が非協力的であれば何もかもが無駄になってしまう。しかしそうはいってもゆがんだ恋愛感情で異性を追い回す輩は減らない。痛ましい事件になる前に手を打つ必要がある。
 
 大阪府警察本部が平成24年に受理したストーカー相談受理件数は1423件である。すべてをすぐに対応するのは難しいので、府警ではチェック項目を設けて危険度の高い事案から捜査に着手する。
 
 しかし近年では「非恋愛型ストーカー」というのが増えているのだという。「クローズアップ現代」によれば、従来のストーカー規制法で取り締まりに対象になるのは、「恋愛感情を抱くこと」が条件であった。つまり、恋愛感情のない嫌がらせ行為は同法での取り締まり対象にならないのである。
 
 同番組によれば、なぜ「恋愛」がキーワードになっているかといえば、対象を拡大してしまうと正当な理由であちこちに出没するような報道関係者なども捜査対象になりうるからだという。しかし番組に出演していた専門家は「正当な理由があれば処罰されないのであるから、恋愛感情だけに限定しない方が良い」と語っていた。
 
 非恋愛型ストーカーの場合は、状況に応じて軽犯罪法違反(つきまとい行為の禁止)、都道府県迷惑防止条例違反、脅迫罪、名誉毀損罪、暴行罪、傷害罪などの法令を適用する事も可能であり、決して裁かれない行為でない事は明白である。前にも書いたが、相手の身柄を拘束する事は一定の刑罰を与える上で効果的である。
 
 恋愛型にしろ、非恋愛型にしろ、警察や法律事務所に相談する事が必要であるが、警察官も弁護士も人間である。感情的に一方的に話をされても分からない。日頃から証拠を記録するなどして、第三者が見ても何らかの事件として立件できそうな状況を用意しておくべきである。
 
 パワハラやセクハラの被害者も録音や録画したりして証拠を残す。しかしそうした行為がいつもできるとは限らないので、自分宛に事実を記したメールを送って証拠に残すのが手っ取り早い。メールは日時が記録される。場所と内容と客観的な事実を残しておくのである。
 
 そして、告訴の意志を固めたら警察などに相談しに行くべきであるが、危険性の高いときは遠慮なく110番通報が良い。制服の警察官が来てくれる事だけで心強い事もあるだろう。
 
 ストーカーの原義である、stalkという単語は「忍び寄る」という意味と「大手を振って歩く」という対極的な意味がある。悲哀と狂気に気付かないこの身勝手な行為には司法の裁きと加害者側への根本的なカウンセリングが必要だ。これ以上、被害者を出さないための対策が急務である。
 
   
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