公式コメントに足りないあと”1ミリ”

 歌手、aikoが歌う「花火」という曲がある。その中に、「1ミリだって忘れないと・・」という歌詞がある。つまり少しも忘れることはない、という意味を表現したものであり、aikoらしい表現である。
 
 昨年10月、自民党の安倍晋三総裁は米バーンズ国務副長官と会談をした際に尖閣諸島について、「(中国と)話し合う余地はない。領土問題はないのだから、1ミリも譲る気はない」と述べた。
 
 携帯電話の無料通話アプリとして名高い「LINE」が有料になるというデマがツイッターで広がった時、LINEを運営する会社の担当者が「今までと変わりなく無料です。今まで1ミリも考えたことないですよ、有料化なんて」などとツイートした。
 
 友達同士の会話なら結構だが、ある程度の地位のある人が公言するのに「1ミリ」などといった俗っぽい表現を使うのは安っぽい言葉でありやめた方がよい。安部さんなら「一歩も譲らない」といえばよいことだし、LINEの有料化は「一度も考えたことがない」といえばよい。
 
 こうした言葉の使い方が気になるのは、英語で言ったらどうなるかを考えてしまうからだ。安部さんに同行した通訳者がどう訳したか知らないが、「一歩も譲らない」は「1ミリ」ならぬ「1インチ」を使った、”not yield an inch”がある。しかし、尖閣を語るのであればこちらの表現がずばりだ。それは、”hold one’s ground”である。groundを使うので、領土を語るのならちょうど良い。
 
 言葉は人柄を表す。一過性の流行語なら目くじらを立てることもないが、最近は「普通に」に代表されるように度量衡のさじ加減が分かりにくい表現が氾濫している。言葉というのは使い方には注意が必要であり、言葉一つで人を傷つけることもあれば勇気づけることもある。そして混乱もさせるのが言葉である。
 
 LINEの有料化は根も葉もない噂であったが、情報源を確認せずにツイートをするのもよろしくない。正しい情報の発信は、1ミリのブレもあってはならない。
 
 
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★ 自民・安倍総裁「1ミリも譲る気はない」米国務副長官と会談(産経新聞・12/10/15)
 
 

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